「週刊文春」2012年3月8日号に掲載されている、この発掘スクープは、中川一徳氏の署名記事です。同氏は、フジサンケイグループの権力闘争を描いた第1作『メディアの支配者』で、
講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞を同時受賞されているジャーナリストであり、今回の記事もまた、信頼性の高い内容です。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
問題は2004年1月19日深夜0時58分に放送されたフジテレビのバラエティ番組 「退屈貴族」
「退屈貴族」とは、フジテレビで2003年10月~2004年3月の毎週月曜深夜24:58~25:28に放送された深夜番組。出演者はお笑いタレント・ココリコ2人とゲスト2人の計4人
フジテレビのバラエティ番組 「退屈貴族」 で、面白映像の撮影を企画。 6年前、日本テレビの番組で放映された投稿画像で火渡りをしていた老人に、同様の火渡りを撮影させて欲しいと出演を依頼する。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
フジテレビのバラエティ番組 「退屈貴族」 で、面白映像の撮影を企画。 6年前、日本テレビの番組で放映された投稿画像で火渡りをしていた老人に、同様の火渡りを撮影させて欲しいと出演を依頼する。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
日本テレビで放映されていた投稿画像では、ミカン箱をばらした木の板に火をつけ、くすぶる板の上を同老人が歩くものだった。 しかし、「楽しくなければテレビじゃない」のフジテレビは、スタッフが灯油 3リットルとライターを持参して、老人が持参したダンボールを芯に灯油を燃やし、ディレクターの金子傑が、「お願いします」と老人に猛火の中を歩かせた。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
大火傷を負った老人は、持参したオロナインを真っ赤にただれた両足に塗ったが、足の裏の皮はめくれ、歩くことは出来ず、金子傑らが背負ってタクシーに乗せ、自宅に送った。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
独り暮らしの老人は、久しぶりの訪問者に喜んだのか、運を天に任せて、燃えさかる灯油 1,000度の猛火の上を歩くが、数メートルを歩いて、熱さに耐えられず途中で脇に抜ける。
http://tokyo8823.com/fujitv/index.html
老人は動けない状態が続いたあげく、事故から5日後に、容体がいよいよ悪化し、ぷるぷるふるえているところを兄に発見され、救急搬送された。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
老人は動けない状態が続いたあげく、事故から5日後に、容体がいよいよ悪化し、ぷるぷるふるえているところを兄に発見され、救急搬送された。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
事件性を疑った病院は地元警察署に通報する。 警察は火傷を負った日時、場所と 「フジテレビのロケ」 であること、担当者名を聞き出した。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
翌日、警察はフジテレビに調査を依頼する。 その夜、老人の体温は34度まで低下。 意識不明の状態が続き、危篤に陥った。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
5日後、フジテレビは、担当者名が判っていたにもかかわらず、「調査したが、該当する様なロケは行っていない」と回答。 警察はそれを鵜呑みにし、「フジテレビのロケ」は老人の虚言と判断。事件性はないとし、自傷事故として処理した。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
「該当するロケはない」と答えた翌日、フジテレビのスタジオでは、老人の映像を使用して、収録が行われた。 老人の映像には、老人を小バカにし、笑いものにする編集が行われていた。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
病院では老人に表皮を移植する手術などが繰り返された。 しかし、呼吸の一時停止、胃の複数ヵ所からの出血、吐血。 肺には水が溜まり、臓器不全に陥るなど、重篤な症状が続いた。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
フジテレビスタッフは、大火傷を負ったまま独居に放置してきた老人の様子について、その後、一度も問い合わせすることなく、撮影から 1ヶ月半後、フジテレビ「退屈貴族」 の番組内で、退屈をしのぐ映像 「東洋のランボー」 と題してテレビで放映した。 放映中も、老人は生死の境をさまよっていた。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
老人を茶化したり、小バカにしたナレーションと共に放映した画面では、高さ 1メートル、腰まで火が燃えさかり、老人が下半身に大火傷を負ったことは誰の目にも明らかだった。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
5日間の調査でも、また放送後もフジテレビは事故を発見出来ていなかった。 しかし、番組を見た視聴者から 「やりすぎ」 の苦情が相次いだことから、フジテレビは、ようやくロケの事実を認める。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
老人は手術を繰り返したものの、歩行もかなわず、救急搬送以降、一度も帰宅することさえ出来ないまま、2007年 9月、火傷による腎不全で死亡した。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
フジテレビは、警察から問い合わせがあった以上、隠しておくわけにはいかず、事故として届け出た。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
1月末、フジテレビは、同局に顧問 (事件もみ消し要員?) として天下りしていた元警察幹部が警察署を訪問し、もみ消し工作。 このフジテレビ顧問は、都内で複数の警察署長を務めており、その顔に物を言わせ、警察は、担当スタッフの事情聴取さえすることなく、ただ、老人の自傷事故として処理した。 事故として公表することもなく、もみ消し工作は完了。 フジテレビは、世界に類を見ない大事件を隠蔽した。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
フジテレビがひた隠しにしていたこの事件は、ジャーナリスト中川一徳氏によって発掘され、「週刊文春」2012年 3月 8日号に、同氏の署名記事として掲載される。
フジテレビ 老人火あぶり致死事件……テレビ史上、最も残忍で、最も怖ろしい事件が起きていた…
放送された内容はこちら
その後の反応は
ネット掲示板上では「ひどい…これって犯罪じゃないの? 番組関係者の逮捕とかしないの?」「人殺しのテレビ局」「老人も老人だけど、生死に関わる火傷を負うのは、普通火を見て分かるだろ。なんで止めなかったんだよ」「普通に放送されてるところに狂気を感じるな」など、フジテレビへの批判が殺到している
フジテレビの姿勢に非難殺到…番組で″火渡り″させ、老人が歩行不能の大火傷 – ライブドアニュース
2ちゃんねるでは、「じじいがやると言ったんだから、じじいの自己責任だろ。 はい、終了」 という書き込みが見られる。 即、「フジテレビの火消し工作員」 と罵られる書き込みである。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
今回の撮影は、「老人が火わたりをする、という話を聞いて、カメラマンが撮影に行った」 という話ではない。 初めからフジテレビの企画であり、制作の全てが、フジテレビの責任で行われたものである。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
老人は、自分自身の失敗として、じっと耐え続け、フジテレビのせいにはしていない。 病院の通報でやってきた警察官の質問に対して、フジテレビの撮影であったと答えただけである。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
フジテレビは、老人からの訴えがなく、金子傑や石井浩二がまんまと老人の親族を騙し通したことで、警察幹部OBを使って事件をもみ消し、会社ぐるみで、この大犯罪を隠蔽することに決めたのである。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
フジテレビは、過去にも、この事件の後も、多くの人身事故を起こしている。 ひろみの花火による火傷、「ずん」 のやすの大事故等々、ひろみもやすも、無理矢理やらされたわけではない。 彼らもまた、やると言ってやったのである。 「やると言ったんだから、言った者の自己責任」 ではない。 これら公表された事件では、フジテレビは本人にも、公開の場でも謝罪し、金銭、その他の面でも解決している。 これらの事故が、今回発掘された事件と違って適正に処理されたのは、「隠せなかったから」 である。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
隠蔽され続けていたこの事件が明るみに出たのは、中川一徳氏の取材による 「週刊文春」 のスクープ記事だった。 氏がどのような経緯でこの事件を発掘されたかは不明だが、会社ぐるみで徹底して隠蔽されている事件を掘り起こすのは難しい。 今回の事件に関するインターネットの書き込みの中に、次の書き込みがあった。 事実かどうかは判らない。
◇
228.名無しさん:2012年03月07日 09:10
当時外注で番組に携わっていた者です。
週刊誌報道はほぼ間違いないです。
テレビ局の社内やうちの会社でも実は相当騒ぎになってました。
しかしこれが意外にも大事にならずにすんだので関係者も拍子抜けしてたのが印象的でよく覚えてる事件です。
これの他にも外に漏れるとヤバいのがあの時代は何件かありました。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
撮影したあと、大火傷を負った老人を放置して帰社したディレクターは、フジテレビ社員の金子傑。 金子傑から報告を受け、映像を見ても老人を放置したままにした番組責任者であるプロデューサーは、同じくフジテレビ社員の石井浩二である。 彼らの氏名は、フジテレビが 「退屈貴族」 スタッフとして、実名を公表している。 また、フジテレビは、事件発覚後、同番組のスタッフから、石井浩二、金子傑、渡辺剛、飯村徹郎を外している。 フジテレビは、実名を公表しているが、当時、外した理由は説明していなかった。 フジテレビ広報が、中川一徳氏の質問に答えたところによると、彼らを同番組から外したのは、 「処分」 だったと主張している。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/考察
その後、フジテレビと有志による隠蔽 VS 拡散が始まる
「週刊文春」の同記事は、インターネット・2ちゃんねるのニュースサイトやブログ等の書き込みで瞬く間に多くの人々に知られるところとなる。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
当時、放送された同番組は、視聴者によって、動画サイト YouTube にアップロードされ、保存されていたため、今回の報道を知った有志によって拡散される。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
なんとしてでも隠蔽したいフジテレビは、著作権の所有を理由に、全ての動画を探し出してブロック要請。 有志らは、「検証のための動画」 であることを理由にそれらブロックを次々と解除。 フジテレビは更に今度は削除の要請。 フジテレビは 1枚の静止画にすら削除要請を出しており、知られてはならない大犯罪であることを証明している。 有志らは、「1つ削除されれば 2つアップロードする」 と、動画サイトで攻防が続けられた。
フジテレビの株は、その28パーセント以上を韓国人らの外国人が保有しているが、韓国人の業者名でも YouTubeに動画削除の要請が行われている。
しかし動画は拡散され、一時は、YouTubeで、「フジテレビ」 を検索すると、公式チャンネルよりも、この事件の動画が上位に来るという事態まで起きていた
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
フジテレビは事件発覚後、老人の親族の兄夫婦に対してすら、まともな説明も謝罪もしていない。 週刊文春やネットで知った視聴者の問い合わせにも一切答えることはなく、今も徹底して隠蔽を決め込んでいる。
フジテレビ老人火あぶり致死事件/事件の詳細
78歳、3度、30%熱傷の経過写真(これは植皮などはせずに保存的に治した例)
※かなりエグい画像なので、心臓の弱い方など閲覧注意













