【間違いだらけの発達障害】「親の育て方は関係ない」は嘘!

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自閉症やADHDなど発達障害の原因について、「親の育て方は関係ない」という話を耳にすることが多い。しかし……

■親の育て方は関係ある!

現代の精神医学・発達臨床心理学では、発達障害(developmental disorder)の原因は『中枢神経系(脳)の成熟障害』という生物学的原因に還元されることが多く、『親子関係・養育環境・愛情と教育などの環境要因』について語られることは殆どない。

〔中略〕

だが、現在では軽度発達障害(ADHD,学習障害など)を中心として『各種の環境要因やストレスの関係した発達障害』も少なからず存在することが分かってきている。
なぜ発達障害が増えているのか?2:発達障害と環境要因・愛着障害

6割は環境要因

環境要因とは、平たく言えば親(おもに母親)の養育態度のことです。発達障害の専門家によれば、素質が4割、そしてなんと環境要因が6割だそうです。
206、発達障害の原因は親の養育態度にも | よりそいカウンセリング

たとえば大人のADHD…… 遺伝の影響は約30~40%しかない

最近話題になることの多い『大人のADHD(注意欠如多動性障害)』では、遺伝要因の影響が約30~40%という調査もあり、かつて考えられていたよりも環境要因(後天的な学習・経験)の影響が大きいようである。
なぜ発達障害が増えているのか?2:発達障害と環境要因・愛着障害

発達障害の発現に関与する環境要因

発達障害は、遺伝的要因と環境要因が相互にかかわりあいをもって発現する多因子疾患と考えられています。
たとえばADHD(注意欠陥多動性障害)の発現に関与するとされている環境リスク要因では、以下のような報告があります。
発達障害と母子関係 – 如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜

このうち「社会心理的に不適切な要因」というのは、
・妊娠中・出産後のうつ
・母親の精神障害
・夫婦間不和
・不適切な養育やしつけ
・虐待行為
・家族機能不全
など
発達障害と母子関係 – 如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜

「母親の発達障害」が要因になることも

母親の発達障害の重症度とうつの併存が子どもの発達障害の発現に対する「負の養育要因」となりうることが示唆されています。
発達障害と母子関係 – 如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜

環境要因・成育環境が影響したとみられる発達障害

ADHDや学習障害、アスペルガー障害のうちの軽度発達障害や愛情剥奪によって自閉症類似の症状を示す状態では『環境要因・成育環境が影響したとみられる発達障害』が存在する
なぜ発達障害が増えているのか?2:発達障害と環境要因・愛着障害

遺伝要因が大部分を占める発達障害があるのも事実

確かに、知的障害があって他者に注意を向けようとしない孤立型・カナー型の重度自閉症を典型として『遺伝要因が大部分を占める発達障害』があることは事実
なぜ発達障害が増えているのか?2:発達障害と環境要因・愛着障害

純粋な脳の障害は「学習障害」だけ?

まとめ作者による補足:この引用における「LD(学習障害)」とは「重度」あるいは「中度以上」の「LD(学習障害)」のことと思われる。

政府関係の公式な見解によれば、純粋に脳の障害だけが原因とされるのは、LD(学習障害)だけ
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■精神医学が「発達障害の環境要因」に言及しない理由

現代の精神医学が『発達障害の環境要因』について言及しない理由は、子供を育てている母親や父親を責めるような形になりやすく発達障害の治療・療育にマイナスの影響を及ぼしやすいからという理由があるが、それだけではなく20世紀半ばに発達障害(特に重度の自閉症)の原因を『母親の間違った育て方・接し方』にあると根拠もなく一律に決めつけてしまった反省と反動がある。

かつて、自閉症を『母原病(母親が原因の病気)』とするような間違った『精神分析的な心因論』が流行したため、きちんと愛情・関心を注いで自閉症児を育てていた母親を不当に責めたり否定したりして苦しめる問題が起こってしまった。

〔中略〕

大勢の母親を傷つけて苦しめた自閉症の養育要因(環境要因)の仮説のトラウマと反省によって、長らく精神医学会では重度自閉症ではないあらゆる発達障害の分野において『養育環境・親子関係・愛情と教育(虐待と無視)などの環境要因の影響度』について語ったり調べたりすることが半ばタブーになってしまった。
なぜ発達障害が増えているのか?2:発達障害と環境要因・愛着障害

ローナ・ウィングの影響

ローナ・ウイングにより、アスペルガー症候群が紹介されたことを契機に、やっとアスペルガー症候群は表舞台にあらわれた。ローナ・ウイングがこの症候群を紹介した大きな理由の1つは、彼女には自閉症の娘さんがいて、当時、親族や世間から親の躾、教育が悪いという非難、中傷があったためと言われている。

彼女にとって、アスペルガー症候群の紹介は、「自分の子供は生来性の障害」という反論だったのである。
かつて診断がつかない人たちがいた|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

■よい養育環境は、もって生まれた才能を開花させる

よい養育態度の親に育てられると、その持って生まれた才能が開化して、すばらしい力を発揮するとも言われています。その例としてあげられるのが、エジソンです。
206、発達障害の原因は親の養育態度にも | よりそいカウンセリング

■参考サイト(出典以外のWEBサイト)

https://matome.naver.jp/odai/2147070535246225801
2016年09月07日