普通列車用グリーン車を追う!

mtmまとめ
JR西日本では、新快速にAシートが導入されましたが、たまには!?乗ってみたい普通列車用グリーン車について、今回は採り上げてみます。

●戦後の普通列車の電車は80系電車からであった!

本系列は東海道本線東京 – 沼津間の客車普通列車置換えを目的とし、1950年にモハ80形32両・クハ86形20両・サハ87形16両・サロ85形5両の計73両が田町電車区(後の田町車両センター→現・東京総合車両センター田町センター)に新製配置されたのをきっかけに、その後は京都 – 神戸間の急行電車52系「流電」置換えや高崎線電化開業に伴う客車普通列車置換えなどに続々と投入された。
国鉄80系電車 – Wikipedia

中央西線を走る80系電車
サロ85
現在のグリーン車に相当する2等車です。
サロ85改造のクハ77の車内
普通車よりも掛け心地の良いクロスシートです。

●近郊型電車も登場した

横須賀線・京阪神緩行線・中央東線など通勤と中距離の輸送性格を併せ持った路線用に開発された3扉セミクロスシート車。1951年から1958年にかけて、中間電動車モハ70形および低屋根構造で歯車比の異なるモハ71形・制御車クハ76形・2等車のサロ46形(後のサロ75形)の4形式合計282両が製造された。3等車の車体および座席のレイアウトは戦前型の51系をベースとした3扉セミクロスシートである。2等車(のちの1等車→グリーン車)は2扉クロスシートで、東海道本線(湘南電車)に比較すると乗車距離の短い横須賀線向けとされたことから、湘南電車80系のサロ85形とは異なり、70系の2等車は横須賀線在来車の32系サロ45形と同様にデッキと客室との仕切は未設置とされた。
国鉄70系電車 – Wikipedia

70系電車

●新性能電車である153系電車が登場!

最初に使用された列車にちなみ、「東海形電車」の別名でも知られている。

当初は91系電車と称したが、1959年の車両称号規定改正に伴い153系電車となった。位置づけとしては「80系電車の近代化形」ではあるが、車体や機器などは完全に一新されている。

本系列は居住性において従来の客車列車を完全に凌駕し、電車による長距離列車運転の優位性を確立する役割の一翼を担うとともに、1960年代以降の国鉄急行形・近郊形電車における設計思想の基礎ともなった。
国鉄153系電車 – 国鉄153系電車の概要 – Weblio辞書

153系(→91系)は、昭和33(1958)年から準急列車用に製造が始まりましたが、優等車である2等車(→1等車→グリーン車)は、「並ロ」と呼ばれる、回転クロスシートが展開する車両でした(サロ153)。
900.20日遅れのステンレスカー | さすらい館

サロ153-900
この様なステンレス車もありました。

急行用グリーン車(サロ152)は同用途の客車と同じくリクライニングシートを装備。ただ当時は急行は非冷房で運転する時代だったため、涼を取りやすい1枚下降窓を採用した。
153系 (ひゃくごじゅうさんけい)とは【ピクシブ百科事典】

サロ152(冷房改造後)

●新性能近郊型111系が登場!

各地に配置されている80系を置き換えるために1962年に投入した。
交直流車になかったグリーン車(登場時点ではサロ111の1形式・サロ110は153系からの編入車)は台車以外サロ153が基本であるが車掌室が省略されており(それまでの湘南電車・横須賀線の旧型国電の1等車(基本的には車掌室がない)、その分1列定員が増え座席定員64名となっている。
しかし、試作的な位置づけであったため電動車の製造は1年限りで終了し、113系の製造に移行した。
111系 (ひゃくじゅういちけい)とは【ピクシブ百科事典】

サロ111
手前がサロ111です。1000番台ですね。

●更にパワーアップした113系も登場!

1962年(昭和37年)に先行開発された111系をベースに、モーターの出力を強化した近郊形電車。旧型国電70系と同様の通勤・中距離輸送を念頭に置いて設計された3扉セミクロスシート車として登場した系列である。1963年から1982年にかけて約2900両もの多数の車両が製造され、主に本州内の平坦で温暖な地域の路線で、都市圏中距離速達輸送から地方圏ローカル輸送まで広く普通列車から快速列車に用いられた。
113系とは (ヒャクジュウサンケイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

サロ110-1200番台の客室

111・113系は、東海道本線東京口や横須賀線・総武快速線、京阪神地区など大都市近郊で使用されたことからグリーン車(一等車)が製造されたことも特徴となっている。使用線区の事情から設備の豪華さよりも定員が重視される傾向があり、特別二等車をベースとする特急・急行用のグリーン車とも違った発展を遂げた。111・113系用として新製された車両のほか、数多くの改造編入車を含めて特に国鉄末期に改造編入された車両にはユニークなものが多かった。
国鉄113系電車 – グリーン車 – Weblio辞書

サロ112
関西の快速電車では、昭和50年代まで使用されました。

サロ110形 0・900・1000番台
153系のサロ153形からの改造車で、サロ165形の新造投入により捻出されたサロ152形による準急列車のリクライニングシート化にともない111・113系用とされたものである。
サロ112形
153系急行用一等車(グリーン車)からの改造で、1967年 – 1969年と1975年にサロ152形30両全車(0・100番台)とサロ163形1両(7→サロ112-51)の計31両が改造された。種車のリクライニングシートをそのまま装備しており、定員は48名と少ない。
サロ152形・サロ163形→サロ112形の改造は3回に渡って施工された。
サロ113形
1973年 – 1974年に横須賀線・総武快速線用に17両が新造されたもので、全車が地下対応の1000番台(1001 – 1017)とされ、新製時からAU13EN形冷房装置を6基搭載している。急行用グリーン車に準じてリクライニングシート(サロ165形などで使用されたものと同タイプながらテーブル廃止・難燃化を図っている)を1,160mm間隔で装備しているため、定員は48名と少ない。
国鉄113系電車 – Wikiwand

サロ113

●更に、特急形や急行形を改造したグリーン車も登場した!

サロ110(特急型格下げ車両)概要
従来のサロ110・111を置き換えるために余剰となった特急形グリーン車が転用された。転用時に客用扉を増設し、非常時の換気のため一部の窓を中折れ式に開閉可能にした程度で車体はそのまま利用された。

そのためかなり目立っていた。

なお、設備上の問題で特急格下げ車両はサロ110-1200とペアを組んで運用された。
サロ110とは – はてなキーワード

サロ110-300
屋根の高さが他の車両と比べると明らかに低いですね。

他系列への改造車

(1) サロ183-0→サロ110-300

昭和58(1983)年に初めて登場し、当時の鉄道趣味界を驚愕させた、特急型グリーン車の近郊型格下げ。これは、元181系のサロの改造に端を発するものですが(サロ110-301)、後に余剰となったサロ481やサロ183なども種車となり(サロ110-350・サロ110-1350)、鉄道愛好家から「化けサロ」というあだ名を頂戴するようになりました
4633.特急大衆化の申し子~183・189系物語 その7 183・189系改造車列伝Ⅱ | さすらい館

サロ110-501
急行形普通車サハ165からの改造車です。

1985年に登場したサロ165-130の改造車である。定員48名。トイレ・洗面所付き。塗分位置(改造当初は塗分がサロ165形時代のままであった。ちなみに、サロ112形も当初は同様であった)の変更と行先表示器の追加、自車用の冷房電源用MGと回送運転台の撤去を除けば外観は種車とほとんど変わらない。形態的には回送運転台用ライトの有無と2段式のユニット窓(165系時代に下降窓から改造)以外は前述のサロ112形と変わらないが、すでに廃形式であったため、サロ110形に編入された。1992年に廃車となった。改造時から廃車まで国府津電車区所属。
WikiZero – 国鉄113系電車

●JR東日本は2階建て車を導入した!

老朽化が進んでいたサロ110・111形を置き換えるために1988~90(昭和63~平成2)年に29両が新製されたグリーン車で、乗客増による着席率向上を図るため、 211系のサロ212・213形と同様に2階建構造のステンレス車体となった。
113系近郊形直流電車|サロ124形・サロ125形

サロ124・125形が導入されました。

サロ124

サロ212
1988年から8両製造された。2階建てで定員90名である。座席は前期製造分は車端部分及び1階席が黄色系統のモケット、2階席が紫色系統のモケット、後期製造分は灰色系の模様がついたモケットでリクライニングシートである。

5号車よりに車掌室&業務用室がある。
サロ212とは – はてなキーワード

サロ213
1988年から8両製造された。2階建てで定員90名である。座席は前期製造分は車端部分及び1階席が黄色系統のモケット、2階席が紫色系統のモケット、後期製造分は灰色系の模様がついたモケットでリクライニングシートである。

5号車よりに洋式便所と化粧室がある。洋式便所と化粧室の部分の車体に「Double Decker」というロゴがあるのが特徴である。
サロ213とは – はてなキーワード

217系電車

E217系は、JR東日本横須賀線(&東海道本線)、総武本線(総武快速線)、成田線、鹿島線、内房線、外房線、東海道線で運行する車両である。横須賀線・総武快速線の113系の老朽化に伴う後継車両として製造された。
E217系とは (イーニヒャクジュウナナケイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

グリーン車
217系グリーン車車内

●湘南新宿ラインは、グリーン車を身近なものにした!

2000年より新製・投入が開始されたJR東日本の首都圏における電車の標準形式である。
近郊タイプ:1000番台ほか。寒冷地対策が施されているほか、先頭車の衝撃吸収構造強化、セミクロスシート車及び2階建てグリーン車が投入される等の特徴がある。車両構造により番台が多岐にわたっており、なかには8500番台というとんでもないインフレナンバーまで存在する。東海道本線・湘南新宿ライン・上野東京ライン・東北本線(宇都宮線)・高崎線などで運用。
E231系 (いーにーさんいちけい)とは【ピクシブ百科事典】

東海道線で活躍するE231系電車
Suicaシステムとあわせ、首都圏の在来線グリーン車をいよいよ一般的な存在にした。
サロE231形1000番台

E231系の技術を踏襲し、主要機器を二重系化し信頼性を向上。女性専用車や優先席部分の荷棚・吊り手高さの低減、優先席エリアの明確化等のユニバーサルデザインを多く採用しています。また空気清浄機の設置、液晶画面やフルカラーLEDによる情報案内の充実など、アンケートやインタビューに基づくお客さまニーズを反映したデザインとなっています。
E233系:JR東日本

3000番台
近郊路線向けとして国府津車両センター・小山車両センターに所属し、東海道線・伊東線・宇都宮線・高崎線・上越線・両毛線・上野東京ライン・湘南新宿ラインで運用されている。その運用範囲は、北は宇都宮線黒磯駅・両毛線前橋駅から南は横須賀線逗子駅・伊東線伊東駅・東海道本線静岡地区(JR東海)沼津駅までと、複数の地域を通り抜ける非常に広大かつ長距離となっている。
JR東日本E233系電車 – 番台区分 – Weblio辞書

233系電車
初投入は東海道本線だが、その後は211系を置き換える形で高崎線などにも運行範囲を広げている。

●常磐線にもグリーン車が投入された!

常磐線近郊形電車に使用している403系・415系の取り替え用として開発した交直流電車で、2005年に登場、E231系の交直流版の近郊形電車である。通勤・近郊タイプでは初の130km/h運転を実施。客室床面とホームの段差縮小をはかるなどさらなるバリアフリー化を実現しています。
E531系:JR東日本

531系電車の2階建てグリーン車
2007年から連結されました。

●JR東日本の普通列車グリーン車にはグリーンアテンダントが乗車している!

JR東日本の普通列車のグリーン車で、車内サービスを行うグリーンアテンダントという職業があります。おしゃれな制服に身を包み、電車に乗ってさまざまな場所へと移動します
【2019年最新版】グリーンアテンダントは本当に激務?気になる倍率や採用試験について徹底解説!│ホプラス|女性の資格・転職・就職・キャリアアップをサポートするメディア

グリーンアテンダント
車内販売も行います

JR東日本サービスクリエーションは8月5日、普通列車グリーン車に乗務する「グリーンアテンダント」の制服を変更することを発表した。変更は10月1日初電から
JR東日本、普通列車グリーンアテンダントの制服を変更。10月1日初電から – トラベル Watch

新しい制服です

●普通列車のグリーン車の今後は?

2018年9月4日のJR東日本の定例会見において、2020年度より横須賀線・総武快速線向けに本形式計745両(基本編成11両編成51本、付属編成4両編成46本)を新造することが発表された。横須賀線・総武快速線のほか、直通運転を行っている外房線(千葉 – 上総一ノ宮間)、内房線(蘇我 – 君津間)、総武本線(千葉 – 成東間)、成田線(佐倉 – 香取間、成田 – 成田空港間)、鹿島線(香取 – 鹿島神宮間)の各線区において運用され、従来運用されていたE217系は本形式により置き換えられる予定である。
JR東日本E235系電車 – Wikipedia

◆普通列車グリーン車では初となる、各座席へのコンセント整備、無料公衆無線LANサービスの提供、液晶ディスプレイ(LCD)の案内画面を設置。
横須賀・総武快速線にE235系、2020年度から745両_普通車セミクロスシートなくなる | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル

横須賀線仕様のE235系電車

続々と新型電車の導入がなされています。今後も、グリーンアテンダントの乗務も継続されるといいですね!

●JR西日本では、Aシートが導入された!

223系1000番台Aシート車

JR神戸線・JR京都線・琵琶湖線で、有料座席サービス 新快速「Aシート」を開始し、網干・姫路~野洲駅間で毎日上下4本運転します。通勤時間帯のほか、昼間や深夜にも運転し、通勤・通学やおでかけなどで便利な「新快速」をさらに快適にご利用いただけます。
2019年3月16日(土)よりサービス開始
有料座席サービス 新快速「Aシート」:JRおでかけネット

グリーン車ではないものの、有料座席です。新快速では、転換クロスシートですので、グリーン車の設定ではなく、こういった車両の導入となりました。今後も増えて欲しいですね!

https://matome.naver.jp/odai/2156878557411532301
2019年10月08日