【閲覧注意】何でもいいから怖い話を集めてみない?『ムジナ』他

kon40
屋根の梁から音がする。  「鼠? 猫?」と顔を上げると、能面のような白い顔の女が梁の上を行ったり来たり…  「うわああ!」と大声を出して腰を抜かしていたら、いつの間にか消えたという… (ムジナより)

ムジナ

全然怖くないし、どこに書き込むのがいいかわからないので、こちらで。

十年ほど前、美術系の大学に入学したての頃の話。
キャンパスが片田舎なので、同じ学科の仲良し3人で一軒家を借りることになった。
大学近所の不動産屋の紹介で、一軒家といっても、40年程前にご隠居用に建てた小さな平屋の3LDK。

ご隠居が亡くなってから15年経ち、俺らが使ったあとは壊す予定なのでボロボロにしてもOK。
周囲は畑と雑木林に囲まれた野中の一軒家なので、真夜中に金属加工のためのトンカチを振るってもOK。
礼金敷金無しだったが、たったひとつ出された条件は4年契約一括払い…月1.5万円×48回で72万円。

3人の親の了承を取り付け、なけなしの金をかき集め、入居したのはゴールデンウィーク真っ只中。
一緒に住んでた面子は…
私(A)…東京生まれの東京育ち。お菊人形みたいな五頭身地味顔チビ。(´・ω・`)
B…インド女優顔の長身スリム美女だが、茨城県出身で微妙に訛ってる。そのせいでよく外人と思われがちw
C…黒髪長髪色白の和風美人。ただし、一番ブッ飛んでいて、大型バイクを乗り回してハードロックが大好き。

一番最初に異変を感じたのはCちゃん。
持ち込んだバイク(GSX-R750とかいうやつ)を納屋で整備していたら、屋根の梁から音がする。
「鼠? 猫?」と顔を上げると、能面のような白い顔の女が梁の上を行ったり来たり…
「うわああ!」と大声を出して腰を抜かしていたら、いつの間にか消えたという…

私とBが大声に気付いて駆けつけると、納屋の土間で尻餅をついたまま、呆然としているCを抱えて家に戻る。
「タヌキじゃないの?」「ハクビシンじゃないの?」と言うが、Cは絶対に違うという。
「思い返してみれば、あれは深井か増女の面だと思う。高校の頃に能面の模写をしたこちがあるから間違いない」と。

Theater masks for comedy and tragedy

第二の遭遇者はBちゃん。
夜22時頃、課題で使う工芸用粘土数kgを自転車でえっちらおっちら持って帰ってくると…
玄関先に男が屹立している。服装もなんだか古臭く、軍服のような感じ。
(ご近所さんかな?)と思って、「なにか御用でしょうか?」と声をかけると、ゆっくりと男が振り向く。

男の顔は、目鼻口の部分だけが真っ黒い穴のようになっている。
Bが「うひゃあ!」と驚いて自転車ごと倒れてしまうと、男もビクッとして雲散霧消…
自転車が派手に倒れるガシャーンという音を聞きつけ、私とCが「どうしたの?」と駆けつけると、
Bちゃんが顔面蒼白で「玄関先に男がいた…」と、散らばった粘土パックをかき集めていた。
その後、Cちゃんがネットに接続している調べたところ、「これだ!」と。
大日本帝国陸軍の南方の作業服みたいなものだった…

Cの件から3日と経たずにBの件、私だけ何も見てなかったのだが、ついに…
23時頃、BCのあとに風呂に入っていると、風呂の外から話し声が聞こえてくる。
BCの二人で涼んでるのかなあ、と思っていて、何の気なしに聞き耳を立てると…
声はBCのものではなく、老婆というか中年女というか、もっと歳のいった女の嗄れ声。

しかも、会話というより歌? 横溝正史の映画で婆さんが歌ってたような…
零感だと自負してた私は、近所の婆さんがかな、と「どちら様ですか?」と湯船から声をかけたら、
突如、「ウヒャヒャヒャヒャ!」と高笑いの声になった。
驚いて慌てた私が湯船から出ようとしたら、焦って滑って転んでドンガラガッシャーン!
その音でBとCが駆けつけてきたが、私は「声が、声が、外から声が…」としか説明できない。

Cがバイク整備用のスパナを片手に、風呂に面した外に出たが誰もいない。
その夜、三人で会議…
C「格安だったのは、こういうことだったのか?」
B「だけど、4年分の家賃前払いしちゃったしなあ」
私「それも計画のうちか。参ったね、これは」
とりあえず、変なものは見るけど、特に害はない。これからは変なものを見ても気にしないように、が結論。

Businesswomen in meeting

5月の終わり頃、同じ学科の友人たちが女三人ぐらしのうちに泊まりで遊びに来たいと言い出した。
野中の一軒家で、深夜にハードロックをガンガンかけても文句を言われない環境を見てみたい、と。
食料と酒は持ち寄りならいいよーとなって、男2人(ドライバー)、女4人が車2台で遊びに来た。

色々ありすぎだったので、箇条書きにすると…
・クルマのトランクから荷物を運び込んでる最中、屋根の上にしがみつく白い着物の女を目撃する訪問客2人
・夜は庭でBBQしたのだが、BBQの最中、雑木林からこちらを伺う男(多分、兵隊)を目撃する訪問客2人
・訪問客のうち女子4人は私とBCの部屋に寝て、男子は居間で雑魚寝。明け方に男子を覗きこむ老婆の霊…
次の日、無口になった訪問客たちは朝食もそこそこに逃げるように帰った…
次の週から、キャンパスに飛び交うのは、私達3人がお化け屋敷に住んでいるという噂…
Bは、宗教系のサークルに勧誘に遭って参っていたw

梅雨に入ると、BとCが悪夢を見るようになった。
大男が出てきて、「出て行け!」と叫びながら追いかけてくる夢とか、
老人5人ほどに囲まれ、「なんで、おまえらがいるんだ」と説教される夢とか。
Cちゃんは、守り刀の代わりにバイク整備用のロングドライバーを枕元に置いて寝るようなり、
Bちゃんは、「怖い怖い」と私の部屋で一緒に寝るようになり…
これはやっぱり問題なんじゃないか、ということで、各々の家族に相談することになった。

Bの家族が懇意にしてるという地元の神様さん(霊能者?)に遠隔で視てもらうと、
「その土地は、江戸時代、処刑場で云々…」(そんなことはない。二百年以上前から○○家の田畑)
Cの家族は「弱気だからつけこまれるんだ!」と、なぜか、リポビタンDをケースで送ってきたw
で、私が地元で内科医院をやってる父に(どうせ、馬鹿にされるんだろうな)と電話で相談してみると、
意外なことに、父はバカにせず、全てを聞き届けた上で、こう言った。
「…その件は、兄さんに相談しろ。父さんにはよくわからない世界だから」

Blurred lights

私には、兄がいる。
兄と私は異母兄妹で、前妻の子が兄、前妻が亡くなってやってきた後妻の子が私。
6歳上の兄は中学卒業とともに、前妻さんの実家に跡継ぎとして養子に出され、
以来、4年に1回ぐらいしか会わない。(私の誕生日祝い等のお祝いは律儀に贈ってくれる関係)

なんで、兄なの?と。又聞きだけど、兄は大学卒業後、前妻の家業である小さな商社の跡を継いでるはず。
父は「いいから、詳しいことは兄さんに聞け。そういうのは俺は全然わからないけど、あいつは詳しい」と。

兄に今までのことをメールすると、一度、現地を見てみようということになったのが、梅雨の終わり頃。
梅雨明け宣言ほぼ同時に、兄がバイクでやってきてくれた。
ちなみに、兄の見た目は竹内力とかホタテマンみたいな感じ。それがバイクで来るから、かなり怪しいw

敷地内にバイクで乗り込んできたと同時に、兄は「いやあ、こんなところによく住めるな」と大笑い。
どういう意味かと問うと、「ここは近所のモノノケの吹き溜まりになってるんだよ」と。
兄の説明によると、大昔、ここらは雑木林だったはずで、それを拓いて田畑にしたんだろう、と。
で… 家の裏手にある雑木林が、それまで住んでたモノノケの最後の棲家で、おまえらが邪魔なんだよ、と。
なんで、そんなことがわかるのか?と問うと、兄は「なんとなくだな、なんとなく」で終了。

私とCと兄で、まず、第一の目撃現場である納屋へ行く。
兄は、納屋の隅の木箱を指差して一言。
「あれだよ、あれ。あれがムジナの棲家になってるんだ。今、ひょっこり顔出してこっち見てる」と。
ムジナって何?と問うと、動物霊の進化系みたいなもんだ。元々の正体は穴熊だな、こいつは、と。

その後、兄はフンフンと箱の中のムジナと会話した後、(私達には見えない)
「ムジナの言い分はな、婆さんにこの箱を貰った。だから、ここで暮らしてたのに、おまえらが邪魔する、だってさ」
その時、その箱はCのバイクの整備用品が入っていたが、兄はその用品をどかすと、
「じゃ、この箱くれてやるから、この家で騒ぐんじゃねぇぞ。また騒いだら、滅しちゃうからな」

そして、兄は私達に一人一枚ずつタオルか毛布を持って来い、と。私達が持ってくると、箱の中に放って、
「これで約束成立だ。あと、Cちゃんも、ここに道具とか入れるな。この箱はムジナのものだから。これも約束だ」

本当に?と訝るCちゃん。まあ、当たり前だよね。便利に使ってた箱を没収されてるんだからw
「じゃ、約束成立の証しに、ちょっとおまえ、走り回ってみろ」と兄が言うと、
頭上の梁にトコトコトコー!と音がする。私が見上げても何も見えなかったが、Cはウワァ!と叫んだ。
C「あ、あれ、あれ! でも、前と違う、お多福になってるよ!」
「前は脅かそうとして怖い面にしたけど、今回は友好関係にあるから、形を変えたんだな」と兄。

Wild grasses and Mount Fuji, Fuji-Hakone-Izu National Park, Honshu, Japan

家の中に入ると、兄は居間の真ん中に置いてあるちゃぶ台でお香を炊き始めた。太くて短いお香。
私達が珍しいお香だと興味深げに見てると、
「これね、チベットのお香。うちの会社で扱ってるんだよ。天然もので白檀たっぷりだから、よく効くよ」と。
なんに効くんだろうと私達が訝しがってると、やがて、お香の煙がお風呂がある方へと流れ始めた。

兄はずんずんと風呂場に向かうと、「こんなところに住み着きやがって」と風呂の湯沸し器スペースに文句を言う。
兄いわく「狸霊の夫婦が、ここを棲家にしてるんだよ。おまえが聞いた老婆の歌はこいつらの文句だな」と。
兄はお香を片手に、湯沸し器スペースに怒鳴り始めた。
「こんなところに住まれちゃ邪魔なんだよ、馬鹿夫婦! 滅されたくなけりゃ、今すぐに出て行け!」
すると、今まで湯沸し器スペースに向かって流れていたお香の煙が、上に向かうようになった。

「はい、風呂場も終了、と」と兄が言いかけた時、天井裏からズルズルと音がする。
「お? こっちも出て行ったか。まあ、煙いもんなあ」と笑う兄。
どういうことかと問うと、湯沸し器スペースの狸の霊夫婦以外に、天井裏には大蛇の霊がいた、と。
「お客さんが視たっていう屋根の上の白い女ってのが、あの蛇霊だね。さて、全員、居間に集めて」と兄。

「まず、誰か一人でも家にいる時は、このお香を絶やさないこと。それで動物霊は入れない」
…と、ちゃぶ台の上に、白檀のお香の箱を置く。寝る時用として、巻いてあるお香も。私とBC快諾。
「もうひとつ。週に1回だけでいいから、裏の雑木林に、肉とかソーセージと、日本酒をコップ一杯あげて」
「これは、元々、この土地に住んでたモノノケへのプレゼントだから。それだけで奴らは納得する」
「あと、夜中にあんまり大きな音でロックとかかけるな。あいつら、お祭りと勘違いして集まってるんだよ」

「音楽をかけてもいいけど、夜はあいつらの時間だから、おまえらもそれなりに遠慮しろ」
これにはハードロック好きのCが不服そうだったが、兄が「君、因縁持ちだから、特に気をつけて」と。
「だって、君、碌な男が寄ってこないでしょ? どんな男も、君と付き合うとダメ男になるはず」と兄。
するとCがポロポロ泣き始めた。「今まで3人の男と付き合ったが、みんな、ストーカー化した」と。
兄は「それはね、君に刻まれた因縁だから、君が男を見る目を養うしかないよ」と優しく微笑んだ。
これでCも納得してくれた。私とBはよくわかんなかったんだけどw

Temple garden, Kyoto, Honshu, Japan

「最大の問題だけど、これは君たちが、大家と話し合わなくちゃいけない」
兄いわく、この隠居家屋には、仏壇があった。隠居の婆さんがちゃんと供養していたんだけど、
その婆さんが死んで、仏壇を引き上げた時に、きちんとした手順を踏んでいない。
だから、仏壇で拝んでもらってたご先祖の何人かが、今でもこっちに帰ってきてしまっている、と。

男子を覗きこんだろうば、玄関でCが視た兵隊がその先祖。兵隊は婆さんの弟じゃないかな。大家に話してくれ、と。
その大家との話し合いが終わったら、また兄はやってくる、と。
兄はBとC相手に酒盛りしたあと、一晩泊まって帰っていった。(私は下戸w)

後日、私とBCの三人で、大家のところへ行き、仏壇の件を説明したら、奥さんが「ああ!」と叫んだ。
あの家は、お婆さんの死後、何人かに貸したが、みんな、3ヶ月もしないうちに引き払う。

で… 住んでいた人が出て行く時、必ず、兵隊姿の霊を視たと言っていた、と。
急いで菩提寺に電話をして調べて貰うと、たしかに南方戦線で戦死した婆さんの弟がいる、と。
仏壇も、家族で移動させて、魂抜きもしていなかった、と全てが兄の言う通り。
旦那さんは渋っていたが、奥さんが、すぐに供養をして貰います、教えてくださってありがとう、と。
(あとで不動産屋に聞いたが、旦那さんは婿養子で、長女の奥さんが継いでいるとのこと)
後に、夏のお盆に、いつもより盛大なご供養を菩提寺でやったとの連絡が大家からきた。
すると、今まで起きていた怪現象も悪夢もぴったり止まった。

夏の終わり、兄が今度は車でやってきた。
車のトランクには、布袋にぎっしり詰まった水晶のさざれ。
「うちがネパールで仕入れてる水晶さざれ。安いけど、効果抜群なんだよ」
…と、親指大の水晶さざれを、家の東西南北四方に穴を掘って、水晶を10kgぐらいずつ埋めていく。

そして、家の中央に位置する居間の一角に、高さ80cmほどある巨大な水晶を設置。
「さっきのさざれは、そのまんま放っておいて。この水晶は、君たちがここを引き払うときに回収していくけどね」
ヒマラヤの水晶で重さは12kg。うっすらと茶色のでかい水晶で、見るからに神々しい。
Bちゃんがすっかり魅入られて、「これ、買うとおいくらぐらいなんですか?」と問うと、
「卸価格で20万円かな。小売で50万円はくだらないねえ」と。

3年半して、私達が引き払うまで、本当に怪現象は起きませんでした。
裏の雑木林にお供え?を忘れると、台所の窓にトントン!という催促はありましたがw
あと、2年時に、お香を絶やした時、天井裏にズルズル!と音がした時は、急いで兄に連絡したり、とかw
もうひとつ、居間の水晶の副作用?で、寝るのが早くなったのには、ちょっと困ったかな。

特に宵っ張りだったCちゃんが、夜中23時くらいになるとコテンと寝てしまうw
その水晶は、家を明け渡す際、兄が持ち帰りましたが、BとCには2kgぐらいのヒマラヤ水晶を贈ってました。
卒業後、Cは兄に本気で惚れたようでアタックしていましたが… なんだかんだで振られたようですw

身内に、まさかの霊能者がいるとは思わなかったけど、
兄の「なんとなくだよ」と言った時の表情は、なんとも言えぬ不思議さでした。

・踊る影

Sが幼稚園に通っていた頃の話。
父方の実家に遊びに行った日の夕方。
もうすぐご飯だから手を洗ってこいと言われて、居間から離れた場所にある洗面所に行った。

そこで手を洗って、さて戻るべ、と顔を上げた時に気付いた。
洗面所のある廊下の先。
その突き当たりにある勝手口、そこの扉にはめた磨りガラスの向こうに黒い人がいる。

格好はほっかむりをした、着物姿(時代劇で農民が着ているようなもの)の男だったらしい。
普通なら磨りガラス越しでも着ている服や肌の色がわかりそうなものだが、
Sが見たのは本当に黒一色の影人間だった。

その黒い人が、磨りガラスの向こうで楽しそうに踊っていた。
えらこっちゃえらこっちゃ、ぐらいのテンポでそれはもう激しく。

何を見ているのか理解できず、最初はポカンとその躍りを見ていたが、
だんだんソレが怖くなって、火がついたように泣き出してしまったそうだ。

すぐにSの親や祖父母が飛んできてくれたのだが、
その時には黒い人はどこにもおらず、訴えも虚しく、
結局それはただの見間違いということにされてしまった。

その黒い影の何が怖かったのかと聞いたら、

「あんなに飛んだり跳ねたりしてたのに、物音ひとつしなかったのがとにかく気持ち悪かった。あと、幽霊もお化けも、何したいのかよくわからん奴は怖い」

という答えが返ってきた。

……Sの中でお化けと幽霊は別物らしいのだが、
どういう基準でそれ分けているのか私にはわからない。

Group of people walking in park, backlit by sun and casting long shadows

建設現場

昔、建設現場で働いていた。
工事の親会社なので自分では直接作業することは無いのだが、
下請けのさらにしたの孫受けの人たちの面々がすごかった。

重量物の作業で指を潰したり無くした人なんてざら。
怖かったのは、どうやって無くしたのか、鼻が無い人。
顔がのっぺらぼうみたいに鼻がこそげてなくなっている。
骸骨みたいに二つの穴は空いているんだなこれが。
また焼けどして顔の右半分がえぐれている人。
にんな流れ者みたいで普段はにこやかなんだが、ちょっと怒ると
目つきが変わるのが怖かった。
そういう生き死にの世界で生きてきたんだろ。

造船所で聞いた話だが、船体の薄い鉄板を降ろすとき、ワイヤが外れて鉄板が落下した。
ずっと下で端に立っていた作業員に掠めて地面まで落下。
ところが鉄板が掠めたと言うのは勘違いで、鉄板は作業員の上半身を綺麗に
縦から斜めに切り取って落ちていたそうだ。
分かりやすく言えば、包丁で作業員の上半身が縦に真っ二つに切ったように
鋭利に割れていたそうだ。

不審者

十数年前、母が『紫色のセーターを来た男が廊下を走っていった』と騒いだ
その時まだ幼かった俺は、近鉄バッファローズの帽子を弄りながら
家に来た警察を見ていた記憶が有る

それから数年後、今度は父が、『そこの廊下に不審者が居た』と騒いだ、その時は通報しなかった
父が開業するに伴って、俺と俺の両親は引越し、
その家には祖父母だけが住む事になった

そして、今から4年程前、祖父母のお通夜の時の話
俺と向かい合って正座していた親戚の子(3歳下)が真っ青な顔をして、顔を上下させていた
体調でも悪くなったのかな? と思ったが大して気にしなかった、慣れない正座で足痛かったし

その夜、親戚皆で弁当を食べていたら、その子が話しかけてきた
『ねぇ、おじさんがね、ずっと見てたよ、お兄ちゃんをずっと見てたよ』
その子曰く、中年男性が障子の下部分に取り付けられたガラスから俺をずっと見ていたらしい

弔問客の誰かによる悪ふざけだろう、と思った俺は、その話を半ば聞き流していた
そして昨日、誰も住まなくなって4年経った祖父母の家に気まぐれに入った俺は、
親戚の子が青ざめていた訳を知った

障子の下部分のガラスは、床から数cmしか間が無く、
そしてその縦幅も10cm程度しか無かったからだ
異常な体勢で、自分をずっと見つめている人間の姿を想像した俺は怖くなり、部屋中を見返した
壁に取り付けられた曾祖父の絵と目が合った気がして、走ってその家から出た
今考えてみると、障子を開けた先は、不審者が目撃された廊下だった

Human eye, close-up (video still)

黒子

集団で寝泊まりすると、変なモノがいることがある。
それに初めて出会ったのは、高校の寮にいたとき。

勉強に疲れて退学や自殺する学生も珍しくない学校で、
寮内で自殺した人も何人かいたらしい。

基本的にそういう部屋は物置とかにして使わないようにしてるんだけど、
自分の入った年は入寮者が多く、自殺部屋も使われてた。

どの部屋になるかは半年に1度、生活態度や成績等の総合ポイントが高い者から選べて、自分と相方は1年生だったこともあり、自殺部屋だったところに決まってしまった。

寮の2階

寮の2階、最端の部屋。

あんまり掃除されてなくて、特にカーテンがメチャクチャ汚かった。
窓の外は防風林で林しか見えないから、自分は汚いカーテンを外して過ごしていた。
自殺部屋だって触れ込みもあったし、
勉強も追いつけてなかったからそのストレスもあったと思う。
カーテンを外した日の夜から連続7日間、夜1:15~1:40頃まで必ず金縛りにあった。

連続7日間は流石に怖くて、カーテンを元に戻したら金縛りはなくなった。
しかし、引っ越しまでの半年間、笑点に出てくるような黒子が付きまとうようになった。

Black panther (Panthera pardus)

出てくるのは深夜の1:15~1:40が最も多かった。
相方は見えないと言ってたが、黒子は自分にも相方にも日替りで引っ付いてた。

初めの頃は勿論驚いた。
振り向くと何時の間にかいるし、相方が寝てる横に立ち尽くしてたりとかなりビビった。

でも実害は何もなく、つきまとうだけ。
初めこそ怖かったし、頭が狂ったのかと思ったけど、
直ぐに半年経って違う部屋になって黒子はいなくなった。

その後大学の旅行で、10人くらいと沖縄に行った。
4泊の旅行で、3泊目の宿泊先の廊下で黒子に会った。

寮であったのは150cmくらいの人型だったんだが、
そいつは足が細くて頭にいくに連れ大きい。逆涙型みたいなシルエットの黒子だった。

よく怖い画像スレとかで出てくる、全身真っ黒で床から映えてる感じで、
顔だけやたらカラフルな絵わかるかな?あんな感じ。

そいつは自分ではなく、一緒に旅行に来てた女の子に引っ付いてた。
車の中にも入って来るし、中々アグレッシブな奴だったけど、
琉球王国(?)だかの鍾乳洞に入るとき、回れ右して帰って行った。

その女の子は「鍾乳洞に入る前はやたら体調良かった!」と言ってて、特に何もなかった。
そして最近、勤め先が研修期間中は全寮制のところで、
今月から黒子がたまに部屋に来るようになった。

8人部屋の寮なんだが、7人で使っている。
夕方と深夜に現れる事が多くて、自分からは部屋に入って来ない(来れない?)

部屋の扉が空いてる時だけトコトコ入って来て、
使われてないベッドか自分の対面のベッドに乗って動かなくなる。

今までの黒子と違う体型で、よく部屋に来るのは100cm位で大根みたいなシルエットの黒子。
それと部屋には来ないけど、いつも廊下にいる180cmくらいでかなり細い、
手がついた人型の黒子の2パターン。

今までの黒子との共通点は、
・全身黒タイツみたいに真っ黒
・顔がない(顔らしき凹凸はある)
・扉等は誰かが開けないと入れない
・直接触れようとしない(触ろうとすると逃げるor形が変わる)
・触ろうとしたり、存在に気付いた様な動作をすると消える

自称霊感あるとかいう奴は黒子が見えてなく、
またそいつが「霊がいる」ってところで自分は何も見えない。

話しはそれだけなんだが、無害だと思ってた黒子が最近活発になって来た。

触ったりしてこないんだが、
・携帯や本を読んでるとヌッと視界に入ってくる(大根)
・夜中当番で見回りしてると前方か後方からダッシュしてくる(細い方)
・朝目が覚めると横に立ってて、顔(?)をグワッと近付けて逃げる(大根)

かなりビビるし、黒子も自分からアピールするようになってきた。

それと大根が最初見たときより人型に近付いてきてる。
身長が20cmくらい長くなってて、頭(っぽい部分)の凹凸が濃くなって顔っぽくなってきた。

成長してるようだけど実害ないから放って置いてる。寮から外にはついて来ないし。

ただ夜中のドッキリは程々にして欲しいわ。

475:本当にあった怖い名無し:2013/06/16(日) 16:03:16.24 ID:ap+m6MsJ0
>>468
成長してるっぽいのが怖いね。
黒子は透き通ってるように見えるの?モヤモヤしてたりとか。
それともはっきりと黒い物体として見えるの?
ちなみに、その黒子には影がありますか?

昔、世にも奇妙な物語かなんかで見た話に似てる。
黒子がだんだん自分に似てきて、最後は自分と入れ替わるドッペルゲンガー的な話だった。

身の危険を感じた話。

2006年だったかな。
大学生だった俺はたまに出会い系やってたわけ。
で、たまたまヤフチャ(ヤフーチャット)で近場の女と知り合って地元話で盛り上がって、
いきなり会おっかみたいになったの。

んで駅で会ってカラオケが混んでて入れなかったので
女が「知り合いの家にいこうか」って言ってきたので
俺もバカだから了承して行ったのが間違いで、着いたのは超汚くて薄暗いアパート。
入ってしまうと中に50歳くらいのキチガイ的おばさんがいて、
その愛人らしきおじさんが酒飲んで酔っぱらってて、
奥のリビングに通されて、リビングと引き戸で仕切られてる隣の部屋から、
おばさんの子供の奇声が聞こえる。
ここで初めて身の危険を感じる。

何話したか覚えてないが、これはやばいと思って、
コンビニ行きたいって言ってそのまま出て逃げた。
出会い系の女は俺に着いてきて、キチガイなところ連れて
いきやがってふざけんなって切れたんだけど、
出会い系女もすごい謝ってきて、とりあえず晩飯食ったんだ。

その帰りに出会い系女が駅の階段降りてたら
突然走り出して電車に飛び乗り一人で乗ってしまい、
わけもわからず一人で帰った。
そのあと出会い系女から電話が掛かってきて、
「電車が来たから急いで乗ってしまって、あとであなたがいないのに気づいた」とかわんわん泣かれて、
もう訳わかんない状態になり、
しかもキチガイおばさんの家に戻っているらしく、
受話器の向こうでさっきのキチガイおばさんの声の奇声が聞こえた。
ネットって怖いわと思った出来事でした。

つまんなくてこわくなくでごめん。

482:本当にあった怖い名無し:2013/06/16(日) 16:31:57.11 ID:Cvx6DAkY0
>>481
いや十分怖い。その女からその後連絡はなかったの?

心霊話でもなんでもないから、叩かれるかなと思ってたわ。読んでくれてありがとう。
連絡は無いよ。たしか着信拒否にしたと思う。
俺は最後に「なんでまたキチガイババアのとこ戻ってんだよ!うしろで声するだろうが!」
とかなかなかな勢いで怒ったし。
そもそも突然会った俺もバカだが、
出会い系女に家をバラしてなくて本当によかった。

連投すまんが、
ちなみにその出会い系女は最後の電話の時、
「また会いたいから住所教えて」とか、
「いまから外出て。見つけにいくから」とか、マジ肌がざわってなった。
で、たぶんキチガイおばさんは受話器のむこうで
「(あたしんちに)帰ってこいよ!」とか発狂してた気がする。
一ヶ月後くらいに駅でキチガイババアと愛人おっさんを見かけた時は血の気ひいたわ
向こうは気づいてなかったけど。

長々と失礼しました。

田舎の事件

もう10年くらい前の事になるから書いてもいいかな。
俺の田舎のじいちゃんち周辺で起きた出来事。
全てじいちゃんから聞いた話。

ある日の夕方、近所のおじさん(Aさん)が庭の手入れをしてると
見慣れぬ男女が家の裏の道を歩いてきた。
歩いてきたと言っても、女は泥酔しているようで
半分男に担がれているような状態。
Aさんは「観光客かな?」くらいの印象だったらしい。
男が近づいてきて、「この辺に○○湖ってありますか?」と聞いてきた。
すぐ近くにあるとAさんは説明し、男はお礼を言うと
女性を半ば引きずりながら湖の方へ歩いて行った。

翌日、湖にある大きな木で女性の首つり遺体が発見された。
警察が、現場の近くである俺のじいちゃんちやAさんちに聞き込みにきた。
女性の写真を見せられ、Aさんはすぐに昨日男に担がれていた女性だと気づいた。
しかし、Aさんは犯人に顔を見られているため、話したら消されると思い言えなかった。

事件は自殺ということで終わった。

それからというもの、Aさんは自責の念でふさぎ込んでしまっている。
心配に思ったじいちゃんが見舞いに行った所、この話をしてくれたそうだ。

事件が起きてから一ヶ月ほど経ってじいちゃんが知った事実だった。
俺がじいちゃんから聞いたのはそれから更に一年後。

子供心に、自分の大好きな田舎でそんな事件が起きた事が本当にショックだった。
じいちゃんになんで警察に言わないのかと聞いたが、時間が経ってしまっていたし、
自殺として終わったものとされてるからもう無駄だろうと言われた。

身バレしないよう、一部をすり替えたりして書いた。
あの頃俺がネットに書き込みできるほど大人だったら、
ねらーと協力して真実を公表できたりしたのかなあなんて今でも時々考える。

ゾッとした話

高校ん時の生物教師が新卒の若い女の先生だったんだけど、その先生がしてくれた話。
彼女がまだ大学生で独り暮らししてたある夜、
アパートの自室で寝てたら肩を叩かれたんだと。
普通はそれだけでガクガクだが、彼女はその時寝ぼけてて、
普通に「何?」って訪ねたんだって。そしたら、男の声で

「鍵開いてたよ」

って。

朝起きてコトの恐ろしさに気づいてからゾッとしたって言ってたわ。

道に寝る男

高校時代の冬に、朝四時に学校に行って部室で一人でテスト勉強してたことがあった。
で、暗い内に朝ごはん買いにコンビニに行こうと思って、
学校近くの繁華街にあるコンビニに行ったときの話。

そしたら途中の道端に作業着みたいなの着た男の人が寝てて、
「うわあ」なんて思いながら、チラ見したら結構なイケメンだった。
人通りもほとんどなくて、私も少し大胆になったから、かなり顔を近づけて顔見たわ。やっぱりイケメン。

そしたら、向こうからカップルが歩いてきたから、
私も我にかえってコンビニに慌てて入って、
朝ごはんにおにぎりやら飲み物やら買ってたんだよね。

Cyclists locking bicycles to city street sign

買い物終わって外に出たら、周囲に赤い光が充満してて、
そこらに警察やら救急隊やらがわらわら。パトカーや救急車のランプだったみたい。
もっとよく見たら、さっきのカップルが興奮ぎみに警察に事情を話してたのね。

救急車は静かに急ぐ様子もなく去って行って、微妙に聞こえた会話から、
どうやらその男の人は発見された時点で死んでたらしい。
そういや寝息も聞かなかったし、動かなかったし。
何より、その明け方はすごい冷え込みで、
そんな中で作業着だけで寝てたら凍え死ぬわ。

私、全く気付かなかった。
私があのとき、顔を近づけて至近距離で覗いていたのは、死人の顔だったみたい。

624:本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 12:00:57.67 ID:ZerSMFdU0
>>621
怖いわ…
ギリギリまで近づいたところで死人がカッと目を見開いたところまで妄想した

参考
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1359951107/

https://matome.naver.jp/odai/2137436919948347101
2013年07月21日