米軍の台風の脅威で退避
米軍機61機、沖縄から退避…「最強台風」接近
読売新聞 7月8日(火)17時14分配信
【ワシントン=今井隆】米国防総省当局者は7日、台風8号の沖縄接近に伴い、米軍嘉手納基地の航空機61機が日本本土やグアム、フィリピン、韓国に退避したことを明らかにした。
退避したのはC130輸送機、KC135空中給油機、P3、P8両哨戒機。戦闘機やヘリコプターは退避せず、格納庫に収容している。
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最終更新:7月8日(火)17時14分
!最強クラス台風で沖縄特別警報!
■特別警報とは?
特別警報とは2013年8月から運用が始まった制度。1万8000人以上の死者・行方不明者を出した2011年の東日本大震災や、5000人以上の死者・行方不明者を出した1959年の「伊勢湾台風」など、数十年に一度の大災害が予想されるときに、最大限の警戒を呼びかけるものだ。気象庁の公式サイトでは以下のように解説する。
予想最大瞬間風速75メートル、総雨量400~500ミリなど、7月としては「過去最強クラス」の台風8号の威力はどんなものなのか。
気象庁によると、最大瞬間風速75メートルでは屋外にいる人は伏せないと飛ばされ、走行中の2トントラックも横風を受ければ横転する。電柱が傾いたり、電線が切れて飛来物が絡まった場合は、風圧で根元から倒れたりする可能性もある。
木造住宅の屋根瓦は飛ばされ、複数の家屋が倒壊する危険がある。鉄筋のマンションなどでも安心はできず、窓ガラスが2カ所以上割れて「吹き抜け状態」になると、猛烈な風で部屋のドアが吹き飛ばされるなどの被害もありうるという。
気象庁によると、最大瞬間風速の統計はないが、一般的に10分間の平均値である最大風速を10~20メートル上回る数値とされる。昭和34年の伊勢湾台風では愛知県内で最大風速45メートルを記録。今回の台風8号は同規模以上の暴風となる危険がある。
大型で非常に強い台風8号は8日、沖縄本島と宮古島地方を暴風域に巻き込みながら宮古島の東海上を北上した。
沖縄県などによると、宮古島、沖縄両市などで県民の約4割にあたる 約53万7900人(約22万2400世帯)に避難勧告が出された。 台風は午後、沖縄本島に最接近するとみられ、気象庁は引き続き最大級の警戒を呼びかけている。
同庁によると、台風8号は8日正午現在、久米島の西南西約110キロを時速25キロで北に進んでいる。中心気圧は935ヘクト・パスカルで、最大風速は50メートル。沖縄本島と宮古島地方には暴風と波浪、高潮の特別警報が発表されている。
最大瞬間風速は渡嘉敷島で52・6メートル、那覇市で47・0メートルに達し、同県内では高齢の男女3人が風にあおられて転倒するなどし、救急車で病院に運ばれた。那覇空港では発着便が全便欠航。沖縄電力によると、午前11時現在、計4万6600世帯が停電している。
台風は沖縄本島に接近した後、進路を東寄りに変え、10日頃には九州に上陸する可能性もある。
西日本では梅雨前線の影響で雨が降り続いており、台風の接近でさらに雨が強まると予想されている。