クラムボン「id」
ナンバーガール「NUM-HEAVYMETALLIC」
日本民謡がダブ的に解釈された1曲目。絶叫とともに音楽がはじまると、安物のヘッドフォンで歩いていた16歳の頃の通学路に戻ってしまう。衝撃。今だに十分新しい。
多くのフォロワーがついたけど、誰も追いつけないよ。
イカれたドラムフィル、発狂したギターノイズ、ゴリ太のベース、、個性的なメンバーを圧倒的な世界観で引きずりまわした向井秀徳を代表する一枚。
特にNUM-AMI-DABUTZのギターで田淵ひさ子に惚れた学生は少なくなかったはず。
日本にはこんなにカッコいいバンドがいたんです…!!
スーパーカー「HIGHVISION」
進化を続けたスーパーカーの4枚目、前作のエレクトニカな側面をさらに前面に出し、弱冠20歳程の4人組ロックバンドが出しているとは思えない深遠で、と同時に非常にポップで入り込みやすい音楽。
映画「ピンポン」の主題歌だった「YUMEGIWA LAST BOY」や「Strobolights」はもちろん、他にも名名名曲ぞろい。聴かずに死なないで下さい。
どこかで「曲も詞も神様が作ったように洗練されている」って書いてあるのを読んで、とても強くうなずいたことがある。
本当に、曲も詞もサウンドも奇跡みたいだ。
THA BLUE HERB「Sell Our Soul」
呪術的とも言える中毒性の高い世界観。
最初は全く理解できなくて入りこめなかったけど、聴いていくうちにどんどんここから抜けられなくなった。痛い。痛くて恐いけど、この他にリアルなんてあるのか?
活動休止中に世界を旅したBOSS THE MCのリリックと、O.N.Oの唯一無二のサウンドストラクチャー。
本当に評価すべきはこのアルバムだと思う。
美しい。
Polaris「Home」
(悩んだけどFISHMANSについて書くのはやめた)
ダブ?ポップ?ブラジリアン?これもジャンル分け不可能なサウンド。
オオヤユウスケの伸びやかな透き通る声と、柏原譲のベースの概念を超越した浮遊感のある音像で、何度グットトリップしたことか。
そんな爽快で、優しさにあふれたPolarisの特に名曲ぞろいの1stアルバム。
世界を素敵な色に染め変える特別な曲が多い。
踊ることも眠ることも出来る音ってそんなにない。良い風吹きます。
「光と影の織りなす世界にこだまする『愛でしょ』」とか「新しい季節に僕等は物語奏でた」なんて、佐藤伸治には歌えなかっただろうな。(やっぱり少し書いてしまった)
ROVO「FLAGE」
ツインドラム×エフェクティブなバイオリン×シンセ(当時は2台)×ベース×山本精一によるROVOの5枚目。
「人力テクノ」「宇宙っぽい音楽」「トランスバンド」など色々な形容がされるけど、このアルバムが体現している「踊らずにいられない」という事が最も彼らを表現するのにふさわしいと思う。
そう、このアルバムは彼らのディスコグラフィの中でも最もダンサブルなサウンドに仕上がっている。片時も腰を落ちつけられない6曲74分30秒。で、あの、CDをおすすめしておいて、なんですが、外で聴きたいよね…!!
【まとめ】2002年アーカイブス
他にもあのアルバムも、あのアルバムも、、みんな2002年なんですよ!!
SNAIL RAMP:GRAVITY(2002/1/16)
くるり:THE WORLD IS MINE(2002/3/20)
YUKI:PRISMIC(2002/3/27)
ROSSO:BIRD(2002/4/24)
スーパーカー:HIGHVISION(2002/4/24)
七尾旅人:ヘヴンリィ・パンク:アダージョ(2002/4/24)
ナンバーガール:NUM-HEAVYMETALLIC(2002/4/26)
LOSALIOS:Colorado Shit Dog(2002/5/1)
ホフディラン:PSYCHO POP KILLER BEE(2002/5/22)
THA BLUE HERB:Sell Our Soul(2002/5/22)
東京スカパラダイスオーケストラ:Stompin’ On DOWN BEAT ALLEY(2002/5/22)
空気公団:約束しよう(2002/6/19)
宇多田ヒカル:DEEP RIVER(2002/6/19)
ズボンズ:love is funky(2002/6/26)
EGO-WRAPPIN’:Night Food(2002/7/5)
WINO:EVERLAST(2002/8/21)
ASA-CHANG&巡礼:つぎねぷ(2002/9/4)
スピッツ:三日月ロック(2002/9/11)
中村一義:100s(2002/9/19)
UA:泥棒(2002/9/19)
HUSKING BEE:the steady-state theory(2002/9/19)
BEAT CRUSADERS:SEXCITE!(2002/10/9)
スピッツトリュビュート:一期一会 Sweets for my SPITZ(2002/10/17)
MO’SOME TONEBENDER:LIGHT, SLIDE, DUMMY(2002/10/23)
キセル:近未来(2002/10/23)
クラムボン:id(2002/10/23)
Polaris:Home(2002/11/7)
Spangle call Lilli line:Nanae(2002/11/10)
GRAPEVINE:another sky(2002/11/20)
ROVO:FLAGE(2002/11/21)
THE HIGH-LOWS:angel beetle(2002/11/22)
ハナレグミ:音タイム(2002/11/27)
10年前の僕等は胸をいためて、こんな名盤を聴いてた。
ポップネスを極めた前作「ドラマチック」とはうって変わって、彼らの幅広い音楽性を反映したハイブリットなサウンド。
小淵沢のプライベートスタジオで作られた世界感は複雑でマニアックなのに耳馴染み良く、ロック、アンビエント、エスニック、エレクロニカなどが見事にバンドサウンドに昇華されている。
アルバムを通じて涙ぐんでしまいそうな程の「自由への決意」が感じられます。一度聴いてわからなかった曲も、何度か聴くとかけがえがなくなってしまう。全曲必聴。
彼らが代わりのいないバンドになったきっかけの一枚。