英極右団体EDL創設者「トミー・ロビンソン」のTwitterアカウントがサスペンドされた。

nofrills
「反ムスリム過激派」をうたいEDLという「街頭抗議団体」を立ち上げた活動家、通名「トミー・ロビンソン」のTwitterアカウントが3月上旬「凍結」されました。これまでさんざん偏見を撒き散らかしてきた彼のアカウントですが、凍結の理由はヘイト・スピーチではありません。「EDLとは何か」もまとめました。

イングランド(英国)の「反ムスリム過激派」の組織、EDL

EDL = the English Defence League

この団体の概要については既に書いてあるのでそちらを参照↓(下記「まとめ」の1ページ目冒頭)。
https://matome.eternalcollegest.com/post-2139126324582822301

「反ムスリム過激派」とはいいつつ、実体は「極右」です。(ただし「2000年代の欧州極右」の一部は、かつてのネオナチの「ユダヤ人排斥」の色は薄くなっており、それを根拠に「極右ではない」との強弁がなされることもあります。EDLも「親イスラエル」の極右です。)

最近、書店で面出しされているのを何度か見たこの本。表紙のこの写真はEDLの集会での写真です。

「ヘイトスピーチ」という本で表紙に使われているように、この団体は「ヘイトスピーチ」の団体と見なされています。「俺たちがこのまま行動を起こさず黙っていたら、イングランドはシャリーア法に乗っ取られる」という脅威論がその主張の中核です。

(彼らが「対抗」している「イスラム過激派」、つまりAnjem Choudryらの一派もヘイトスピーチを行なっています。)

J. Ali@junayed_

If anyone ever claims the #EDL are “not racist”, just show them this: [twitter.com/Official_EDL/s…] #EDLGirls pic.twitter.com/OaXeE20NRR
EDLの「人種主義」は公然たるもので、かなりよく記録されています。これは2012年3月、EDLのTwitterアカウントでの発言ですが、1980年代のナショナル・フロント丸出しです。というより、80年代的白人優越主義の思想に、「反シャリーア法」の脅威論が合体して大変なことになっているのですが……
EDLは活動資金を集めるため、支部ごとのパーカー、Tシャツを作って売っています。

パーカーなどならまだしも、こんなふうな「ロゴ入りバラクラバ(目出し帽)」まで。

(バラクラバかぶってるようなメンバーには、北アイルランドのロイヤリスト武装組織、UDAにあこがれちゃってたりするようなちょっとイタい子もいるようです。)

その創設者はルートンのサッカー・フーリガン

上記の本の表紙写真からもまるわかりですが、EDLのベースはサッカー・フーリガンです。

創設者のスティーヴン・ヤクスレイ・レノンはルートン(ロンドン近郊のアイリッシュの街だが、最近はムスリム人口が多い)の日焼けサロン経営者で、ルートンのサッカークラブの伝説的なフーリガンの名前をとって「トミー・ロビンソン」と名乗っています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tommy_Robinson_%28activist%29

写真、サングラスでマイクを持っているのが「トミー・ロビンソン」。EDLの集会のときのもの。

「わが国の軍を支持する」(⇔対する「イスラム過激派」の側の「英軍はわが同胞を殺戮している」というプラカードに対抗するスローガン)が主張のコアにあるEDLは、「軍」のイメージを借用することはあっても、基本的には軍とは無関係。

「EDLの中の軍人組織」のように名乗っている集団(班)もありますが、軍歴がなくても、軍が好きなら入れちゃうといういい加減なもの。

実際には、EDLが英軍負傷者の支援をするNGOのためにといって集めた募金を、その当のNGOが受け取りを拒否する(無関係を貫きたい)という状態で、いわば「片思い」の状態。

Tim@Frightsight5

@sxrfbort
Take a look at what these awesome British soldiers think of the shameless #EDL & criminal Tommy Robinson. pic.twitter.com/FUQLHDShex

▼Twitterの「活用」

EDLが本格的に組織化されたとき(2009~2010年)、既にTwitterやFBはかなり普及していて、「トミー・ロビンソン」はTwitterやFBを拠点に自分(たち)の主張を広めていました。

ここに例示したもの(画像検索で見つけたもの)のように、有名人(この例ではトニー・ブレアのオフィス)のアカウントにメンションして、大演説をぶちかます(ギャラリーに聞かせるため)、という手法もよく取っていました。

「俺らの街がムスリムに乗っ取られた」というのが《原体験》の彼は、「問題は過激派だけ」と主張しながら、実は「ムスリム全体」を攻撃していました。

J. Ali@junayed_

Former #EDL “leader” Tommy Robinson showing his commitment to women’s rights and equality. – @EverydaySexism pic.twitter.com/3WeCxDDptH
むろん、彼がメンションを飛ばすのは有名人だけではなく、一般人も……。これは「トミー・ロビンソン」がEDLを抜ける(後述)ずっと前、2013年3月のやり取りですが、「トミー・ロビンソン」の「対話」の典型例といってよいと思います。内容は次項。

英国では組織的な少女売買春が社会問題化しています。多くは、ムスリムのコミュニティで起きており、ムスリム男性のグループが摘発され、起訴されて有罪になることが続いてきました。

「トミー・ロビンソン」は地元ルートンでの少女売春組織のケースについて、文書を画像にしてツイートしています。これに対し、「クレア」という女性が「そういうことは人種を問わずに起きているのに、あなたはムスリムの場合だけ騒ぐ。なぜでしょう。でもあなたはレイシストではないとおっしゃる。なら、ただのバカですね」。これに対し、「ロビンソン」はfワードで切りだして「話がつまんねーんだよ、このデブのおばさん」云々……
http://twitter.com/junayed_/status/424592025988509696

Tim@Frightsight4

@TylerBolam Another British soldier gives the Muslim obsessed hate-preaching Tommy Robinson a spank. pic.twitter.com/Has2gEvtTF
さらにまた、「英軍兵士に感謝し、英軍兵士をサポートする」として募金を集める(そして軍人団体からは拒絶される)ような活動をしていたEDLですが、その頭目たる「トミー・ロビンソン」の発言には、現役の軍人から激しい「NO」が突きつけられています。この例は2013年5月のやり取り。

「当方、現役の英国軍人ですが、あまりの妄想っぷりにあきれ返ってしまいます」ということを非常に厳しい言葉を使って書いたジョンHさん。「陸軍にも海軍にも空軍にも、ムスリムはいます。彼らはあなたなどよりよほどこの国のために尽力している。その彼らにも、出て行けと?」

しかしこの創設者、「俺が作った組織が “極右に乗っ取られて” しまったのだが、俺はもう限界かもしれない」と言って、突然組織を脱退(2013年10月)

作成: 2013年10月8日

この、全世界(の何分の一か)が椅子から落ちたような青天の霹靂のニュースのあと、「トミー・ロビンソン」はBBCなど大手メディアにひっぱりだこ、その「改心(?)」を記録したテレビ・ドキュメンタリー(素材映像がなぜか存在する)も話題になり……

Mohammed Ansar@MoAnsar

Before I take a break for the evening, read more about #WhenTommyMetMo theguardian.com/world/2013/oct… my piece from last week pic.twitter.com/k3I9kvZrLr
「対話」によって「ヘイト」を乗り越える。それは美しい物語……

(モハメド・アンサールさんは、「トミー・ロビンソン」と直接対話することで、「ロビンソン」の翻意を促した……とされています。実際、18か月にわたる2人の交流はBBCのカメラに記録されており……って、何かおかしくないっすかっていう)

「俺らは過激派にNOと言いたくてこのストリート・プロテスト運動を始めたわけだが、気が付いたらいつの間にか極右過激派に組織が乗っ取られていて、ムスリム全体を敵に回そうとしていた」などと説明し、ムスリムの「元過激派」の団体、クィリアム・ファウンデーションの人々とマブダチであることをBBCなどでアピールしまくっていた「トミー・ロビンソン」(通称)。

「俺はムスリムに対するヘイトゆえに行動したのではない」と言いながら、その後もいろいろと、発言は活発で……

Mehdi Hasan@mehdirhasan

“my views have not changed”. Only the “path” to “success” is different. From the horse’s mouth. Kinda confirms this:
huffingtonpost.co.uk/mehdi-hasan/wh…
メフディ・ハサンさんはHuffPo UK編集者(元New Statesman)。

(メフディ・ハサンさんは、一連の「EDL離脱」騒動に対する批判的な発言により、クィリアム・ファウンデーションのマジド・ナワズさんなどから「またあいつか」的に見られることが多いようですが、元々、仲がよかったとは考えられません。)

Sunny Hundal@sunny_hundal

EDL Tommy Robinson now says he HASN’T changed his views bbc.in/HwaWjj. As I say, new “respectable racists” aje.me/1dirmKf
Asian Britishの論客としては第一人者、サニー・ハンドール(ハンダル)さん。(ただしムスリムではありません。シークの出自。)「トミー・ロビンソン」の「改心」をめぐって混乱と議論がありましたが、彼の怜悧な頭脳は「レスペクタブルなレイシスト」と結論。 (^^;)
英国での「レスペクタブル」の概念と社会については、この新書が非常に情報量豊富で役に立ちます。

ここでの文脈で簡単にいえば、「Tシャツにジャージにスニーカー」とは対極にある、「背広にネクタイ」のようなものが「レスペクタブル」。

Sunny Hundal@sunny_hundal

A very good analysis of EDL, Tommy Robinson rebranding himself and Quilliam bit.ly/1j9BNOv by @bobfrombrockley (cc @MaajidNawaz)
「トミー・ロビンソン」のEDL脱退騒動は大きな議論の的となったのですが、これが当時の「まとめ」としては最良のもののひとつだと思います。

Daily Mirror@DailyMirror

Violent ex-EDL leader Tommy Robinson banned by school after Mirror reveals plans for talk there on TOLERANCE mirr.im/1m1CygI
EDL脱退後、BBCが特集を組んでくれたりスタジオに呼んでくれたりと、すっかり「メディアの寵児」っぽくなってた「トミー・ロビンソン」は、「寛容」について小学校で話をしてほしいと招かれるようになっていました…… o_O

が、当然、計画はオシャカに。(どの口で「寛容」を語るか、と。)

UAF@uaf

College cancels Holocaust event after inviting…Tommy Robinson, fb.me/2FMNecvlf
※リンク先、HuffPoで、クリックすると有無を言わさず無関係の(Also on Huff Poのコーナーで)音声&映像ニュースの再生が始まり、プレイヤーがどこにあるのかわからない(すぐに見える場所にない)ので止められないという、本当に言語道断のクソみたいな仕様なので注意。

「講演」をする人としては、Ipswichの会場を使ったCollege(大学なのか専門学校なのかわからん。いずれにせよ伝統的な高等教育とは違う系)の企画にも呼ばれてて(しかもホロコースト・メモリアル・デーのものに)、それもポシャったと。

Tommy Robinson, the ex-EDL leader was to be a key speaker at a Holocaust Memorial Day event at a college, until concerned trustees told organisers HMD could not be associated with the event, The Huffington Post UK can reveal.

The event was organised by the Suffolk New College & University Campus Suffolk chaplaincy at the college in Ipswich next Monday, in conjunction with controversial Muslim charity JIMAS.

The event has now been pulled, according to Tell MAMA’s Fiyaz Mughal…
Tommy Robinson Invited To Speak At Holocaust Memorial Day Event, Now Cancelled

JIMASについては:
http://www.5pillarz.com/2013/06/06/muslims-outraged-over-jimas-march-with-edl/
※このリンク先もクソみたいに重いので注意。

▼アメリカのあの筋

EDLがそれまでの「英国の極右」(BNP, NFなど)と一線を画しているのは、ユダヤ人に対する態度です。

21世紀の欧州極右には珍しいことではないのですが、彼らの人種主義の矛先は「自分たちの街を侵食するイスラム」に向けられており(英国の場合、Asianと呼ばれる南アジア人、特にパキスタン人への組織的差別は70年代には既に問題化していましたが)、イスラエル(ユダヤ人)は彼ら同様、「イスラム」の脅威に立ち向かう《仲間》です。

なので、「ネオナチ」の「ナチ」の成分を「反ユダヤ主義」に(のみ)求める場合、EDLなど欧州の21世紀の極右は「ネオナチ」には該当しなくなります。

同様に、LGBTについても彼らは「寛容」です。これら「欧州の新しい極右」(の顕在化)のルーツの一部はオランダのピム・フォルタインに求められるのですが、2002年に殺害されたこの極右排外主義政治家は、ゲイであることを明らかにしていました(彼の「イスラム嫌い」の理由のひとつが「イスラムはゲイを受け入れない」ことでした。でもキリスト教も……んがぐぐ)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3
このような「イスラム排斥」の《思想》は全世界的なものです。その思想の核のひとりが、アメリカの文筆家、パメラ・ゲラーです。彼女は「アトラスは肩をすくめる」という名称のブログで、その過激な「イスラム嫌い」を綴ってきた書き手で、非常に人気があります。彼女の盟友がロバート・スペンサーという文筆家。

「宣伝」したくないのであとはご自身でお調べください。日本語圏でもかなり知られています(検索すれば出てきます)。

ゲラーとスペンサーはEDLとは非常に強いつながりがあり、EDLがイベントでこの2人を招いたこともあります(騒乱になることが予想されており、英内務省が入国拒否しましたが)。

Matthew Goodwin@GoodwinMJ

Leading anti-Muslim bloggers in US: Tommy Robinson has written to them “emphasising he has not changed his position” huff.to/1aHtBWt
「トミー・ロビンソン」のEDLからの脱退の直後は断交ということになったのですが(英国ではそれを根拠に「ロビンソンは本当に人種主義・排外主義を捨てたのだ」という見方もあった)、すぐにゲラー&スペンサーと「トミー・ロビンソン」の関係は修復。

パメラ・ゲラー: https://twitter.com/Atlasshrugs/status/395987882600460291
ロバート・スペンサー: https://twitter.com/jihadwatchRS/status/395990092210122753

※この2人のツイートはエンベッドすることもしたくないのでURLだけ。

そういったこととは別に、「トミー・ロビンソン」はローン詐欺で起訴。

Catrin Nye@CatrinNye

Ex-EDL leader Tommy Robinson has today pleaded guilty to conspiracy to commit mortgage fraud.
2013年11月、起訴された彼は、法廷で起訴事実を認めていました。なので、判決はほぼ間違いなく「有罪」が出るということはわかっていて……

BBC News England@BBCEngland

Former EDL leader Stephen Lennon, also known as Tommy Robinson, is jailed over a £160,000 mortgage fraud bbc.in/1hng5HA
2014年1月下旬、有罪判決で実刑。

Sunny Hundal@sunny_hundal

Hah! Former EDL leader Tommy Robinson (aka Stephen Lennon) jailed for 18 months for mortgage fraud bbc.in/1jqejt5 (ht @hopenothate)
18か月。

この人、実刑くらうの2度目なんですよ。

His barrister Charles Sherrard QC said that in January 2013, when Robinson was jailed for 10 months for using someone else’s passport to travel to the USA, he had spent the whole time in solitary and was moved to four different jails for his safety.
BBC News – Tommy Robinson, former EDL leader, jailed for fraud

前回の実刑は2013年1月、他人のパスポートを使って米国に渡航したことで有罪となって10か月。この間、身の安全のためずっと独房で、4か所の刑務所を転々とした、と。

(他人との接触が基本的にない「独房」は「人権侵害」の危険性を常に有しています。それにしてもこのBBCの記事、「ロビンソン」の人権と身の安全の話ばっかりで、長い。BBCはそんなにこの犯罪者が好きなのか、という感じなんだけど、一連の経緯がほんと明らかに…ごにょごにょ)

Robinson admitted two counts of conspiring with others to obtain a mortgage by misrepresentation from the Abbey and Halifax building societies.

Judge Andrew Bright QC described him as the “instigator, if not the architect” of some of the frauds.

Passing sentence, the judge told him: “This was an operation which was fraudulent from the outset and involved a significant amount of forward planning.”
BBC News – Tommy Robinson, former EDL leader, jailed for fraud

今回の件は、つまり、「ロビンソン」は別の人々と共謀し、虚偽の情報を示すことで、2社でローンを組んだ。判事は「ロビンソン」が一連の詐欺事件で主導的な役割を果たしたことを指摘し、「最初から詐取することを目的とした行為で、事前の計画はたっぷりされていた」と述べた。

ITV News@itvnews

Former English Defence League leader Tommy Robinson jailed for 18 months for his role in a mortgage fraud conspiracy itv.co/19R0Irt
ITVのほうが記事読みやすいかも。(というか、この人物に関してはBBCはダメですね、たぶん。いろいろ、言えない事情がありそうですが、とにかくかばっているので。)

Steve Rose@steveplrose

Tommy Robinson was charged with mortgage fraud in 2012. A year later, Quilliam wanted to give him government money. whatdotheyknow.com/request/180298…
で、この詐欺事件で「トミー・ロビンソン」が起訴されたのが2012年。その1年後に、クィリアム・ファウンデーション(「ロビンソン」のEDLからの脱退に大きな役割を果たした「元イスラム過激派」の組織。ここと「えむあいなんとか」の関係は掘り甲斐ありそうですよ)が「ロビンソン」に政府の金を与えようとしていた、と……。

※URLはリンク切れ。

収監される前に「トミー・ロビンソン」は、「18か月後にまたお会いしましょう。そのころには贅肉も落ちてるはず」とツイート。

なお、「トミー・ロビンソン」は複数アカウントを使っていました。EDLの頭目として@EDLTRobinsonというアカウントを使い、もうひとつ、@TRobinsonNewEra(Tロビンソン新時代)も使っています。前者はツイートを全部消し、後者のアカウント名を書いて「EDLをやめたので今後はこちらで」と指示するツイート1件だけになっています。アバターも卵。
https://twitter.com/EDLTrobinson

EDLを辞めたあとに、Twitterのアカウントも「EDLのトミー・ロビンソン」と名乗っているのは捨てて、「新時代」というアカウントを使い始めているわけですが、ほんとうに改心したのなら、こういうところで「トミー・ロビンソン」という源氏名を使い続けてはいないと思うんですよね。

スティーヴン・ヤクスレイ=レノンは「トミー・ロビンソン」として有名になってしまったので、名誉欲的に(あるいはほかの目的で)その名前は捨てられないということかもしれないけれど、歌手の「キャット・スティーヴンス」が「ユーセフ・イスラム」になったような事例を知ってると、「昔の名前への執着」がどうにも……。あるいは元々、本名が好きでないのかもしれませんが(実の父親はイングリッシュで、「レノン」は母親の再婚相手の名字だそうです。母親はアイリッシュ)。

ともあれ、こうして「ロビンソン」は塀の中へ……

Maajid Nawaz@MaajidNawaz

As a believer in human rights, I think it unreasonable to move @TRobinsonNewEra to wing where he could face violence m.facebook.com/notes/tommy-ro…
「トミー・ロビンソン」をEDLから引き抜い……あわわ、脱退させたクィリアム・ファウンデーションのマアジド・ナワズさん。この人はいちいち言葉が大げさ。板についてないので、借り物丸出し。ともあれ、言いたいことは「トミー・ロビンソンが暴力にさらされる可能性のある棟に移される(かもしれない)が、それはいかがなものか」ということ。

▼……と言ってたら、刑務所で暴行を受けたと。

Paul Weston@paulwestonlibgb

The evil British State sets up Tommy Robinson for a beating. MSM ignores it. Time for REVOLUTION! ibtimes.co.uk/edl-founder-to…
「邪悪な国家」だの「マスゴミ」だの「革命」だのと変なワーディングですが、このポール・ウェストンという人も極右活動家。Liberty GBという政党(政治団体)の代表です。

組織名をコロコロ変えるからわかりづらいけど、Liberty GB = 元BFP (British Freedom Party) です。このBFPというのが、EDLの「ロビンソン」と彼の右腕のケヴィン・キャロルという人物が絡んだ極右政党(キャロルも「ロビンソン」と一緒にEDLを脱退)。
http://en.wikipedia.org/wiki/British_Freedom_Party

Liberty GB@Liberty_GB

Prison attack on Tommy Robinson: who set it up? Liberty GB leader Paul Weston demands answers from the Home Secretary goo.gl/cwfQNE
そのポール・ウェストンの政党、Liberty GBのアカウント。「刑務所でトミー・ロビンソンが襲撃された。誰が企てたのか」etc etc. (「内務大臣は回答すべき」と要求、つまり「国家による陰謀だ」と言いたいようです。)
(そろそろかわいいものを補給しないともたない)

Brian Whelan@brianwhelanhack

Not much proof for this story claiming Tommy Robinson taken to room for Muslim beating by prison warders ibtimes.co.uk/edl-founder-to…
と、ここで感覚をマトモにしてくれる極右ウォッチャー登場。欧州極右を取材しているジャーナリストのブライアン・ウィーランさん。「この記事、刑務所の看守によってトミー・ロビンソンがムスリムの殴打のための部屋に連れていかれたと主張しているが、ろくに証拠ないっすよね」

EDL Founder Tommy Robinson in Fear of Muslim Attack Beaten up in Woodhill Prison
By Dominic Gover February 5, 2014 18:22 PM
http://www.ibtimes.co.uk/edl-founder-tommy-robinson-fear-muslim-attack-beaten-woodhill-prison-1435264

※URLクリックすると多分、問答無用で動画ニュースが再生されるというクソ仕様なのでご注意ください。うるさいです。

掲載媒体のInternational Business Timesは、2006年にスタートしたオンライン・メディア。運営会社は2013年にNewsweekを買って「一流」の仲間入り、みたいなステータスですが、このIBTというメディア、まともに分析をするような人は誰も読んでないし、実際記事の質がかなり問題あり(日本の週刊誌程度)。
http://en.wikipedia.org/wiki/International_Business_Times

ここで言及されている「トミー・ロビンソンが監獄で暴行を受けた」という記事も、「誰かの主張をそのまま文字にしている」だけで、信頼に足る報道の体をなしていません。

しかし……

Last month, Robinson’s Twitter page described his “black eyes, bloody nose, sore neck” after he was allegedly attacked in HMP Woodhill. The Ministry of Justice said a prisoner had been treated for minor injuries following an incident on 5 February.
BBC News – Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended

3月2日付のBBC記事より。「先月、ロビンソンのTwitterで、ウッドヒル刑務所で襲撃されて『目の周りにあざができ、鼻血が出て、首が痛い』との主張がなされた。司法省は、2月5日にある事態が発生し、囚人が1人、軽傷の治療を受けたと述べている」

※具体的に誰が治療を受けたか、どんな傷だったかは、司法省は言わないはずです(「個別案件についてはコメントしない」という基本方針)。

で、この3月2日の記事の内容が……

BBC News England@BBCEngland

The Twitter account of jailed former EDL leader Tommy Robinson is suspended – tweets had described his time inside bbc.in/1hweHUv
「トミー・ロビンソンのTwitterアカウントがサスペンドされた。塀の中の様子をツイートしていた」

The Twitter account of English Defence League co-founder and former leader Tommy Robinson has been suspended.

Robinson, whose real name is Stephen Yaxley-Lennon, is serving 18 months in prison for a £160,000 mortgage fraud.

A Twitter account in his name with more than 87,000 followers regularly discussed his time inside.
BBC News – Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended

つまり、「トミー・ロビンソン」ことスティーヴン・ヤクスレイ=レノンは、16万ポンドのローン詐欺で18か月の刑に服しているが、彼の名前のTwitterアカウントで常態的に、刑務所の中の話をしていた。Twitterのアカウントのフォロワー数は87,000人以上。

The Ministry of Justice said an inmate cannot publish material if it contravenes prison policy, and this included sending it via a third party.
BBC News – Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended

司法省は、刑務所のポリシーに反している場合は、収監者はmaterialを公表することはできないと述べている。これには、サードパーティを介した送信も含まれる。

※どうでもいいけどこれ、…, and *that* this included … のthatが抜けてますよね。

Last Wednesday, the BBC contacted the Prison Service to ask for its views on the account, which contained details about Robinson’s prison number and address.
BBC News – Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended

先週水曜日、BBCは刑務所当局に連絡し、当該のアカウントについての見解を質した。ロビンソンのTwitterアカウントでは、彼の刑務所番号や住所に関する詳細が投稿されていた。

In response, a spokesman said: “The justice secretary has made it clear that it is totally unacceptable for prisoners to access social networking sites or instruct others to do so on their behalf.

“No prisoner should be in any doubt that if they break the rules they will be stripped of their privileges and may be reported to the police for further action.”
BBC News – Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended

BBCの問い合わせに対し、司法省スポークスマンは、「司法大臣は、囚人がソーシャル・ネットワーキングのサイトにアクセスしたり、自分の代わりに誰かに依頼してそうしたりすることは完全に受容範囲外だとはっきりと述べている。ルールを破れば特権を剥奪されることになり、さらなる対処のため警察に通報されるかもしれないということについて、疑問の余地は誰にとってもないはずである」と述べた。

そもそも慣習法なので、いろいろな部分があまり細かいところまでは決まっていないのですが、刑務所の中からツイッターが使えるということはないだろうから、面会に来た友人や家族に言づけてツイートしてもらっていた、ということでしょうか。。。よくわからないですね。

※イングランドの刑務所の制度は日本のとは違っています。「トミー・ロビンソン」は凶悪犯罪やテロ行為で収監されたわけではないのでかなりの行動の自由はあるはずです(ただ、刑務所でほかの囚人からシメられる可能性は高いので、独居房生活を余儀なくされるかもしれない)。

Tentacle Sixteen@latentexistence

I am uncomfortable at @twitter suspending accounts by government request, even for arseholes like Tommy Robinson. bbc.co.uk/news/uk-englan…
「政府の要請でTwitter社がアカウントをサスペンドしたというのはどうも……たとえそれがトミー・ロビンソンのようなドアホのアカウントであっても」

御意。

Miss T@CreativeTymes

Why did it take so long? Should be removed completely–> Ex-EDL chief Tommy Robinson has Twitter account suspended bbc.in/1cupDgp
「ようやくですか。(凍結ではなく)完全に削除されるべき」

うーん。政府の要請があれば、企業はアカウントの削除まですべきという考えなのでしょうか。

▼一方、「ロビンソン」はTwitterでこんなキャンペーンをやってまして……うーん。


https://matome.naver.jp/odai/2139377056440999901/2139504833712009303
※Twitterのアカウントはサスペンドされているので、favstarのGoogleキャッシュをキャプチャしました。

“A big thank you to all the people that have supported me and donated via my website link to my family”
「俺のウェブサイトのリンク経由で家族に寄付してくれた方々に感謝します」

Would like 2 support TR’s wife while he is in prison a Paypal has been set up all monies go direct 2 Mrs Robinson tommyrobinson.co.uk
つまりこういうこと。ううむ。こうなってしまうともはや何かの「マシーン」(率直に言えば「集金マシーン」)ですね。
https://matome.naver.jp/odai/2139377056440999901
2014年03月17日