「人間の没落だ」世界最強の囲碁棋士がグーグルの人工知能に連敗

銀河鉄道の昼
現在、グーグルの傘下企業が開発した囲碁ソフト「アルファ碁」と韓国のプロ棋士イ・セドル九段の五番勝負が行われています。大方の予想はイ・セドル九段が全勝するというものでした。しかし、蓋を開けてみれば、第一局第二局とイ・セドル九段が完敗するという衝撃的な結果に終わりました。

イ・セドル九段がグーグルの囲碁ソフトにまさかの連敗

人類最強棋士が人工知能に連敗
グーグルが開発した囲碁プログラム「アルファ碁」が韓国のイ・セドル九段に2連勝をおさめました。

イ・セドル九段は十数回の国際棋戦優勝経験を誇り、その独創的な棋風から「囲碁界の魔王」とも呼ばれています。日中韓を問わず世界中の囲碁ファンから尊敬を集める大棋士であり、人類代表としては申し分ない実績の持ち主と言えます。

それだけに今回の結果は各国で大きな衝撃をもって受け止められています。一部のプロ棋士からは「完全に超えられた」との評もあり、「囲碁を打つ意味が無くなる」という悲観的な声も聞こえ始めています。

残すは三局となっている両者の対局ですが、果たしてどうなるのでしょうか。

米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャーの囲碁ソフトは10日、世界トップクラスの韓国人プロ棋士、李世●(石の下に乙、イ・セドル)九段との第2戦も勝利した
囲碁ソフトが世界トップ棋士に2連勝  :日本経済新聞

対局は全5戦で15日まで行われるが、2連敗を喫した李九段は残り3局を全勝すれば、勝者に支払われる賞金100万ドル(約1億1300万円)を獲得できる。
Chosun Online | 朝鮮日報

グーグルが開発した囲碁ソフト「アルファ碁」

Google傘下のDeepMindが開発した最強の人工知能「アルファ碁」
昨年10月には囲碁の欧州チャンピオンと対戦し、5局全勝するという衝撃的な結果を残した。また、一部には今年の一月に英国で元世界棋戦優勝者の中国人棋士と秘密対局を行い完勝したとの噂も出回っている。真偽のほどは不明であるが、その底知れぬ性能に注目が集まっている。

Google傘下のDeepMindが開発した最強の人工知能「アルファ碁」(AlphaGo)
“魔王”「李世ドル」対“Google DeepMind”「アルファ碁」を、無料生中継 | RBB TODAY

アルファ碁は「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる人工知能の新技術を取り入れ、自分自身と戦わせるなどして囲碁の特徴を自己学習できるという
<囲碁>人工知能に負けた プロ棋士衝撃 | 河北新報オンラインニュース

今年1月にネイチャーに論文が掲載され、他囲碁プログラムとの対戦で500戦中499勝、プロ棋士との対戦で5戦全勝したことなどが明らかとなった。
“魔王”「李世ドル」対“Google DeepMind”「アルファ碁」を、無料生中継 | RBB TODAY

チェスや将棋ではすでにトッププロと互角以上の実力に達していた人工知能だが、手数が圧倒的に多く複雑な囲碁では、そのレベルに達するのはまだまだ時間がかかると思われていた
人工知能「第3の波」、囲碁でも人間に勝った! | 通信 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

そのアルファ碁と対決しているのが李世ドル九段である

李 世乭(イ・セドル、이세돌、1983年3月2日 – )
現在33歳のイ・セドル九段は現代囲碁界を代表する人物の一人である。独創的で戦闘性の強い棋風から「魔王」とも呼ばれ、十数回の国際棋戦優勝経験を誇る最強棋士である。現在では中国の柯潔九段に世界トップの座を譲ってはいるものの、囲碁ファンであればその名を知らぬ者はいない大棋士であることに変わりは無い。

韓国棋院に所属する囲碁棋士で、独創的で戦闘性の強い棋風から“囲碁界の魔王”と呼ばれる。
人工知能(AI)と“歴史的囲碁対局”李世ドル(イ・セドル)九段とは?│韓国社会・文化│韓国ドラマ・韓流ドラマ 韓国芸能ならワウコリア

第一局は大方の予想を裏切りアルファ碁が制した

第一局はまさかの展開となった
大方の人間の関心はグーグルの作った人工知能が世界最強棋士を相手にどれだけ善戦できるかであった。アルファ碁がいきなり完勝する展開は考慮の外であった。

第一局は、接戦の末、アルファ碁(AlphaGo)が186手で白番中押し勝ち
社会/ニュース/ニュース/KBS World Radio

中盤までは互角の戦いだったが、終盤でAlphaGoが追い込む形となった。186手目でLee氏が首を振り、負けを認めた。
グーグルのAIプログラム「AlphaGo」、囲碁世界チャンピオンに勝利 – CNET Japan

この結果に日中韓の囲碁界は衝撃を受けた

戦前にはイ・セドル九段が全勝するとの予測も多かった
いくらアルファ碁が革新的に強いと言っても世界最強クラスの棋士を相手に戦えると予想したものは殆どいなかった。一部のプロ棋士は「侮りがたい」との評価を与えていたが、それでもイ・セドル九段が優位であるとの見方が大勢を占めていた。

それだけに第一局の敗戦は極めて衝撃的なものであった。日本中国韓国のみならず、欧米メディアもこの結果を大きく報じた。

「囲碁界やIT業界は当初、李九段の圧倒的優勢を予想していたが、データが人間の直感を上回った歴史的瞬間と受け止めた」
「人間超えた」「歴史的瞬間」=囲碁ソフト勝利に衝撃—韓国紙 – BIGLOBEニュース

中央日報

「全世界が衝撃を受け、一部には人間を超えた人工知能への恐怖感もある」
「人間超えた」「歴史的瞬間」=囲碁ソフト勝利に衝撃—韓国紙 – BIGLOBEニュース

韓国日報

「囲碁だけは機械が人間を倒せない分野だと思っていた。囲碁の没落は、人間の没落であり、囲碁が好きかどうかは別としても悲しい日になった」
Chosun Online | 朝鮮日報

パク・ジウン九段

囲碁を打つ意味が無くなると指摘する棋士も
あまりのショックに囲碁界の未来を悲観するコメントを出す棋士も現れた

「囲碁の魅力は、結果を予測できない神秘的なところだ。人間が機械に負けるなら、人間があえて囲碁を打つ理由がなくなるではないか」
Chosun Online | 朝鮮日報

ソ・ヌンウク九段

「場合の数が無限に多いといっても、定石のようにしばしば使われる手には限界を有するしかない。いつか完全体のような存在が現れるとは思っていたが、その日がこんなに早く来るとは思わなかった」
<囲碁:人間vs人工知能>ミスなかったのに負けるとは…李世ドル「1局でも勝つ」 | Joongang Ilbo | 中央日報

キム・ヨンサム九段

「有利な局面では守備的に、不利だと判断すれば強く攻める運営能力がトップ圏のプロ棋士レベル」
<囲碁:人間vs人工知能>人間が作った人工知能に人間が負けた | Joongang Ilbo | 中央日報

モク・ジンソク九段

一方、イ・セドル九段はこの時点では「勝算はある」と話していた

第一局目はイ・セドル九段にもミスが目立った
その為、イ・セドル九段がいつも通りの力を発揮すれば勝つことは可能であると評価するプロも多かった。劉昌赫(ユ・チャンヒョク)九段はイ・セドル九段が「緊張しすぎていた」ことを敗因に挙げた。

本人も「勝算はある」と対局後に若干ながら自信を見せていた。

「現在、実際に衝撃的ではあるが、非常に楽しめたし、今後の囲碁も期待でき、後悔はない」
<囲碁:人間vs人工知能>李世ドル九段「布石さえ上手くすれば勝算…五分五分の勝負」 | Joongang Ilbo | 中央日報

「私は機械とは違い、多くの経験を積み重ねてきた。全勝という目標は達成できなくなったが、あとは必ず勝利を収める」
Chosun Online | 朝鮮日報

「今後、布石さえうまくすれば勝率がありそうだ。2番目に驚いた勝負の手が出てこなかったとすれば明日は私が有利だと言っていただろうが、あれを見たので今後は五分五分だと思う」
<囲碁:人間vs人工知能>李世ドル九段「布石さえ上手くすれば勝算…五分五分の勝負」 | Joongang Ilbo | 中央日報

「私は世界大会優勝の経験と多くの実戦があり、一度負けたからといって動揺しない。樊麾二段とは違う」
<囲碁:人間vs人工知能>李世ドル九段「布石さえ上手くすれば勝算…五分五分の勝負」 | Joongang Ilbo | 中央日報

しかし、第二局はまさに完敗と言える内容だった

イ・セドル九段にはこれといって大きなミスは無かった
中盤からリードされるとあっさりとアルファ碁に勝利を許してしまった。

中盤以降でリードを鮮明にし、最後まで隙を与えなかった。
囲碁対局5番勝負、人工知能が2連勝 世界トップ棋士「完敗」 — スポニチ Sponichi Annex 社会

セドル九段から余裕が消え去った「弱点が無い」

「私の完敗だったことを認める」
対局後の記者会見では青ざめた顔で「完敗」を認めた。戦前には「全勝はかなり難しい」と”謙遜”していたイ・セドル九段だが、もはやそれどころではなくなってしまった。今や人々の関心は「イ・セドルはアルファ碁に一勝することができるのか」である。決してアルファ碁を侮っていたわけではないが、実際の結果は想像以上に厳しいものとなってしまった。

李氏は対局後、記者団に対し「言葉がない。私の完敗だったことを認める」と語り、10日のアルファ碁には「弱点がなかった」と付け加えた。
グーグル開発のAI、囲碁第2局も勝利 トップ棋士との対局で 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

「アルファ碁は今日、ほぼ完ぺきな囲碁を打った。(中略)全力を尽くして、少なくとも1勝はしたい」
グーグル開発のAI、囲碁第2局も勝利 トップ棋士との対局で 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

日本の第一人者である井山六冠もショック隠せず「恐ろしい」

日本の井山六冠も衝撃の連敗に驚きを隠せず
井山六冠はアルファ碁と欧州王者の棋譜を見て「棋譜を見るだけでは、どちらが人間(プロ棋士)か分からない」とその性能を高く評価していたが、これほど強いとは全く予測していなかったようだ。一方、大橋七段はセドル危うしとの見方をたてていたが、こうした悲観的な展望を支持する者は殆どいなかった。

井山碁聖は「恐ろしいことが起こっている」とソフトの強さにショックを隠せない様子だった
人工頭脳が韓国棋士に連勝 井山碁聖「恐ろしいこと」/囲碁 – 芸能社会 – SANSPO.COM(サンスポ)

その他のプロ棋士らも次々と驚きのコメントを発信
解説を担当したプロ棋士は序盤はイ・セドル九段優勢であると見ていた。しかし、時間が経つにつれてアルファ碁が自然とリードを広げていき、気が付けば挽回できないほどの差がついていた。「人間の理解を超えた手を打ってくる」と評価する棋士もいる。

一方、中国の柯潔九段は自分なら勝てると強気のコメント

柯潔九段はセドルの全勝を予測していたが…
アルファ碁の強さを目の当たりにし、当初の予測を完全に修正した。しかし、柯潔九段はセドル九段の棋風に敗因があると見ている。イ・セドル九段は中終盤の逆転術に優れているが、人工知能はそれに付き合ってはくれないとの見方である。従って、序盤中盤終盤に隙が無い自分であればアルファ碁に勝てると考えているようだ。

世界最強プレイヤーとうたわれている中国の柯潔(かけつ)九段が9日、「AlphaGoは李世ドルに勝っても、僕には勝てない」と微博でコメントを発表
「AlphaGoは李世ドルに勝っても、僕には勝てない」 世界最強の囲碁棋士(18歳)がコメント – ねとらぼ

当初、李九段の5対0の勝利を予想していた柯潔九段は第1局の後、「アルファ碁が5対0で勝つ可能性もありそうだ」と話した。
<囲碁:人間vs人工知能>「アルファ碁、ミスをしても冷静さを維持」 | Joongang Ilbo | 中央日報

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2016年03月12日