出光創業家が合併に反対する理由に納得！創業者「出光佐三」ストーリー

2015年07月
出光はＲＤシェルからの昭和シェル株の購入予定を発表。
出光は、昭和シェルに対し、対等の精神で経営統合を目指す。
出光と昭和シェルの経営統合　ＮＯ２

2015年11月
出光と昭和シェル株取得後の合併で基本合意。
出光と昭和シェルの経営統合　ＮＯ２

2015年12月
出光創業家は合併反対を出光経営陣に通達
出光と昭和シェルの経営統合　ＮＯ２

2016年06月
創業家、出光株主総会では代理人が正式に反対表明
但し、月岡社長他取締役選任案は辛くも可決
出光と昭和シェルの経営統合　ＮＯ２

2016年07月
創業家と出光経営陣会談するも平行線。
創業家が昭和シェル株を市場から0.1％分取得。
出光と昭和シェルの経営統合　ＮＯ２

2017年06月
定時株主総会で創業家がの５人も取締役選任議案反対するも、賛成６１．１～６１．３％で可決。
社長再任、賛成は６１．１％＝反対広がらず－出光：時事ドットコム

2017年07月
出光は３日、４８００万株の公募増資を実施し、約１４００億円調達すると発表している。
創業家は今回、この公募増資に対し申し立てを行った。
創業家が4日、東京地裁に新株発行の差し止め処分を申し立て＝出光| ロイター

2017年07月
出光興産の公募増資を巡り、大株主の創業家が新株発行の差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、東京高裁は１９日、創業家の即時抗告を棄却した。
出光・昭和シェル合併進展へ…増資差し止め棄却 : 経済 : 読売新聞（YOMIURI ONLINE）

第一に、出光興産と昭和シェル石油の体質・社風の違い
出光創業家のサイト – 出光の理念を守り後世に引き継ぐために行動しています

民族資本の会社として独自の理念を大事にして事業を行ってきた出光興産と、国際石油資本の一つであるシェルの傘下で事業を行ってきた昭和シェル石油は、その体質や社風が大きく異なっており、両社を融和させるのには非常に大きなエネルギーを要します。

第二に、経営統合によってサウジアラムコからの出資を受けることになる点
出光創業家のサイト – 出光の理念を守り後世に引き継ぐために行動しています

石油利権を握る国際石油資本と一線を画してきた出光興産の歴史的意義を没却することになります。このことは、先に述べたような出光興産の強みを失わせるものであって、大きな損失をもたらすものと考えます。

第三に、経営統合は生産者間の競争を減らすために行われる
出光創業家のサイト – 出光の理念を守り後世に引き継ぐために行動しています

出光興産は、これまで消費者本位、すなわち、消費者の利益を第一に考えて事業を行い、また、事業を通じて社会に貢献することを目指してきたはずです。そうであるにもかかわらず、自社の利益を守るために、生産者間の競争を減らし、石油製品の価格を高止まりさせようとしているのは、大変残念ですし、消費者の理解を得られるものではないはずです。

出光 佐三（いでみつ さぞう、1885年8月22日 – 1981年3月7日）
出光佐三 – Wikipedia

明治から戦後にかけての日本の実業家・石油エンジニア・海事実業家。石油元売会社出光興産の創業者。貴族院多額納税者議員。

25歳の時、機械油を販売する「出光商会」を創業
「海賊とよばれた男」のモデル　日章丸事件の主人公　出光佐三　１／２ – YouTube

海の上での油の販売を開始
「海賊とよばれた男」のモデル　日章丸事件の主人公　出光佐三　１／２ – YouTube

当時の油の販売には、特約店の厳しい縄張りがあり、売り上げは伸びなかった。
そこで、縄張りのない海の上での船上販売を開始した。
そのため、周りには「海賊」と呼ばれるようになる。

敗戦2日後に再建の号令
「海賊とよばれた男」のモデル　日章丸事件の主人公　出光佐三　１／２ – YouTube

敗戦わずか2日後に店員に3つの公示を出す。
「愚痴をやめよ」
「我が国三千年の歴史を見直せ」
「今から建設にかかれ」
そして１０００人の社員全員の首を切らないことを決意する。

欧米の国際石油資本に入らず独自の道

当時の石油はイギリス資本系のBP（ブリティッシュ・ペトロリアム）やイギリスとオランダ資本系のロイヤル・ダッチ・シェルなどの欧米石油メジャーが探鉱（採掘）・生産・輸送・精製・販売までの全段階を垂直統合で行い、シェアの大部分を寡占していた。
同業他社がこれらに属すなか、出光は独自の道を選んだ。

イラン、イギリスに搾取されていた油田の国有化
出光興産の日章丸事件や歴史を知れば昭和シェルとの合併など有りえない話？：江戸っ子かわら版 ”封印される真実”：So-netブログ

大英帝国の影響下にあったイランは、第二次世界大戦後独立していたものの、当時世界最大と推測されていたその石油資源はイギリス資本の元にあり、イラン国庫にも、国民にも利潤が充分に回らない状況にあった。その中で、イランは1951年に石油の国有化を宣言。

反発したイギリスは、中東に軍艦を派遣し、石油買付に来たタンカーの撃沈を国際社会に表明する。事実上の経済制裁・禁輸措置を執行するイギリスにイランは態度を硬化させた。これらはアーバーダーン危機と呼ばれ、戦争が近づきつつある情勢となっていた。

出光、イランからの直接石油輸入を断行

イラン国民の貧窮と日本の経済発展の足かせを憂慮した出光興産社長の出光佐三は、イランに対する経済制裁に国際法上の正当性は無いと判断し、極秘裏に日章丸を派遣することを決意。
4月15日急ぎ石油を積んだ日章丸は、国際世論が注目する中、イランを出港。
イギリスを始めとする、連合国軍による占領下の日本において連合国軍最高司令官総司令部によって義務付けられていた正午報告（位置報告）に罰則規定が無いことを見つけ、それらを行わず、航路も偽装してイギリス海軍から隠れる形で4月10日イランに到着。
浅瀬や機雷などを突破、イギリス海軍の裏をかき回避する事に成功し、海上封鎖を突破して5月9日9時に川崎港に到着した。

ＢＰとの裁判、勝訴
イランとの直接取引で世界で初めて石油製品を輸入した「日章丸事件」 – 歴史 – 出光興産

これに対し、英国アングロ・イラニアン社(BPの前身)は積荷の所有権を主張し、出光を東京地裁に提訴。この「日章丸事件」は、法廷で争われることになりました。裁判の経過は連日、新聞でも大きく取り上げられ、結局、アングロ・イラニアン社が提訴を取り下げたため、出光側の勝利となりました。イラン石油の輸入は、その後、イランにおいてメジャー(国際石油資本)の結束が再び強化され、1956(昭和31)年に終了しました。

イギリス海軍に「喧嘩を売った事件」
出光興産の日章丸事件や歴史を知れば昭和シェルとの合併など有りえない話？：江戸っ子かわら版 ”封印される真実”：So-netブログ

世界中のマスメディアに報道され、国際的な事件として認知された。日本においても、武装を持たない一民間企業が、当時世界第二の海軍力を誇っていたイギリス海軍に「喧嘩を売った事件」として報道され、連日日本では新聞の一面記事で報道された。

敗戦後の日本に希望を与えた
『海賊とよばれた男』のモデル！人間尊重を訴える男がイギリス海軍に立ち向かい、世界を変えた。日章丸事件

出光の多くの行動は、新聞を通じて、無関係であったようでいて、実は多くの日本人の心を震わせていました。

出光が敗戦後、社員に対して行った宣言は、「愚痴をやめろ。もう後ろを振り返るな。ただ、自分たちを反省し、ただ、アメリカやイギリスの長所には学ぶこと。そして、堂々と日本を立て直していくのだ」ということでした。

本当に出光がこれを行おうとしていることを知り、人々はそこに希望を見つけたのです。

戦勝国の寡占に一矢報いる
『海賊とよばれた男』のモデル！人間尊重を訴える男がイギリス海軍に立ち向かい、世界を変えた。日章丸事件

当時のイランは、世界でも有数の石油産出国でした。
しかし、イランの石油は完全にイギリスが権利を握っており、湧き出る石油利益の90%近くを独占していたのです。
なんとイランの人々の80%が慢性的な栄養失調に陥っており、食べるものにすら苦労していたのです。
どこの企業も契約をかわしたっきりで、実際にタンカーを持ってくる企業はひとつもありません。誰もが結局、イギリス海軍の力を恐れていたのです。

莫大な石油利益を、イギリスは絶対に手放さない。イランは誰とも商売などできないと痛感させられていました。

産油国との直接取引の先駆け
イランとの直接取引で世界で初めて石油製品を輸入した「日章丸事件」 – 歴史 – 出光興産

この「事件」は、産油国との直接取引の先駆けを成すものであり、日本人の目を中東に向けるきっかけになりました。また、敗戦で自信を喪失していた当時の日本で、国際社会に一矢報いた「快挙」として受け止められたことも歴史的事実です。

親日国イランのきっかけ
『海賊とよばれた男』のモデル！人間尊重を訴える男がイギリス海軍に立ち向かい、世界を変えた。日章丸事件

裁判を終え、日章丸が2回目の石油取引のためにアバダンへ向かうと、そこにはイラン人たちの歓迎の嵐がありました。

「ジャパン！！　ジャパン！！」と叫ぶイランの人々の歓喜の声は終わることなく、乗組員たちの胸を震わせました。
モサデク首相は日章丸の乗組員を呼び寄せ、握手をしながら深く深くこう言いました。

「あなた方日本人の勇気と偉大さを、イラン人は永遠におぼえているだろう。
今は焼け野原の日本でも、必ず、あなた方はまた立ち上がると信じている。
お互いに東洋人として、ずっと協力しあっていこう。
あなた方は我々の救世主だ。どうかこの思いを、すべての日本人に伝えて欲しい」

イランで語り継がれる日章丸

「イランには3つの有名な船がある。
ノアの箱舟、タイタニック、そして日章丸だ。」

百田尚樹による歴史経済小説である。

出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の一生と、出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれている。
第10回本屋大賞受賞作品。2016年12月現在、上下巻累計で420万部突破のベストセラーとなっている。
海賊とよばれた男 – Wikipedia

『海賊とよばれた男』が、岡田准一を主演に迎え実写映画化
映画『海賊とよばれた男』あらすじ・キャスト・感想【岡田准一主演】 | ciatr[シアター]

『海賊とよばれた男』は出光興業の創立者・出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐵造が、石油の一大事業を成し遂げるさまを明治・大正・昭和と時代を超えて描く超大作。本屋大賞を受賞し、累計発行部数364万部を突破。ベストセラーです！

百田尚樹×岡田准一×山崎貴という『永遠の0』チームが再集結。『三丁目の夕日』シリーズの吉岡秀隆、『寄生獣』シリーズの染谷将太などの「山崎組」の俳優のみならず、綾瀬はるかや堤真一など、主役級キャストが多数出演することが決定しており、早くも熱い期待が寄せられています！