フィリピンでは火山の噴火や“スーパー台風”などの大規模な自然災害に見舞われることが多く、そのたびに多くの人的被害を出している。ここでは、被害が拡大する要因を5つ取り上げる。
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【 1. 温暖な海洋 】
「海水温が世界でも最も高い。インドネシアやフィリピンの周辺海域は温水プールのようなものだ」
イスラエル、テルアビブ大学の地球物理・環境・惑星科学部の学部長コリン・プライス(Colin Price)氏の発言-ナショナルジオグラフィック
【 2. 沿岸部への人口密集 】
フィリピンの島々では、住民の多くが海抜の低い沿岸部に居を構えている。世界銀行の推定によれば、人口の60%以上が沿岸部で暮らしているという。
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高潮が、海抜の低い地域に押し寄せた。人口の密集するレイテ島沿岸部のタクロバンは特に被害が大きく、BBCによるとこの地域だけで1万人以上が亡くなったという。
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【 3. 森林伐採 】
過去の台風では、暴風雨そのものではなく、その後の地滑りによって命を落とした人が少なくない
気象学者ジェフ・マスターズの指摘-ナショナルジオグラフィック
植物の根は土壌をつなぎ止める役割をしているため、森林伐採の進んだ山では、集中豪雨を受けると地滑りが発生しやすい。
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森林伐採によって同様の問題に直面している地域としては、ほかにハイチが挙げられる。やはり暴風雨を引き金として地滑りが起こり、流出した土砂によって阻まれた水路がよどみ、後にコレラの大流行へとつながった。
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【 4. 環太平洋火山帯 】
何より、フィリピンは太平洋を取り囲む火山帯である環太平洋火山帯に含まれている。この地域では地震も頻発する。
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太平洋の海底の地殻が周辺のプレートの下にもぐり込んでいるため、フィリピンはかなりの頻度で、地震と津波の襲撃を受ける。たとえば今年10月にはボホール島でマグニチュード7.2の地震が発生し、222人の死亡が確認されている。
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【 5. 沿岸部の急速な開発 】
フィリピンでは、若年の貧困層の沿岸部への進出が加速している。こうした地域では住宅が粗製濫造されており、避難計画も十分でないことから、今回の台風の被害を拡大する一因となったと見られている。
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実際、シェルターに避難していながら亡くなった人も少なくないという報告が続々と寄せられている。これらのシェルターは、今回のスーパー台風の高潮と暴風に耐えられる強度ではなかったものと見られる。
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