今日(米国時間5/16)、Googleはここしばらくの間でもっとも野心的かつ興味深い検索エンジンのアップデートをリリースする。一般公開は数日後になる予定だが、検索キーワードに関連ある重要な事実が検索ページの右側の大きなパネルの中に表示されるようになる。このパネルはGoogleが知識グラフ(Knowledge Graph)と呼ぶ新しいテクノロジーによって提供される。
Knowledge Graphは現在、英語(US)ユーザーを対象にロールアウトが開始されており、パソコン版だけではなく、モバイルデバイス(Android 2.2以上、iOS 4以上)でも利用可能になる。
セマンティック検索とは
いままでの検索エンジンの機能に加えて、物や事象などに対するオントロジーモデルやメタデータ、辞書を作成することで、意味的な検索を可能とするソフトウエア。
はてなキーワード
要するに、より「意味的」に関連したものを検索するというもの
知識グラフ(Knowledge Graph)の役割
役割は大きくわけて2つある。1つは、検索キーワードに関連する主要な事実を表示することだ。著名人の場合なら生年月日その他経歴データ、ミュージシャンならコンサート情報、書籍、建築物、動物等々についてもそれぞれに適切な情報が表示される。2つ目の役割は、ユーザーが検索キーワードで何を意味しているのか明確化するのを助けることだ(Wikipediaの「曖昧さ回避」のページの役割)。ユーザーはこの機能を使って、たとえばkingsを検索した場合、アイスホッケーのL.A.Kingsを検索したいのか、あるいはバスケットのSacramento Kingsを検索したいのかGoogleに知らせることができる。
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Knowledge Graphのおさえるべき3つのポイント
1.同音語の絞り込み
例えば「Taj Mahal」とユーザーが検索した場合、ユーザーが調べようとしていることは世界遺産のタージ・マハルのほか、ブルースミュージシャン、カジノ、インド料理店なども考えられる。そうした検索意図の可能性がKnowledge Graphの「See results about」に並ぶ。該当するものがあれば、ユーザーはワンクリックで検索結果を絞り込める。
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2.要約(サマリー)情報
「Marie Curie」と検索した場合、キュリー夫人の略歴、学歴、家族や関連する人々などの情報がKnowledge Graphに表示される。こうした情報はGoogle検索ユーザーの検索動向を分析したデータから作成されているため、基本情報を確認することでユーザーは検索の回数を削減できる。例えばトム・クルーズの要約情報には、人々が「Tom Cruese」と検索して次に検索することに対する答えの37%をカバーしているそうだ。
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3.発見
Knowledge Graphに書かれている情報はリンク(人や物事の関係)で構成されている。例えばキュリー夫人の情報は、2人の子供や夫、関係した教育機関や研究所、ワルシャワ、ラジウム、ポロニウムなどにリンクしている。また「People also search for」という欄に、同じ検索を行った人たちが同時に検索したことがリストされる。キュリー夫人の場合は「Pierre Curie」「Albert Einstein」「Ernest Rutherford」などだ。こうしたリンクを辿っていくことでユーザーは知識を深め、知らなかったことを発見できる。
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説明動画
Googleは現在通常の検索キーワードを理解するのは極めて巧みになっているが、それでも曖昧さが回避できない場合がある。たとえば、ユーザーがandromeda〔アンドロメダ〕と入力した場合、連続テレビ番組か、アンドロメダ星雲か、はたまたスウェーデンのプログレ・メタル・バンドのことなのか判別がつかない。このような場合にGoogleは右側のパネルに候補を示し、どれを検索しているのか選択できるようにする。 ユーザーが自分の探している対象をクリックするとそれに応じて再検索が実行され、メインの検索結果ページがリロードされる。
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期待や批判の声も
各務一彦 岐阜の方の人@doubledispatch
渡辺麻実@mamiwt
辻正浩 | Masahiro Tsuji@tsuj
Eisho Akiyama@asho
リンク

http://news.mynavi.jp/news/2012/05/17/036/index.html