最高齢「はな子」とボス猿「ベンツ」の死から捉えるニホンザルの世界

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大分市のボスザル「ベンツ」が2013年10月行方不明になるも群れに復帰し、群れを離れると追放され戻ることはできないという常識を覆しました。しかしその後、行方不明になり、2014年1月「ベンツの死」を認定。また、2014年2月に「はな子」が老衰のため37歳で死亡。ニホンザルの世界をまとめてみました

2013年10月 失踪ボスザルのベンツ もう復権!貫禄の返り咲き

しかし・・・2014年1月 「ベンツの死」を認定

再度の行方不明から・・・

大分市の高崎山自然動物園で、2013年9月に一時失踪後、ボスの座に復帰した同園最高齢の雄ザル「ベンツ」が、2014年1月17日から再び行方不明になっている。

ベンツは推定35歳で、人間なら100歳を超える。

園によると、11日ごろからあまり元気がなく、餌の小麦を食べずに山に戻ったり、おぼつかない足取りで歩いたりしていたという。今回は山の中で衰弱している可能性もあり、職員らが捜索を続けている。

一時は行方不明になり・・・そして↓

死を認定

高崎山自然動物園のC群ボス猿、ベンツ(推定35歳)の死亡を認定した。

行方が1カ月以上分からず群れに戻る例はほとんどなく、人間なら110歳超の同園最高齢でもあり「区切り」とした。

ベンツは二つの群れで初めてボスになるなどの伝説を残し人気も抜群だった。

出典:http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20140118k0000m040031000c.html

2014年2月 最高齢のはな子37歳 老衰で死去

札幌市円山動物園は4日、国内で飼育されていた個体では最高齢とされる雌のニホンザル「はな子」(推定37歳)が老衰で死んだと発表した。人間で言えば100歳を超えるという。

同園によると、はな子は1月末から衰弱が目立ち、2日朝、同園の飼育担当者が死んでいるのを見つけた。同園が1982年10月に完成したサル山で展示するため、京都府美山町(現南丹市)で捕獲して連れてきた61頭のうちの1頭だった。

大往生ですね。ご冥福をお祈り申し上げます。

11頭を出産し、少なくとも9頭の孫がいた
ニホンザルは20歳を超えると長寿と言われるそうです。

ニホンザルの世界

・ 群れの個体はすべての個体間で力の強弱による順位が決まっている

・単なる順位制でなく、階級があって、それぞれに群れの中での位置が決まっている。

・ リーダーは外敵から群れを守り、また、群れ内部での争いに介入して調停する。

・ 若者オスは群れの中での順位が上がると次第にリーダー的な行動を取るようになり、
サブリーダー(ボス見習いとも)となるが、メスグループの了承を必要とする。

ニホンザルの群れ

群れの実際上のまとまりは、おとなメスたちとその子供たちの関係によって成り立っています。

特定のサルが力に任せて他のサルを従えると言ったものではありません。お互いが頼り、頼られる信頼の上に成り立っています。

ニホンザルは通常、数頭のおとなオス、その2~3倍のおとなメス、そしてその子供たちから成る群れをつくって生活しています。数頭から数十頭、100頭を超える大きな群れも稀にあります。
地獄谷野猿公苑

社会的順位

お互いが頼り、頼られる信頼の上に成り立っていると言っても、サルたちの社会も平穏な時ばかりではありません。チョッとした小競り合いは日常茶飯事。争いにより怪我を負うことも少なくありません。当然、複数のサルがいれば強いものと弱いものが生じます。
地獄谷野猿公苑

サルの生態学の本によれば、ニホンザルの群れでは、順位が直線的に序列化していて、例えば一つのえさを2匹のサルが目の前にしたとき、例外なく順位が上のほうがそのえさを取る。
http://kohocounsel.blog95.fc2.com/blog-entry-143.html

人間社会でもこういうことありますよね

力だけの上下関係ではない
群れの実際上のまとまりは、おとなメスたちとその子供たちの関係によって成り立っています。特定のサルが力に任せて他のサルを従えると言ったものではありません。お互いが頼り、頼られる信頼の上に成り立っています。

ニホンザルの社会には群れの中での序列が存在します。オスの序列の1位のサルが一般にはボスと呼ばれています。オスだけでなく、メスにも同様に序列があります。子供は母親の序列に依存します。兄弟姉妹間では年下の者が母親の庇護を得て上位になる場合が多いようです。
地獄谷野猿公苑

コミュニケーション

空気を読むことが大事

危険を察知したときの警戒音、威嚇の声、悲鳴、存在を示す声、等々。声の大きさや微妙なニュアンスの違いで感情を伝えます。

群れを形成して生活するサルたちにとって、お互いの意思を理解するのは非常に重要なことです。お互いに態度や雰囲気を常に意識しています。ヒトの社会で言う「場の空気を読む」ということでしょう。 サルはそう言ったことに非常に長けています。

出典:http://www.jigokudani-yaenkoen.co.jp/japanese/html/snowmonkey_society.htm

かれらが日常の活動の際に発するある種の音声は一般にコンタクト・コールと呼ばれており、低く、澄んだ音で、個体のあいだにしばしば鳴き交わしがみられる。

森林のなかでは群れのメンバーが互いの姿を確認するのが困難な場合が多いことから、この音声を鳴き交わすことにより互いの位置を確認しあい、集団のまとまりを保っているのだと考えられている。
生物史から、自然の摂理を読み解く | ニホンザルのコミュニケーション

脳の構造も人間と近いですからね

グルーミング(毛づくろい)の意味

サルたちが互いに毛を掻き分け、一生懸命に何かを摘んでは口に運ぶ。グルーミング(毛­づくろい)と呼ばれる行動で、互いに体に触れ合­う行為は大切なコミュニケーションの手段でもある。
また、お互いの体に寄生しているシラミを取ることも目的である。
ニホンザルのグルーミング 地獄谷野猿公苑 – YouTube

引用元より少し短くまとめてみました。

http://www.youtube.com/watch?v=gJFM_bW0OF8
ほほえましい毛づくろいの光景

可愛い動画

ボス=父親ではない

父親はいない!?

ニホンザルの社会に特定の配偶関係(夫婦)はありません。交尾期になるとオスもメスも複数の相手と交尾を繰り返します。実際に子を産むメスと子は母子の関係がハッキリしていますが、オスに父と子と言う関係はありません。オスは自分の子がどれかわからないし、子も自分の父が誰か分かりません。

それ故、メスは自分の子供や近親の子しか守りません。よその子供が危険にさらされていても助けません。そこでオスの出番です。オスは誰かれなく群れのサルたちに異変があれば駆けつける、言うなれば、オスは群れ全体の父親の役目を持っていると言えるでしょう。

しかしニホンザルにボスザルは存在しないという説も

現在の研究では,個体識別するために群れを集めることが個体間の摩擦を生みボスザル等の階層構造が生じるのであって,完全に野生の群れは,群れ全体が集合することがないために個体間や群れ間の摩擦(喧嘩等)が少なくボスザルは存在しないと言った結論もある
ニホンザルのボス制について | 生物学のQ&A【OKWave】

人間から餌をもらうというのがない野生の世界では、ボスがいなくみんなで自由奔放な生活をしているというのもあるようです

おわりに・・・

今回は、ベンツやはな子から見たニホンザルの生態についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

もしかしたら猿山に見る群れの序列というのも、動物園という閉鎖的な中で構築されたものであって実際の野生のサルとは違ったものかもしれないということが見えてきました。

https://matome.naver.jp/odai/2138113906860579001
2014年04月16日