いま最も注目すべき映画会社はフォックス・サーチライト

kaliyamashita
裏を返せばメジャー作品がつまらなくなる一方ということなんですが、インディペンデント系の中でもフォックス・サーチライトの活躍が目立つので、そのあたりをまとめてみました。

https://matome.naver.jp/odai/2138564448621157301/2138697301505940003
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
1994年に設立された20世紀フォックスの子会社。20世紀フォックスと比較すると、よりインディペンデント色の濃い作品を扱っており、そうした映画の製作・配給を行っている。
【公式サイト】
http://video.foxjapan.com/library/searchlight/

メジャーとインディペンデント系の違い


https://matome.naver.jp/odai/2138564448621157301/2138697301605940703
メジャースタジオ
「ビッグ6」と呼ばれるハリウッドの大手六社などの映画会社。

メジャー・スタジオの作品の場合、最大公約数の観客をどのように楽しませるかに作り手の意識が向きがちである。
低予算で個性的な作品を生み出すインディペンデント系の映画が続々公開!!(P3) 日経トレンディネット

メジャー映画会社は資本力を背景に大作映画を制作することができます。本来的には、より予算を掛けたほうが良い作品が生まれやすいはずです。しかし、作品制作に予算を掛ければ掛けるほど高い興行収入を得なければ採算が取れないため、内容を集客性の高いものにしなければならなくなります。


https://matome.naver.jp/odai/2138564448621157301/2138697301605940603
ミラマックス
米国の映画会社。1979年、メジャースタジオでは配給できないと考えられるインディペンデント映画を配給するために設立され、後に制作も行うようになった。「パルプ・フィクション」などの世界的ヒット作品を生み、存在感を示した。

インディペンデント作品は作り手側にある程度の自由が与えられ、誰もが楽しめる作品というより、特定の観客を熱狂的に入れ込ませるような作品が生まれやすい傾向にある。
低予算で個性的な作品を生み出すインディペンデント系の映画が続々公開!!(P3) 日経トレンディネット

インディペンデント作品は一般に低予算で制作されるため、興行収入がそれほど見込めないテーマ性を持った作品も制作が可能になります。

リーマン・ショック以降メジャー作品はより手堅い内容に

リーマン・ショック
2008年9月15日にアメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻し、世界的金融危機(世界同時不況)の大きな引き金となった。

特に2008年のリーマンショック以降、ファンドや金融機関からの資金調達が厳しくなったこともあり、世界観やストーリーライン開発、キャラクター開発が比較的安価にできるコミックなどの映画化はハリウッドプロデューサーにとって魅力的になった。
米国のコンテンツ製作に関するトレンド-コミックの映像化- – 市場・トレンド情報 – コンテンツ – 米国 – 北米 – 国・地域別情報 – ジェトロ

不況の影響で映画制作に必要な資金の調達が困難な状況になりました。特に、多くの資金を集める必要のある大作映画は企画が通らなくなりました。しかし、そんな中でもコミック原作の作品はある程度安定した集客が見込めるため資金が集まりやすく、コミック原作作品が多く制作される状況になりました。

どこもヒット狙いのアメコミものと、その続編製作に勤しんでいるのが実情になってしまいました。
祝!フォックス・サーチライト20周年! – TOWER RECORDS ONLINE

メジャー作品らしい大作映画はアメコミ原作モノばかりとなった結果、インディペンデント系映画へ注目が集まるようになりました。

インディペンデント系でもフォックス・サーチライトの成功が目立つ

リトル・ミス・サンシャイン
監督:ジョナサン・デイトン
制作:マーク・タートルトーブ他
配給:フォックス・サーチライト
公開:2006年フォックス・サーチライト・ピクチャーズが最高の契約額を支払って配給権を獲得したことでも話題となった。興行的に大成功を収め、オスカーはじめ各賞レースでも絶賛された。

『サイドウェイ』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『JUNO/ジュノ』など大作ではないが良作を数多く輩出してきた「FOXサーチライト」。19年間でアカデミー賞受賞は20に及び、「作品賞」には過去9年で9作品がノミネートされるなど質の高さが際立っている。
オスカー請負会社? 若手の登竜門? 良作・話題作を作り続ける「FOXサーチライト」 | シネマカフェ cinemacafe.net

スラムドッグ$ミリオネア
監督:ダニー・ボイル
制作: クリスチャン・コルソン
配給:フォックス・サーチライト
公開:2008年低予算で制作されたインディペンデント系作品でありながら第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞する快挙を成し遂げた。

ハリウッドメジャー各社に次ぐ存在として映画ファンに知られるスタジオとしては、ニューライン、サミット、ライオンズ・ゲートなどの名前が挙げられますが、サーチライトは他を圧倒していると言えます。
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フォックス・サーチライトのオススメ作品

サイドウェイ(2004年)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ポール・ジアマッティ作家志望のマイルス(ポール・ジアマッティ)と売れない役者のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、ジャックの結婚祝いを兼ねてカリフォルニアのワイナリーを巡る旅に出発する。

ナポレオン・ダイナマイト(2004年)
監督:ジャレッド・ヘス
出演:ジョン・ヘダーアイダホの高校生ナポレオン・ダイナマイト。ルックスもダサければ頭も良くない彼は、当然のように学校でも友達もなくイジメにあってばかりの毎日。そんな彼にも、メキシコ人の転校生ペドロという友だちが出来た。女の子にモテたいペドロは無謀にも生徒会長に立候補、ナポレオンも彼の応援に精を出すが…。

リトル・ミス・サンシャイン(2006年)
監督:ジョナサン・デイトン
出演:グレッグ・キニア小太りの眼鏡っ子、オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は美少女コンテストで優勝すること。地方予選で繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論に取りつかれる父リチャード(グレッグ・キニア)や母のシェリル(トニ・コレット)、自殺を図ったゲイの伯父フランク(スティーヴ・カレル)らと車で決勝大会の会場を目指す。

サンシャイン2057(2007年)
監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ
真田広之50年後の近未来、太陽の消滅により地球も滅亡の危機にさらされていた。人類最後の望みを託されたのは、宇宙船イカロス2号に搭乗した船長(真田広之)や物理学者のキャパ(キリアン・マーフィ)ら男女8人のエリートたち。彼らは可能な限り太陽に接近し、太陽を再生させるという究極の任務に挑もうとしていたが、想像を絶する異常事態に巻き込まれてゆく。

JUNO/ジュノ(2007年)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:エレン・ペイジパンクとホラーが好きなクールな女子高生ジュノ(エレン・ペイジ)は、親友ブリーカー(マイケル・セラ)との興味本位にセックスをして妊娠してしまう。中絶を思いとどまったジュノは友だちのリア(オリヴィア・サールビー)に協力してもらい、養子を希望している夫婦を探すことに。理想的な夫婦を見つけ、会いに行ったジュノだったが……。

フェイク シティ ある男のルール(2008年)
監督:デヴィッド・エアー
出演:キアヌ・リーヴスロサンゼルス市警のトム・ラドロー刑事(キアヌ・リーヴス)は、かつてのパートナーを目の前で殺されたあげく、その犯人を取り逃がしてしまう。ところが、単なる殺人では終わらず、事件の裏には巨悪の陰謀が隠されていた。ラドローは踏みにじられたプライドを懸け、後戻りできない“エリア”に足を踏み入れる決意をするが……。

レスラー(2008年)
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ロークかつては人気を極めたものの今では落ち目のレスラー、ランディ(ミッキー・ローク)。ある日、ステロイドの副作用のために心臓発作を起こし、レスラー生命を絶たれてしまう。家族とはうまくいかずストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)にも振られ、孤独に打ちひしがれる中で、ランディは再びリングに上がる決意をする。

スラムドッグ$ミリオネア(2008年)
監督:ダニー・ボイル
出演者:デーヴ・パテールテレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。

(500)日のサマー(2009年)
監督:マーク・ウェブ
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ゾーイ・デシャネルグリーティングカード会社で働くトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、新入りのサマー(ゾーイ・デシャネル)に一目ぼれしてしまう。ある日、好きな音楽をきっかけに意気投合し、いいムードになった二人。そんな中トムは、サマーに対して「彼氏はいるの?」と聞くと……。

ブラック・スワン(2010年)
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマンニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)は、踊りは完ぺきで優等生のような女性。芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)は、花形のベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾(こうかつ)で官能的な黒鳥を演じることに不安があり……。

ヒッチコック(2012年)
監督:サーシャ・ガヴァシ
出演:アンソニー・ホプキンス1959年、作品の高評価とは裏腹に監督としてはアカデミー賞に縁遠かったアルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)は、後にサスペンス映画の金字塔と称される『サイコ』の製作に着手。しかし独創的かつ奇抜であるがゆえに資金繰りは難航し、数々の困難に見舞われてしまう。さらに、常に彼を支え続けてきた最大の理解者である妻アルマ(ヘレン・ミレン)との関係までほころびが生じてきて……。

関連リンク

https://matome.naver.jp/odai/2138564448621157301
2013年12月14日