伝説の女指導者ーリブシェー

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チェコの地にやって来た人々ははじめ平和に暮らしていたが、そのうち互いに争いがおこるようになり、問題を解決するために人々は、衆に抜きん出た存在であったクロクという男に裁定を委ねた。クロクには優れた3人の娘がいて、中でも末女のリブシェは、その思慮賢明にして公正明大、そのうえ未来を予言する能力を持っていた。人々はクロクの死後、リブシェを裁定者として頼った。
リブシェ – Wikipedia
ところが、ある日リブシェの王位に異論を唱える者が現われました。彼女の裁きで厳しい判決を受けた2人の貴族が、「髪の長い女は気が短い。それに、本来女は家事に精を出すものだ。」と言ったのです。しかも、そこにいた者は誰1人としてその暴言を諌めません。が、リブシェはそんなことばに反発などせず、さっそく2人の姉と3日にわたって今後を相談しました。そして部族の代表を集め、「鉄の統治(つまり男の統治)がお望みなら、私は王位を降ります。私の白い馬があなたたちをプシェミスルという男のところに案内するでしょう。私はその男を自分の夫とし、この国の王に就けます。行って彼にそう伝えなさい。」と言いました。
プラハのリブシェ王妃の伝説
使者が伝令を伝えるとプシェミスルは、「畑ができる前に来るとはちょっと早かったようです。おかげでこの国はしばしば飢饉に襲われることになるでしょう。また、私が王となるからには戦いの心得ももつように。」と言いました。そういえば、このプシェミスルという男もけっこう知恵者みたいですよ。彼はプラハの城に入るとき、菩提樹の皮で作った自分のカバンとサンダルを持ち込んで、それをずっと保存させたのだそうです。なんでも、自分が元々低い身分の者だったことを子孫に忘れさせないためなのだとか。
プラハのリブシェ王妃の伝説
リブシェの死後ー乙女戦争ー
リブシェ亡き後、男たちは女を再び見下すようになった。女たちは憤慨し、権力と復讐のために武器を手に取った[1]。指揮を執ったのは、かつてリブシェの侍女頭だったヴラスタであった[2]。女たちは結束し、「ヂェヴィーン」という新城に集結し、男たちはそこから少し離れたヴィシェフラットに籠った[2]。
リブシェに先立たれたその夫プシェミスル公(チェコ語版)は、武装した一人の女がいくつもの男の死体を踏みつけ、盃に男の血を集めて貪り飲むという光景を夢で見た[3]。それゆえ、女たちとの戦いを狩りのようなものだと侮る男たちにプシェミスル公は警告したが、彼らはその警告を気にも留めなかった。
乙女戦争 – Wikipedia
女たちを指揮するのは、かつてリブシェの侍女頭だったヴラスタ。
ヴラスタは国中の女たちに檄を飛ばし、ヴルタヴァ河岸のヂェヴィーン城に女たちの軍団を集結させました。
ただならぬ気配を察したプシェミスルが警告したにも関わらず、男たちは女たちを侮ってヂェヴィーン城に襲いかかりました。
女たちはヴラスタを先頭に勇猛果敢に戦い、男たちを散々に打ち破ります。ヤックデカルチャー!
女性軍と男性軍の戦いは長く続きました。
ヴラスタは武勇だけで亡く知略にも優れ、スパイを使って敵の情報を詳しく掴んだり、美女たちを使って男を罠にかけたりもして、戦いを有利に進めました。
巷にひとり在り : 『乙女戦争』というタイトルについて
しかし、ツチラトという勇敢な男に、多くの女が殺されていた。そこで女たちは一計を案じた。
ツチラトとその従者たちはプラハ城に向かう途中、シャールカという女がカシの大木の幹に縛り付けられているのを見つけた。彼女は言った。ヂェヴィーン城の女たちに林の中で襲われ、城に連れていかれて彼女たちの悪事に加担させられるところだった。しかし馬の足音が聞こえてきたため、女たちは自分を手放して逃げていったのだと[4]。
シャールカは縄を解いてくれたツチラトに礼を言い、蜜酒を飲ませた[4]。そしてツチラトが何杯も蜜酒を飲んで酔った後、シャールカは首に掛けた角笛を思いきり吹いた。すると武装した女の一群が現れ、ツチラトの従者たちを殺害し、ツチラトを捕虜とした[5]。その後ツチラトは車裂きの刑に処された[5]。
乙女戦争 – Wikipedia
ツチラトの酷たらしい死に様を見た男たちはいよいよ怒りと危機感に駆られ、プシェミスルに陣頭指揮を取るよう懇願し、一致団結して女たちと戦う体制を整えます。
一方勢いに乗る女たちは、ヴラスタを先頭に男性軍の拠点ヴィシェフラト城に攻め込みます。
しかし単身で突進しすぎたヴラスタは男たちに包囲されてついに討ち取られます。
大将を失った女性軍はたちまち潰走し、男たちは追撃して一気にヂェヴィーン城を攻め落とし、女戦士たちを皆殺しにしました。
かくして戦いは終わり、以後プシェミスルとその一族がチェコ人たちを治めていくことになります。
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