新たに搭載されるエンジンは、直噴1.3L(リッター)の「SKYACTIV-G 1.3」。混合気の自己着火(ノッキング)を抑制するクールドEGRシステム、6つの噴射口を設定したマルチホールインジェクター、ピストン頭頂部と火炎の接触を抑えるキャビティ付ピストンなどにより、世界一(マツダ調べ)となる高圧縮比14.0を実現。このエンジンを搭載した「13-SKYACTIV」グレードは、30.0km/L(10・15モード)の低燃費を実現した。また、アイドリングストップシステムの「i-stop」は、スムーズで低燃費な瞬間再始動とアイドリングストップの頻度の向上を図った。
注目は、今回新たに設けられたグレード「13-SKYACTIV(スカイアクティブ)」だ。従来のデミオの最高燃費は23km/L(10・15モード)、20.2km/L(JC08モード)だったが、13-SKYACTIVでは30km/L(10・15モード)、25km/L(JC08モード)に大きく改善されているのが特長。13-SKYACTIVグレードと競合する「フィット ハイブリッド」(ホンダ)の燃費は30km/L(10・15モード)、26km/L(JC08モード)なので、HVに対抗できるガソリン車の急先鋒となるモデルといえる。
燃費を追求した3気筒エンジンにアイドルストップを組み合わせた日産マーチで26km/L。簡易型とはいえ、ハイブリッドのフィットで30km/Lである。もしSKY-G搭載のデミオが30km/Lを達成していれば、ホンダのハイブリッドなど意味を失う。
この新型デミオの燃費30km/lは、フィット・ハイブリッドと同じなのである。そして、価格はフィット・ハイブリッドが159万円に対しデミオは140万円と19万円安い。価格も大幅に安くハイブリッド車と燃費も同じなら、ハイブリッド車を買う理由が無くなってしまうのだ。ハイブリッド車は、重く高価な電池やモーターなどを積んでいる。この電池やモーターを作るときにもCO2は排出されるので、環境的にも疑問符を付けざるを得ない。そんな観点からも、コンパクトカーにおいては、本当にハイブリッド車は必要なのか? そんな疑問への回答がSKYACTIV技術を搭載した新型デミオなのである。