消えた幼い王 エドワード5世

ユミアンヌ
薔薇戦争末期、わずか12歳で王位を継承したエドワード5世。しかし、戴冠式挙行前に退位させられ弟と共にロンドン塔へと幽閉されました。その後、彼らの姿は姿を消しました。二人の末路については、様々な仮説が立てられていますが、未だに真相は闇の中です。

エドワード5世って?

エドワード4世と王妃エリザベス・ウッドヴィルの長男として誕生。
父王がフランス討伐の準備中に死去したため、わずか12歳で王位を継承することに。

王の嫡子から一転、庶子として認定されて・・・

1470年11月4日に生まれたエドワード5世は、エドワード4世と王妃エリザベス・ウッドヴィルの長男で、1483年4月9日、フランス討伐の準備中に死去した父エドワード4世の跡を継いで12歳で王位を継承した。

ところがエドワード5世がラドロー城からロンドンへと向かっている途中、摂政に就任した父方の叔父グロスター公リチャードは、母方の叔父でエドワードの側近でもあったリヴァース伯アンソニー・ウッドヴィルを逮捕し処刑してしまう。

その後、エドワード5世は弟のヨーク公リチャードとともにロンドン塔に幽閉された。3ヵ月後の6月26日、議会はエドワード4世とエリザベス・ウッドヴィルの婚姻は無効であり、エドワード5世とヨーク公はエドワード4世の庶子であるとして、王位継承の無効を議決した。そしてグロスター公リチャードが推戴され、リチャード3世としてイングランド王に即位した。
ロンドン塔に幽閉された王子、エドワード5世なのか?写真に写りこんだ少年の顔(イギリス) – エキサイトニュース

「兄王(エドワード4世)と王妃エリザベス・ウッドヴィルの婚姻は無効である。
なぜなら兄王はエリザベスと結婚する前から、
すでにエリナー・バトラーという女性と結婚していたからだ。
エリザベスとの結婚は重婚であり犯罪である!」

このように演説した上で宣言します。

「よってエドワード5世には王位継承権はない。
そうなると、王位継承権を持っているのは私だけだ。
・・・仕方がない。私が新しく王位に就こう!」
ロンドン塔で何が起こったか : 塩はうまくてまずいです

実は、かなりの好色であった父・エドワード4世。
エリザベス・ウッドヴィルと正式に結婚する以前、エレノア・バトラーという女性と婚約していたそう。
リチャード3世は、これを「重婚」であると主張したのです。

ロンドン塔での幽閉生活

「ロンドン塔=劣悪環境の監獄」というイメージがありますが、「女王陛下の宮殿にして要塞」という現在の正式名称が表すとおり、「王宮」なのです。
なので、幽閉の身とはいえ、それなりの生活はできたと思われます。

ロンドン塔といえば、投獄や処刑っていうイメージですけど、
あくまでも「王宮」の一つであり、その一角に牢獄や処刑場があっただけ。

ですから「リチャードが少年王をロンドン塔へ移した」と言っても、
それは直ちに監禁を意味するモノではなく、
「エドワード5世はロンドン塔で、健やかに暮らしている」
むしろ多くの貴族たちはこのように考えてました。

さらにリチャードはエドワード5世の弟(ヨーク公)もロンドン塔へ送っちゃいます。
「兄王の遊び相手として、弟のヨーク公もロンドン塔へお連れしたい」
この言葉に誰も疑問を持たなかったみたい。
ロンドン塔で何が起こったか : 塩はうまくてまずいです

忽然と姿を消した二人

「塔の中の王子たち」(ジョン・エヴァレット・ミレー画)
ーエドワード5世に仕えていた従者たちは、国王の身辺から遠ざけられた。
国王と弟はロンドン塔の奥の部屋に置かれ、いつしか全く姿を見せなくなった。
私はエドワード5世の話になると涙に暮れる人を数多く見てきた。
「少年王が始末されたのだ」というウワサはたしかにあった。
ただし少年王が本当に始末されたのか。どのような死を迎えたのか。
私はこれまでのところ全くつかんでいない。ー
(トマス・モア)

彼らを始末した犯人は?

一体誰が始末を命じたのか、それは未だに分かっていません。

一般的には、リチャード3世が犯人であるとされています。
シェークスピアも戯曲『リチャード3世』で彼を犯人としています。

一方で、後にチューダー朝初代王となるヘンリー・チューダー(ヘンリー7世)が犯人であるという説もあります。

いずれにせよ、真相は闇の中です。

「消えた二人」のものと思われる遺骨の発見

さて、それから200年ほど後の1674年7月。イギリスを揺るがす発見がありました。

2人分の子供の骨がロンドン塔で見つかったのです。

ホワイト・タワーの外階段を取り壊している時、石造階段の土台の下に木櫃が埋まってるのを、職人が見つけました。開けてみると、中には二体の子供の骨が入っておりました。

時の国王チャールズ二世は、王室付きの外科医に遺骨を調べさせました。

外科医は王子達の骨であると判断を下し、その後、二体の遺骨を納めた大理石の棺が、ウェストミンスター・アベイ内のヘンリー七世礼拝堂に安置される事となりました。

その約260年後(1933年)、国王命により遺骨の調査が再度行われ、歯と頭蓋骨の類似点から、両者は血縁関係にあるとされました。年齢は、大きな方が12-13歳、小さな方が9-11歳と推定され、また、二人の死因は窒息死であるとの証拠も発見されました。

(二王子は枕を押し付けられて窒息死したという説がある。)

最近では二体の遺骨を二王子とする事に対する反論もあるそうですが、ここはひとつ、悲劇の王子様達がようやく安住の地に辿り着いたのだとしておきたいと思います
「心霊スポットの旅」(番外編)〜「再びロンドン塔」 ( 幽霊、心霊 ) – 実録!!ほんとにあった(と思う)怖い話 – Yahoo!ブログ

ロンドン塔に現れる二人の子供の幽霊

幽霊が数多く目撃されているロンドン塔。
その中に、手を繋ぐ二人の男の子の霊がいるそうです。
彼らがしばしば目撃されるのは、ブラッディー・タワー周辺。

もしその姿を見たのなら、悲しい人生を思いやってください・・・。

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2020年03月22日