30年前のパリ。旋風を巻き起こした日本人女性デザイナーがいた。

toriaezutori
30年前のパリで、一人の女性デザイナーが発表したコレクションにより論争が巻き起こります。最も影響力のあるデザイナーの一人と呼ばれるコムデギャルソンの川久保玲とは。

1982年、パリコレで旋風を巻き起こした日本人デザイナーがいた

その人こそ、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)を率いるデザイナー、川久保玲
1942年、東京生まれ。69年、「少年のように」を意味する仏語「コムデギャルソン」の名称で婦人服の製造・販売を始め、73年に会社を設立。

エレガンスが主流だったパリコレに、前衛的な作品で論争を巻き起こす

1982年、パリ・コレで伝説の黒服を発表。パリ・オートクチュールを頂点とする世界のモード界を震撼させた川久保の「黒服、穴あきニット(Hole Sweater)」は「黒の衝撃」と呼称された。
コム・デ・ギャルソン – Wikipedia

世界中のファッション・ジャーナリストが賛否両論書きたて、「西洋の服への冒涜!」とする否定派と「新しい女性の生き方」「新しい美しさの提案」とする賛成派で、国際世論は真っ二つに割れた。
川久保玲 – Wikipedia

体の線が現れないノンセクシュアルなスタイル

▼後に川久保玲がインタビューで語った言葉

作品に対し、「よかったですね」「綺麗だったですね」と
全員から評価を受けたら、不安でしかたないです。

そんなにわかりやすいものを作ったのかと、
自己嫌悪に陥ってしまいます。
COMME des GARÇONS 川久保玲さんの名言集。|CKエンターテイメント

むしろ賛否両論だったこの状況は、川久保玲にとっては当たり前の反応だったのかもしれない

黒を基調としたギャルソンのスタイルは、日本でも旋風を巻き起こす

1980年代の日本では黒の服に、おかっぱ頭の女性が街を闊歩し、「カラス族」なるスタイルを生み、それが流行語にもなった。
☆ブランドに学ぶ☆ 儲けを生み出すビジネスコラム -☆前衛派アパレルの旗手

今では珍しくない全身黒ずくめのスタイルは、「カラス族」と揶揄された。

常に「前衛」と評される川久保玲が生み出すファッション

本ブランドは、例えば、絵画におけるジョルジョ・デ・キリコやアメデオ・モディリアーニのように、その前衛表現を特徴とする。
コム・デ・ギャルソン – Wikipedia

パッドを体につけた「こぶドレス」(96年)、縫製の代わりに粘着テープで接着したジャケット(00年)など次々と話題作を発表
朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む – ビューティー – ファッション&スタイル

パットを体に取り付けた「こぶドレス」(96年)

コムデギャルソンは色調だけでなく、シルエットが斬新で、捻れや歪みを布で表現することも取り入れ、布地の平面性とそこから可能な表現も追求している。
☆ブランドに学ぶ☆ 儲けを生み出すビジネスコラム -☆前衛派アパレルの旗手

2次元(Two dimensions)というテーマで発表された2012年秋冬コレクション
2013-14のプレタポルテコレクションでは、千鳥格子のスーツが登場。布が切りっぱなしのように使われたり、円状に取り付けられたりとユニークなフォルム。

世界中のデザイナーに影響を与え、多数のセレブも顧客に持つ

川久保玲は世界で最も影響力のあるデザイナーランキングで、トップ5の常連になっている。
☆ブランドに学ぶ☆ 儲けを生み出すビジネスコラム -☆前衛派アパレルの旗手

非構築的で斬新な表現手法はクリスチャン・ディオールのジョン・ガリアーノなど多くの外国人デザイナーにも影響を与えた。
☆ブランドに学ぶ☆ 儲けを生み出すビジネスコラム -☆前衛派アパレルの旗手

レディー・ガガをはじめとする多数のセレブもコムデギャルソンのアイテムを着用。

しかし、川久保玲本人はメディアの前に現れることはほとんどない

ファッション界では珍しく、写真の被写体になることを強く嫌い、また寡黙なデザイナーとして知られる。
朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む – ビューティー – ファッション&スタイル

川久保玲にとって「ファッション」を創造することとは

▼これまで雑誌等で受けたインタビューでその胸の内を明かしている

何もないところから、本当の新しさを創造するのは苦しい。それを、川久保玲さんは、社会や時代の風潮といったさまざまな事柄への「怒り」を原動力に、続けているという。 「前に進まないと世の中も変わらない。(ファッションという)自分の持ち分でそれをやるということです」
ギャルソンからハトラで日本ファッションを俯瞰。「Future Beauty」展京都で開催中 | ファッショントレンドニュース|FASHION HEADLINE

――これまでの西洋的な美の基準にあえて異を唱え、新しい美を追求する姿勢から「反骨の母」と呼ばれています。その反骨心はどこからくるのですか。

「世の中の不公平や不条理なことへの憤りでしょうか。本当は私だってそんなに強くはないですよ。ただ、強気のふりも時には必要です。ふりでいいのです。そうしないと前に進めないから。大変だな、どうしよう、としょんぼりしているだけでは何も変わらない。私も毎シーズン、自分の発表した作品が不十分だったのではないかと一度は落ち込んで、それからなんとか立ち直ったつもりになるのです」
【コムデギャルソン】或いはこの世のあらざる不条理と芸術について【川久保怜】 : つけめん 三ツ矢堂製麺の日々

一般の人には高くて買えない服でも、新しい動きなり気持ちがみんなに伝わっていくことが大切です。作り手が世界を相手に一生懸命に頑張って発表し、それを誰かが着たり見たりすることで何かを感じて、その輪が広がっていけばいい。新しいというだけでウキウキして、そこから出発できる。ファッションとはそういうもの
朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む – ビューティー – ファッション&スタイル

また、ここ数年はファッションを通して現代に警笛を鳴らしている

服装のことだけではありません。最近の人は強いもの、格好いいもの、新しいものはなくても、今をなんとなく過ごせればいい、と。情熱や興奮、怒り、現状を打ち破ろうという意欲が弱まってきている。そんな風潮に危惧を感じています
朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む – ビューティー – ファッション&スタイル

「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しい」
3ケタジーンズ「ありえない」 川久保玲さん発言で物議 – ライブドアニュース

ファッションとは、それを着ている人の中身も含めたものなのです。最近はグループのタレントが多くなって、みんな同じような服を着て、歌って踊っています。私には不思議です
朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む – ビューティー – ファッション&スタイル

今もなお、彼女の生み出すファッション、そして哲学が支持され続ける

☠尚(SHO)☠@blue_sin_garden

日本のファッションは川久保玲がこの40年間常に先頭を走ってきた事をありありと見せつけられた。デザインだけでなく、素材の開発や染色の技術など、洋服を構成する全てのレベルアップを図った人。そりゃ彼女の作る洋服はあの値段になると納得。芸術作品だもの。

アヤカ@kaya0414

川久保玲さま、かっこよすぎ

ありっく@aric_augusta

それでも中学生の時に母親と深夜のテレビで見たパリコレのことを思い出して、山本耀司とか川久保玲のようになりたいと思ったことを今更思い出して泣いてる。
もっと川久保玲的な発想力を身につけないと!
川久保玲にはなれないけれど
近づく事はできる!

yuki@ququri

@_heathworld_ 最近 川久保玲とか三宅一生とか山本耀司がパリコレに打って出た頃の作品を生で見る機会があったんだけど、コテコテの「日本」みたいな要素って本当に少なくて、でもしっかりヨーロッパの既存のモードに対して「日本的な美感」を提示してたのです。私にも衝撃でした。

sayArt@saya_rt

80年代の日本発信のファッションは本当にパワーありましたよね。川久保玲さんは、今でもとんがってらっしゃいます!ブログ更新。「FUTURE BEAUTY 日本のファッション:不連続の連続」 goo.gl/Znm1Qf

参考記事

https://matome.naver.jp/odai/2139756108170141501
2016年11月13日