≪更新情報≫
・2014/9/22 「プリズンホテル【2】秋」/浅田次郎、「ポプラの秋」/湯本香樹実、追加。
・2014/9/27 「十一月の扉」/高楼方子、追加。
美しい秋の風景。過去への思いを胸に、曾祖母は天へと昇る。
青すぎるほどに青い空の下、金色に輝く稲穂に葬送の列が行く野辺送り・・・人々の頭上を舞う赤蜻蛉・・・遠くで聞こえる百舌の声。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 金色の野辺に唄う
田舎の秋の美しい風景がザァッと浮かび上がります。
人は生きれば生きるほど見えない荷物を肩に背負って、そしてその重みで自らを地に足をつけさせて生きていくのだろうと思う。現状の自分を見極め、諦め、そこからの一歩を自力で進んでいくこと。それが大人になるということなのかも。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 金色の野辺に唄う
シンプルながら、非常に奥深い作品です。
九月の終わり。醜くも美しい悪夢の日々が幕を開ける。
高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。
これはミステリーでもホラーでもない。恋愛小説であり、心理小説であり、母の子に対する愛情を描いた小説である。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 九月が永遠に続けば (新潮文庫)
色んな要素の詰まった作品です。
答えのない虚無感と、肉体や精神にまつわる不可思議をギリギリまで書こうとしている
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 九月が永遠に続けば (新潮文庫)
正直言って、読後感は良くありません。ドロドロとした昼ドラのようなストーリー展開。
しかし、読んだら止まらない作者の圧倒的な文章力が魅力です。
黒髪の乙女に恋をした。クライマックスは秋の学園祭で。
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
四季や京都の情景とともに若者の心が丁寧に表されているなと思いました。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
季節の移り変わりを楽しめます。
おともだちパンチ→偽電気ブラン→詭弁踊り→赤玉ポートワイン→二足歩行→ダルマ・・・と枚挙にいとまがない。もう、読んだ者しか分からない、お腹の底が暖かくなる迷宮である。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
読んだ人にしか分からない、森見ワールド。ハマったら抜け出せません。
何度も繰り返される11月7日。仲間を消すアイツは神か仏か…。
十一月七日、水曜日。女子大生の藍(あい)は、秋のその一日を、何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は何のために十一月七日を繰り返しているのか。この繰り返しの日々に終わりは訪れるのだろうか――。 まるで童話のようなモチーフと、透明感あふれる精緻な文体。心地良さに導かれて読み進んでいくと、思いもかけない物語の激流に巻き込まれ、気付いた時には一人取り残されている――。
別に大どんでん返しがあるとかそういう訳ではないんですが、余韻を残して本当に自然に物語がフェードアウトしていく。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 秋の牢獄
ちょっと怖そうだけど行ってみたい。この感じは実際に読んでみないとわかってもらえないでしょうね。
Amazon.co.jp: 秋の牢獄: 恒川 光太郎: 本
”閉じ込められること”をモチーフに3編を収録した本書。
明確に秋を舞台としているのは表題作のみですが、他2編でも秋にぴったりな少し怖くてノスタルジックな雰囲気を楽しめます。
文化祭前日、謎の死を遂げた少女。残された人々は何を想うのか。
幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。
本作は、亡くなった少女がどんな人間でどう生きようとしていたのか、そして彼女の生はいったい何を残したのかが、全編のテーマであり、事件の真相を知ることよりも、もっと重要で困難なことが存在し、事件は決して最終的には解決できないことを物語ります。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 秋の花 (創元推理文庫)
”生き方”について深く考えさせられる作品です。
本来、死は日常と隣り合わせに存在しているのだ、と静かに気づかされる。「私たちってそんなにもろいものなんでしょうか」読後、私たちに向かって帯文句のこの言葉が静かに訴えかけてくる。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 秋の花 (創元推理文庫)
*余談
本作は”円紫さんシリーズ”と呼ばれる長編第三弾。
2014.9現在、第五弾まで刊行されています。
ただ”歩く”というだけ。でも、だからこそ見えてくるモノがある。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
誰もが心の一番奥深くにもち続けていてほしい淡くせつないもの。
決して失ってほしくないものがこの中にある。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 夜のピクニック (新潮文庫)
肌寒い季節の夜、という設定も相まって、切なさや懐かしさを思う存分感じることができます。
この本を読んだ後の「何か俺、青春時代にとんでもないもの置いてきちまったなぁ~」という感覚。高校時代はもう十数年も前になりますが、確実にその時の自分を呼び起こす力みたいなものがこの本に秘められていると感じました。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 夜のピクニック (新潮文庫)
ヤクザ経営の旅館。今秋はワケアリな奴らに警察も加わって大騒ぎ!
花沢支配人は青ざめた。なんの因果か、今宵、我らが「プリズンホテル」へ投宿するのは、おなじみ任侠大曽根一家御一行様と警視庁青山警察署の酒グセ最悪の慰安旅行団御一行様。そして、いわくありげな旅まわりの元アイドル歌手とその愛人。これは何が起きてもおかしくない…。仲蔵親分の秘めた恋物語も明かされる一泊二日の大騒動。愛憎ぶつかる温泉宿の夜は笑えて、泣けて、眠れない。
今回は警察と任侠団体の宴会が重なり、はたまたその中に売れない歌手の悲哀な物語もあり、この何重にも絡まった話を一気に読ませる作者の力量には相変わらず敬服します。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)
コメディのようなタッチで描かれた本作ですが、時々挟まれる人間味のある話にほろりときます。
盛りだくさん、電車の中で笑いを堪えたり、泣きそうになったり、大変でした。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)
*余談
本作は”プリズンシリーズ”と呼ばれる長編第二弾。
夏から始まり、秋冬春と続く全四作品が存在します。
前作を読んでからの方が楽しめますが、本作から読んでも全く問題ありません。
黄金色のポプラの下、皆で食す焼き芋…まるで昨日のことのよう。
夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、あるアパートに引っ越した。不気味で近寄り難い大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた―。18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。
人間愛というか、純粋な心と心の触れ合いが、とても素敵なのです。小さなアパートに暮らす人達。赤の他人でも、ほどほどの距離でつながっている生活。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: ポプラの秋 (新潮文庫)
隣人同士、大家さん達が助け合って暮らしていく様子に憧れると同時に、懐かしさを感じます。
失った人への思いに自分でどう決着をつけていくのか、読みながら何度も涙があふれてきてどうしようもない。懐かしい秋の光が心に差し込んでくる一冊。
Amazon.co.jp: ポプラの秋 (新潮文庫): 湯本 香樹実: 本
7歳の少女が父の死から立ち直ろうとしていく姿に胸を打たれます。
十一月。きっとあなたにも何か素敵なことが起こるはず。
北の街。季節は十一月。「十一月荘」で暮らし始めた爽子の二か月間を、「十一月荘」を取り巻く人々とのふれあいと、淡い恋を通して丹念に描くビルドゥングスロマン。一冊の魅力的なノートを手に入れた爽子は、その日々のなかで、「十一月荘」の人々に想を得た、『ドードー森の物語』を書き上げる。物語のなかのもう一つの物語―。それらの響きあいのなかで展開する、豊かな日常の世界。
毎年、十一月になると必ず読み返します。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 十一月の扉
十一月からの二ヶ月、色鮮やかな秋の風景からだんだんと白く染まっていく冬の風景への移り変わりを楽しめます。
わたしは心の痛みをすり減らしてしまうより、いちいち傷ついていく方が素敵な生き方だと自分の傷つきやすさが少し肯定できました。
Amazon.co.jp: 十一月の扉: 高楼 方子: 本
「だいじょうぶ。きっときっと、未来もすてきだ。」と前向きな少女に勇気づけられます。
児童書ですが、大人が忘れていた様々な思いを発見できるおすすめの一冊です。











稲穂が金色に輝き、風に揺れてシャラシャラと唄を奏でる山陰の秋。娘の奈緒子、孫の嫁・美代子、曾孫・東真、近所の花屋の店員・史明の四人に送られ、九十二歳の松恵は息を引き取ろうとしていた。松恵は、先だった夫が今際の際に発した言葉を思い出す。奈緒子は、だれの子だ…。「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」多くの人の心を受けとめ救った大おばあちゃんが、美しい風景に送られ、今日旅立ちます。