妖怪ウォッチ海外進出の裏で、アニメ界のガラパゴス化が深刻だった

kibarashi
今や世界中に愛されるキャラクターとなりましたポケモン。それに続けと最近では、妖怪ウォッチやギガントシューターなどのアニメが海外進出を掲げています。しかし、その裏では日本アニメの不振、ライバル国の台頭に悩まされる姿が…。それでも、先日から新たな戦略を展開する動きが活発になったのでまとめてみました。

▼日本のアニメがついにイギリス観光庁に到達w

原作は4コマ漫画『きんいろモザイク』。日英美少女ゆるふわ学園コメディ。

英国政府観光庁のオフィシャルブログでアニメ「ハロー!!きんいろモザイク」が紹介された。しかも、かなり具体的。
えっ、ええっ!? 英国政府観光庁のオフィシャルブログで「ハロー!!きんいろモザイク」が紹介される – ねとらぼ

「英国に聖地巡礼に訪れるファンもいる『ハロー!!きんいろモザイク』って?!」と題されたブログ記事は、英日の国際交流を描いたコメディ作品としての側面をフィーチャーした内容となっている。
英国政府観光庁のオフィシャルブログで「ハロー!!きんいろモザイク」が紹介される | ニコニコニュース

アニメ第1期第1話の聖地となったイギリス・コッツウォルズにある「フォスファーム」の実際の様子をアニメの登場シーンと比較してみたり、観光庁ならではのアプローチで「きんモザ」に迫っている。
えっ、ええっ!? 英国政府観光庁のオフィシャルブログで「ハロー!!きんいろモザイク」が紹介される (ねとらぼ) – Yahoo!ニュース

きんモザがイギリス政府官公庁のブログに掲載⁉︎∑(゚Д゚)
す、すすすSUgeeeeee!
イギリス行きたくなってきた、来年行こ
英国官公庁のブログが只者ではないのですが(^_^;)

ameblo.jp/britain-park/e…
nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/15…

▼そもそも、日本のアニメの海外進出の成功例はこの作品

ポケモンが最初に海を渡ったのは、98年にさかのぼる。任天堂の「ゲームボーイ」用ソフトとして96年に誕生してから漫画、カードゲーム、アニメ、映画となって瞬く間に人気を獲得し、その成功を受けてアメリカに海外の第一歩を踏み出した。
ポケモン・ワールドに世界が夢中!ポケットに入らない世界的なキャラクターに成長。 | asianbeat

’00年当時、アメリカのテレビでは『ドラゴンボール』や『超時空要塞マクロス』が放送されていた。そんな21世紀初頭、日本に飛び込んできたニュースが「アメリカでのポケモンブーム」だ。
ポケモン・ワールドに世界が夢中!ポケットに入らない世界的なキャラクターに成長。 | asianbeat

さらには劇場版ポケットモンスター『ミュウツーの逆襲』は、アメリカでは’99年に公開され、日本映画初の週間興行収入ランキング初登場1位を獲得。
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 – Wikipedia

ポケモンカード、TVアニメ、映画、キャラクターグッズなどトータルで、全世界でビジネス展開しており、それらを加えた累計市場規模は3兆8000億円(日本:1兆7000億円/海外:2兆1000億円)
市場規模3兆8000億円!「ポケモン」の迫力をオヤジは知らない:日経ビジネスオンライン

昨今、クールジャパンの名のもとに、アニメ、放送番組、映画、音楽などの海外進出が注目されているが、それらの海外輸出額を合計しても、年間250億円程度といわれている。
市場規模3兆8000億円!「ポケモン」の迫力をオヤジは知らない:日経ビジネスオンライン

ポケモンすごすぎ…

「ポケットモンスター」が、どれほど他を圧倒するモンスター・コンテンツであるか、おわかりになるだろう。
市場規模3兆8000億円!「ポケモン」の迫力をオヤジは知らない:日経ビジネスオンライン

▼それに続けと、海外輸出される動きが顕著だ

・妖怪ウォッチ

http://www.youtube.com/watch?v=VyKLQXOj0ts
ようかい体操も輸出されるのでしょうか。全部ようかいのせい!

日本中を席巻したアニメ&ゲーム「妖怪ウォッチ」は“第2のポケモン”として期待されており、今年いよいよ本格的に世界に打って出る。
韓国でも超人気!妖怪ウォッチ「世界進出の勝算」 (東スポWeb) – Yahoo!ニュース

ゲーム制作会社レベルファイブは、同社の大ヒット商品「妖怪ウォッチ」を海外展開する方針を発表した。任天堂や米大手玩具会社と連携して2016年春に北米進出し、その後他地域にも展開する。
妖怪ウォッチ、海外へ : J-CASTニュース

すでに昨年末から韓国でアニメは放送されており、オモチャが全然手に入らなくなるなどすごい人気。他にも世界中の国からも放送オファーが届いており、今年は一気に世界に広まるという。
韓国でも超人気!妖怪ウォッチ「世界進出の勝算」 (東スポWeb) – Yahoo!ニュース

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、海外進出はリスクが高いものの、ポケモンの根強い人気を考えても、同様のタイトルが欧米で人気を得る可能性はある、との見解だ。
『妖怪ウォッチ』は欧米でも成功? ポケモンを超えるか…海外メディア注目 – ライブドアニュース

・超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ

主人公・面道つかさがキングメンガー(メンコ)を手に、ギガントバトルを繰り広げるテレビアニメ『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』が、大きな反響を呼びはじめている。
森りょういち監督インタビュー前編 「ギガントシューター つかさ」“カッコ悪いのにカッコいい” | アニメ!アニメ!

監督は2009年6月発売の第1弾からこれまでに8本のDVDが発売され、YouTubeでも配信されている半笑い脱力系CGアニメーション『Peeping Life』の森りょういち。
手塚&タツノコのお墨付き、森りょういち監督の『PeepingLife』映画化 | ORICON STYLE

最近では、auの料金プラン「カケホとデジラ」の特長である「データギフト」や、選べる6種類の「データ容量」を知ってもらうために、ギガントシュータ―つかさとのコラボレーションを実現を果たした。
「Myギガ」とは?! ギガントシューターつかさ続編始まる | RBB TODAY

アジアは特に今後期待したい。『ギガントシューター つかさ』も海外にじわじわとPRしていて、ひとつ有力な国が現れたところだ。当初から海外のことも考えていたので英語タイトルは「GIGANT BIG-SHOT TSUKASA(ギガントビッグショットツカサ)」。
メンコブームが再来!?『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』森りょういち監督インタビュー!【vol.4】 | テレビ関連ニュース [テレビドガッチ]

▼しかし、その一方でガラパゴス化しているという分析も

アカデミー賞は惜しくも逃したが、「かぐや姫の物語」や「ダム・キーパー」など日本人の監督によるアニメ作品がノミネートされ、あらめてそのレベルの高さを印象付けた。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった-

しかし、日本のアニメはクール・ジャパンの牽引役と期待されながら、実は長らく輸出が伸び悩んでいる。海外への売り上げのピークは2005年には313億円だったが、13年には169億円まで減少した。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった : J-CASTテレビウォッチ

今までは日本のアニメは人気があり、海外の人たちがどんどん買いに来ていたので、あまり売り方を考えなくても、人気があるものをそのまま持っていけばお金になった。
わーるど世界まとめニュース ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった

きちんといい作品を作るというところに注力をしてしまったという意味では、日本の工業製品がかつて歩んだ道と同じような、わだちを踏んでいるというふうに考えてもいいだろう。
逆襲なるか 日本アニメ  – NHK クローズアップ現代

なるほど。かつての日本メーカーの不振と同じ現象なのですね…

日本のアニメは、どちらかというとアダルト・ヤングアダルト向け、あるいは「オタク向け」という表現を海外ではされるが、子どもだけじゃないという部分というのが日本アニメの特徴。
逆襲なるか 日本アニメ  – NHK クローズアップ現代

だが、今現在のニーズとして、新興国を含め子ども向けマーケットがどんどん広がっている状態。
逆襲なるか 日本アニメ  – NHK クローズアップ現代

しかも、日本は子ども市場向けの売り方、海外での常識を十分認識できていない。やはり今までの知識というのが、基本的に蓄積されてこなかった。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった – アメリカ速報

ピンチです…

▼ライバルには韓国アニメの影が……

日本のアニメが低迷している間に、輸出を伸ばしたのが韓国だ。ロボットがクルマに変身する「ロボカーボリー」は世界80か国以上で放送されている。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった

制作会社は企画段階から海外で展開することを想定し、どこの国でも受け入れられやすい作品を作ることに力を傾けてきた。
逆襲なるか 日本アニメ  – NHK クローズアップ現代

そして、韓国の子どもたちに大人気のアニメキャラクターがペンギンのポロロ。ポロロが韓国の子どもたちに及ぼす影響力は大統領並みとされ、「ポ統領」とも呼ばれている。現在、日本をはじめ、110ヶ国あまりで放送されているポロロはグローバルスターだ。
トレンド・コリア/番組/KBS World Radio

ポロロは、ハローキティやクマのプーさんと肩を並べる存在で、1500種類あまりにおよぶ関連キャラクターグッズの売り上げは総額2兆ウォンだという。
トレンド・コリア/番組/KBS World Radio

日本円にして約2100億円

▼そして、海外進出を大きく阻む壁はまだまだある

キャラクタービジネスは、政府が「クールジャパン」として海外に売り込みたい分野でもある。しかし、著作権保護期間がアメリカは70年だが、日本は50年、といった違いに代表されるように、著作権法、商標法、意匠法など法律が複雑に絡み、海外展開も容易でない。
キャラクタービジネス、国内市場は頭打ち クールジャパンとTPPで海外進出は?

また、商品化権そのものを保護する法律も国際条約も現在は存在せず、海外に打って出るには、経営戦略を徹底的に「現地化」できる体力が必要なのが現状だ。
キャラクタービジネス、国内市場は頭打ち クールジャパンとTPPで海外進出は?

日本発、海外で売れる最大のヒットキャラクター、「ポケモン」の成功は、独自に現地化を進めてビジネス開発をしていた点が大きい。
キャラクタービジネス、国内市場は頭打ち クールジャパンとTPPで海外進出は?

文化度・娯楽・商業度を示すアニメ位相図
・Cartoon(子ども向けを対象としたキッズ・ファミリーもの)

・アニメーション(Cartoonよりは高度で芸術的要素を含むもの)

・アニメ(日本で独自の発展を遂げたもの)

日本以外の国々ではほとんどが黄色の子ども向けCartoonが主流で、娯楽的要素も強いが教育・文化的な作品も多い。アート・アニメーションは全世界に共通の位相である。それに対して、青が日本のアニメの位相だが、かなり娯楽・商業寄りに位置している。
アニメビジネスの今:アニメ海外進出のカギは何? 大切なのは産業と文化の並立 (3/3) – ITmedia ビジネスオンライン

アニメ産業の当事者としては、文化的な評価は伝統芸能化=盛りを過ぎた産業につながるのはないかと懸念し、その側面はあまり強調したくないという思いもあるだろうが、ハリウッドを見れば分かるように文化と商業の両立は可能である。
アニメビジネスの今:アニメ海外進出のカギは何? 大切なのは産業と文化の並立 (3/3) – ITmedia ビジネスオンライン

商業面での成功だけではなく文化的な評価もなければ、海外で社会的に認められるのは難しい。商業主義だけの娯楽と見なされてしまえば産業としても非常にマイナスなのである。
アニメビジネスの今:アニメ海外進出のカギは何? 大切なのは産業と文化の並立 (3/3) – ITmedia ビジネスオンライン

▼日本も黙ってない! 新たな新戦略を打ち出す

3月21日、AnimeJapan 2015のビジネスセミナー会場で「AnimeJapan×JETRO×Project Anime」講演が行われた。本セミナーでは世界各地のアニメビジネス関係者が招聘され、それぞれの視点から日本アニメの魅力や今後の展開が議論された。
「ドラゴンボール」から「キルラキル」各国の日本アニメ事情:ビジネスセミナー「AnimeJapan×JETRO×Project Anime」 | アニメ!アニメ!

さらに、日本文化を海外に売り込む官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は3月30日、海外でマンガやアニメなどのクリエイター育成事業を展開する「カドカワ・コンテンツ・アカデミー」(東京)に最大4億5000万円出資すると発表した。
KADOKAWAの海外クリエイター事業にクールジャパン機構が4.5億円出資 (ZUU online) – Yahoo!ニュース BUSINESS

マンガやアニメなど、人材が不足する日本のコンテンツ業界の海外展開を支える人材育成プラットフォームを世界12の国と地域で構築し、国際化と海外展開を支援する。
日本コンテンツを制作する海外クリエイター育成へ クールジャパンが出資 | Fashionsnap.com

株式会社アニメコンソーシアムジャパンは、今年4月から株式会社アニプレックスや株式会社サンライズほか、株式会社バンダイナムコホールディングスなどと共に、アニメ関連商品を扱うECサイトや海外向け動画配信のプラットフォームを展開するという。

そして、いま現場では、企画の段階から海外の多様な人々を意識した制作を進める新たな取り組みが模索されている。
わーるど世界まとめニュース ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった

東映アニメーションが製作を手がけている『ドラゴンボールZ 復活の「F」』(4月18日公開)は、世界各国の表現規制に配慮し、流血シーンをできるだけ避けている。
『ドラゴンボールZ』新作映画は流血シーンを抑えてる!? NHKが取り上げた日本アニメの海外戦略|おたぽる

イタリアで先行放送予定の『ルパン三世』新シリーズは、アニメ製作にあたり、現地を徹底取材し、このシリーズのルパンのジャケットはイタリア人の好みである“青色“になるという。
『ドラゴンボールZ』新作映画は流血シーンを抑えてる!? NHKが取り上げた日本アニメの海外戦略|おたぽる

このような「国際標準化」を進めることで、各国のファンを獲得しようという戦略も進んでいる。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった : J-CASTテレビウォッチ

▼まだまだ日本はここで終わらない!

2月19日、スパークス・アセット・マネジメントは「日本経済と株式投資に関する意識調査」にて、アニメやゲームに関する興味深いアンケート結果を発表した。
日本経済を牽引する産業は“アニメ・ゲーム・音楽” 20代の4割以上が回答 | アニメ!アニメ!

20代の若者は日本経済を牽引する産業として「アニメ・音楽・ゲーム」に期待を寄せていることが明らかとなった。
【!?】日本経済を牽引する産業は “アニメ・ゲーム・音楽” 20代の4割以上が回答|やらおん!

20代の「アニメ・音楽・ゲーム」に対する期待の高さは、インターネットの普及と密接な関わりがあるのではないだろうか。若い世代はポップカルチャーとしてのアニメやゲームが、インターネットを介して世界に拡がるさまをリアルタイムで体感している。
日本経済を牽引する産業は“アニメ・ゲーム・音楽” 20代の4割以上が回答 | アニメ!アニメ!

我々日本人は自分たちの文化に対する評価に対して、あまりに無自覚・無関心過ぎる。アニメの未来は、自らの文化を自らの評価に基づき、自らが発信することにあるはずだ。その点で今の若者はリアルタイムにポップカルチャーを体感した世代だけに期待できる。
アニメビジネスの今:アニメ海外進出のカギは何? 大切なのは産業と文化の並立 (3/3) – ITmedia ビジネスオンライン

だからこそ、日本がコンテンツビジネスを牽引する日が来ることに期待したい。
ガラパゴス化で先細る日本のアニメ輸出!作品がよければ売れる時代は終わった : J-CASTテレビウォッチ

https://matome.naver.jp/odai/2142923633050381501
2015年05月16日