【訃報】チャールズ・ケネディ元LibDems(英国の自由民主党)党首

nofrills
あまりに突然の悲報に、本当に言葉もありません。ご家族・ご友人はどんな思いでいらっしゃるかと思うとなおのこと。

日本時間で午後4時前、英国の時間帯では午前8時前に北アイルランドのリストを見てみたら、こんなツイートがRTされていた。

Stephen Tall@stephentall

CK’s final tweet. twitter.com/charles_kenned…
CKって誰… とURLを見ると、「チャールズ・ケネディ」だ。英Liberal Democrats (LD) の党首として、2003年のイラク戦争に反対し、LDという政党に期待できることとは何かを示した政治家。(ただしそれは10年前のことで、5年前に発足した保守党との連立政権においてLDは、「イエスマン」の役割しか果たせないということがはっきりと示された。)

そのケネディの「最後のツイート」って、どういうこと……。


https://matome.naver.jp/odai/2143323144225794901/2143323578331955803
「最後のツイート」は5月9日、LDのサイトに寄せた文章のフィードである。
https://twitter.com/charles_kennedy/status/597001998962192384

すぐあとにRTされていたのがこのツイート。

Paula Bradshaw@PaulaJaneB

Very sad to hear about the death of Charles Kennedy – a popular political figure, but also a father, my thoughts are with his family
ポーラさんは、北アイルランドでLDと連携している政党、アライアンス党所属のベルファスト市議会議員。

すぐにBBC Newsのトップページを見た。


https://matome.naver.jp/odai/2143323144225794901/2143323578331956303
急病で亡くなったのなら、そう書く。ブレア政権で外務大臣を務め、イラク戦争には反対したロビン・クックがトレッキング中に急死したときは、今とはニュースのスピードが違ってはいたが、最初から「急病死」であることが書かれていた(正確な死因はその後、法医学的に特定するまでわからなかったので、当初はsupposedなどの形容詞つきだったと思うが)。
ヘッドラインでそうなっているときは、多くの場合、そういうことです。ロビン・ウィリアムズも第一報はfound deadでした。
このときにはもうTwitterのTrendsはこんな感じで……

(※ただしこのキャプチャは上記ツイートの30分ほどあとのもの)


https://matome.naver.jp/odai/2143323144225794901/2143323578331957203
ガーディアンはこうだった。一番上の大きな写真は、議員に初当選したときの若々しいCKの写真から、党首になったときの写真、移動中交通機関の中でニック・クレッグと熱心に話をしている写真などから構成されたスライドショーになっている。
http://www.theguardian.com/uk

所属政党LDのサイトでも告知されている。

That’s something I always hoped I wouldn’t have to write.

I was woken up a few minutes ago by my phone buzzing. “I just want to send you my condolences” said the message from an old friend. That made me sit up pretty sharpish. It didn’t take long to find out what she meant.
Charles Kennedy 1959-2015

LDのサイト担当者のことば。「こんなことを書く必要ができるなどということがなければよいのに、と常に思ってきたことを書かねばなりません。数分前、電話の着信音で起こされました。昔からの友人のメッセージで『このたびはご愁傷様でした』。それを聞いてしっかりと身を起こしていました。何の話なのかがわかるまでには、さほど時間はかかりませんでした」

Mr Kennedy’s family said in a statement: “It is with great sadness, and an enormous sense of shock, that we announce the death of Charles Kennedy.

“We are obviously devastated at the loss. Charles was a fine man, a talented politician, and a loving father to his young son.”
Charles Kennedy 1959-2015

ご家族のステートメント。「大変に悲しいことに、チャールズ・ケネディが死亡したということをお伝えいたします。多大なる衝撃を感じております。この喪失に打ちひしがれております。チャールズはまっとうな人物で、政治家としての才に恵まれ、幼い息子にとっては愛情あふれる父親でした」

I’m sitting here feeling, like most of you will be, shocked, raw and numb. This is a guy whose warmth, wit and wisdom was never more needed. I really don’t like the thought of a world without him in it.
Charles Kennedy 1959-2015

サイト担当者のことば。「みなさんもそうだと思いますが、私もただショックを受け、固まってしまっています。この人のあたたかさとウィットと知恵がまさにこれまでにないほど必要とされているというのに。チャールズのいない世界のことなど、考えたくありません」

▼チャールズ・ケネディ(1959-2015)

https://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Kennedy

1959年11月、スコットランドのインヴァネスに生まれる。ハイランド地方のフォート・ウィリアムという町のコンプリヘンシヴ・スクール(一般の学校)に通い、グラスゴー大学に進んだ。学生のころから政治への関心は高く、SDP(社会民主党)の活動を行なっていた。弁論に長け、ディベート大会で優勝するほどだった。

グラスゴー大を卒業してBBCで働くようになったが、フルブライト奨学金を獲得して米インディアナ大学に学籍を得た。このときにSDPから指名されて立候補、23歳の若さで英下院に議席を得た(83年)。

1980年代後半、SDPはLP(自由党)と合併し、現在のLD(自由民主党)が成立。ケネディはその新しい政党でも着実に地歩を固め、1999年にパディ・アシュダウンの引退にともない、LD党首に選出された。テレビにもよく出て人気を博していたケネディの率いるLDは、2001年、2005年と連続して総選挙で得票率を伸ばし、2005年には自由党が二大政党の座から転落して以来最大の議席を獲得した(62議席)。

ちなみに、その次の2010年の選挙では、下馬評はやたらと高かったLDだが、獲得議席は減らした。小選挙区制ゆえの問題だということで選挙制度改革運動が起きたが、尻すぼみに終わった。

2005年の総選挙の結果は、しかし、LDにしてみれば期待外れだった。イラク戦争をめぐり労働党への不信が高まる中、「保守党でも労働党でもない、第三の選択肢」としての追い風を受けながら、言っていたほどの結果が出せなかった。

このころ、ケネディには「健康問題」がついて回るようになっていた。といっても倒れたとか手術したとかではない。アルコール依存の問題だ。

最初はメディアにいろいろ書かれた。ケネディの側は否定していたが、ついに問題を認め、党首を辞した。2006年1月のことだった。

党首を退いたあと、ケネディは「平議員」として活動を続け、またEuropean Movement UKという団体(超党派で親EUの国会議員で構成される団体)を率いた。

2002年に結婚した夫人との間に2005年に生まれた子供がいるが、夫人とは2010年に別居、離婚が成立した。

そして2015年5月7日の総選挙。スコットランドがSNP一色に塗られたこの選挙で落選した大物議員の一人がケネディだった。

2010年の総選挙では、スコットランドの全59議席中、LDは11議席を持っていた。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_MPs_for_constituencies_in_Scotland_2010%E2%80%9315

それが、2015年にはわずか1議席となった(SNPが全59議席中56議席を持っている)。いまや、LDがスコットランドに有しているのは、オークニー&シェットランドの離島選挙区1つだけである。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_MPs_for_constituencies_in_Scotland_2015%E2%80%9320

チャールズ・ケネディといえば、英国政治とはあんまり関係のないところにいる私としては、何より先に思いつくのが2003年のイラク戦争反対運動だ。

労働党のトニー・ブレア政権が主導し、保守党もほぼ何の疑問も呈さずに賛成したイラクへの攻撃に反対した大政党は、LDだけだった(小政党ならいくつもあるが)。

ハイド・パークでの集会。壇上から何人もの著名人が次々と「正当性のない(違法・不法な)武力行使に反対する」ことを表明し、確認したときのチャールズ・ケネディのスピーチは:
https://twitter.com/nofrills/status/605660039609643008

政治家やジャーナリストなど、ケネディを仕事上知っている人々の反応が、ガーディアンのライヴ・ブログに集められている。

チャールズ・ケネディが会長をつとめていた団体、European Movement UK

Twitterをさかのぼってみた。

私が見つけることのできた最初のツイート。

以下、私がログインした状態でのTwitterでの検索結果より。

Tom Parfitt@tparf

BREAKING: Ex-Lib Dem leader Charles Kennedy found dead.
“has been found dead”
“has died”
チャールズ・ケネディが2010年に離婚したサラさんの兄か弟。

Christian Guy@ChristianGuy_

Awful, awful news about Charles Kennedy.

GAPonsonby@GAPonsonby

Shocked and saddened to hear the news of former Lib Dem leader Charles Kennedy’s untimely death. So, so sad.

David Jones@DavidJonesMP

Shocked to hear of the very early death of Charles Kennedy.

Joe May@91jmay

@mehdirhasan seemed to be unusually principled which stood him apart. Very sad.

Mìcheal Marten@MichaelMarten

Charles Kennedy stood against the invasion of Iraq, and for that alone, a courageous stance in the clamour for war, he deserves recognition.
ジョン・プレスコット(イラク戦争当時、副首相だった)のこの発言……
1 2