【人間が一番怖い!】本気で人間が怖い本・読み終えてからじりじり怖い本

yokohamareel
何よりも怖いのが「人間」かもしれない――本気で人間が怖い本・読み終えてからじりじり怖くなる本、読めば読むほど怖くなる本のまとめです。読んだら追加していきます。

黒い家 貴志 祐介

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。

ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。

信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに……。

読んでいる方もあせりと恐怖、絶望に追いつめられていく気持ちになる怖い本です。
「悪夢」という表現に納得。レビューで保険まで怖くなったという方もありました。
映画化もされており、こちらも怖いです。

追い詰められる恐怖。 気付けば息を潜め鼓動が速くなっていました。
黒い家 感想 貴志 祐介 – 読書メーター

怖かった。社会全体がこのような見えない敵に食い潰されていくという未来が…。この事件は氷山の一角なのかもしれないなー。
黒い家 感想 貴志 祐介 – 読書メーター

侵蝕 壊される家族の記録 櫛木 理宇

皆川美海は平凡な高校生だった。あの女が、現れるまでは…。

幼い弟の事故死以来、沈んだ空気に満ちていた皆川家の玄関を、弟と同じ名前の少年が訪れた。
行き場のない彼を、美海の母は家に入れてしまう。

後日、白ずくめの衣裳に厚塗りの化粧をした異様な女が現れる。
彼女は少年の母だと言い、皆川家に“寄生”し始め…。

洗脳され壊れてゆく家族の姿におののく美海。恐怖の果てに彼女を待つ驚きの結末とは…。

家に来た親子にだんだんと洗脳されていく家族、不気味な変化――
寄生から洗脳、家庭が崩壊していく怖さをじりじりと描いた一冊です。

怖かった。ジワジワ怖かった。いつの間にか懐に入り、コントロールし、支配するスキルが凄い。弱さに付け込まれるのって本当に危険。
侵蝕 壊される家族の記録 感想 櫛木 理宇 – 読書メーター

マインドコントロールによって家族を崩壊に導く…例の事件を彷彿とさせる内容。美海の強さと優しさに救われたが、どろどろといや~な話であった事は間違いない。こんな手法取られたら自我も何もあったもんじゃないね。
侵蝕 壊される家族の記録 感想 櫛木 理宇 – 読書メーター

隣に棲む女 春口 裕子

生まれて初めて芽生えた殺意という名の感情。
嫉妬、わがまま、欲求不満、不信……
どんな女の心にも潜む悪意の種ははかり知れない。殺人事件の起きた部屋の隣に住み続ける女、不妊に翻弄される女、婚約者が突然姿を消した女、わがままで自分勝手な金持ち女、母親への愛情を持てない女……。

それぞれが抱いた小さな悪意が導く出来事とは……?

それぞれに悩みや問題を抱えた女達の「悪意」が織りなす事件。
抱えているものの重さに傷みや悲しみを覚えたり、愛や望みのためにどこかではきちがえておかしくなってしまったり――人の脆さと危うさをつきつけてくる本です。

女たちのドロドロとした感情に溢れた短編集。なんとも言えず後味はよくない。けれどもどこか彼女たちを身近に感じてしまう。きっとわたしの心の中にもこんな女は棲んでいる。蝉しぐれの夜に読了後、最初に戻ると更にぞっとする。おさななじみは恐ろしいのにラストはどこか暖かい気持ちになった。
隣に棲む女 感想 春口 裕子 – 読書メーター

「世にも奇妙な物語」のような世界観。女のドス黒さも怖いんだけど、ゆっくり迫ってくる確かな狂気がハラハラさせる。この短編集には、感動できるような胸に染みるような話もあって読後感は悪くない。それぞれ登場人物が、「隣に」棲んでいてもおかしくないと思わせるほどに ありふれていて だからこそ怖い。夏に読みたい一冊。
隣に棲む女 感想 春口 裕子 – 読書メーター

殺戮にいたる病  我孫子 武丸

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。

東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。
犯人の名前は、蒲生稔。くり返される凌辱の果ての惨殺。

冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

殺人シーンにぞわっとしますが、読んでいていつの間にか騙されているのにさらにゾクリ。
グロいシーンが続きますが、怖さの9割はラストにもっていかれた感じでした。

読後感は茫然自失。エログロでサイコパスで偏愛。名曲の印象が…愛とはなにか。愛するとはなにか。その曖昧で漠然とした何かに人は囚われて生きるしかないのかもしれない。
殺戮にいたる病 感想 我孫子 武丸 – 読書メーター

★★★★★完全にはめられた!話として面白いかはよくわからないけど、叙述トリックの面では流石最高峰。文句なし。エロ・グロが苦手な人はやめた方がいいけど、大丈夫な人は読む価値あり。私はホラー読まないから覚悟して読んだけど、狂気すぎて現実離れしてる感じがあるからか、段々慣れた。色々な意味でレベル高い、強烈な一冊。気持ちよく騙されました。
殺戮にいたる病 感想 我孫子 武丸 – 読書メーター

クリムゾンの迷宮 貴志 祐介

藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。
視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ?
傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。
「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」

それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。

「黒い家」と同じ貴志 祐介先生の作ですが、こちらはいきなり「火星の迷宮」と呼ばれるところで目が覚めるところからスタート。
壮絶なデスゲームの中、誰を信じていいのか、どうすれば生き残れるのかで手に汗にぎります。
最後のオチまでが怖い本です。

後半から、自分まで追われてるような焦燥感の中、読み進みました。答え合わせのモヤモヤ感は納得できないけど、状況のスリリングさは、かなりのものです。自分がこのゼロサムゲームに参加してなくて、ほんとよかった。確実に2、3日中に死んでると思う。
クリムゾンの迷宮 感想 貴志 祐介 – 読書メーター

全編間断なくつづく極限のスリルとサスペンスに痺れた。離れてビクビク、近づいてドキドキ、隠れてヒヤヒヤ、逃げてハラハラする意地の悪い展開がたまらなく面白い。また、随所に挿入されるサバイバル描写も興味深く、本書を携えていれば、オーストラリアの平原でもある程度生き延びることができるかもしれない。
クリムゾンの迷宮 感想 貴志 祐介 – 読書メーター

死ねばいいのに  京極 夏彦

死んだ女のことを教えてくれないか。

三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。
突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。

私は彼女の何を知っていたというのだろう。

交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。

死んだ女について聞き回る男と、聞かれた側のやりとり。
聞かれる者達はいつしか女のことではなく、自分の悩みや人生をいつの間にか男に話していて――それぞれの人の持つ心の暗さが浮かび上がってきます。
ホラーではないですし、その場での恐怖はそれほどないのですが、読後、地味に自分の心の暗がりをみつめてしまうような怖さが続きました。

★★★★☆タイトルの衝撃さに意識が向いてしまうが、その中身も凄まじい。何者かによって殺害された鹿島亜佐美。その関係者の元に一人の男が訪ね回る。底なしに暗いが、ケンヤの軽く飾らない口調に先へ先へと促された。ケンヤの「死ねばいいのに」という言葉で、読んでいる者さえも自分の心疚しさに嫌でも気づいてしまう。読み終わったあとに「幸せ」と「不幸」について考えさせられる。
文庫版 死ねばいいのに 感想 京極 夏彦 – 読書メーター

死ねばいいのに。 そんな衝撃的なタイトルに驚かされた本書。 ケンヤの軽い語り口に読みやすさを覚えながら、切り込まれる人々に自分を重ねた。 六人目で明かされる真実にやはりと思う反面、動機に驚いた。 巻末に載っている解説文に同意しながら本書を閉じた。 落ち着かない。
文庫版 死ねばいいのに 京極 夏彦 感想・レビュー – 読書メーター

真昼の悪魔 遠藤 周作

患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴……
大学生・難波が入院した関東女子医大付属病院では、奇怪な事件が続発した。その背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を執拗に求める女医の黒い影があった。

めだたぬ埃のようにそっと忍びこんだ〈悪魔〉に憑かれ、どんな悪を犯しても痛みを覚えぬ白けた虚ろな心を持つ美貌の女――その内面の神秘を探る推理長編小説。

主人公である美貌の女医には良心が無く、次々と医療犯罪に手を染めていきます。
相手に恨みや憎しみがあるからではなく、自分に良心があるのかを探すようにして行う恐ろしい行為。
そして、良心や慈しみの心がまるでないと確認するかのよう――
彼女がこれからどこにむかうのか、それも怖くなった物語でした。

読んでいて、思わず背中が寒くなった。善も悪も感じない女医が、人体実験まがいの治療を行ったり、人をだましたり。 作者は、悪魔は人の心の中にいると神父を通じてる表している。そうならば、わたし自身の心にも善と悪が存在し、その度に顔を出すというのだろうか。
真昼の悪魔 感想 遠藤 周作 – 読書メーター

真のサイコパスは、部屋にゆっくりと積もっていくホコリのようにひっそりと潜み、虎視眈々と悪を発揮する機会を窺っている。
真昼の悪魔 感想 遠藤 周作 – 読書メーター

火の粉 雫井 脩介

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。

愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い…武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴んでいく。

恩人だからと尽くしてくれているはずが、不吉な事件が起こりはじめ……

人は、火の粉が自分の身に振りかかって初めてその恐ろしさに気付く。

いい人だと思えていた武内の本性がだんだんとあきらかになっていくところ、それになかなか気づかない主人公一家。
不安と焦燥と恐怖が次々にくる一冊です。ラストにも驚かされました。

ヒタヒタと恐怖が来る感じが怖くて、どんどん先に読み進められる。足音がしなくなったなーと思って振り向いたらすぐ後ろにいる、的な怖さ。人間が一番怖いと改めて感じる。
火の粉 感想 雫井 脩介 – 読書メーター

一気に読んでしまった。章を追うごとに胸の中のザワザワが大きくなって、想像と違う終焉が。重々しい内容ではあるが、心情描写にリアリティがあり過ぎて、すぐにのめり込んでしまえた。司法に完璧が来る日は絶対にないし、あくまで他人事だから司法は成り立っているんだとも感じる。武内の異常さにばかりとらわれていたが、解説を読んではっとさせられる。
火の粉 感想 雫井 脩介 – 読書メーター

みんな邪魔  真梨 幸子

少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する“青い六人会”。
噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。
辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。
その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が…。

殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。

前題名「更年期少女」の文庫版。
平凡な女達の六人の会が一人のメンバーの失踪から崩れ、殺人事件へとつながっていきます。
それぞれが問題を抱えており、仲間だったはずが、強い嫉妬や憎悪の混じる関係になっていくのになんとも怖くなりました。

あああずるい。女って怖いよなぁ。こういう生き物だものなぁとしみじみ。最後の展開はやっぱりずるい!笑相変わらず心えぐられました。
みんな邪魔 感想 真梨 幸子 – 読書メーター

一晩でほぼ一気読み。今までの真梨幸子さん作品の中で1番強烈。でも良かった。次々と続く変死と漫画の世界に狂ったように逃避する更年期おばさんたちの逃れられない現実。夜1人で読んでいて流石に怖くなった。意外なラスト!…そして描写が強烈すぎるからか、読後、落ち込みモードに引き摺られることもなく、面白かった!と思えてしまう個人的に嫌じゃないイヤミス。なんとも言えない作風は癖になる〜
みんな邪魔 感想 真梨 幸子 – 読書メーター

痺れる 沼田 まほかる

十二年前、敬愛していた姑が失踪した。
その日、何があったのか。老年を迎えつつある女性が、心の奥底にしまい続けてきた瞑い秘密を独白する「林檎曼荼羅」。別荘地で一人暮らす中年女性の家に、ある日迷い込んできた、息子のような歳の青年。彼女の心の中で次第に育ってゆく不穏な衝動を描く「ヤモリ」。

いつまでも心に取り憑いて離れない、悪夢のような9編

どの短編もまさに「痺れる」悪夢のよう。
不穏さに言い様のないあせりを感じたり、ラストにぞわりときたり……
ありえないことと考えても、もし自分がその立場であったらと考えると、じりじり怖くなります。

それぞれ暗くてしっとりしていて、読んでいるうちに毒が回ってくるような短編集。読後は、背筋がぞっとしたり、じんわりしたり。「普通じゃない」のラストには笑った。
痺れる 感想 沼田 まほかる – 読書メーター

これはザ行の本です。ざわっ…じわり…ズシリ…絶句…ゾクッ…、どの話もそんな感覚に浸りながら読みました。いや〜な感じ。なのに面白い。この本を手に取ったきっかけになったお気に入りさんの感想まで含めて、わぁ…嫌だ嫌だ…と楽しみました。面白かった。
痺れる 感想 沼田 まほかる – 読書メーター

夜市 恒川 光太郎

何でも売っている不思議な市場「夜市」。
幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した裕司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた――。

才能と引き替えに弟を売ってしまい、後悔している青年。兄に売られ、夜市で一人生き残りを考えなければいけなかった弟。
淡々とした描写の中に、人の怖さともろさ、夜の闇の怖さがひたひたとくる一冊です。

怖い。 この世とは違うルールに則って、この世とは違う人たちが住まう世界の話が二つ。 ぞっとしながらも惹かれてしまうのはなぜなのか。 怖いだけじゃなくて悲しかったり切なかったりもするんだな。話の展開もきれいだ。とても。 ひんやりしんみり面白かった。
夜市 感想 恒川 光太郎 – 読書メーター

自分が行ったと考えると、怖い。そして、自分が知らない間に商品として取引に使われることになったなら。売った側の苦悩も売られた側の苦悩もそれぞれなんだなとおもった。もう一つのお話も子供の夏の冒険談かと思いきや災厄は突然にうまくいきそうでいかないどうにもならない事がある。知らない不思議な道は通らない。
夜市 感想 恒川 光太郎 – 読書メーター

告白 湊 かなえ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。

語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

娘を事故として殺された教師が、犯人である生徒二人に対して行う復讐劇。直接手をくださなくても人間関係が徐々に壊れ、追い詰められていく生徒、最終的に自分で復讐の引き金を弾いてしまうことに……読後も苦く残るものがあります。
映画の方も見終えてからしばらくうすら寒い怖さがありました。

わぁっ!怖くてゾッとしたぁ(汗)やっぱり人間は怖いと思わせる内容だった。誰にでもある闇がきっかけを得れば、こんなにも色濃く深く粘度を増していく様は自分の中に潜んでるものに気づかされるようで、冷たくて震える怖さでした。
告白 (双葉文庫) 感想 湊 かなえ – 読書メーター

これがデビュー作というのだから驚いた。人間の毒、孤独、倫理観の歪みがこれでもかと書かれている。特に中学生という多感で子供でありながら大人を最も意識する世代を中心に描かれているので、闇も濃い。そんな重たいお話にも関わらず、モノローグで綴られる物語はとても読みやすい。淡々と淡々と進んでいく展開に目が離せません。ジャンルとしてはミステリー?ホラー?になるのかな。
告白 (双葉文庫) 感想 湊 かなえ – 読書メーター

魍魎の匣 京極 夏彦

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。
箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女達の四肢。
そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。

探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。
果たして憑物は落とせるのか!?

かなり長くぶ厚いため、読むのをためらっていたのですが、読んでしまうと終わるまでずっと引きずり込まれるようでした。
ホラーかと思いましたが、すべては人の行ったこと。それがより怖いです。
家族の愛、男女の愛、嫉妬と葛藤――恐ろしい事件の裏に愛と絶望が籠もっていて、なんともやるせなくなった本でした。

何度読んでもトラウマになるのに何度も読んでしまう。魍魎という境界を覗きたくなるのかな。純情馬鹿な木場修を竹馬の友と表現する榎木津はクレイジーだけど根は優しいのね(「邪魅の雫」でもそんな感じでしたが)。増岡さんの振り回されキャラが面白い。「愛情とは、平凡な繰り返しの中で育まれるものなのではないでしょうか」。日常から少し離れたものに魅入られるのが「魍魎」なのかと思ったり。
文庫版 魍魎の匣 感想 京極 夏彦 – 読書メーター

1000頁に亘る迷走と幻惑の果て、終末と虚しさだけが残った。謎の解明を求めて捲る手にはなにか憑いていたんだろうか。読み終わったあとの虚脱感が達成感とは違う気がした。さすがの名作。
文庫版 魍魎の匣 感想 京極 夏彦 – 読書メーター

「魍魎の匣」はコミック版もあります。
ストーリーは気になるが、厚い本を読む時間がないというときにはこちらがおすすめです。絵が綺麗ですが、怖さやグロさはしっかりあります…

罪の余白 芦沢 央

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。

安藤の娘、加奈が学校で転落死した。

「全然悩んでいるようには見えなかった」。
クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。

安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。
二人が出遭った時、悪魔の心が蠢き出す…。

娘を失った父親が、娘の死の原因を探っていき、いじめと悪意を知ります。
その後に復讐にむかっていきますが、娘の同級生側も同時に動いていきます。
娘を失った親の立場であれば、やはり復讐を考えてしまうのではないか――そう思えてしまった一冊です。

ありきたりの復讐ものかと思いながら読み進めたが、予想を上回る内容だった。同じく年頃の娘を持つだけに、この年代の怖さと主人公の気持ちに共感した。
罪の余白 感想 芦沢 央 – 読書メーター

幸せのかたち 松村 比呂美

駅前の商店街で紗江子に声をかけてきた女性は、中学時代、卒業を前に転校したクラスメートの美幸だった。
完成したばかりの近くの高層マンションに引っ越してきたという。18年ぶりの再会を機に、紗江子の平穏な日々は変化をみせはじめ、紗江子の旧友で同じクラスメートだった香織にも…。

人生の岐路に直面した三人の女性の姿を描く、ミステリアスな物語。

幸せのかたちは人それぞれ。幸せそうに見える人でも悩みは抱えていることがあるし、他人の芝生は青く見えるもの。それを忘れないでいようと思った一冊です。

中学校の同級生三人の18年後。友情・妬み、そしてそれぞれの夫婦関係など、三人が描いた《幸せのかたち》が見事に描かれていますが、女同士って怖いなぁ・・というのが実感。
幸せのかたち 感想 松村 比呂美 – 読書メーター

3人の30代主婦の話。途中から怖くなって断念しかけたけど、続きが気になり一気読み。久々にゾクゾク感を味わえて面白かったです。
幸せのかたち 感想 松村 比呂美 – 読書メーター

絶対正義 秋吉 理香子

4人の女たちに届いた『思い出の会』への招待状。
差出人は、5年前に殺したはずのあの女――。正義のモンスター。
あんな女、本当は大嫌いだった。

範子はいつでも礼儀正しく、一つの間違いも犯さず、また決して罪を許さない。
なにより正義を愛していた。

和樹は、痴漢から助けてもらった。
由美子は、働かない夫を説得してもらった。
理穂は、無実の罪を証明してもらった。
麗香は、ピンチを救われチャンスを手にした。

彼女たちは大いに感謝し、そして、のちに範子を殺した。

しかし、死んだはずの範子から招待されたパーティで、四人が見たものとは――?

助けたもらったはずの女性が「正義のモンスター」と表現されている上に、招待状で呼ばれた四人は彼女を殺した者達。
正しいはずの範子への違和感、怖さ、そして殺意につながるまでがじわりときます。
そして範子への恐怖もじりじりとくる物語です。

とても怖い話。常軌を逸した正義欲。正義に耽る範子さん。いや、こんなの正義じゃない。正しさを盾に、自分の欲求を満たしているだけ。”百パーセント正しい、ということは、それだけですでに大きな欠点なのだ”
絶対正義 感想 秋吉 理香子 – 読書メーター

正論を振りかざし、情け容赦のない範子を前に、嫌い…だけど、彼女は何も間違ってないと3人が悩む様子が何ともリアルだったなぁ。だって正論を振りかざされたら何も言えないし、自分の方が悪いのかも?間違ってるのかも?って絶対に思っちゃうもんなぁ。
絶対正義 感想 秋吉 理香子 – 読書メーター

スナーク狩り 宮部 みゆき

その夜―。関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。すべてを終わらせるために。

一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、ある計画を思いついていた。
今晩じゅうに銃を奪い、「人に言えぬ目的」を果たすために。

いくつもの運命が一夜の高速道路を疾走する。

私刑で人は裁けるのか、人は人をどこまで利用しようとするのか、復讐はなせるのか――交差する人の想いと行動にひきこました。
読後に正義や復讐について考えさせられてしまう本です。

正義とは、法とは? 救われない人間のジレンマに悲しくなる。事件自体は短時間の出来事であるが、これまでの背景を交えながら、進んでいく物語の展開に惹きつけられた。
スナーク狩り 感想 宮部 みゆき – 読書メーター

『僕はあいつらを殺したかったんだ』… 怪物は消える… 怪物に姿を変えさせられた物も消えるしかないのか… 濃密な1日が一冊に詰め込まれ、行き場のない被害者家族の苦しみに上手く言葉がでない。。
スナーク狩り 感想 宮部 みゆき – 読書メーター

吐きたいほど愛してる。 新堂 冬樹

愛―、それは気高く美しきもの。
そして、この世で最も恐ろしいもの。毒島半蔵の歪んだ妄想が、この世を地獄へと塗り替える。
虚ろな心を抱える吉美が、浮気を続ける亭主に狂気をぶつける。
傷を負い言葉を失った、薄幸の美少女・まゆか。
実の娘に虐待され続けている、寝たきり老人・英吉。

暴風のような愛情が、人びとを壊してゆく!

憎しみだけではなく、歪んだ愛、狂った愛も人を傷つける、それにぞわりとしました。
かなりグロいシーンが多いので苦手な人にはおすすめしません。
後味の悪さが長くひく一冊です。

怖いもの読みたさで手に取ってしまった初読み作家です。4つの短編小説で、グイグイ読ませるのですが、タイトル通り、吐き気を催すグロさです。もはやホラー。愛とはエゴであるということ、人間はどんな動物よりも醜いのだという事実を突きつけられる感じ。もうこの作家はいいや…という感想です。
吐きたいほど愛してる。 感想 新堂 冬樹 – 読書メーター

「吐きたいほど愛してる」どんなラブストーリーかとワクワクしていたが…ぶっ飛んだ!!相当ぶっ飛んだ!!なんとなく、薄々は予感していたし、どこか期待をしている部分もあった。けれども予想を遥かに上回る気色の悪さ…。とんでもないグロさ…。愛情の裏返しとか可愛さ余って憎さ百倍とかそんなレベルの話しではない。狂気に満ち溢れた男女たちの物語、短編4話。グロいのを好んで読む人にも迂闊にオススメは出来ない。ホントに吐きたくなる…。
吐きたいほど愛してる。 感想 新堂 冬樹 – 読書メーター

黄泉津比良坂、血祭りの館 探偵・朱雀十五の事件簿3 藤木 稟

人など通いそうにない十津川の山頂に、絢爛豪華な洋館が聳えていた。
そこに暮らすのは素封家・天主家の一族と召使い達。決して鳴らない鐘と、決して動かない大岩の謎。
それが動けば「地獄の蓋が開く」といわれる『千曳岩』が今動き、一族を巡る猟奇殺人が次々に…。

祟りを鎮めるため、呼ばれた僧侶の慈恵親子と加美探偵は、館の秘密を解き明かせるか!?

黄泉津比良坂、暗夜行路 探偵・朱雀十五の事件簿4 藤木 稟

ぐおぉーん、ぐおぉーん。
寂寥たる闇を震わせて、決して鳴らないはずの『不鳴鐘』が鳴り、血塗られた呪いと惨劇が再び天主家に襲いかかる。新宗主・時定と、14年前の事件の生残者らの運命は?
執事の十和助に乞われた朱雀十五は、暗号に満ちた迷宮で、意外な行動に出た。

やまない猟奇と怪異の渦中で、朱雀の怜悧な頭脳は、館の秘密と驚愕の真実を抉り出す。

「黄泉津比良坂、血祭りの館 探偵・朱雀十五の事件簿3」が上巻、「黄泉津比良坂、暗夜行路 探偵・朱雀十五の事件簿4」が下巻となります。

かなりおどろおどろしくグロさもあり、悪魔か魑魅魍魎の仕業かと思えるような殺人が次々と続いていきます。
誰も彼もあやしく、それぞれが怖がっている上に、館までもあやしいことに。
でも真相がわかっていくにつれて、一番怖いのはやはり人だと思えてしまった本でした。

怒涛の殺戮劇が終わりどっと疲れが。殺人の仕掛けは用意周到に張り巡らされ君の悪さとおぞましさで震えた
黄泉津比良坂、暗夜行路 探偵・朱雀十五の事件簿4 感想 藤木 稟 – 読書メーター

悪夢のような十四年前の殺人事件に幕がおりました。やっぱり!…という人物が鍵を握っていたわけですが、事件の背景を考えると色々切なくなります。朱雀と律子のコンビは安定感がありますね。ラストは皆、前向きで良かった…。
黄泉津比良坂、暗夜行路 探偵・朱雀十五の事件簿4 感想 藤木 稟 – 読書メーター

なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン

家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。

謎の追跡者から逃れようと都市を彷徨う女の姿を描く、美しい悪夢の結晶のごとき一編「逢瀬」。

犯罪実話風の発端から、思わぬ方向へと話がねじれる「行方不明の少女」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編

人が抱えている歪みや暗さをふとした話の合間に鋭くおいてくる感じの短編集。
人のもつ暗さ、毒をすかしてみせられるようで怖い一冊です。

表から見えないだけで誰もがみんなこんな思いを抱えているのかもしれない。あるいは「平凡」な人間の暮らしでも、切り取り方、見方によってはまったく違って見えるのか。人間は面白いとしみじみ思わせる短編集。
なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) 感想 シャーリイ・ジャクスン – 読書メーター

なんでもない一日と言いながら作者は、人の…いや自分自身に隠された悪意を描き出して見せているのだろうか?そうした毒を含んだ作品も興味深いが、この短編集の特色はなんといっても作者自身の生活を描いたエッセイが納められていることだろう。若い頃に将来作家になると決めて挑んだミステリーで犯人をくじできめようとしたり、母として長男とその友達に抱く思いとか、ごく身近に感じられるような作者の人となりが伝わってくる。
なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) 感想 シャーリイ・ジャクスン – 読書メーター

ビッグ・ドライバー スティーヴン キング

小さな町での講演会に出た帰り、テスは山道で暴漢に拉致された。
暴行の末に殺害されかかるも、何とか生還を果たしたテスは、この傷を癒すには復讐しかないと決意し…表題作と、夫が殺人鬼であったと知った女の恐怖の日々を濃密に描く「素晴らしき結婚生活」を収録。

性犯罪の被害者になった女性の戦いと、ずっと夫婦だった夫が殺人鬼だとわかった女性の物語。
主人公の女性は戦うことを選びますが、知っている相手がモンスターのような人であったと気がつくとき、その怖さははかりしれません。

怖すぎる。。。「1922」と合わせて人間の悲しく恐ろしい部分を描いている。主人公目線でストーリーが進んでいくが、あまりにも描写が細部にわたっているので、臨場感が尋常ではない。
ビッグ・ドライバー 感想 スティーヴン キング – 読書メーター

スピリチュアルなホラーよりも、収録の2編のような怖さがよりぐっと身近に感じられる。最後は一応の解決をみるのだが、決して元の自分には戻れない、残りの人生が待っている。これも怖い。
ビッグ・ドライバー 感想 スティーヴン キング – 読書メーター

狼と兎のゲーム 我孫子 武丸

2年前に母が失踪して以来、小学5年生の心澄望と弟の甲斐亜は父・茂雄の暴行を受け続けていた。

夏休みのある日、庭で穴を掘る茂雄の傍らに甲斐亜の死体が。
目撃した心澄望とクラスメートの智樹を、茂雄が追う!

死に物狂いで逃げる彼らを襲う数々のアクシデント!!
茂雄が警察官であるゆえ、警察も頼れない二人の運命は―。
そして待っていたのは、恐怖と驚愕の結末!!

狼が殺人者である父、兎が逃げる子供の物語です。
弟が父に殺されたのを見て逃げますが、父は警察官。
自分を殺すべく追ってくる父は、異常であり、まさに怪物。追われるシーンにハラハラします。
でも子どもは消して弱くない。
本当に怖いと思えるのは結末での行動でした。

子供の恐怖という心情が現れてると思う。大人だったらこうするとか意見あるだろうけど子供はまだまだ未熟で弱い。感想が上手く言えないけれどこの2人には友情が芽生えてたと思う。ただ暴力・恐怖はたくさんの人の心・人生・考えを変えてしまうと分かった。
狼と兎のゲーム 感想 我孫子 武丸 – 読書メーター

父親にコントロールされ、救いをどこにも求められない中、たった一人の親友と父親から逃れる追いかけっこ。救いようのない父親です。
狼と兎のゲーム 感想 我孫子 武丸 – 読書メーター

秋の牢獄 恒川 光太郎

十一月七日水曜日。
女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。
何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会うが…。

世界は確実に変質した。
この繰り返しに終わりは来るのか。
表題作他二編を収録。

同じ一日を繰り返す「リプレイヤー」達の話など、短編がまとめられています。
ずっと同じ一日を繰り返すことは何事もなく平和でも悪夢のようです。
どの短編もどこかノスタルジーを感じますが、読後もひたひたと怖いものがあります。

圧倒的な世界観と波に流されるような端正な文章。誰にでもいつか訪れる死の影がまとわりつく、そんな美しい小説。見方によっては耽美ですらある。震える本。
秋の牢獄 感想 恒川 光太郎 – 読書メーター

玩具修理者 小林 泰三

玩具修理者は何でも直してくれる。
独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。
壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。
親に知られぬうちにどうにかしなければ。
私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。

現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―

短編集。「何でも直してくれる」の玩具修理者。死んだ猫を治してくれたからと、死んでしまった弟を治してもらう主人公。スプラッター要素もありますが、ラストまで読むと時間や人について考えてしまい、うすら怖くなります。

目的達成のためには、死をも生に転換することに、あえてありえないグロさで、もしかして可能ではないかと感じさせる世界観、さすが。
玩具修理者 感想 小林 泰三 – 読書メーター

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