■「父子関係解消」の裁判が揺れている
結婚後に生まれた子が、夫以外の男性と血縁関係があることがDNA鑑定で分かった場合、戸籍上の親子関係を取り消せるかが争われた2件の訴訟
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
・DNA鑑定で「夫以外の子」と結果が出たため、母親が父子関係の取り消しを求めている
争っているのは近畿の夫婦と北海道の離婚した元夫婦
「父子取り消し」見直しか DNA鑑定で血縁否定も夫側が「法律上は自分の子」 — スポニチ Sponichi Annex 社会
関西のケースでは夫が単身赴任中、妻が別の男性の子どもを妊娠・出産していました。
夫は生まれた子どもの保育園の行事などにも父親として参加していましたが、その後、妻が別の男性と交際していることを知ります。妻が子を連れて家を出ていき、今は交際相手とともに生活しているという
北海道のケースは、元妻は婚姻中に別の男性と交際し、2009年に子を出産。元夫は自分の子ではないと疑ったが、夫妻の子とする出生届を出し、養育していた。夫妻は10年に離婚。元妻と子は現在、男性と暮らしている
いずれも母が子の代理人となり、夫との父子関係が存在しないことの確認を求めている
「父子関係取り消し」見直しか DNA型鑑定で血縁否定 最高裁弁論+(1/2ページ) – MSN産経ニュース
2組の夫婦は、ともに結婚から数年後に妻が子供を出産。しかし、その後、DNA鑑定で、子供は、妻と“交際相手の男性”との間に生まれた子だったことが明らかになりました
「父子関係取消訴訟、最高裁 判断見直しか」 News i – TBSの動画ニュースサイト
・一審、二審とも「父子関係の取り消し」を認める判決が出た
裁判では「婚姻中の妻が妊娠した場合は、夫の子どもと推定する」という民法の規定と最新の科学技術をどのように考えるべきかが争点の1つになりました
DNA鑑定で父子は 最高裁弁論 NHKニュース
DNA鑑定の結果を重視し、「民法の規定は適用されない」と判断しました。そして、法律上の父と子の関係を取り消す“異例の判決”を言い渡しました
「父子関係取消訴訟、最高裁 判断見直しか」 News i – TBSの動画ニュースサイト
1審大阪家裁は「鑑定結果は究極の嫡出推定を覆す事実」と指摘。2審大阪高裁も子が生物学上の父を「お父さん」と呼んでいることなどから、嫡出推定が及ばないケースと判断した
「父子関係取り消し」見直しか DNA型鑑定で血縁否定 最高裁弁論+(2/2ページ) – MSN産経ニュース
北海道の訴訟で1審旭川家裁は鑑定結果から「夫との間に生物学的親子関係は存在しないことは明らか」とし、2審札幌高裁も支持した
「父子関係取り消し」見直しか DNA型鑑定で血縁否定 最高裁弁論+(2/2ページ) – MSN産経ニュース
しかし、ここへ来て、最高裁がこの判決を見直す可能性が高くなってきた
最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は9日午後、当事者の主張を聞く弁論を開いた
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
書面審理が中心の最高裁が弁論を開いたことから、一、二審判決を見直す可能性がある
最高裁、父子関係取り消し見直しか 北海道の元夫婦 二審はDNA鑑定根拠に血縁否定−北海道新聞[道内]
・注目の判決は7月17日。この判決によってはかなり影響が出る事も予想される
DNA鑑定の技術が向上するなか、法律上の父と子の在り方について最高裁がどのような判断を示すか注目されます。判決は来月17日に言い渡されます
DNA鑑定で父子は 最高裁弁論 NHKニュース
DNA型鑑定という客観的なデータで生物学上の血縁関係が明らかになる一方、鑑定だけで父子関係が覆されれば「子が法律的に不安定な状態に置かれる」との懸念もある
【父子DNA鑑定訴訟】DNAの鑑定技術向上で民法の「想定外」 最高裁はどう判断? – MSN産経ニュース
・妻側の主張
北海道の元妻側は「訴えが認められなければ、真実に反する親子関係が一生強制される」と主張
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
関西の妻側も「(DNA鑑定の存在など)特別な事情がある場合は嫡出推定の例外を認めるべきだ」として、戸籍上の父ではなく、現在、子を養育している血縁上の父を法律上の父とすべきだと訴えた
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
・対して夫側の主張
一方、関西の夫側は、嫡出推定は親子関係を早期に確定して子の立場の安定を図ることが目的だとして、「妻が意のままに親子関係を否定できることになれば、法の趣旨に反する」と反論
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
『親子の絆』とは、共に生活する過程において親が子へ愛情を注ぎ、信頼関係を築くことだと思う」と指摘。「私と子供の間には真に『親子の絆』がある」としている
【父子DNA型鑑定訴訟】「私と子供には親子の絆ある」法律上の父がコメント発表 – MSN産経ニュース
北海道の元夫側も「血縁がないことを理由に親子関係を否定するのは、養子縁組を認めている民法の趣旨と矛盾する」と訴えた
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
「子供はもちろん、信じていた元妻への愛情をもなかったことになどできない」とのコメントを発表
【父子DNA型鑑定訴訟】「私と子供には親子の絆ある」法律上の父がコメント発表 – MSN産経ニュース
「命名も含めて、連日の寝不足も楽しくて仕方ありませんでした。子供は私にとても懐いていました」と振り返り、「生物学的親子鑑定を重視し、それまであった親子関係を剥奪することは人権侵害」としている
【父子DNA型鑑定訴訟】「私と子供には親子の絆ある」法律上の父がコメント発表 – MSN産経ニュース
■大きな問題となっている「嫡出推定」の法律とは?
婚姻中に妻が生んだ子を一定の要件のもとで嫡出子と推定すること。民法上二つ規定され、一つは婚姻中に懐胎した子を夫の子と推定することで、もう一つは、婚姻成立の日から200日後、または婚姻の解消や婚姻の取消しの日から300日以内に生まれた子を婚姻中に懐胎したものと推定すること。
嫡出推定とは – 法律関連用語 Weblio辞書
嫡出推定の対象外となる条件について、最高裁は判例で「事実上の離婚や遠隔地の居住などで、夫の子を懐胎する可能性がないことが外観上明白な場合」に限定している
父子関係、最高裁で弁論 DNA鑑定か、民法「嫡出推定」か :日本経済新聞
・「DNA鑑定」という最新技術はこの法律にとって「想定外」だった
最高裁で弁論が開かれた父子関係取り消し訴訟は、DNA型などの鑑定技術の急速な向上により、民法が想定しなかった事態が起きていることを示している
【父子DNA鑑定訴訟】DNAの鑑定技術向上で民法の「想定外」 最高裁はどう判断? – MSN産経ニュース
民法は772条で嫡出推定を規定する一方、嫡出推定を覆す手段として嫡出否認の訴えを定めている。ただし、訴えを起こせるのは夫だけで、提訴期間も「子の出生を知った時から1年以内」に限られる
【父子DNA鑑定訴訟】DNAの鑑定技術向上で民法の「想定外」 最高裁はどう判断? – MSN産経ニュース
また、この法律は別の問題も生み出している
・出生届が出されないので、戸籍が無い「無戸籍者」
41年間、戸籍がないままとなっている男性が、国に対し、問題の解決に向けて親子関係を決める民法の規定の見直しなどを訴えました
無戸籍のままの男性が民法規定の見直し訴え NHKニュース
男性は、母親が前の夫と離婚したおよそ280日後に別の男性との間に生まれましたが、離婚から300日以内に生まれた子どもは、前の夫の子と推定するという民法の規定があることから、夫の戸籍に入ってしまうことを避けるため、母親が出生届を出さなかった
無戸籍のままの男性が民法規定の見直し訴え NHKニュース
・原因はDVが多い
総務省によると、戸籍がない人は、ここ数年、毎年500人程度確認されているといいます
「無戸籍」の実態 | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK
背景には、夫から妻への家庭内暴力・DV(ドメスティックバイオレンス)があるのだといいます
「無戸籍」の実態 | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK
夫の暴力から逃げ出し、居場所を知られるのを恐れて離婚もできずに歳月が経ち、新たなパートナーとの間に子供が生まれた場合、法律上は「夫の子」と推定され、「夫の戸籍」に入ります。
こうした事態を避けるため、母親が出生届けを出せず、子どもが無戸籍になってしまうという
「無戸籍」の実態 | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK
戸籍が無いと色々な不利益を受ける
戸籍がないと、結婚、出産、死亡、相続といった手続きができないだけでなく、選挙の投票や運転免許証の取得が認められない
「無戸籍」の実態 | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK
大手企業への就職もはなからあきらめた。結婚を考えても、無戸籍の場合は婚姻届が受理されないという
無戸籍4人、調停申し立てへ 親子関係認知求める:朝日新聞デジタル
・戸籍を取得するためには裁判が必要で、多額の費用がかかる
戸籍を作るには裁判の手続きが必要ですが、費用の負担が大きい
無戸籍のままの男性が民法規定の見直し訴え NHKニュース
(1)出生届後に、前夫に「嫡出否認」(自分の子ではない)という訴えをおこしてもらう、
(2)前夫に対して「親子関係不存在確認の訴え」をおこす、というものがあります
日曜日の用語解説:民法772条問題 [社会ニュース] All About
しかし、いずれにせよ前夫との関わり、前夫の協力が必要となります
日曜日の用語解説:民法772条問題 [社会ニュース] All About
無戸籍のまま、数十年がたつと、それも難しい



