哀しい先輩
俺の職場での話。
俺の職場の先輩は面倒見がいいし、仕事もスゲーってほどじゃないけど確実で、取引先からも指名で仕事が来たりする。
ただ、ちょっと困ったとこは、異様に家族のことを大切にしてること。
奥さんや娘さんのことを話し出すと止まらなくって、
休日明けなんかは家族と何をやった、どこへ行ったってことを写真を見せびらかして話してる。
それだけならいいお父さんで済むんだけど、問題は奥さんと娘さんが既に他界されてること。
それ以外は本当に頼りになる人で、仕事にも支障がないから、みんな触らないようにして過ごしてる。
で、いつぞやの忘年会のこと。
その年は割とデカイ仕事が成功したこともあって、忘年会はかなり豪勢だった。
先輩もいつになく上機嫌で、普段は絶対にしない深酒をして、
終いには歩くどころか、いすに座ってるのもままならないことになってた。
そんな状態だから一人で帰すわけにもいかないけど、先輩は家族が待ってるからと、帰ると言って聞かない。
しかたなく、社長命令で俺ともう一人の同僚が送って行くことになった。
同僚は下戸で車に乗って来ていたので、その車で先輩の家まで行くことになった。
(本当は同僚だけが送って行けと言われたのだけど、見捨てられず付いて行った)
先輩はどっから見ても酔い潰れてるってのに、いつの間にか持ち帰りを頼んでて、それをしっかり抱えてたのを覚えてる。
先輩の家に着くと、当たり前なんだけど家の中は真っ暗。
いくらか回復してた先輩は、「もう寝ちゃってるなー」と言って笑った。
お茶くらい出すからと言うのを、とっくに日付も変わってるしと断っていると、
トタタタタタ ガチャ 玄関が開いた。
「なんだー、起きてたのか。お土産あるぞー」と、どこか嬉しそうな先輩。
真っ暗な家に入っていく先輩に俺らは、それじゃと言って車に乗り込んだ。車の中でガチガチ震えてる俺ら。
「……なあ、先輩は、何と住んでるんだ?」今でも先輩は、誰も写ってない奥さんと娘さんの写真を見せてくれる。
ちなみに、奥さんが死んでるっていうのは、俺らも葬式に行ったから知ってる。
というより、社員全員が手伝いに行ったんだけど。
『哀しい先輩』 – 怖い話まとめブログ
地下の住人
昔配水管の点検するアルバイトしてた。地下に潜って管に異常は無いか調べる仕事。
ちょっとした冒険みたいで毎度ワクワクしながら働いてた。まだ始めたての頃、管に潜ると人がいることがあるから気を付けろって先輩に言われた。
人を見つけたらまず声をかけて、何も言わず逃げていく奴は絶対に追うなと。
何度か潜って分かったけど、場所によっては人が住めるような管があって住み着いてる浮浪者に遭遇することもあった。
浮浪者はまあ安全なのだけど、その頃はまだ左翼の過激派なんかがぼちぼち活動してた頃で
過激派が居住してたらしき跡も見つけたことがある。今思うに結構危険な仕事だった。
10メートルも潜ると完全に真っ暗で正直言って心霊的にもかなり怖い。
一度、奥の壁全面にみっちりお経みたいな文字が書かれていたことがあって戦慄した。
そんなこんなで楽しく働いてたある日、川にあるあの横穴から中に入ってく仕事がきた。
このタイプの管は最深部まで行くと、配水管の合流点にたどり着くことがある。
色々なとこから水がぶわって流れてて中には巨大な滝もあって絶景の一言につきる。
それを見るのが楽しみで意気揚々と中に入って行った。20メートルくらい進んだところで
奥に人影らしきものを発見。「そこで何してる」とさっそく声をかけたけど、返事が無い。
そこは増水したら水が流れるし、まず人が入り込むような場所じゃない。
ゴミでも詰まって見間違えてるのか、それとも何か悪さしようとしてるんじゃないかと、とにかく確かめることにした。
近づいてみるとやはり人間っぽくて微妙に動いてるから、「おい、危ないからでろ」と
声かけながらさらに接近。すると向こうも奥の方に逃げていく。なんか金属で壁を叩くような妙な音させながら。
ちょっと仕事に慣れっこになってた俺は捕まえてやろうと追いかけた。
けど、気づいたら合流点の手間まできてて危うく落ちる所だった。その上、人はどこにもいなくて
滝の音とキンッキンッって音だけがコダマしてた。慌てて逃げだして入り口で見張りしてた先輩にそのこと話たら
だから追うなって言ったろと叱られた。他にも何人か見た人がいるらしくて、業界じゃ有名な話だったらしい。
俺はそれで潜るのが怖くなってやめてしまった。
俺も詳しくは分からないんだけど、街に溜まった雨水を川に流す管と川に溢れた水を何処かに流す管があるらしくて
山に面した住宅街とかに結構ある。他は職場の人から聞いた眉唾物の話しかない。地下鉄のトンネル掘り現場で土偶や壺と一緒に人骨がでてきて
警察に連絡したら、大学に回した方がいいだろうと言われて、寄贈した大学側で年代測定をしたら現代人の骨だったとか
星と何かの絵柄が描いてあるマンホールは旧帝軍時代の地下施設に繋がってるとかそんなのばかりだ
地下の住人 – 死ぬほど洒落にならない怖い話
錆びた槍
俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。
よく田舎って、『本家』みたいなのがあるのは分かるかな?
その一族の本家っていうかさ、要は親戚縁者を統括する家みたいなの。
血筋の出所って言えば適切かな。まぁそういうのがあるんだわ。
その本家はね、三百年くらい歴史がある、その土地の権力血筋だったんだ。
あまり詳しくは書けないけど、立派な造りなんだよ。ボロっちいけどね。その本家で俺がまだ当時小学生だった時、夏だったかな、
大人達が囲炉裏のあったっていう(今はない)部屋で、何かゴソゴソ話してるの。
もちろん俺といとこは気になっちゃって、こっそり盗み聞きしようとしたんだ。
大人達っていうのは親戚のオサーンとか、俺のじいちゃんとか、そこら辺の親戚の人間ね。
田舎はコミューンが小さいから、結構血が繋がってるんだ。人口少ないし。
「…どうすん…部屋…」
「空いて…近づくしかね…閉め…」
みたいなこと話してたんだ。あまりよく聞こえなかったんだけどさ。
まぁ盗み聞きはソッコーでバレたんだが、親戚のオサーンが、
「おめら、何もきぃてねぇべな!!きぃてねぇべな!!」って、凄い剣幕で俺らに言ってきたんだ。
いつもは超優しいオサーンだったもんだから、その形相に俺らはビックリしちゃって、
「何も聞いてない」って言ったの。
そしたら、オサーンはいつもの優しいオサーンに戻って、
「そうか…」って胸をなでおろしていたのを、今でもハッキリ覚えてる。
時期はお盆でした。
風習も面白いところなんだが、俺らガキは大人達から、
「お盆の海では絶対にお酔いじゃダメだぞ」みたいな事をいつも言われてた。
まぁシカトして泳いでたし、そういった霊体験みたいのは何もなかったから、全然平気だったんだけどさ。
まぁよく言う、海で泳ぐのは危険だから、お盆特有の霊現象みたいなので、
子供を海へ近づかせない常套句だったんだろね。
これは全国各地である話だよね。話がちょっと脱線したけど、いつもの夏通りに海へ出かけて釣りしてたの。
釣りへ出かけて楽しんでるとさ、釣りへいつも連れて行ってくれてる親戚のオサーンが元気ないんだわ。
さすがにガキながら心配になり、「どうしたの?」みたいな感じの事を言ったんだ。
そしたらオサーンは、「どうもしねから、どうもしねから」って、上の空みたいな返事しかしない。
この時点で今ならかなり怪しいと思えたんだが、なにぶん、当時は小学生のガキだったもんで、
そこまで気にせず釣りを楽しんでたんだよね。
俺らは釣りにすごくハマってて、夜釣りもしてたんだけど、
いつも通りオサーンに、「夜釣りに連れて行ってくれ」って、俺らは夕方くらいに頼んだの。
オサーンは何故かかなり拒否して、「今日はやめとくべ」って言ってきたんだ。
いつもはね、「あべ、あべ」(←行こう。の方言だよ)って自分から言ってくる人なんだけど、
何故かかたくなに拒否されたんだ。
もうこの時は、確か盆の入り直後だった思う。
不思議だなと思ったんだけど、俺らはコッソリ夜釣りに黙って出かけちゃったんだよね。夜釣りを楽しんでるとさ、いとこの一人が俺に言ってきたんだ。
「A(俺)、何かあっちさ人たってねは?」
あっちって方向を指差したのは海のど真ん中。
コの字型の岸壁のど真ん中で、確かに人らしきのが海の上に立ってるの。
最初は、舟の上で漁師のオサーンが何かしてるんだろうなって思ったけど、そんな気配はない。つーか、舟がない。
きっと幽霊だと思って、なんか俺らは怖がらずに、逆にテンションあがってワイワイやってたんですよ…。
アホだ…。
そしたら、オサーンとじいちゃんとかが、俺らが釣りしていた岸壁にかなり飛ばして来た。
俺ら見つかって、オサーンとじいちゃんにかなりその後しぼられたんだ。
車の中で「何か見たか?何か見てねぇべ!?」って言われてさ、
俺らはその幽霊らしきのを見たとは言わず、また事実を隠しちゃったの。
そしたら、また大人達が胸をなでおろしたのが、マジで印象的だった。車の中で本家に帰る途中、ずっと大人達は無言だったんだ。
俺らはそれに不思議がったんだけど、俺は勝手に釣りに出かけたら怒ってるんだろうなって思ってた。
家に着くと、大慌てで婆ちゃんが俺らんとこに来て、
「何も見なかったべな!!何も見なかったべな!!」って、オサーンと同じ事を言ったのよ。
で、まぁ「見てない」みたいな事を言ったら、婆ちゃんフラフラ~って崩れ落ちて泣き出した。
悪いことしたなぁって反省したんだが、何がそこまで大人達をさせるのかなって気になったんだよね。
すぐ後に婆ちゃんが「くわっせ、うまかっつぉ」って言ってくれて、夕顔の煮たのを出してくれた。
郷土料理だよ、美味しいよ。
いつもの婆ちゃんに戻ってたね。さっきのテンパってた婆ちゃんじゃなくて。
だからなおさら気になったんだよね。
夕顔食いながらさ、ふと気になってたから聞いちゃったんだよね。
「何か部屋が開くだの閉めるだのみたいなのを、この間話してたでしょ~」みたいな感じで。
そしたらまた空気が変わっちゃってさ、
婆ちゃん泣き出す、オサーンはテンパる、爺ちゃんは電話しだす、オヤジ&おかんはうなだれる、みたいな感じにね。
俺らはさすがに怖くなって、二人とも泣いちゃった。
阿鼻叫喚とはまさにこの事…で、オサーンに別の部屋に連れて行かれてね、盆棚がある部屋なんだけどさ、そこで10分くらい拝まされて、
「今日は寝ろは…」って言われたんだけど、気になって寝れない。
まだ婆ちゃん泣いてるし、近所から人来るしさ、寝れるわけねーだろみたいな場だったんですよ。
まぁ寝たんだがw
朝起きたらいつも通りの朝で、取り合えず一安心。けど、爺ちゃんは難しそうな顔をしたままだった。
起きてソッコーで寺に連れて行かれて、剣舞(字は合ってるか分からん)を見せられた。
ケンバイっていうのは、何か背中に旗さして踊ってる、よくわからんもの。
この地域では、子ども会みたいなのに入ってるヤツらが踊ってるの。
学校の帰りとかに公民館みたいなところに寄って、夏に踊る為に練習してるんです。俺はやらんかった。
見せられた後に、寺の本堂の中に連れて行かれて、坊さんに長々とお経をあげられた。
以降は爺ちゃんとオサーン、坊さんの会話ね。うる覚えだからあれだけどさ…。
あと、方言が意味不明だと思うので、訳して書きます。
爺ちゃんをJ、オサーンをO、坊さんをBとします。
O「何も見てなかったって言ってました」
B「だとしたら安心だけど油断は出来ないな」
O「こっちはこっちで何とか出来るとは思うんですが」
B「じゃあ、T(本家の屋号)に行くから」
J「お願いします」みたいな感じ。もっと沢山話してたんだけど、こんな感じでした。
で、爺ちゃんが俺にね、話してきたの。
俺の言葉で話しちゃうから、この通りに話していた訳じゃないけどね。
内容的にはこんな感じでした。
「お前は、この家の造りはだいたいわかるだろ?部屋が何個ある?
その部屋で物置にしてる部屋があるだろ?その部屋の奥に襖があるだろ。
そこには昔から『近づくな』とは言われてたと思うけどな、そこの襖がちょっとだけ開いたんだ。最近。
そこにはな、錆びた槍の先がしまわれてるところなんだ」本家の部屋は8つくらいあって、縁側が2こある不思議なつくりなんだけどね、
俺が本当に小さい時から言われてたのが、「裏の縁側に回るな」ってことと、「物置の部屋には行くな」って事。
まぁ物置にしてる部屋なんて、確かに暗がりで薄気味悪いから行かなかったんだけどさ、そうやって言われてたの。
その奥に襖があるのはなんとなーくは知ってたんだけど、その前には荷物やら何やらが山のように置かれてたから、
行くにも行けないようになってたんだよね。
俺は薄気味悪いから、物置部屋には近づきもしなかったし、そんな襖のことはどうでもいいと思ってた。
今これ書きながら考えると、あの荷物群は絶対に意図的なものだったんだろうなって思う。
で、また爺ちゃんが、
「その槍の先はな、爺ちゃんの爺ちゃんの(ry のな、ずっと昔からあるもんなんだ。
爺ちゃんもな、前から『あれは近づいても見てもダメだ』って、お前くらいの時には言われてたんだけどな。
近づくなって理由は定かではないけど、爺ちゃんが爺ちゃんから聞いた話だとな、
あの槍は昔、ここで飢饉があった時に、あの槍でみんなどんどん死んでいったんだ。
何であの槍で自殺したのかは分からないけど、そうやって爺ちゃんは聞かされた。
聞かされたのは、お前よりもっと大人になってからのことだったんだけどな。実際はどうかは分からん」「その槍は、昔からこの家が預かることになっていてな。
お前もわかるだろ。ここら辺で中心的な家がここだってことくらい。だから、その槍の先を預かってるんだ。
押入れの中に、ただ槍の先がコロンって転がってるだけなんだが、本当に危ないものなんだよ。
襖にはおまじないがしてあって、開かないようになってるんだ。
もちろん、こっちから開ける事は御祓い(?)の時以外は絶対にないからな。
お前も見たことあるだろ。坊さんがたまに来て物置部屋に入っていくの。あれは御祓いをしていたんだよ。
お前ら『子供には見せちゃダメだ』って、坊さんから言われてたしな。
お前も坊さんから、爺ちゃんやオサーンから言われた通りなことを、そのまま言われたことあるだろ?
『物置部屋には近づくな』って。
けど、いい子だったよ、お前は。ちゃんと近づかなかったしな。
お前の父ちゃんは悪がきだったから、子供の頃近づいて襖付近まで行ってしまって、その後大変だったんだ。
とにかく、大変なものが入ってるんだよ。そっから先は婆ちゃんに聞け」のような事を言われて、何か気分がさすがに悪くなっちゃってね。
婆ちゃんに聞く気にもなれずに、割と放心状態でした。ガキながらに流石にこれは怖かった。
けど、婆ちゃんが聞きたくもないのにこっちに来てさ、言うんだよね。
また俺の言葉による、内容のまとめになっちゃうけど…。
「その飢饉ではな、いっぱい人が死んだし、自殺もしたし、とにかく楽になりたかったんだ。
天国に行って、のんびりしたかったんだ。
けど、本当はもっと婆ちゃん達みたいに、もっと長生きしたかったんだと思う。
だからお前も、ちゃんと食べられる事に感謝して、毎日元気にしてなきゃいけない。
嘘もつかずに、真面目に生きなきゃダメだぞ。嘘つきはダメ。
女の人も子供も、その飢饉では沢山死んだんだ」俺は夜釣りで幽霊らしきのを見たって、ハッキリ言おうと思ってさ、
「海の上に人立ってた」って言ったんだよね。
二人はこの前みたいにテンパらずに、「やっぱりな…」って言った。
俺は怖くなっちゃって、ガクガク震えちゃったんだけど、
婆ちゃんが「大丈夫大丈夫、婆ちゃんついてるから…」って言ってくれた。
けど婆ちゃんは実際、かなり不安そうな顔をしてた。
爺ちゃんは「お寺に行ってくる」って言って出かけていったんだ。
で、坊さんが来たのは、その話を聞いた次の日だったと思う。いや、思い出した。次の日だったわ。
初めて俺はその時に、襖付近へ行く事を許されたんだけど、
荷物群を全部取っ払って、何か棚の準備をしたのを手伝わされた。
ちょっとしたお寺の拝む棚みたいなのを、作るのを手伝わされた。坊さんはあちこちをブツブツ何か言いながら歩いてね、その棚の前に行くとお経を上げ始めて、
俺は出て行くように言われた。
襖はたしかに、ほんの10cmくらい開いてた。1時間後くらいだったと思う。
坊さんが部屋から出てきて、その間に親戚がみんな集まってて、近所の人も来ていてね。
何かみんなで拝んで、また剣舞見てその日が終わった。
坊さんがさ、俺に言ってきたんだけど、
「たぶん、今日はちょっとだけビックリする事が起きるかもしれない。
けど、大丈夫だから。たとえそれが起きたとしても、そのままそこにいなさい。
もう大丈夫だから、何が起きてもその場を離れちゃダメだよ」
って言われたの。俺は素直に「ハイ」って答えました。夜釣りも行く気になれなかった。その後に坊さんは、オサーンや爺ちゃんに話してた。
オサーンが坊さんに、
「大丈夫なんでしょうか。アイツは大丈夫なんでしょうか。心配です」みたいな事を言っていたんだけど、
坊さんは「大丈夫、その場を離れなければ」って言ってた。案の定、爺ちゃんやオサーンに俺は念押しされて、坊さんからの言付けを必ず守るようにって言われた。
その後は普通に飯食って、楽しく花火をして、夏を満喫したんだよ。
まぁ怖かったから、無理やり花火やって楽しもうとしてたんだけどね。忘れたかった。
花火も終わり、お風呂も入ったし寝る事にしました。またオサーンに、「早く寝ろは…」って言われたし。
で、寝ようとしたんだけど、坊さんの言った事が気になって、なかなか眠れなかったんだよね。
俺が寝ている部屋は、ちょうど物置部屋の斜め隣なんだけどさ。
何でいつもは気にせず寝てるのに、流石にこの時ばかりはこの位置が気になって眠れないの。
そしたら急にコココココ…って、何かが小刻みに何かに当たってる音が、物置部屋のほうからからしだして、
人間の声が、壁のほうからボソボソって聞こえてくるんだよね。
それはどんどん増えていって、あちこちから聞こえきだすの。
もう今でもちゃんと覚えてる。
「腹…腹…」
「やんた…やんた…生きて…生きてぇ…」
「腹…は…」
「死にたぐね…やんた…」
「腹…腹…」
「やんた…やんた…やんた…」
「お寺さ…やんた…」
「水っこはやんた…も…」
「腹…水っこは…」
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」って声があちこちから聞こえてくるの。もう怖くて怖くて仕方なかった。発狂しそうだった。
けど、坊さんの言付けを守らなきゃって、頑張って自分に言い聞かせて、震えながら寝れずにじっとしてた。
声はやまなくて、どんどん増えていったんよ。
そしたら俺の寝ている部屋でも、何かがコココココ…て聞こえ出してさ、
さすがにそれには閉じていた眼を開けちゃって、その音の方向を見ちゃったんだよね。
そこにはさ、般若の刺繍(?)っていうか、そういった布で出来た飾りみたいなのが額縁に入れられてあるんだけど、
それが揺れてるんだよね。
しかも、その般若の刺繍の眼のとこが動いてるの。
さすがに、口を閉じたり閉めたりまではしてなかったとは思うんだけど、
般若の刺繍のとこらへんからも、同じ言葉が出てきてるんだよね。
「腹…腹…」「やんた…水っこは…」って。
たぶん、それ見て気絶してました。気づいたら朝だったし。
ちゃんとそれを爺ちゃんと坊さんに言って、お寺でまたお経をあげてもらいました。
坊さんは褒めてくれた。爺ちゃんも褒めてくれた。よく頑張ったなって。何か長くなってしまい、イライラさせてしまいましたが、こんな感じです。
俺が確かに体験して、今でも帰省すると、その話を坊さんや爺ちゃんとします。
で、ちゃんと拝んで過ごしています。
取り合えず、ここで終わりますが、何か聞きたいことあったらどうぞよろしくです。
さびた槍① : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
ナール・ナーシュ
これは現在進行中の話。一応自己責任系に入るかもしれないので、
読む方はその点ご了承の上でお願いします。7~8年前、自分はパワーストーンにはまっていて、色々集めていました。
集めてた理由は別に不思議な効果を期待したりではなくて、単純にキレイだから。男のくせにキラキラしたものが好きで、でも当時社会人になったばかりの自分には
高価な宝石なんて到底手が出ないので、安価なパワーストーンに流れたわけです。
一度集め始めると熱が入るもので、気がつけばちょっとした
コレクションと言えるくらいに色んな石を集めていました。
ある日、某ネットオークションで掘り出し物を探していた時、黒い卵形の石を発見。
ラブラドライトのエッグで、縦10cmくらいの大きさ。
ラブラドライトは自分も何点か持っていましたが、紹介写真のそれは、
そのどれよりも綺麗で、神秘的な光を放っているように見えました。……欲しい。凄く欲しい。
何故か異様に惹き付けられ、価格を見ると、意外なことに即決で破格の値段設定。
ほとんど捨て値と言ってもいいくらいで、「こんなにグレード高そうなのに……」と首を傾げました。同じ石でもグレードで価格もピンキリですが、どう見ても最高級の逸品にしか見えないのに。
出品者の説明を見ると、海外旅行の際に買ったものということで、
一度人の手に渡ったものだからこのくらい安くないと売れないのかも……と納得しました。
ことパワーストーンに関しては、他人のお古なんて絶対NGという人もいますから。
私はそういうのは全然気にしない性分だったので、すぐに落札しました。程なくして、その石が届きました。
丁寧に梱包されていて、写真で見たとおり凄く綺麗なラブラドライト。
あまりに安かったので、もしかすると写真とは別の安物が送られてきたり?と
一抹の不安もありましたが、間違いなく写真の石でした。良い買い物をしたと上機嫌で、出品者にお礼を言おうとネットにアクセスすると、
何故か出品者の登録情報が削除されていました。そのラブラドライトは見れば見るほど美しく、その青白い輝きを見ていると
何ともいえない恍惚感を感じ、その日はその石を握り締めて眠りました。
その夜、妙な夢を見たのです。
どこかの薄暗い森の中、私は1本の大きな木に縛り付けられていて、
目の前には小さな子供達が10人ほど立っています。
全員黒髪で肌は浅黒く、半裸に近い服装。まるでどこかの先住民のよう。
その子達が一様に、私を指差して、「ナール、ナーシュ」
と繰り返すのです。
ナーシュ……?
意味が分からず呆然としていると、自分の頭上で”ズルズルッ”と何かが動くような気配。
何か大きなものが、私が括りつけられている木の上にいる。しかし確認しようにも首が動かず、上を向けない。
目の前では子供達が変わらず「ナール、ナーシュ」と繰り返しています。
よく見ると子供達は全員無表情で、まるで生気を感じない……
急に恐ろしくなった私は、無我夢中で身をよじって逃げようとして―――目を覚ましました。
息が荒く、全身汗でびっしょり。心臓が激しく鳴っていました。
時計を見ると、もう朝。そこでさっきのが夢だったと理解して、安堵。
変な夢を見た。シャワーでも浴びようと二階の寝室から一階へ降りると、
先に起きていた姉(当方実家住まいです)と遭遇。私「おはよう」
姉「おはよ。なにそれ、目、どうしたの」
私「目?」
言われて鏡を見ると、右目が真っ赤に充血していました。それから数日、私は頻繁にこの奇妙な夢を見るようになりました。
縛られた私。「ナール、ナーシュ」と呟く子供たち。木の上にいる何か。
その度に汗だくになって飛び起き、夢だったと安堵する。
何か重要な意味があるのかもしれない……最初こそ然程気にしなかったものの、
こう続けて同じ夢を見ると、ただの夢だと片付けることも出来なくなってきました。
そしてこの夢を見た後は、必ず右目が充血しているのです。
思えば、夢を見るようになったのは、例の黒い石を購入してから。
あの石に何か関係があるのかも、と思うようになりました。購入してからというもの、私はあの黒い石を常に持ち歩いていました。
見つめると不思議な恍惚感に囚われ、片時も手放したくなかったのです。
外出する時はポケットに。入浴の時は一緒に持ち込み、眠る時も手に持って。
文字通り肌身離さず大切にしており、今思えば少し異常なほどだったと思います。けど、夢のことを考えると、何だか不気味にも思えてきて。
居間でテーブルの上にその石を置いてじっと眺めていた時、
その日は親戚の家族が遊びに来ていたのですが、その小さい子供二人が
私が見ている石に気付き、近寄ってきました。
5歳のSくんと、7歳のKちゃん。
S「何見てるの?」
K「なにそれ!見せて、見せて!」
今までこの石を誰かに見せたことは無かったのですが、子供にせがまれると
駄目とはいえず、二人に見せてあげました。K「すごい、綺麗だねー」
S「……あ」
はしゃぐKちゃんとは対照的に、怯えたような様子のSくん。
私「どうしたの?」
S「それ、こわい」何故かSくんは石を怖がっていました。
Kちゃんは「なにそれー」と笑っていましたが、その場は何もなく、
また二人は一緒に外へ遊びに行きました。
それから夜になって、夕飯も終わり、そろそろ親戚家族が帰ろうと帰り支度をしていた時。
私はキッチンで洗い物を片付けていたのですが、ふと背後に誰かが立つ気配を感じて
振り返ると、Kちゃんが立っていました。
私「Kちゃん?」
何だか様子がおかしかったのです。顔色が真っ白で、目つきも虚ろ。口の端には泡立ったよだれが垂れていました。
私「Kちゃん、どうしたの?大丈夫?」
屈みこんで顔を近づけると、Kちゃんはぽつりと、「ナーシュ」
何が起こったのか分かりませんでした。
気がつくと私は顔を押さえて倒れていて、Sくんの泣き声が聞こえて。
それを聞きつけた親戚のおじさんがやってきて。
私の姿を見るなり、「何があった!?」と大慌て。
私はすぐに起き上がったのですが、おじさんに「動かんでいい」と言われて椅子に座らされました。
私は右目のあたりから流血していて、ぼたぼたと床に血が落ちるのを
放心状態で見ていました。(何?何で?今、Kちゃんと話してて……)
私「おじさん、Kちゃんは?」
おじさん「K?Kならそこにいるだろ。ちょっと待って、今母さんがタオル持ってくるから」
言われて見ると、Kちゃんは私のそばに立っていました。不思議そうな顔で、「お兄ちゃん、どうしたの?」と言うKちゃん。
足元には血のついた果物ナイフが転がっていました。
そう、さっきあれで、いきなり顔を。
でも……理由が分からない。
それに、私に切りつける直前、確かに言った。「ナーシュ」と。
それからすぐに病院へ運ばれました。
幸いにも眼球は無事で、右目の上の眉あたりに痕が残ったものの、
視力には問題ないということでした。現場は誰も見ておらず、私の怪我は転んだ拍子にナイフで切った、ということで落ち着きました。
後でそれとなくKちゃんに聞いてみましたが、
「気がついたらお兄ちゃんが倒れてた」と言っており、覚えていない様子。私としてもKちゃんを責める気になれず、むしろ「ナーシュ」と呟いていたのが不気味で、
あまり深く追求するのはやめました。その後、私は黒い石を持ち歩いたりすることはやめました。
きっとこれが原因だ。思えばKちゃんのことだって、直前にあの石に触らせた。
この石は何かおかしい……そう考え、石を手放すことに決めました。
とはいえただ捨ててしまう気にもなれず、霊感があるという友人のYに相談してみることにしました。
Yには自分の霊体験など何度か聞かせてもらったことがありましたが、
いつもは友達の間で半ばネタとして話していたので、私自身Yに本当に霊感があるのかは半信半疑でした。
なので、駄目もとでとりあえず連絡してみたのです。Y「あ、お前か。久しぶりじゃん」
Yと連絡を取ったのは数ヶ月ぶりで、少し談笑したあと、本題に。
私「Yさ、霊感あるっていってたよね?あれってマジ?」
Y「ん?……あ、やっぱりそういう話?」
何となく予感があったようで、Yの声が急に神妙になりました。私「俺がパワーストーンとか集めてたの、知ってるだろ?最近なんか変な感じの奴見つけてさ」
Y「それを見てほしいって?」
私「うん……」
Yは少し黙った後、
Y「いいけど……なあ、お前、今周りに誰かいるか?TVとか点けてる?」
私「いや、部屋に一人だけど?」
Y「あー……どうしようなぁ」
私「何かまずいの?」
Y「いや……それじゃ、明日お前の家行っていいか?」
私「え?いや、こっちから行くよ、悪いし」
Y「それはいい。俺が行くから、待っててくれ」
後日、お昼過ぎにYが家にやってきました。
Y「おう」
私「いらっしゃい。上がってよ」
この日は家族が全員出かけていて、いつになく強張った顔のYを居間へ案内しました。Y「……で、石っていうのは?」
私「これなんだけど」
私が石を取り出すと、Yの顔色が変わりました。
Y「…………」
私「Y?」
Yはじっと石を見つめた後、
Y「お前、こんなもんどうやって手に入れた?……誰かから貰ったのか?」
私「いや、ネットのオークションで買ったんだけど」
Y「あぁ……」
Yは納得したように頷き、大きく息を吐きました。
普段楽天家で陽気な性格のYが、見たことが無いほど神妙な顔をしているのを見て、
私は何だか怖くなりました。
私「何かやばそうなの?」
Y「……俺もよく分からんけど、何かの御神体みたいなもんじゃないかな」
私「ごしんたい?」
Y「日本のじゃない、どこか外国の……まあ、ちゃんとした場所に預けた方がいいわ。
あんまりいい影響は無いと思うし」一呼吸置いて、
Y「お前、目ぇ大丈夫か?右目。」
私「えっ」
どきりとしました。あの奇妙な夢を見た後は、必ず右目が充血するのです。
Y「この石見てると、目が痛い。何かあるんだろうな、これも」
私「……」
Y「……なあ。この石、良かったら俺が預かろうか?」
いきなりの意外な言葉に、正直面食らいました。
Y「俺の知り合いに、こういうのちゃんと保管してくれる人がいる。その人に渡してやるよ」
Y「これ以上ここに置いていてもあれだしな……」
Yの申し出は、正直ありがたいものでした。私としてもすっかり恐怖心が芽生えてしまい、この石を手放したいと思っていたのです。
私「俺は助かるけど……いいの?」
Y「うん、まあ乗りかかった船だよ。多分その子らも、その方がいいだろうしな」
私「ありがとう、助かる。……その子らって?」
Y「お前の周りに子供が沢山いる。何か全員、お前のこと指差してるぞ」
……正直、血の気が引く思いでした。Y「じゃあ、受け渡しが終わったら連絡する」
そうしてその日、その石をYに持ち帰ってもらい、私はやっと気苦労から解放されたと思いました。
今日からは安心して眠れる。そう思い寝床に着いたのですが、
また、夢を見ました。
気がつけば薄暗い森の中。
大きな木があって、半裸の子供達がいる。ここまではいつもと同じ。
違ったのは、子供達が全員で私にしがみついていて、目の前の木に括りつけられているのが
Yだということ。Yは怯えた顔で私に何か叫び、必死に身をよじって逃げようとしていました。
見ると右目が抉られていて、血が黒い泥のように流れていて。私も必死に逃げようとするけれど、子供とは思えない凄い力で押さえつけられて、
それが十人いるのだからビクともしない。「ナール」
「ナーシュ」
子供達が呟くと、Yが括りつけられた木の上の方で、何かが動きました。
いつもは見えなかった。けれど、この位置からは見える。大蛇。
青白い鱗の大蛇が、木を伝って、Yの方へずりずりと降りてきて。
Yの頭の上で、大きく口を開けました。Yは泣き叫んでいました。ただ、彼の声は聞こえない。
そのまま、彼の顔がすっぽりと蛇の口に納まり、蛇が身をよじると、
あっさりとYの首が千切られてしまいました。私はそれを呆然と見ていて。
木に括りつけられたYの胴体の上で、蛇がこちらへ顔を向けた。右目が無い、蛇。
そこで目が覚めた。
時間は早朝。息が荒く、心臓が激しく鳴っていて。
全身汗でびっしょりで、顔は涙でぐしゃぐしゃ。
しばらくベッドの上で、自分の体を抱きしめて泣いていました。Yが死んだ。蛇に喰われた。
でも夢、あれは夢だ。ただの夢。
そう自分に言い聞かせて、それでも落ち着いてから、念のためYに連絡しようかと思いましたが、
妙な不安に駆られて、向こうからのその後の連絡を待とうと決めました。Yが交通事故で死んだと知ったのは、それから四日後。
車で走行中、トンネルの入り口付近で反対車線に飛び出して、対向車と衝突したそうでした。私が事故現場に行った時には、もう事故の痕跡は殆どありませんでしたが、
微かにガラスの破片やタイヤの跡らしきものが見られました。
……何でYは死んだんだろう。
その痕跡を見ながら、ぼんやり考えました。
私のせいなのでしょうか。
あんな相談を持ちかけたから、Yはあの黒い石に、殺されたのでしょうか。あの事故から十年近く経った今でも、後悔の念が消えません。
あの夢がYの死と無関係だったとは到底思えないのです。あの蛇と子供達は何なのか。
誰かに聞いてほしくて、この話を投稿しました。何か分かる、あるいは知っている人はいませんか?
ただ、ごめんなさい。KちゃんやYのこともあり、今まで誰かに話したことなんて無いから、
これを読んだことで何か影響が出るものなのかは分かりません。
ただ、あの蛇はかなり執念深いようです。
今でもあの夢は見るし、
私の右目は白内障で見えなくなってしまったし、
Yの事故現場で拾った、あの黒い石の欠片も、いま手元にあるのです。やっぱり、凄く綺麗。
ナール・ナーシュ
誰からも好かれていた母
私の家族は、自由奔放な父と、明るく誰からも好かれる母。
どこにでもいてる三人家族でした。
あそこに住むまでは。今から12年前に引っ越した、3階建ての赤黒いマンション。
その辺りは晴れてても、淋しい雰囲気でした。
部屋は3LDKの一階。私の部屋は和室。窓は大きいのにとても暗かった。初めて見た時の事は覚えてないけど、真っ赤な着物を着た女が毎晩、布団の周りをウロウロしてました。
毎日電気をつけて全身に布団かぶって寝てたんですけど、ちょっと隙間あけてみると女も覗いてる。
大体そこで記憶はとんで、起きたら汗びっしょり。風邪ひきやすくなったのもその頃からです。
転校してすぐ友達も出来、私の母親がとても明るく優しかったので、いつも家に友達が遊びにきてたんですが、
誰かが来るとラジカセがついたり声が聞こえたり、皆でちょっとした肝試しみたいなことをしてました。
色々ありすぎたので省きますが、気になったのは、みんな家に来ると絶対寝るんです。
誰かから聞いたんですが、そうゆう空間にいると眠くなるらしいです。詳しくは知らないんですけど。
家族に異変があったのは、私が中学に入ってすぐでした。
クラブが終わって家に帰ると、部屋が真っ暗なんです。
いつもは母が晩ご飯の用意をして、『おかえりー』って言ってくれてたのに、その日は誰もいない。晩ご飯もできてない。
とりあえず電気をつけようとしたけど、つかない。
電球買いにいったんかなと、自分の部屋入ると母親いるんですよ。
ベットあるのに、床にうつ伏せなって動かない。
「お母さん?」って声をかけると普通に起きてる。
「なあに?」
目は何か虚ろでいつもと全然違う。
「何て、何してるんよ?」
「・・・・」
「ってかご飯は?」って聞いたときでした。
「うるさいいいいいいぃぃぃぃ!!!」
母は急に立ち上がって私の髪の毛を掴み、びびって倒れた私のお腹を何度も蹴りまくった。
何が起こったのかわからなかった。
首しめられ、「おまえが悪いんや」やらなんか叫んでたけど、その時の私は放心状態だったと思う。
それからは地獄でした。
母は毎日、仏壇とか窓に向かって「入ってくんな。殺すぞ」って一人で喋ってた。
きついのが、夜一人で外に出て、線香を道路にずっと並べていくんです。
泣いて止めても、「姫は私がまもります」とか、「おまえで最後。だから大丈夫」とか、意味不明でした。
今まで元気だった母が急に別人のようになり、悲しくて恥ずかしかった。
高校に入ってすぐ引っ越し、母は精神病院へ、父は刑務所へ。
後から聞いたんですが、あの辺りは霊道が通ってて、マンションの裏には小さい祠があるらしいです。
あと、うちの父の家系が呪われてるという話も聞きました。
私で最後って事らしいんですが、もしかしたら母が守ってくれたのかもしれないです。長いし文章下手でごめんなさい(T_T)
『誰からも好かれていた母』 – 怖い話まとめブログ
ヤカンの悲鳴
まだニッテレが特ホウ王国をやってた頃。
お湯を沸かすと怪鳥音で鳴くヤカンのテープが投稿された。
だいぶクッキリした音で、「キュウゥゥゥウウゥッ!!」て聴こえた。良い出来だったので、同封されてた封書にも目を通すことになった。
テープに添えてある便箋の他に、手紙がついてるのは印象的だった。
お手紙はプロジェクターに映すんだけど、部屋の空気が澱んだよ。
澱んだ、というのは気体じゃなくて人心なんだけどな。そのヤカン、投稿者の姑の生前は虐待のシンボルに使ってたとのこと。
ヤカンで熱系の攻撃や『寝耳に水』等をするわけでなく、
部屋のドアノブ(外側から鍵がかかるタイプ)に引っ掛けて
「ただいま姑を蹴ってる最中。入るな、気にするな」の合図。
投稿者の家で「ヤカンかけといて」は、2通りの意味を持つ。
フタを外してドアノブに引っ掛けるか、普通にコンロで湯を作る。
姑さんの生前は、ヤカンに「シルバーケットル」と印字されたシールが
残っていたとのこと。それで、語呂が良いため導入。
ちなみに「シルバーケットル」は「銀のヤカン」の意味で、
たいがいのメーカー品にそう印字されたシールは貼ってある。そして、気がつけばヤカンが珍しい音を出すようになっていたと。
また、結局こんなのが最後の思い出の品になってしまったみたいなこと。テープと書類は、「いつか社会的制裁をするのに役立つ」から
部署で保管していくことになった。
しかし最近聞いた噂では、10年ぐらい前に処分されてたらしい。
ヤカンの鳴き声じゃ虐待の証拠物件にならないしテープは劣化するから、
電子ファイル化を委託した業者にテープも処分してもらったとのこと。
そして聞くところによると、書類なんか投稿採用を目的とした嘘とでも
言えるし今は個人情報保護の問題があるからみたいな話になって
問題の封書もシュレッダーで裁断されたらしい。
生きてる遺族の主張や権利は、尊重や畏れざるを得ないわけだな。
それ以来、百円均一とかでシルバーケットルを見かけたら
なんともいえない気持ちになる。
買われていくヤカンたちは、どんな世界を見るんだろうか。
どんな想いが宿るんだろうか。
付喪神は、居ると思うんだ。
データ流出には厳しい業界だし制作プロなんかいつまで続くか
わからんけど、もし機会があれば Up Load してアドレスを貼るよ。
ヤカンの悲鳴 – 死ぬほど洒落にならない怖い話
母親の影
私が小6の時の夏休み、薄暗い明け方のこと。
私はその日眠れずにいて、テレビをボーッと眺めていた。
すると突然、外から笛の音が聞こえてきた。
こんな朝早くになんだろうと思い外を見ると、白い着物を着たガリガリの髪の長い女が、家の前の道を歩いていた。
女はしばらくこっちを見ていたが、また道を歩きだした。
そして私がまたテレビに目をやったその瞬間、階段をトン…トン…と上ってくる音がした。
その時私の部屋は二階で、扉が少し開いていた。
私は不気味な気配にビビリ、布団に潜って布団の隙間から様子を見ていた。
しかし、しばらくしても何も来ないので、相当ビビって、隣にある母親の寝室に逃げ込んだ。
入ったその瞬間、私は呆然とした。
その部屋は真っ暗で、奥の方で首を吊って天井からぶら下がっている、母親の影が見えた。
私は何もできず、それをしばらく眺めていた。
すると耳の奥底で、「生きてて楽しい?」という女の声がした。母は次の日、普通に起きて仕事に行ったし、今も生きてる。
でも、母はその日から1ヵ月くらいで、20キロも痩せるという異常な痩せ方をした。今から十年ほど前の事です。
母親の影 : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−


