【書評】恋愛寫眞【市川拓司】

legacy_user
小説「恋愛寫眞」の感想です。

前書き

「恋愛寫眞」、これ、読めますか?
「れんあいしゃしん」と読みます。
これは、松田龍平と広末涼子の出演した映画へのオマージュとして、市川拓司氏が書いたものです。
ですので、映画とはまったくストーリーが違います。
同じなのは、登場人物の名前くらいでしょうか。
そして、映画は微妙なのに対して、この小説は最高にいい出来です。

私は、これを友人から借りて電車の中とかで読んだのですが、電車の中で切なくなりすぎて、このままだと電車の中という公衆の面前で泣いてしまうかもということで読むのを一旦やめ、家についてから一人泣きながら最後を読んだ、というくらい泣かせる本です。
ストーリーについては、これから読まれる方がの感動を薄れさせたくないのでここでは詳しくは書きません。
是非、自分で読んでみてください。

感想

恋愛小説を書かせたらNO.1、と私が勝手に思っている作者の市川拓司氏は、現実にはないんだけどもしかしたらあるかも、もしくはあってほしい、と思わせるようなストーリーや設定を作るのが非常に絶妙。
私は、リアリティというのを映画にも小説にも結構求めていて、でもその中にもさり気なく非現実的な部分が盛り込まれている作品にとてもはまるという傾向があるので、この市川ワールドにも当然どっぷりはまってしまいました。
全然意味分からん、と思う人はとりあえず読んでください。わかります。
あと、市川拓司さんはこれの前に「いま、会いにゆきます。」とか「Separation」などの作品を書いていますが、これらも素晴らしいです。
「Separation」は、当時放映されていた奥さんがどんどん子供に戻っていってしまうドラマ「14ヶ月」の原作だったかと思います。
「なんとなく現実の中にも非現実のニュアンス」が分かっていただけたでしょうか?

同時期に巷では「世界の中心で愛を叫ぶ」などというものが流行りましたが、まったく月とすっぽんです(当然「恋愛寫眞」が月))。
ちなみに、「恋愛寫眞」を借りたときに「世界の中心で愛を叫ぶ」も借りていて、「恋愛寫眞」を読んだ後に2時間かそこらで読んだのですが、あまり感動はしませんでした。
ストーリーがありふれていて、なんのひねりもなくて、展開も予想できて…。
しかも、確か新聞でも何故こんな平凡なストーリーの物語がこんなに売れているのか分からない!といったことも書いていたし…。
ちなみに、映画も一応観ました。
これを読もうと思ってるなら、まだ映画を見た方がいいです。
恐らく、これが売れたのはタイトルのネーミングが良いのと、表紙の写真がなんとなくお洒落にに感じる、あとは単純なスーリーなので今まで本を読んだことない人が読みやすくて周りの人に勧めた、そしてこれが一番強いかと思うけどマスコミが煽りすぎ、本屋も平積みしすぎ!これくらいの要因からあれだけブームになったのかと思います。
マスコミに踊らされるなんてカッコ悪い、と思う方は「恋愛寫眞」をぜひ読んでみて下さい。
しかし、当時として売上歴代1位になるとは、マスコミの力はすごい。同時期に2位、3位のノルウェイの森(上・下)が可哀想な気が…こっちの方が二倍も三倍もいい作品なのに…。
まあ、上巻下巻を合わせたら余裕で勝ってはいますが。

少し違う方向にそれましたが、要するに「恋愛寫眞」を読んで下さいということ。
今までに何人かに勧めましたが、100%満足していただけました(私も勧められて読んで、120%満足したので)。

https://matome.naver.jp/odai/2156924497560316001
2019年10月16日