究極の執念…“引きこもり”の偉人たち

ぐのっち
フェルマーの最終定理を解いたワイルズ、『失われた時を求めて』プルースト、『ツァラトゥストラはかく語りき』ニーチェ、『ポアンカレ予想』を解いたペレルマン、そして南方熊楠、彼らは何を求めて思考の旅を続けたのだろうか。巨大な知識の断片を探る。

▷世界と断絶し、孤独の中で偉業を成した男たち

世間から隠遁したいという衝動は、誰にでもある。
コミュニケーションを断絶しなければ、花開かない課題もある
茂木健一郎 クオリア日記: 魂をくすくすと震わせて

脳科学者、茂木健一郎氏の言葉

▷360年間、証明されなかった数学の難問を解いた男

アンドリュー・ワイルズ
イギリスの数学者。オックスフォード大学教授

この名前を知らない方は少ないでしょう。
数学って面白い!? : アンドリュー・ワイルズ – livedoor Blog(ブログ)

フェルマーの最終定理の証明を完結させた人として有名です。

7年以上自宅の屋根裏部屋に引きこもった。
読書と日記と1% 【読書日記】フェルマーの最終定理

一つのことについて突き詰めて突き詰めて、考えて考え抜く。それを求めた人にだけしか見えない何かが訪れる。まさにこれを実践したのがワイルズ。

そのため、同僚の数学者たちは彼は行方不明になったと思った
茂木健一郎 クオリア日記: 魂をくすくすと震わせて

フェルマーの最終定理に直接関係のない研究からはいっさい手を引き、ひっきりなしに開かれている専門家会議やコロキウムにも顔を出さなくなった。
問題解決者に必要なマインド・・・ワイルズさんに学ぶ – システムエンジニアの晴耕雨読 – 楽天ブログ(Blog)

(プリンストン大学の教授としての最低限の講義等の責務を果たすと)できるかぎり自宅で仕事をすることにした。そうすることで、大学教員につきものの雑用から逃れようとしたのである。自宅ならば屋根裏の勉強部屋に引きこもることができる。

▷コルクの壁の部屋に引きこもり、半生をかけて1冊の本を執筆した男


https://matome.naver.jp/odai/2135764653726810401/2135769322730203503
マルセル・プルースト
フランスの作家。

30代から死の直前まで大作『失われた時を求めて』を書き続けた。
マルセル・プルースト – Wikipedia

その長さはフランス語原著にして3000ページ以上、日本語訳では400字詰め原稿一万枚にも及ぶ
失われた時を求めて – Wikipedia

『ユリシーズ』と共に20世紀を代表する小説の一つ

執筆するために、社交をほとんど絶ち、防音効果のあるコルクの壁の部屋に引きこもる。
プルースト – 偉人研究.com

40代のほどんどを1冊の本の執筆に費やしたプルースト。死の直前まで書き続け、最後は口述筆記で脱稿。まもなくして呼吸困難でこの世を去った。

いまのひきこもりの人とそっくり
ニッポン診断・家族の社会論4

奥深いところで性に対する劣等感とか、女性に対する恐怖心とか、何らかのセクシュアリティーの問題を抱えている。父性の欠如、父性への憧憬という点も共通している。いまの日本には無数のプルーストがいるんです。

▷『ツァラトゥストラはかく語りき』を著し、狂気の淵に落ちた男

フリードリヒ・ニーチェ
ドイツの哲学者

実存主義の先駆者として知られており、近代の終焉を告げた思想家
ニーチェの名言

ニーチェがツァラトゥストラに語らせた「永劫回帰」は、西洋の思想としてはめずらしく「輪廻転生」に似ているが、実際は違う。
永劫回帰

「永劫回帰」は、今まで自分の生きてきた生をそっくりそのまま、また繰り返す。これが無限に続く。今まであなたが経験してきたすべてのこと、うれしいことも悲しいこともすべてひっくるめて、一からまったく同じことが始まる。ビデオの再生を何度も繰り返すように。

その生涯は社会不適合とそれに伴うニート生活による苦境、自己との戦いであった
引きこもりニート列伝その29 ニーチェ

そうした苦境において、ニーチェはやがて精神に異常を来たし母の家に引き取られ、そこで生涯を終える

ひきこもりが経験することは、まさに「これまで自明なものとして信じられてきた諸価値の崩壊」だと思うのです。
精神科医・斎藤環氏は「完璧なひきこもりは超人」と語った : 不登校・ひきこもり(psw_yokohamaブログ)

いつまでも「本当は存在しない価値」にしがみつかずに、自分を肯定することができれば、社会参加に向けて動きだせるはずなのです。

▷『ポアンカレ予想』を解いた究極の引きこもり男

グリゴリー・ペレルマン
ロシアの数学者

最年少16歳で国際数学オリンピック出場権を得、数々の数学的貢献をしながらも、次第に人前を避けるようになり、隠遁。
ペレルマン…天才ニート? – 閑話も休題 – Yahoo!ブログ

「ポアンカレ予想」は、「解決したら100万ドル出す」と宣言されていた数学界の7大難問の一つ
数学界の天才-グレゴリー・ペレルマン-

数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞したが、「自分の証明が正しければ賞は必要ない」として受賞を辞退し、賞金の100万ドルにも興味を示さない
数学界の天才-グレゴリー・ペレルマン-

私は、“無の状態”の計算を学んだ。
天才数学者グリゴリー・ペレルマン | おろしあ国夢日記

他の学者たちと協力することで、社会的、経済的な“無の状態”を埋めるメカニズムを知ることができるだろう。“無の状態”は、至るところにある。それを計算することができる。そして、大きな可能性を与えている。私は、宇宙の動かし方を知っている。だから、なぜ、100万ドルのために奔走しなければならないのか、教えてくれ!

▷ネイチャー誌の論文掲載、日本人最高記録保持者の男

南方熊楠
博物学者、民俗学者、細菌学者、天文学者、人類学者、考古学者、生物学者、その他。

別名「歩く百科事典」
南方熊楠の生涯

子どもの頃から好奇心が旺盛で、植物採集に熱中するあまり山中で数日行方不明になり、人々は天狗にさらわれたと噂し、「天狗ちゃん」と彼を呼んだ。

十九ヶ国語を操れた
引きこもりニート列伝その27 南方熊楠

その一方で日常生活は無頓着で、衣食には構わず寒さの中でも裸同然で生活していた事は有名です。この時期の生活は、渡米するに当たって家族や知人から送られた金や援助で過ごしていたようです。

もちろん稼ぎはありません。
超童貞&最強ニート「南方熊楠記念館」【和歌山】 :日本珍スポット100景

家業の酒造業を継いだ弟や親族にお金をたかって、莫大な留学費用や研究費を出させ、家まで建ててもらっています(晩年、弟とは絶縁状態)。彼は生涯定職にはつきませんでした。現代のニートそのもの。

熊楠は生涯を在野の学者で通しました。
南方熊楠〜バイタリティあふれた奇才(メインウェーブ)

世界的な粘菌の研究、幅広い博物学に対する取り組み、自然に対する畏敬から発生したと思われる。民俗学への情熱と独自の研究は在野の自由な立場だから出来た部分もあったと思います。逆に在野ゆえの限界もあったかもしれませんが、彼の常人では考えられないほどのバイタリティが多くの研究成果に結びついたのだと思います。

▷文化勲章を受章し、現代のアルキメデスと称された男


https://matome.naver.jp/odai/2135764653726810401/2135769666730516303
岡潔
日本の数学者

日本が生んだ最大の数学者
ほぼ日刊イトイ新聞 – はじめての中沢新一。

この方は数学者として有名になる前には、まったく無名で、奈良の山の中でお百姓をしながら暮らしていた人なんですね。

日本の数学者達が神様のように見ていた数学者のジーゲルという人が、「オカとはブルバキのように数学者の団体の名前だと思っていた」と語ったそうです
ねずさんの ひとりごと 世界を代表する数学者 岡潔博士

博士の研究論文は、まさかそれがたったひとりの頭脳の中から出て来たとは信じられないくらい、内容の濃いものであったということです。

土地や財産を次々に売り払い、ついに住む家もなくなり、村人の好意でやっと物置を貸してもらいそこに住んでいた。
日本風狂人列伝(33) 世界的数学者・岡潔は『数学は情緒なり』の奇行の人なり | 前坂俊之オフィシャルサイト

散歩中だろうが、いきなり道端にしゃがみ込んで石や木を拾い、むつかしい数式を書き込んでは計算を始める。解けるまで、時間でも二時間でもしやがみ込んで計算しており、道行く人は何事かと驚いた。路上に字を書くならまだしも、だれもいない道で突然、大演説を始めたり、小1時間も電柱に小石をぶつけたりしていた。

金銭感覚が完全に欠如し、何度か脳神経科にも行っている。
著作集 岡潔

いったんあることを考え始めると何日もねむることなく考えつづけ、その影響とも思える奇行を繰り返している。このようなことは何度読み込んでも私には理解できないが、天才の天才たる所以なのであろうか。

▷偉人たちの常軌を逸した執念

物事を成就させる力は何か、その力の中にはむろん能力があろう。だが能力は必要な条件であっても十分な条件ではない。十分な条件とは、その能力に、起動力、粘着力、浸透力、持続力などを与える力である。そのような諸力を私は【執念】と呼びたい。

土光敏夫
第4代経団連会長
石川島播磨重工(現:IHI)社長
東芝社長
https://matome.naver.jp/odai/2135764653726810401
2013年01月09日