敵わない叶わないのだこの恋は眠気眼で灯火を消す
嘘をつくときが一番やさしかったあなたのことを恨んでいない
加藤千恵
テーブルの下で始めた恋だから 見えないように終わってもいい
佐藤真由美
気が付けば 君の好める花模様ばかり手にしている試着室
俵万智
「ねえ今度旅行に行こう」というセリフ何回二人で言い合ったっけ
ゆうやけに染まる河川を飲み干してあなたを祝う薔薇になりたい
最果タヒ
花びらの静脈たどり熟睡のきみへとぼくは辿り着いたの
最果タヒ
君という特殊部隊が突き破る施錠してない僕の扉を
木下龍也
「男には騙されるなよ」とつぶやいた 私あなたが好きなんだよね
人はなぜ好きだと言えず立ち止まる愛はいつでも少年のまま
こんなめに君をあわせる人間は ぼくのほかにはありはしないよ
穂村弘
いつまでも君の隣に並べない あと10cmの勇気がほしい
この煙草あくまであなたが吸ったのね そのとき口紅つけていたのね
佐藤真由美
ロッテリアのトイレでキスをするなんて たぶん絶対最初で最後
加藤千恵
触つてはいけないものばかりなのに博物館で会はうだなんて
山木礼子
電話口でおっ、て言って前みたいにおっ、て言って言って言ってよ
東直子
いろんなことあっても今幸せなのは いろんなことがあったからなの
佐藤真由美
名前などただの記号と知りつつもその三文字が我ときめかす
「ぜんぶ好き」以外出口のない問いに「おっぱいです」で勝負して散れ
佐々木あらら
土砂降りに打たせておいた そばで傘さしかける資格などないから
谷村はるか
愛なんて体に悪いだけだから泣いてる俺はまちがいなのだ
佐々木あらら
嫁さんになれよだなんて缶チューハイ二本で言ってしまっていいの
俵万智
人づての便りを拾い集めれば嗚呼君が今この世に生きている
田中雅子
触れてよと願う心に手のとどかず 触れるのはどうでもいいようなたとえば乳房
岡しのぶ
今すぐにキャラメルコーン買ってきて そうじゃなければ妻と別れて
佐藤真由美
どのくらい走れば君を忘られる強く激しく地球儀まわす
岡しのぶ
教室のドアを開けたらキミがいた目は合わさずに「おはよう」の声
道の先向かってくるのはあの二人わたしはひとり曲がり角行く
愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人
俵万智
友達でいようだなんて話し合う 友達同士はいない 絶対
佐藤真由美
あと少し君の笑顔も惜しくなる春になったらもうさようなら
世界からナンパ消えたのではなくナンパされなくなっただけです
もし君と結ばれなければ月のでる夜にだけ咲く桔梗になろう
岡しのぶ

