地球の歴史①。地球誕生から先カンブリア時代(46億年前~5億4200万年前)まで。

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地球の歴史。先カンブリア時代(46億年前~5億4200万年前)。地球の誕生から地殻の形成、ジャイアントインパクト、原子生命の誕生から、多細胞生物の出現などの出来事を紹介します。

地球誕生前

佐藤勝彦東京大学教授が提唱したインフレーション宇宙。

宇宙が特異点ではなく、果てのない状態で”無”から生まれ、急激な膨張(インフレーション)を経て、ビッグバン“火の玉宇宙”になったと説明した。宇宙が始まって30万年後、宇宙で一番古い光“3Kの宇宙背景放射”が放たれた。

138億年前 – ビッグバン、その38万年後宇宙の晴れ上がり(宇宙マイクロ波背景放射、宇宙の大規模構造)のあと、超銀河団、銀河団、銀河、恒星の形成とその後に発生した超新星爆発と超新星の残骸である重元素を含む星間物質の飛散。
地球史年表 – Wikipedia

回転しながら原始星へと落ち込むガスのイメージ図。

星を取り囲むガスの中で、リング状に一酸化硫黄分子が豊富に含まれる部分が分布している(図中で青く示されているリング)。その内側には原始惑星系円盤が形成されている。

Credit: 東京大学

46億年以前 – 地球誕生前。
太陽は、過去の超新星爆発で散らばった星間物質がふたたび集まって形成された種族Iの星であると考えられている。また、太陽系には鉄や金、ウランといった重元素が多く存在している。
地球史年表 – Wikipedia

これらの重元素の成因としては、質量の大きな高温の星の内部での元素合成とその後に発生する超新星爆発によって作られ、宇宙空間にまき散らされた、という過程が最も可能性が高いシナリオだからである。太陽系は46億年前に形成され始めた。
地球史年表 – Wikipedia

地球誕生

原始地球の想像図,画像はNASAから引用しました。

表面は灼熱のマグマオーシャンに覆われ,そこに微惑星の衝突が続きます。現在の地球からは想像もつかない地獄のような世界でした。

この図には原始大気は描かれていません。水蒸気と二酸化炭素により高温・高圧の大気が数100km上空まで取り巻いており,宇宙から地表を眺めることはできなかったことでしょう。

○先カンブリア時代(46億〜5億4200万年前)

先カンブリア時代とは、地球が誕生した約46億年前以降、肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4,200万年前以前の期間(約40億年)を指す地質時代であり、冥王代、始生代、原生代の三つに分け、これらの時代区分は生物の進化史を元にしている。
先カンブリア時代 – Wikipedia

先カンブリア時代とは、地球が誕生した約46億年前以降、肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4200万年前(カンブリア紀)より以前の期間を指す地質時代です。大型生物などの化石がほとんど見つからないことから、陰生代とも呼ばれます。

・冥王代

冥王代とは、地質時代の分類のひとつ。地球誕生〜40億年前の5億年間を指す。始生代の前の時代である。この時代に地球が形成され、地殻と海ができ、有機化合物の化学進化の結果、最初の生命が誕生したと考えられている。
冥王代 – Wikipedia

冥王代初期の地球のイメージ

冥王代初期の地球はまだ地球が形成されたばかりで一面マグマオーシャンと呼ばれるマグマの海に覆われていました。

地球は約46億年前に、太陽の周囲を廻る軌道にあった天体、すなわちミニ惑星が合体して形成されたとされる。小さな塵などが合体して火星ほどの大きさになり、それがさらに10個ほど衝突して現在の地球となった。
先カンブリア時代 – Wikipedia

このうち最後の衝突はジャイアント・インパクトと呼ばれ、月ができる原因になったとされる。
先カンブリア時代 – Wikipedia

ジャイアント・インパクトの想像画。NASA作成

月は原始地球と火星ほどの大きさの天体が激突した結果形成されたとされ、この衝突はジャイアント・インパクトと呼ばれる。

原始地球の表面は岩石が溶けたマグマの海で覆われ、水は水蒸気、雲として大気中に存在していた。
先カンブリア時代 – Wikipedia

原始地球の表面の想像図

原始地球の表面温度は千数百度。表面から千kmの深さまでは溶けた状態だったと推定されています。
その結果、重い金属は地球の中心部にズブズブと沈んでいき、核を形成します。

表層では隕石の衝突によってガスが放出され、原始大気ができあがりました。
原始大気は水蒸気からなり、二酸化炭素、窒素、一酸化炭素を含んでいたと考えられています。

やがて微惑星の衝突がおさまり表面温度が下がると地殻が形成され、水蒸気は雨として降り海洋を形成したと考えられている。
先カンブリア時代 – Wikipedia

こうした活動が続いたこともあり、約40億年前には地球のほぼ全体が海で覆われるようになった。現在地球上で見つかっている最古の岩石が約44億400万年前のものであることから、少なくともこの頃までには地殻は形成されていたようである。
先カンブリア時代 – Wikipedia

地球最古の地殻、44億年前と年代特定!
ジャック・ヒルズのジルコン粒子から44億年前、現在、知られている最古の岩石鉱物が現れる。西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコン粒子のうち最古の物(44億400万±800万年前)。ジルコン粒子の中にダイヤモンドが含まれていることが、2007年に明らかになった。

(冥王代には)化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠がほとんどない時代である。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている。実態が闇に包まれていることからギリシャ神話の冥界の王ハデスに因んで名付けられた。
冥王代 – Wikipedia

このイメージ写真を公開したのは、「約40億年以上前の地球の表面に小惑星衝突が与えた影響」の研究を行っているNASA率いる国際研究チームだ。

NASAの「太陽系探査バーチャル研究所」率いる国際研究チームは、当時、地球に巨大な小惑星が何度も衝突したことで、地球の表面が広範囲にわたって作り直されていたと発表した。

冥王代の地球には多くの衝突があったと見られている。研究チームは、「直径960km以上の小惑星が1〜4回衝突したことで地球全体が大きく変化」、さらに「直径480km以上の小惑星が3〜7回衝突したことで海が沸騰して干上がった」、と考えているという。

隕石重爆撃期とは、アメリカのアポロ計画で持ち帰った月の石の分析結果から判明した事件。約38億年から40億年前の短期間に集中的に大量の巨大な隕石が月に落下した。
冥王代 – Wikipedia

月の表面に黒っぽく見える「海」は、大きな隕石が衝突して月の地殻がえぐられその下のマントルが溶解して玄武岩質溶岩のマグマとなってたまった低地であるが、アポロ計画で持ち帰った「海」の石の年代分析を行った結果、形成時期が38億年から40億年前であることが分かった。
冥王代 – Wikipedia

地球は月のすぐ近くに存在し重力も大きいので、この時期に地球にも月と同等以上の隕石が落下したと考えられる。当時地表に地殻が形成されていたとしても、隕石落下の衝撃で破壊されてしまったため40億年より古い岩石は殆ど残っていないとする説がある。
冥王代 – Wikipedia

この時期に生命が存在していた証拠は無いが、もし存在したとすると巨大隕石衝突のエネルギーですべての海水が蒸発するような悪条件の中でも生き残ったことになる。生物の遺伝子分析によれば最も古い生物は熱に強い好熱菌や超好熱菌に分類されるので、隕石衝突を生き抜けたのかもしれない。
冥王代 – Wikipedia

・始生代

始生代のイメージ。

始生代は先カンブリア代のふたつめに位置する地質時代で、別名『太古代』とも呼ばれています。地層が残る最古の地質時代であり、細菌の祖先や最古の植物が誕生しました。植物の登場により酸素が作られるようになり、その後の地球環境に大きな影響を与えることになります。

始生代とは、地質時代の分類のひとつ。40億年前(または38億年前)から25億年前までの間を指す。最初の生命が誕生したと考えられる冥王代の次の時代であり、原核生物から真核単細胞生物が現れるまでで原生代の前の時代である。太古代とも呼ばれる。
始生代 – Wikipedia

地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯(英語版)で、約38億年前のものである。
始生代 – Wikipedia

イスアの38億年前の海洋地殻と堆積物

イスア地域東部の枕状溶岩と縞状鉄鉱の層序の繰り返しのようす
画面中央に玄武岩質枕状溶岩があり、両側は縞状鉄鉱層。画面左が堆積時の上位。右上の境界は断層、左下は整合的。
よく見ると枕状構造や、縞状鉄鉱の細かいチャートと鉄鉱物の互層がわかる。

イスアの38億年前の海洋地殻と堆積物2

イスア地域東部の枕状溶岩と縞状鉄鉱の層序の繰り返しのようす
画面中央に玄武岩質枕状溶岩があり、右側は縞状鉄鉱層。
枕状構造(ほぼ縦断面)がよくわかる。

イスアの38億年前の海洋地殻と堆積物3
縞状鉄鉱に貫入する玄武岩質シル
イスア東部の縞状鉄鉱-チャート層中に、玄武岩質マグマが層理に平行に入り込んで固結している。縞状鉄鉱の堆積と火山活動がほぼ同時に起こっていたことを示している。下側の境界が大きくたわんでいることから、貫入した時点で縞状鉄鉱が未固結であった可能性がある。

イスアの38億年前の海洋地殻と堆積物4

lake723北方。礫岩。現在はざくろ石黒雲母片岩であり、石英質の礫も変形している。 堆積時の配列≒層理面がわかる。 礫径は平均5cmほど。

グリーンランド、カナダ楯状地、バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。
始生代 – Wikipedia

変成作用とは、いったんできた岩石(原岩)が熱や圧力などの作用を受け、その岩石を構成する鉱物の組み合わせや、岩石の構造が変化することをいう。変成岩の多くは固体のまま融解することなく形成されるが、変成作用の温度条件が高ければ岩石の一部が融解し、さらに融解したメルト部分が分離しマグマが形成されることもある。 変成作用‐wikipediaより

系統樹による推計では、冥王代またはこの時代の初期に全生物の共通祖先が現れ、始生代には多様化が進んで古細菌と真正細菌の門の多くが出そろったと考えられている。35億年前の地層からは古細菌と真正細菌の活動の痕跡が発見されている。後期には真核生物の祖先も現れたとされている。
始生代 – Wikipedia

全生物を対象にした系統樹。

青が真正細菌、赤が真核生物、緑が古細菌、真ん中付近が共通祖先

始生代では細菌の祖先や最古の植物が誕生しました。

植物といってもごくごく原始的な生物で、ラン藻類(シアノバクテリア)と呼ばれています。

27億年前の地層からはストロマトライトが発見されており、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。
始生代 – Wikipedia

ストロマトライト(オーストラリア・シャーク湾)

先カンブリア時代には世界各地に存在し、地球に大量の酸素を提供したとされる。

しかし、先カンブリア時代末期(6億 – 8億年前)に、その数は大きく減少した。理由としては、ストロマトライトを餌にする生物が出現したためと考えられている。

・原生代

原生代のイメージ

原生代は先カンブリア代の最後にあたる地質時代です。この時代にはオゾン層が生成され、地球環境は大きく変化しました。酸素を栄養にするミトコンドリアが誕生したことにより、多細胞生物が生まれます。原生代後期にはエディアカラ生物群という軟体動物が繁栄しました。

原生代とは、地質時代の区分(累代)のひとつ。真核単細胞生物から多細胞生物が現れるまでの約25億年前〜約5億4,200万年前を指す。
原生代 – Wikipedia

○原生代前期(古原生代)

ヒューロニアン氷期 (Huronian glaciation) は、24億年前のシデリアンから21億年前のリアキアンまでの古原生代に起こった氷期。

スノーボールアースに近い、きわめて深刻な氷期だったと考えられている。

出典:Wikipedia

古原生代は原生代(原生累代)の中の3つの代の中の最初のひとつ。25億から16億年前までにあたる。この時大陸がはじめて安定した。
古原生代 – Wikipedia

地殻を構成するプレート群 色分けされた領域が一枚のプレートである。例えば太平洋プレートは肌色で示されている。

先カンブリア時代のプレートテクトニクスの様子は曖昧にしか分かっていない。当初は海ばかりでほとんど陸は無かったと考えられている。
先カンブリア時代 – Wikipedia

プレートが他のプレートの下に沈み込む場所で造山運動が始まり、小さな島や日本列島のような弧状列島などができ、やがてそれらが拡大、合体して次第に大きな陸塊へと成長していった。
先カンブリア時代 – Wikipedia

約27億年前には、マントルの対流が二層対流から一層対流へと変わったことでプレートが大きくなり、次第に大陸が形成されていった。
先カンブリア時代 – Wikipedia

四十数億年前のマグマの海に覆われた地球は冷却の歴史とともに徐々に固化(結晶化)し、地球の内部の基本的な層構造が形成されたと考えられている。マントルが固化した後はマントルの対流運動でマントルは均質になるまで撹拌されていると予想されていたが、本研究で、現在の地球のマントルは上部と下部で依然として化学組成の不均質が存在する事が明らかになった。この結果は、地球の歴史を通じてマントルが上部と下部で十分に対流に撹拌されなかったということ、つまり、マントル上部と下部で物質のやり取りを制限するような「2層対流」が卓越していたことを強く示唆している。

またこの頃、激しい火山活動により大陸が急成長した。約19億年前には、初めての超大陸であるヌーナ大陸が形成された。これは現在の北アメリカ大陸ほどの大きさだったとされる。この頃、2度目の大陸急成長が起きた。
先カンブリア時代 – Wikipedia

超大陸は、地球表面上において大陸とみなされる陸塊を1つ以上含む非常に広大な陸のことをいう。
超大国-wikipediより

21億年前(±6億年) – ミトコンドリア、葉緑体、中心体等に相当する生物と共生した真核生物の出現。
地球史年表 – Wikipedia

真核生物

有殻アメーバの1種ナベカムリ

身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる細胞小器官を有する生物である。

○原生代中期(中原生代)

中原生代は16億~10億年前の地質年代の区分。原生代(原生累代)のうち古原生代の終わりから新原生代の始まりまでをいう。
中原生代 – Wikipedia

代の終盤には有性生殖への進化が起きた。
中原生代 – Wikipedia

ミジンコの単為生殖。

通常、オオミジンコは、メスがメス仔虫を産む単為生殖によって増殖する。

オオミジンコは、8日齢に初産を迎え、その後3日に1度産仔する。

ミジンコの有性生殖。

ミジンコは環境の悪化によりオス仔虫を産仔する。

産出されたオスと有性生殖を行うことにより、耐久卵を産出し、環境変化に耐えることが知られている。

○有性生殖の意義

有性生殖では、2つの細胞の接合によって両者の遺伝子が組み替えられ、新たな遺伝子の組み合わせを持つ個体が生じる。
有性生殖 – Wikipedia

接合の前(配偶子を生産する場合はその形成時)には減数分裂が行われ、染色体の選択が生じ、配偶子の遺伝子型は多様なものとなる。その配偶子の組み合わせで生じる接合子はさらに多様な遺伝子の組み合わせを持つことになる。
有性生殖 – Wikipedia

これを担保するため、自ら及び近縁個体の配偶子を排除するためのシステムとして自家不和合性を持つ種がある。このような過程を経て、生物の多様性を生み、ひいては進化をもたらすのが有性生殖の意味であると考えられている
有性生殖 – Wikipedia

○原生代後期(新原生代)

スノーボールアース現象

地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態である。

新原生代には、地球史上最も過酷な氷河期の訪れがあったことが知られ、氷床は赤道にまで至る「スノーボールアース」状態となった。

新原生代は地質時代の区分の一つ。原生代の最後の3紀、10億~5億4200±30万年にあたる代である。トニアン、クリオジェニアン、エディアカランに分かれる。
新原生代 – Wikipedia

新原生代初期には、赤道付近に中原生代後期に形成されたロディニア超大陸が存在した。トニアンにおいてロディニア超大陸の分裂が始まり、いくつもの地塊に分かれた。
新原生代 – Wikipedia

原生代においては、3度の氷河期があったことが知られているが、そのうち、大半の大陸地塊が低緯度にあった時に起こったスターティアン 氷期及びマリノア 氷期は、赤道域まで氷床に覆われた「スノーボールアース」事変として知られている。
新原生代 – Wikipedia

多細胞生物の最古の化石(最古の動物を含む)がエディアカランから発見された。
新原生代 – Wikipedia

6億3500万年前の堆積物/David Fike

アラビア半島の油田で発見された化石の痕跡は、これまでで最も古い動物の形跡だ。これによって、多細胞生物の起源は6億3500万年前以前までさかのぼることになる。

普通海綿/Gordon Love

普通海綿には古くからの歴史があり、普通海綿の化石はキオゲニアン「スノーボールアース」期末の先カンブリア時代堆積層に初めて現われる。

単細胞生物例
多細胞生物が出現し、生命の多様化が始まる
https://matome.naver.jp/odai/2142862137656308601
2018年03月10日