① ゾンビが踊る!ゾンビが担ぐ!これ、ショーではなく試合です。
ドイツのネッリ・ジガンシナとアレクサンダー・ガジ組。
2012-2013年のフリープログラム。
ショーならまだしも、競技でここまでメイクもキメてくるのは非常に珍しいこと。毎年面白く凝ったプログラムをぶつけ、世界のファンに愛されている2人。
リンクに入ってきてから終わるまで、観客の笑い声が何度となく聞こえてきます。演技後のスロー映像を見る自分達も笑ってますw
② 無表情の2人は地球防衛軍⁉︎ 性別不詳の宇宙人⁉︎
イギリスのシニード・カー、ジョン・カー組。姉と弟のペア。
2007-2008年のフリープログラム。
姉弟ゆえに恋愛モノを滑りづらい事を逆手にとり、男女を超えたユニセックスな表現に徹した内容。
衣装、髪の色、あえて無表情な表現、シンクロする振付など凝りに凝っている。滑りが終わった後の小芝居までパーフェクト。
③ 「人間」「生命力」の力強さにあふれる名プログラム。
フランスのイザベル・デュシュネー、ポール・デュシュネー組。こちらも兄と妹のペア。
1990年の世界選手権で披露したフリープログラム。
毎年 他とは違う雰囲気のプログラムをぶつけ続け、アイスダンス界の異端児だった2人。審査員団からは高得点もひどく低い点もあり評価は毎度割れていたが、観客はいつも彼らに魅了され賞賛していた。
このプログラム「ミッシング」では、当時まだフィギュアスケートで使われることが珍しかった南米のメロディにのせたシンプルかつ印象的な振付に、人間そのものや 生きることの悲哀、力強さ、希望を感じずにはいられない。壮大な名プログラム。
④ メロディなし!ドラムビートだけで魅せるアフリカン・ダンス。
ロシアのアンジェリカ・クリロワ、オレグ・オフシャニコフ組。長野五輪の銀メダリストの2人。
1998ー1999年のフリープログラム。
「カルメン」や「仮面舞踏会」といった王道を見せてきた彼らがチャレンジした アフリカン・プログラム。女性クリロワの特徴である独特のキレと力強さが、打楽器のみの曲の緩急にピタリとマッチしている。ラストの決めのポーズは秀逸。
⑤ とにかく楽しい!インドのボリウッドとスケートが見事に融合。
アメリカのメリル・デイヴィス、チャーリー・ホワイト組。バンクーバー銀・ソチ金メダリスト。
2009-2010年 オリジナルダンス。
アイスダンスのオリジナルダンスには 毎年異なるジャンルのお題が与えられ、それに沿ったプログラムを滑ります。この年のお題は「民族舞踊」で、彼らが選んだのはインドの踊りでした。(出身国の踊りでなくてもOK)
ボリウッド映画のダンスシーンを見ているような楽しさとスピード感。とくに女性メリルの豊かな表現力ときらびやかな衣装がハマっていて目が離せません!
⑥ ありそうでなかった!ヒッチコックのサスペンスプログラム
カナダのパイパー・ギルス、ポール・ポワリエ組。
2013-2014年のフリープログラム。
ヒッチコックのサウンドトラックを用いて、「楽しさ」「喜び」を一切排除したサスペンスの世界観を 見事に競技プログラムとして表してみせた。
不穏なムードとピンと張り詰めた緊迫感を 最初から最後まで途切れさせることなく演じ滑りきったこのプログラムと、「人とは違う事を」と毎年挑戦する2人の姿勢は、アイスダンスファンからの評価も高い。
⑦ 「こんな動きもデキるんです」なハイドロ・パフォーマンス。
カナダのシェイ=リン・ボーン、ヴィクター・クラーツ組。
1995年世界選手権でのエキシビション(試合後のショー)で披露したもの。
すでに引退した2人ですが、女性のシェイ=リン・ボーンは振付師として近年引っ張りだこ。高橋大輔や羽生結弦のプログラムも手がけています。
このエキシビションでこれでもかと見せてくれる、カラダを深く深く倒して滑る技は「ハイドロブレーディング」。彼らの代名詞のひとつで、ハイドロを試合でやり始めたのもこの2人です。
今や競技では連発しても大きな得点になる訳でもありませんが、「おぉ!」と感嘆してしまう動きの格好良さを堪能できる このエキシビションは結構貴重です。
いかがでしたか?
「アレがないじゃないか!」といったご不満も多々あると思いますが…。
ここに挙げた選手たちは他のシーズンでも一風変わったプログラムで滑っていることが多いので、ぜひ動画を辿ってみてください。
何より、アイスダンスに興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後に恋愛王道プログラムとして 「彫刻に恋した男」ピグマリオンをどうぞ。
恋愛モノからゾンビまで。アイスダンスは奥深いです。



アフリカン・プログラムで紹介したアンジェリカ・クリロワがコーチのひとりです。