ドラッグストアが無視を決め込んでいる調剤ポイント問題とは?

minarai

調剤ポイントを原則禁止

厚生労働省は10月1日より、処方箋を出して薬局で薬をもらう保険調剤で、患者が支払う自己負担分に応じてもらえる調剤ポイントを原則禁止とした。

厚生労働省はなぜ調剤ポイントを原則禁止としたのか?

薬局・薬剤師療養担当規則(略:薬担規則又は療担規則)に「経済上の利益の提供による誘引の禁止」が根拠になっている。
これにより保険調剤の支払いに応じて景品交換や生活衛生用品の割引に使えるポイントが貯まるサービスを原則禁止になる。

ドラッグストア業界が猛反発

ドラッグストア業界が猛反発。クレジットカードなどで支払った場合のポイントは容認されているためで、ドラッグストアの業界団体は、国の規制の無視を公に“宣言”するなど、異例の事態となっている。
厚労省の薬ポイント禁止、ドラッグストアは無視 (読売新聞) – Yahoo!ニュース

ドラッグストアとクレジットカードのポイントの相違点

ドラッグストアのポイントは、付与されたドラッグストアチェーンでしか使えないのに対しクレジットカードのポイントは特定の企業、店舗に利益誘導を行うものではないことが大きな違いである。
この点をドラッグストア業界が理解しているかが重要ではあるのですが・・・

クレジットカードの今後

厚生労働省保険局医療課が9月14日付留意事項通知で、クレジットカードや汎用性の高い電子マネーの使用に伴うポイントを当面容認し、今年度内をメドに検討する方針を示したことで今後どうなるかは不透明である。
ただ間違ってもクレジットカードでの支払い禁止するような事態は避けてもらいたい。(グリベックなど非常に薬価の高い薬を服用している患者にとって現金で支払うのは大変であるため。)

薬剤師会 vs ドラッグストア業界

薬剤師会は厚生労働省を支持し、ドラッグストア業界は反対、対決の姿勢を示している。
なぜこのようなことがおこるのでしょうか?

薬剤師会が支持する本当の理由

現状、処方箋薬の調剤は、ほとんど調剤薬局でおこなわれている。
もし調剤ポイントがOKになればドラッグストアに患者が流れ調剤薬局の売り上げは落ちる。このため調剤ポイント禁止を支持する必要がある。
(薬剤師会とは調剤薬局の代表と考えていいと思います)

ドラッグストア業界が反対する本当の理由

ドラッグストア業界としてはポイントにより患者を集め処方箋薬の調剤により売上アップするのが目的。

この問題によって誰が一番得をする?

答えはドラッグストア業界です。患者でも調剤薬局でも厚生労働省でもありません。
調剤ポイントが認められればもちろん得をするわけですが、調剤ポイント禁止になったとしてもメリットがあったのです。それはドラッグストアでも処方箋をもっていけば調剤してくれるんだという宣伝効果です。(たぶんドラッグストアで調剤できるということを知らない人も多いと思います)問題を長引かせるほど、この効果は高くなります。タダで宣伝できるわけですから得と言えるでしょう。
※ドラッグストアで調剤できない店舗もあります

調剤ポイントは禁止したほうがいいのか、しないほうがいいのか?

答えは分かれると思います。
ただ、個人的な意見としては禁止したほうがいいと思います。
理由はドラッグストアは売上至上主義のところがあり医療費が上がる可能性があるためです。
おそらくジェネリック医薬品をすすめることはしないでしょう?薬価が高い方が売り上げにつながりますから。(ジェネリック医薬品をすすめる義務はあるので本来は問題ですが)
薬価が高い薬が売れる→医療費上がる→医療費の負担率があがる可能性がある
得だと思って支持していたら実は自分で自分の首をしめているかもしれません。
薬剤師会も自分の利権を主張するのではなく医療費の観点から主張してもらいたいものです。そうすれば国民の理解も少しは得られるかもしれません。

ジェネリック医薬品については下記リンクを参照してください

おまけ

ドラッグストアの次の一手

キーワード:調剤報酬レセプトの直接請求
これは、厚生労働省や個人の調剤薬局にはかなりの脅威になると思います。

https://matome.eternalcollegest.com/post-2135184696862316801

https://matome.naver.jp/odai/2134935425693651201
2013年01月30日