パチンコ業界が今ヤバイ!?警察庁の狙いとは?

hizmato
パチンコ、パチスロともに撤去命令がくだされたようです。来年以降のパチンコ、パチスロはどうなるのでしょう?

警察庁は11月6日、都内新宿区の遊技会館で、ホール5団体の関係者を集め、検定機と性能が異なる可能性のあるパチンコ遊技機について、業界を挙げて撤去を推進するよう要請した
釘問題抵触機を撤去要請――警察庁 | パチンコ業界誌『遊技日本』

○ことの発端は「遊技機性能調査」

検査員が営業中に無通知で入店し、無作為に選んだ遊技機(パチンコ・パチスロ等)を一定時間試射。この試射を通して、一般入賞口に全く入らないケースなど釘曲げが疑われるものをはじめ、風適法令違反や不正な取り扱いをチェックする
遊技産業健全化推進機構、6月1日から「遊技機性能調査」を開始へ | パチンコ・パチスロ、業界ニュースを配信 遊技通信web

しかし、罰則などは特になかった。

猶予期間後、不正が発見されたあとの対処は、これまでの立入検査と同様、行政通報がなされる場合がある。
遊技産業健全化推進機構、6月1日から「遊技機性能調査」を開始へ | パチンコ・パチスロ、業界ニュースを配信 遊技通信web

○調査結果が発表された

同年8月までの調査結果によれば、約6割が一般入賞口に玉が全く入らず、残りの4割も10分間に10個も入らないとのことであり、検定機と同性能のパチンコ遊技機が1台も発見されない
釘問題抵触機を撤去要請――警察庁 | パチンコ業界誌『遊技日本』

というより、検定機と同性能のパチンコが無いのは当然の結果でもある。
検定時には、一般入賞口はガバガバの状態で検査されているらしい。
逆に、大当たりに関わる入賞口である中央入賞口、俗に言うヘソが閉められていて、検査を通りやすくしているからだ。
これは、MAX機(一度の契機で沢山玉が出る機械)と呼ばれる機械などを検定に通りやすくするために行われている手法。

ここで、パチンコを知らない人へ簡単な説明を
一般入賞口とは、大当たりに関係の無い入賞口のこと。
玉が1個入賞すると、10個払いだされたりする。
払いだされる個数は機械により異なる。ここに玉が定期的に入れば、
ユーザーは玉が減る速度が遅くなるのでお得、逆に店側は、ここに入らないようにすれば、玉が減る速度が早くなるので売り上げ増加につながる。

なので、多くの店でガチガチの状態になる。

○何が問題なのか?

ずばり、釘曲げです。

パチンコを営業する上で、釘を曲げる行為自体が本来違法なのです。
パチンコには設定がありません、出玉の調整は主に釘で行います。(主にというのは、一部の機械にはアナログ的な要素があるため)

昔は、パチンコの交換率は3円~3.5円が主流でした。
そのため、極端な釘曲げがなくとも利益が上がる状態でした。(実際には、一般入賞口は閉められていることのほうが多かったですが)

上記はパチンコの話、ここではパチスロの話を少し
パチスロは設定で出玉が管理されており、昔から特に首都圏では等価交換が主流でした。

なので、パチンコは非等価、パチスロは等価という店が多かったのです。
さらに、1円パチンコや5円パチスロなどの低貸し営業も始まり、1つの店舗に複数の交換率が混在する状況になりました。

すると、警察は言いました。

○一物一価にしろ

あるパチンコ店において、パチンコ・パチスロの種別や球・メダルの貸出金額を問わず、球・メダルと景品の交換率は1種類しか認められない
一物一価 (パチンコ) – Wikipedia

同じ景品に交換するのに、パチンコではA円分の玉、パチスロではB円分のコインとなるのはいけませんよってことですね。
パチンコとパチスロの景品そのものを分けて景品交換する二物二価も認められなかったようです。

これにより、店側は交換率を統一しなければならなくなりました。
パチンコユーザーは等価交換を望み、パチスロユーザーは非等価交換を嫌いました。
そのような結果なのかわかりませんが、等価交換が主流となったのです。

○その結果どうなった?

当然の如く、釘はより閉められました。
交換ギャップが無くなったので、利益を確保するためには当然の結果ともいえます。

なので、このページの一番上に繋がるのです。

回らないパチンコ、投資金額の多いパチンコがメイン機種となり、パチンコを打つためには多額の資金が必要な時代になったのです。
その半面、出るスピードも早く、一撃で取り返せるため一部のユーザーから支持を得ていたワケです。
つまり、ギャンブル性が高い機械です。これを、射幸性が高いなどと表現します。
このため、パチンコを好むユーザー数は減少しています。

○これからどうなるの?

11月より、東京都では等価交換が禁止になりました。

交換率(換金率)の上限は「パチンコで28玉交換」「スロットで5.6枚交換」
東京都の等価交換廃止詳細と貯玉再プレイ制限 | パチンコプラス

また、再プレイにも制限が入りました。
再プレイとは、一度流した玉(計数機により数えられた玉)やコインで再び遊戯すること

・貯玉再プレイの上限個(枚)数をパチンコ・パチスロ別に決定
・パチンコは「2500個/日」を上限に
・スロットは「500枚/日」を上限に
東京都の等価交換廃止詳細と貯玉再プレイ制限 | パチンコプラス

元々大阪など一部の都道府県では、等価交換が禁止されていましたが、東京も等価交換禁止になったことで、その流れは全国に拡がりそうです。

ということは、パチンコは昔みたいに回るようになったり、遊びやすくなったりするの?
現状よりは、使う金額は下がるでしょうが、以前のようにはいかない気がします。
というのも、強制撤去による入れ替え費用など出費がかさむ、釘をどこまでいじれるのか不透明。そもそも、釘曲げせずとも営業できるような釘で検定に持ち込むことになるかもしれないので、期待は出来ません。

○警察は何をしたいのか?

一部のユーザーの方は、この業界を潰しに来たように捉えている方もいるようですが、個人的な見解では逆のような気がします。
この業界を守りたいのだと思います。

水面下にあるのは、カジノ法案で、これが国会に提出されれば必ずと言っていいほど槍玉に挙げられます。
パチンコ業界は、警察庁の管轄です。認可するのも、取り締まるのも警察です。
なので、法律を守っていますよという体裁を作るために、今まで黙認してきたことを是正しているのではないでしょうか?

○釘問題だけではなく、今までにも問題はあった

釘曲げが是正されようとしていますが、これまでにも色々指導が入っていました。

例えば、
「ハンドル固定禁止」
パチンコのハンドルをコインやカードなどで固定して遊戯することが明確に禁止されました。
それまでは、多くの店で黙認されていましたが、注意され止めるように促されるようになりました。

「機械への張り紙などの禁止」
パチンコやパチスロの筐体に、新装開店などのチラシを貼り付け告知していた店がありましたが、これも禁止されました。
ハンドルの件と同様で、パチンコやパチスロは各都道府県の承認を得て設置されています。ハンドル固定や張り紙などは、承認時と状態が異なることになり、無承認変更という扱いを受け違法となってしまうようです。

「営業時間外の入店禁止」
例えば、神奈川の営業時間は9時~23時です。昔は、8時半入店→台確保→9時遊戯開始という流れが出来ましたが、9時にならないと入店出来なくなりました。また、閉店時も23時までに店外へ出なければいけなくなりました。

「景品交換所の場所を教えてくれない、交換率を教えてくれない」
景品交換所とは、特殊景品と呼ばれる景品を買い取ってくれるお店です。この景品交換所の場所を教えてくれなくなりました。これは、店側が景品交換所に関与していませんという建前です。俗に言う3店方式と呼ばれるモノです。もう1店は卸問屋です。

○コンプライアンス

今警察が行っているのは、コンプライアンス、法令遵守でしょう。
元々この業界は超がつくほど緩かったのです。25年?ほど前、パチスロでは、裏物と呼ばれる違法改造機が主流だったようです。
コンプライアンスを守ることで、狙いは換金も含めた合法化でしょうか?

○今後はどうなるの?

日工組より既に「メーカーがホールに出荷する時点で、既に検定機と異なる性能となっている可能性があることから、該当するぱちんこ機について、業界挙げた回収を今後進めていくと報告を受けた」
釘問題抵触機を撤去要請――警察庁 | パチンコ業界誌『遊技日本』

出荷時の遊技くぎのBY値が、3未満となる遊技機が存在することを明らかにするとともに、釘問題の責任は日工組メーカーにもあることを認める旨を伝えた。その上で、今後は“遊技くぎ”について適正な状態で出荷することを明言。合わせて、既に出荷・納品済みで“遊技くぎ”で問題のある遊技機については、他の団体と協力しホールから回収していく考えを示した。
釘問題抵触機を撤去要請――警察庁 | パチンコ業界誌『遊技日本』

つまり、メーカーが検定時と異なる釘で出荷しているのを今後は止めます、と。
さらに、今までの機種は回収するから、撤去しろよってことですね。

撤去される機種は今後発表されるようですが、店側にかかる負担は相当なモノになりますね。

○少し未来を予想してみる

この釘問題が始まった直後からなんとなく感じていることですが、
今後は、
・非等価営業
・釘はいじれない
この2点が重要で、この条件で店に利益が出るように機械は設計されるはずです。

すると、浮かび上がる”ある機械”の存在が、

○封入式パチンコ

ECO遊技機とも言われている

封入式とは遊技機の中で一定の玉を循環させ、遊技に用いる玉、払い出し玉を不要としたシステムです。
封入式パチンコ新時代へ|2手3手先のパチンコ秘密会議

封入式パチンコの一番のメリットは、セキュリティであると言えるのではないでしょうか?

「機歴管理センター」と「鍵管理センター」という2つの第3者機関を設けて1台1台、個別に管理するシステム
封入式パチンコ新時代へ|2手3手先のパチンコ秘密会議

○デメリットは?

日工組(メーカー側の団体)は、導入に前向きらしい。
全日遊連(ホール側の団体)は、導入に反発してるらしい。

ホール側には、既存の設備さえも変更しなければ導入に対応できないみたい。
なので、機械代だけでなく、多額の設備費用がかかってしまう。
さらに、上記の個別管理システムがネットワークで結ばれてしまえば、営業情報までもが閲覧されてしまう恐れもあるみたい。

現状では、価格も高価になるため、ホールは躊躇せざるを得ないでしょう。
量産体制が取られたとしても、現状の機械並になるのでしょうか?

ホール側には、デメリットしか無いような状況です。
では、ユーザーはどうでしょう?

封入式パチンコは、釘をいじることが出来ないと見られています。
つまり、店は買って設置して置いておくだけ、これにより店舗間格差もなくなり、平等な条件が整います。
ユーザーはいつどの店で打っても平等な期待値を得られると思いますが、期待値自体はマイナスです。
今も昔もパチンコの多くは期待値マイナスの調整で営業されてきました。しかし、一部の台や店舗、イベント時などでは、期待値プラスの台が存在してきました。
これが、封入式パチンコにより無くなるので、パチプロは淘汰されることになるはずです。

どの程度のスペックまでが許されるか現状ではイマイチ不透明ですが、多くの人が勝ったり負けたりを繰り返してトータルでマイナスになります。
今のユーザーの多くは、収支面では対して影響はないのではないでしょうか?プロが淘汰されるように、平等の下にボッタクリ店も淘汰されるからです。
ただ、勝てないと宣言された台を遊びとして割り切れるユーザーがどの程度いるかは不明です。
1円パチンコなどの低貸しで、遊びとしては成り立っているからです。
(封入式のみの設置しか認められない場合、機械代の高さから低貸し営業も無くなるかもしれませんね)

○釘問題は封入式への移行を進めるための布石

パチンコ業界は警察庁の管轄と言いましたが、いいかえれば警察庁の利権です。
天下り先としても有名ですよね?
封入式を推し進める理由には、そういった面があるのかもしれません。
なんちゃらセンターなどが設立されれば、天下り先の出来上がりですからね。
CR機導入の際と、同様のことが今起きているのかも。

↓ こういったボッタクリが淘汰されるのは良いことです。

http://www.youtube.com/watch?v=DJ0RbqvJMLs
パチンコ知らない人には何がなんだかわからないと思いますので、簡単な説明をします。
玉が、映像中央下あたりのピンクに光ってる場所(度々空いたり閉まったりしてるとこ、チャッカー)に、入れば払い出しが受けられます。1回の開放で複数個の玉が入るため玉がまとまって払い出される状態で、大当たり中のことです。
しかし、このチャッカーに入らず、全ての玉がチャッカー手前で下の穴(ハズレ)の方に落ちてしまっています。結果、大当たりしたのに玉を得るどころか、お金を使ったという動画です。通常、ありえません。

○パチスロも結構ヤバイ?

パチスロも特定の機種が撤去されるようです。

2万枚出たデータがある台は撤去となるようです。(時期は不明?)

ほぼ、現状の主要機種がリストアップされています。

○過去にも撤去騒動はありました

「著しく射幸心をそそる」として、2003年には、ミリオンゴッド、アラジンA、サラリーマン金太郎が検定取り消し処分となり、全撤去となりました。

みなし機撤去問題
まず、みなし機とは、検定の有効期間は3年でこれを超えて設置しようとする場合、更新が必要になります。1度だけ更新できるので6年間設置できたことになります。
こういった期間切れな機種を「みなし機」と呼びます。
これは、現状の5号機に切り替わるときに起きました。4号機のほうが利益が出たからギリギリまで4号機で営業したかったワケです。

○ユーザー数は減少傾向、店舗数も減少している

パチンコの参加人口は、2013年に初めて1000万人の大台を割っている。
しかし、2014年には回復し1150万人だった。

2013年末時点で1万1000店程度、ピーク時には1万7000店ほどあったので大分減っている。
ただ、大手チェーン店などは今でも出店しており、中小規模の店が潰れているよう。

○まとめ

警察庁の狙いは、おそらく換金行為も含めた合法化。
このために必要な措置は、今後もとられるはずです。パチンコ、パチスロ共に平等化が今後も進むと思われます。
勝てる時代は、終わってしまうかもしれません。

https://matome.naver.jp/odai/2144705826648054701
2015年11月09日