夜間頻尿とは?
夜眠りについたあと排尿のために1回以上起きなければならないという悩みがあり、
そのことで日常生活に支障をきたしている状態をいいます。
夜間頻尿は歳をとるにしたがい増加し、
そして夜間の排尿回数も増え著しく生活の質を低下させます。
その原因は?
夜間頻尿の原因は、下記の3つに分けられます。
①多尿(夜間多尿:夜間の尿量が多いこと)
②膀胱容量の減少
③睡眠障害
①夜間多尿
多尿の原因としては、
糖尿病などの内分泌疾患、水分の摂り過ぎなどがあり、
特に夜間の尿量が多くなる夜間多尿の原因としては、
高血圧、うっ血性心不全(心臓の働きが弱った状態)、腎機能障害などの全身性疾患、
睡眠時無呼吸症候群(睡眠時に呼吸が一時的に止まる病気で、いびきをかく人によくみられます)などがあります。
②膀胱容量の減少
少量の尿しか膀胱に貯められなくなるもので、
過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎などで膀胱が過敏になるために起こります。
過活動膀胱は膀胱に尿が少量しか溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまう病気で、
脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄(せきずい)の病気で膀胱のコントロールが効かなくなる、前立腺肥大症による排尿障害のために膀胱が過敏になる、などの原因で発生します
③睡眠障害
眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまうために、
目が覚めるごとに気になってトイレに行くものです。
オシッコを我慢しすぎると・・・?
溜まった雑菌が繁殖して膀胱に炎症が起こる、『膀胱炎』になってしまいます。
下腹部に痛みや不快感を感じるようになり、排尿時に痛みを伴うことも!
※膀胱炎は一度なったら、再度膀胱炎を発症しやすくなります。
頻尿の対処方法は?
高血圧、心疾患、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などによる夜間多尿の場合は、
基礎疾患の治療が重要です。
また、水分を摂ると血液がサラサラになり、
脳梗塞や心筋梗塞が予防できると信じて寝前や夜間にたくさんの水分をとる方がいますが、
科学的根拠はなく、水分の摂りすぎで頻尿になっている場合は水分を控えることが必要です。
過活動膀胱では、膀胱の勝手な収縮を抑える薬剤(抗コリン剤)を服用します。
睡眠障害による夜間頻尿には、睡眠薬の内服も有効ですが、
よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善も重要です。
原因がわからない場合は?
原因がはっきりしない場合は、泌尿器科専門医を受診して、
まず原因のチェックから始めることが重要です。