アンパンマンも不適切!?「ポリティカル・コレクトネス」が行き過ぎるとどうなるか?

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欧米が発祥の「ポリティカル・コレクトネス」という思想。1990年代以降、日本でも広まりを見せつつありますが、一方では”言葉狩り”ではないかとの指摘もあります。ここではポリティカル・コレクトネスの例をいくつかみながら、議論されている点を考えてみたいと思います。

-問題:この人の職業は何?

「スチュワーデス…ですか?」

-正解は…

フライトアテンダント(客室乗務員)
スチュワーデスではありません。

そーめい@soo_mei

今はスチュワーデスじゃなくてフライトアテンダントなんだよ

-日本では1990年代にスチュワーデスという言葉は使われなくなった

“かつて”は女性の客室乗務員をスチュワーデス、男性の客室乗務員をスチュワードと呼んでいた
キャビンアテンダントの意味

1980年代以降、アメリカにおける「ポリティカル・コレクトネス」の浸透により、性別を問わないフライトアテンダントという単語に言い換えられた
客室乗務員 – Wikipedia

日本では、1996年に日本航空がスチュワーデスの呼称を廃止。それ以降、他社も追随した
ポリティカル・コレクトネス

と、ここで出てきた「ポリティカル・コレクトネス」とは?
※ポリティカル・コレクトネス=political correctness(PC)

-「ポリティカル・コレクトネス」=偏見や差別が含まれない言葉

ポリティカル・コレクトネス(political correctness、PC)とは、言葉の使い方に偏見や差別が含まれていないことを指す言葉という意味
ポリティカル・コレクトネス

ポリティカル・コレクトネスは
職業・性別・文化・人種・民族・宗教・ハンディキャップ・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐことが目的。

アメリカにおいては、1960年代の公民権運動、女性解放運動、マイノリティの権利拡張・尊厳回復運動の流れを汲んで、80年代から大学を中心に大きな流れを形成してきた。

米国で、差別や偏見のない表現は政治的に妥当(political correctness)である、という意味で使われるようになった
ポリティカルコレクトネス【political correctness】の意味 – 国語辞書 – goo辞書

《ポリティカル・コレクトネスを元に言い換えられた英語表現の例》

・ビジネスマン businessman ⇒ businessperson
・カメラマン cameraman ⇒ photographer
・議長 chairman ⇒ chairperson
・消防士 fireman ⇒ firefighter
・警察官 policeman ⇒ police officer
・セールスマン salesman, saleswoman, saleslady ⇒ salesperson

一般的な表現になっている
chairperson や firefighter

totomame@totomame

firefighterって言い方カッコいいなあ。

-日本では1990年代以降に「ポリティカル・コレクトネス」が広まる

例えばこのような言葉の変化が起こった。

×保母・保父⇒○保育士
1999年の児童福祉法改正による。
×看護婦・看護士⇒○看護師
2002年の保健師助産師看護師法改正による。

そして

×スチュワーデス・スチュワード⇒○客室乗務員・フライトアテンダントなど
※現在では日本航空(JAL)がキャビンアテンダント、全日空(ANA)は客室乗務員という言葉を使用している。ちなみにキャビンアテンダント(CA)は和製英語。

-「ポリティカル・コレクトネス」的にはこんな表現もNG

×「肌色」
クレヨンには「ペールオレンジ」と書いてあることも。
×「丸坊主」
ポリティカル・コレクトネス的に不適切だそう。
×「奥さん」「家内」「主人」「亭主」
男性を主、女性を従と捉えているため、使ってはいけないという意見がある。(ちなみに「妻」「夫」「つれあい」「配偶者」「パートナー」という表現はOKだそう)

-このように日本でも広まりつつある「ポリティカル・コレクトネス」。こんな問題点が指摘されている

ポリティカル・コレクトネスの追求が度の過ぎた自主規制や、表面的な「言葉狩り」のような事態を引き起こすこともある
ポリティカル・コレクトネス | 現代美術用語辞典ver.2.0

もし「ポリティカル・コレクトネス」が行き過ぎるとどうなるか?
少し極端な例を挙げてみると。
例えば「アンパンマン」⇒「アンパンパーソン」
ビジネスマンがダメならアンパンマンもダメだとも言われかねない。

「アンパンパーソン」と聞くと8頭身でキリッとした顔立ちのキャラクターが頭に浮かびます
桐生 / KiryuさんはTwitterを使っています

例えば「メリークリスマス」⇒「ハッピー・ホリデーズ」
他の宗教に配慮しなければならないという理由で、ブッシュアメリカ合衆国大統領は、2004年の年末の記者会見で、「メリー・クリスマス」ではなく、「ハッピー・ホリデーズ」と述べた。

-さらに、このような表現もダメになるかもしれなくなる

例えば、「黒山の人だかり」という表現はやはり日本人のほとんどの髪の毛が黒いことから生まれた言葉であろうが、そういった言葉も廃止すべきだということになる
ポリティカル・コレクトネスと言葉狩り | 日本人の教育2

-「ポリティカル・コレクトネス」の行き過ぎを危惧する声も


https://matome.naver.jp/odai/2141186839329962301/2141411838420869803
かなり多い
中には息苦しく感じる人もいる。

ポリティカル・コレクトネスの行き過ぎで息苦しく感じる
kenさんはTwitterを使っています

日本で古来使われてきた語の語義を、昨日今日ぽっと出てきた「良識」で使用禁止にしてよろしいのか
「政治的に正しいこと」は正しいのか? (内田樹の研究室)

内田樹・神戸女学院大学名誉教授(哲学研究者)。「丸坊主」という言葉がPC的に不適切であるということに対し。

ポリティカル・コレクトネスは表現を発信する側が自由に選択をすればいい
Syuu-Chan / KoizumiさんはTwitterを使っています

諸外国でも、行き過ぎたポリティカル・コレクトネスに疑問を持っている人もいる
Eimi1003さんはTwitterを使っています

アメリカの基準が、全ての基準になるのだろうか
ポリティカル・コレクトネスと言葉狩り | 日本人の教育2

-というわけで


https://matome.naver.jp/odai/2141186839329962301/2141411838420867003
この「ポリティカル・コレクトネス」
このような背景と議論があることは、知っておきたいところです。

-「ポリティカル・コレクトネス」を知るための参考リンク

▶ポリティカル・コレクトネスについて。

▶ポリティカル・コレクトネスについて。

▶大学入試の国語・論説文問題で頻出の著者、内田樹先生(神戸女学院大学名誉教授)の意見。

“ポリティカリーにコレクトな「言葉の検閲者」たちを私が嫌うのは、彼らの言語の機能と本質についての理解があまりに浅いからである。”

▶アメリカでの「ポリティカル・コレクトネス」の政治的背景についての解説。

“アメリカは多人種であるという特徴に加え、マイノリティーに対する配慮を第一に考えるという特色のお国柄でありますので、幼児の人権・女性の人権・少数民族の人権・・・・・そういった人々への目配せの必要から「政治的配慮」に基づいて作られたもの。それがPCであります。このPCの最大の特徴は、「言葉狩り」にあります。”

▶よく知られているおとぎ話13篇を差別と偏見のない作品に作り変えるとどうなるかーをテーマにした書籍。過去に話題となった。訳者はデーブ・スペクター。

https://matome.naver.jp/odai/2141186839329962301
2014年11月04日