映画の著作権は誰のもの?
映画の著作者は、プロデューサーや監督、演出者、カメラマン、美術デザイナー等、その映画の全体的形成に創作的に寄与した者にある
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原則として、著作者とは、著作物を創作する者をいいます(創作主義、著作権法2条1項)。
これに対して、原作者、脚本家、音楽家、俳優などは、映画の著作者とはされません。
もっとも、映画監督などの映画の著作者が、映画製作者に対して映画の製作に参加することを約束しているときは、映画の完成と同時に映画の著作権は映画製作者に帰属するものとされています
俳優の権利は何ら保護されないのかといえば、そうではありません。俳優の権利は、「著作隣接権」として著作権法上保護されています(90条の2以下)。
たとえば、映画に出演した俳優の氏名を表示せずに公表した場合には、俳優の氏名表示権の侵害となるのが原則です(90条の2)。
また、映画に出演した俳優の名誉を害するような変更をすることは、やむを得ない場合を除いて俳優の同一性保持権の侵害となります(90条の3)。
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映画の著作物として保護されるためには、物への固定が必要である。
「映画の効果に類似する視覚的又は視覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物」を含む(2条3項)。したがって、映画を収録したビデオテープやDVDも映画の著作物として保護される。
映画の著作物も著作物の一種である以上、「著作物を創作する者」が著作者である(2条1項2号)。しかし、多数の者がその製作に関与しているため、権利関係が錯綜するのを防止する趣旨も含め、法は、「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」に著作者が限定され(16条本文)、著作者人格権はそのような者にのみ帰属する。具体的には映画監督等が著作者になるが、形式的に監督となっているだけでは著作者とは言えず、創作面において実質的に製作過程を統括することが必要であり、「全体的形成に創作的に寄与」という要件が重要である。
頒布権について
頒布権とは、有償無償を問わず映画の著作物の複製物を、公衆に譲渡又は貸与、あるいは公衆に提示することを目的として特定人に譲渡又は貸与する権利をいう。
「著作者」が頒布権を有することになっているが、著作者(多くの場合、映画監督)が映画製作者に対し当該映画の製作に参加することを約束しているときは、著作権は映画製作者に帰属するので(29条1項)、著作者たるべき者のほかに映画製作者たるべき者がいる場合は、著作権の支分権たる頒布権を有するのは著作者ではなく、映画製作者となる。
映画ソフトの頒布権の売買形式は、買い切り型とリース型の2通りがある。
映画ビジネス学部ログ: 酒匂暢彦氏セッションレポート
買い切り型は問屋さんを介し、12000~15000円
(配給元には8000円位)で流通。
リース型は、ccc系のレントレックジャパンが始めた
PPT (Pay per Track)方式で、1本500円でおろすかわりに、
レンタルの30%が配給元にキックバックされる仕組み。
著作権の保護期間について
映画の著作物の場合は、公表後70年(その著作物が創作後70年以内に公表されなかったときは、その70年)を経過するまで存続する。現行著作権法(昭和45年1970年開始)の施行前に公表された著作物の著作権の存続期間は、旧著作権法による存続期間(著作者の死後38年)のほうが長い場合は、旧著作権法による存続期間による旨の規定が置かれている。
ある映画の著作物が1953年(ただし著作者の生前である場合)に公表され、著作者が1998年に死亡した場合を例にすると、旧法を適用して1998年の翌年から起算して38年(2036年12月31日)著作権が存続するとしたほうが保護期間が長くなる。その結果、現行著作権法54条による公表後70年という規定は適用されないことになる。
映画の上映会を開くには許可が必要か?
「非営利」「無料」「無報酬」の上映会であれば、著作権者の許可を得ずに開催できます(著作権法第38条1項)。
著作権FAQ 映画の上映会を開くには許可が必要? | COPYRIGHT LABORATORY
「非営利」とは上映会の開催によって直接・間接的に利益を得ないこと。営業・販売の一環として行うなど、宣伝や客寄せに上映会を開く場合、無料の上映会でも営利目的と判断される。
「無料」とは入場料等のお金を受け取らないこと。上映の対価として受け取ってはいけないだけでなく、会場を借りる利用料金などの実費負担もできない。
「無報酬」とは出演者に報酬を支払わないこと。上映会に出演した映画評論家に出演料を支払うなどの場合がこれにあたり、交通費などの実費であれば報酬にはあたらないが、実費を超える額を支払えば報酬にあたる。
この3つの条件を満たせば権利者の許諾がなくとも映画の上映会を開くことができる。

