年収1100万円でも定年破産する家庭「毎月7万円の赤字です」
教育費や住宅ローンを払い終える50代後半は、来るべき老後に備える「最後の貯め時」だ。 「4000万円の自宅マンションのローンは繰り上げ返済で完済。今春には次女が私立大学を卒業しました。今は専業主婦の妻(54歳)とふたり暮らしですが、最後の貯め時はおろか実は家計は毎月5万~7万円の赤字なんです」
年収1100万円でも定年破産する家庭「毎月7万円の赤字です」 | 日刊SPA!
そう明かすのは、商社マンの後藤照史さん。10年前には海外赴任をし、年収は1100万円にまで及んだ。経済的に余裕がある後藤さんの家計は、なぜ赤字に陥るのか。 「役職定年で給与が約3割減したことに加え、最大の要因は妻の散財ですね」
後藤さんの妻は社交的な性格に加え、30~40代のころから習い事が多く、交友関係も広い。 「最近では英会話やジムなど習い事に月5万円以上、海外旅行にも頻繁に出かけています。これもすべて私が現役時代、忙しさにかまけて家計のすべてを妻に任せていたのが原因。よくも悪くもそこそこ稼いでいたために、お金について話し合ってこなかった。また老後の生活への危機感も希薄で、年収のわりに貯金をしてこなかった。先日には700万円の貯えがついに100万円台にまで目減りしてしまいました」
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老後の生活を憂慮した後藤さんが「少しでも苦しい家計の足しになれば」と妻にパートを提案したものの、即座に拒否されたという。 「『もしもご近所さんに知られたら恥ずかしい』と一点張り。生活レベルを落とす気配はなく、年内には借金生活が始まるでしょう」 妻の金銭感覚をアップデートしない限り、破産は待ったなし。
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「子供」の引きこもり問題が定年家計を破綻に導く
長引く子供の引きこもりが、定年破産の一因となるケースも少なくない。埼玉県在住の真鍋静子さん(仮名・66歳)は、次のように打ち明けた。 「今年38歳になる息子は14年前にウツで会社を辞めて以来、定職に就かず引きこもっています。子供の生活費や年金の支払いに加え、外出するきっかけになれば、と月6万円の小遣いも渡しています。今は夫の退職金を取り崩している状況ですが、貯金が底を突くのも時間の問題です」 先日、内閣府が発表した中高年の引きこもり数が61万3000人という数字。満40歳~満64歳を対象にした引きこもり調査であったが、現在の定年世代だけではなく、これからの世代にとっても、家庭に引きこもりがいる場合は破産に近づく可能性は非常に高い。どのような防衛策をすればいいのだろうか。引きこもり問題に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏は次のように語る。
子供の引きこもりで破産する家庭「退職金を取り崩すも…」 | 日刊SPA!
「定年前後は引きこもり問題を含めて老後の生活設計をするべき。“いつか働けるようになるのでは”と期待するのではなく、“もう一生働けないかもしれない”という最悪の事態を前提にして、家計を可視化することが最善です」 また畠中氏は引きこもりの子供が自活できなかった場合を想定して、親亡き後の生活を考えるべきだと提唱する。それが「サバイバルプラン」だ。 「これは親が持つ住宅や預貯金などを活用し、親亡き後も引きこもりの子供が平均寿命程度まで食べていくための生活設計です」
子供の引きこもりで破産する家庭「退職金を取り崩すも…」 | 日刊SPA!
引きこもりの子供が一人で暮らしていくのに必要な額は、持ち家なら月10万円、借家なら月16万円が目安になるという。 「年金を月6万円受け取ると仮定して、子供が20年間ひとり暮らしするには、親は少なくとも1000万円は残したい。残せそうにないなら、就労支援などを利用して、月に数万円稼ぐことを模索するのが現実的です」 働きたくても働けない人はいる。むやみに自活を促すのではなく、現状を受け入れた生活設計を練るのが破綻を免れる策となる。
子供の引きこもりで破産する家庭「退職金を取り崩すも…」 | 日刊SPA!
・定年破産する人の共通点。“普通の家庭”が危険な理由
これは、ある定年破産者の例だ。都内医療器具メーカーに勤務していた田中令次さん(仮名・64歳)は、42歳で結婚し、2人の子宝に恵まれた。45歳で現・住宅金融支援機構の「フラット35」を利用して、都心から電車で30分のベッドタウンに4500万円の新築戸建てを購入。会社ではマネジャーとして部下も育成し、給料も年功序列で上がっていった。まさに理想的なサラリーマン像だったが……。
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田中さんは昨年、年金支給を1年前にした64歳のときに破産をすることになる。崩壊の序章は、まず“55歳の崖”と呼ばれる役職定年にあった。
厚労省の調査では、役職定年年齢を55歳とする企業は、全体の38.3%。約4割の会社は55歳で役職手当がつかなくなる。経済評論家の加谷珪一氏は、これを「最初の崖」と話す。
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「賃金を維持できるのは、ほんの一握り。あとは“役職手当”が外されて、給料は下降します。最近では4~5割も一気に下がる企業も増えています。年収が高い人ほど、その振り幅は大きい」
実際に、田中さんも年収620万円から35%割減の400万円台に下がってしまった。ただ、田中さんの目論見では、定年までの残り5年間を耐え忍べば、“退職金”で立て直せる算段だった。しかし、現実はそう甘くない。退職金が思ったより少なかったのだ。
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厚労省が平成29年に発表した「退職給付額」によれば、退職金の平均は1983万円。田中さんはリーマンショックの影響で、退職金規定が改悪。必死に勤め上げたにもかかわらず、予想の半分を下回る僅か800万円しかもらえなかったのだ。ファイナンシャルプランナーの橋本明子氏も「これからの社会は退職金はすぐに消えるものと考えたほうがいい」と警鐘を鳴らす。
「まず20年ほど前に比べて、退職金は500万円近く下がっています。さらに転職が一般的になっている現代では、勤続年数が短いためにその金額も数百万円台がザラです。予測できることなのに、貯められない人が多い。退職金を減額されて裁判を起こす人もいますが、その間は“未払い“になります。結果、心身の疲弊から最終的に100万円程度の上乗せでもらうパターンが多い。そして生活は困窮していくのです」
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賃金は2段階で下がる。赤字が続く家計に転落
そして田中さんに訪れた次の崖が、定年再雇用だ。改正高年齢者雇用安定法により、定年以降も本人が望めば年金支給開始年齢まで働くことはできるという制度。田中さんは、早めのリタイアを考えていたが、“もらえる年金額”を見て愕然としたという。加谷氏が次のように解説する。
「『あなたは年金をいくらもらえる予定ですか?』と聞くと、本当に答えられない人が多い。今はサイトの『ねんきんネット』で、将来の支給額がわかります。僕も検索しましたが、思ったよりも額が少ないですよ。繰り上げて60歳から年金をもらうことも可能ですが、代わりに『0.5%×繰り上げた月数』が引かれる。つまり、60歳から受給すると、生涯もらえる年金が3割減ることになります。そのため“定年後も働く”という選択肢を選ばざるを得ない人も多くなります」
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田中さんも再雇用を望んだが、今度は提示された給料に青ざめた。一番稼いでいた時期の3分の1程度、年収は200万円台まで落ちてしまったのだ。 「定年以降の再雇用は“非正規雇用”の嘱託社員が大半です。いわばパートと変わらず、14万~15万円ぐらいが相場です。減収補塡措置をする企業は一部の大企業のみ。そうなると、蓄えた貯金や退職金で取り崩すしかなくなってきます」(加谷氏)
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“役職定年”、“定年再雇用”、“下がる退職金”と、日本はまさに定年破産時代を迎えている。ファイナンシャルプランナーの藤川太氏は「現在の定年世代は、はしごを外された世代でしょう」と話す。
「50代は終身雇用、年功序列で給料が上がる前提で人生プランを立てている最後の世代です。そして本来、50歳前後といえば、子供が高校や大学に行き始める支出がピークの時期。今までの社会は、この支出ピーク時に収入のピークも来て、支出と収入が合っていました。
しかし、長いデフレ期で、企業は年功序列で給料が上がる日本独自の給与形態を維持できなくなった。この世代はポスト団塊世代や新人類世代で、会社で人数も多く、バブル通過組のため給料も高い。企業は当然この層をターゲットにし、給料を下げてきます」
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本来あるお金の貯め時が晩婚化でやってこない
田中さんが定年再雇用でどんなに頑張って働いても、家計は毎月20万円近い“赤字”が連続していた。なぜ、これほどのマイナスになるのか。藤川氏は「晩婚化の影響もある」と話す。
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「これまで家計の最後の貯め時は、子供が独立してから退職するまでの期間でした。もし30歳で子供が生まれたら、52~53歳で大学を卒業して独立ですよね。そこから7年ぐらいは退職までに時間がありますから、本来ならばその期間でお金を貯められるはずでした。
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しかし、最近は晩婚化の影響もあり、結婚も出産も遅くなると、子供の受験・独立を、60歳の定年期に迎えてしまいます。役職定年、定年再雇用で賃金が下がっているのに、住宅ローンや、高い教育費がある家計は、よほど貯蓄がない限り辛くなることは確実です」 この“貯め時がない”問題はデータに表れている。明治安田生命保険の調査によると、世帯での貯蓄額がゼロと回答した50代男性が20.7%もいた。つまり5人に1人が貯蓄ゼロ。これは貯蓄のない20代男性とまったく同じ割合だ。
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田中さんも定年を越えてから長男、次男が大学入学して、虎の子の貯金と退職金が消えた。せっかく購入した戸建てを売りに出し、老後資金の補塡を考えたが……。 「少子高齢化で人口減のため、住宅の価値が下がっています。特に郊外の家をいざ売ろうとしても、二束三文。持ち家は大型冷蔵庫と一緒。耐久消費財なので、壊れたら無駄に固定資産税もかかって大変。最後は家電と一緒で、お金を払って引き取ってもらうことになります」
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とは、経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。事例の田中さんも積み重なる赤字に遂には住宅ローンを滞納して、マイホームは“差し押さえ”になったのだ。荻原氏は、田中さんのように“定年世代の普通の幸せ”こそが破産状態になりやすいと話す。 「終身雇用や年金制度が崩壊した今、思い描いてきた“普通の家庭像”がもはや一部の高所得者だけのものになっています。いわゆる『親の呪縛』です。高い生活水準に慣れてしまっている現在の定年世代が、改めて100g1500円の牛肉から、100g300円へと豚肉の生活レベルを落とせるでしょうか? 定年破産する人たちは、そんな“現実”から少し目を背けているような印象があります。生き残るためには安くてもいいという意識に変えないといけないのです」
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55歳の崖から始まる定年破産に、まだピンときていない30~40代もいるであろう。しかし、前出の加谷氏は、「今後、全世代に起こり得る問題」と警鐘を鳴らす。 「賃金と人口が年々減っていく中で、超高齢化社会を日本は迎えていきます。そのため年金も現在の50代は68歳支給、現在の40代は70歳支給に引き上げられることも十分考えられます。つまり、70歳支給ならば定年後に10年間は赤字家計が続くのです」
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・妻の病をきっかけに
「なんでこんなつらい思いをしてまで、長生きしなきゃいけないんでしょうか」
着古したジャージに身を包んだ香川庄治さん(仮名/71歳)は、嗄れた声を絞り出し、こうつぶやく。6年前に妻を亡くしてから、神奈川県の自宅でひとり「亡骸」のような日々を送っているという。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/4)
「家事は妻に任せきりにしていましたから、彼女が亡くなってからも自分で炊事することはありません。食事は日に一食。夜にスーパーで半額になる弁当を買うか、チェーン店の牛丼を食べに行くのが日課です。近所付き合いもないですし、毎日することは何もない。家に閉じこもり、テレビを眺めて一日が過ぎていきます。こんな惨めな生活をしているなんて、誰にも言えません。親戚にだって、無用な心配をかけたくないので、連絡を取らなくなりました」
大学を出て、食品メーカーに38年間勤務し、60歳で退職。一人息子は同居している。定年後は、妻と穏やかな老後を送ろう—そう思っていた。当時の貯金は、退職金もあわせて約3200万円。だが現在、貯金は底をついている。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/4)
「定年してから半年後、妻にがんが見つかったんです。進行した乳がんでした。手術しましたが、すでに全身に転移してしまっていた。
現役時代、私は家庭を顧みず、すべて妻に任せて働いていました。これからは楽をさせてあげようと思っていたんです。だからこそ、何をしてでも元気になってほしかった。病院を転々とし、最新の放射線治療も受けました。それに漢方や健康食品など、身体にいいと聞いたものは何でも試した。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/4)
彼女が自力で歩けなくなってからは、300万円出して車椅子を乗せられるワゴン車を買い、がんに効くと言われる温泉にも連れて行った。けれど結局、闘病の末に亡くなったんです」
妻の命のために、カネを惜しむという選択肢はなかった。がん保険には入っていなかったため、3000万円という貯金額は、6年間でみるみるうちに目減りしていた。気づいたときには、もう「手遅れ」。現在は月14万円の年金だけで生活している。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/4)
「実はウチには、40代になる息子がいて、うつ病を患って会社を辞めてから、家に引きこもっているんです。私の年金だけでは暮らしていけない。
少々具合が悪くても、病院にも行けません。検査なんかしたら、絶対悪い病気が見つかるに決まっていますから。毎日、目が覚めるたびに気が重くなります。何度も死のうと考えましたが、息子がいますし、天国の妻がそれを知ったら悲しむだろうと思って、必死で生きている状態です」
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/4)

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・認知症を発症し…
愛知県に住む浅田隆さん(仮名/73歳)は、大学卒業後、警備会社に就職し、定年後も再雇用制度を利用し、働き続けていた。しかし、腰痛が悪化して欠勤の日が増え、会社にいづらくなって、2年で自主退職。以来、退職金と年金収入のみで暮らすようになる。
そんな浅田さんが破産にいたるまで、10年もかからなかった。浅田さんを保護したNPOの担当者が語る。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)
「浅田さんの場合、腰痛の治療費に加え、退職後しばらくしてから、軽度でしたが、認知症を発症したのが、破産にいたった大きな要因でした」
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)
浅田さんは妻を60歳のときに亡くし、子どもも離れて暮らしていたため、誰も苦境に気づかなかった。
「息子さんも盆や正月に帰省したときに『少しカネ遣いが荒くなった』とは感じていたそうですが、『やっと退職したんだから自由にさせてあげよう』と放っておいたそうです。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)
しかし、判断力の低下による無駄遣いや保険の使えない鍼治療などで、あっという間に退職金は底をついてしまった。食うや食わずの生活をしていた浅田さんが万引きで捕まったときに、私たちの団体に引き渡されて、破産がやっと発覚したんです。
捕まったときも『子どもや孫には恥ずかしいから言わないでくれ』と懇願されましたが、連絡を取りました。面会に来た息子さんに対して、『たった10年でどうしてこんなことに』と嘆いていました」
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・息子が交通事故を起こし…
神奈川県に住む小野雅俊さん(仮名/69歳)は、都内の建築設計事務所の正社員として定年まで勤め上げた。現役時代は、よく働きながらも、同僚と飲んだりと、サラリーマン生活を謳歌。退職時には、退職金を含めて2500万円ほどの貯金と、株券や保険などを合わせて総額4000万円程度の資産があった。小野さんが語る。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)
「家は持ち家だし、庭の畑で野菜を作っているし、生活費は光熱費とガソリン代、そして趣味のゴルフや付き合いの飲み代くらいなものでした。二人の子どもたちも独立しており、何年も前にローンは完済。いままで懸命に働いてきた分、『さあ、これから老後を楽しもう』と暢気に考えていました」
そんな小野さんが「いまほど苦しい時期はない」と語るようになるまでに、何が起こったのか。小野さんが続ける。
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「きっかけは、すでに独立し家庭をもっていた息子が起こした交通事故でした。100%こちらに責任のある事故で、相手は障害を負ってしまいました。しかも、運の悪いことに、息子は1ヵ月前に保険が切れていたんです。慰謝料に1000万円、相手に治療代や入院費、障害が残ったことで必要になった家の改築費など、総額で5000万円も相手から請求されました。これをすべて払わないといけない。裁判をしても仕方ない、息子の過失責任は逃れられないと覚悟し、そのまま払うことにしました」
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)
毎月30万円の賠償金を払うため、息子の給料は、ほぼ天引きされている。子どものいる息子家族は、住んでいたアパートを出て、小野さんの一軒家に同居することになった。小野さん自身も、貯金や保険をすべて解約したが、5000万円には到底足りなかった。
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「大事にしていたゴルフクラブもまとめて売りに行きました。何十万円もしたパターが、2000円という悲しくなるほど安いカネにしかならず呆然としましたよ。会社時代の人間関係も、カネがかかるので畳みました。正直なところ、当初は『こんなことがあっていいのか』と、相手を随分と怨みました。
ですが、責任を重く感じた息子が、休みの日もトラック運転手のアルバイトをしている姿を見て、私も生きているうちに出来る限り助けてやりたいと思うようになり、早朝のチラシ配りのバイトをはじめました」
現在、小野さんはチラシ配りに加えて、隣町にあるコインパーキングの管理人のバイトもしている。孫を含めた一家5人にとって、小野さんの年金は、大きな収入源のひとつだ。
「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(3/4)

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・定年後の収入減が原因で自己破産
Dさんは定年退職後、退職金がほとんどなかったため、契約社員としてすぐに働き始めました。しかし、500万円あった年収が250万円に落ち込み、これまでのどおりの生活は無理な状況でした。
定年後の収入減が原因で自己破産したケース | 岸和田債務整理 相談センター
ところが、お金の管理を任せていたDさんの奥様が以前と変わらず健康食品の購入やマッサージ通い等の浪費を続けたため、Dさんがその事実に気づいた頃には、Dさん名義の借金が400万円にまで膨れあがっていました。
定年後の収入減が原因で自己破産したケース | 岸和田債務整理 相談センター
自宅を手放す
Dさんは自宅を守るため住宅ローン特則を利用した個人再生を希望されました。しかし、自宅に設定された抵当権が住み替えローンであったため、住宅ローン特則を利用することができず、自宅を手放す以外に方法はありませんでした。
そこで、自宅を手放す決心をしたDさんが取るべき方針は一つ、自己破産でした。
定年後の収入減が原因で自己破産したケース | 岸和田債務整理 相談センター
Dさんご夫婦はこの歳で引越するのは精神的にも身体的にも辛いと落ち込んでおられました。しかし、住宅ローンの支払いよりも安い家賃でいい物件が見つかったようで、笑顔で引越しの話しをされていました。
また、競売直前に任意売却が決まり、売却代金から引越費用を控除することを認めてもらえたこともDさんにとっては大きかったようです。
定年後の収入減が原因で自己破産したケース | 岸和田債務整理 相談センター

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