まずは分類学の名称「綱-目-上科-科-亜科」という用語を少し解説。綱は「昆虫」という括りを、目は「鱗翅目」というチョウ・ガをひっくるめた括り方をします。その下の上科-科-亜科は更に細かい分類になります。
さて、チョウとガは共に鱗翅目の中に括られる親戚ですが、チョウ科・ガ科という分類は実はありません。チョウとガは分類学上「ほぼ似たようなもん」で、綺麗に分類できないようです。一般に「チョウ」といわれるものは、昆虫綱-鱗翅目(チョウ目)のうち、アゲハチョウ上科・セセリチョウ上科・シャクガモドキ上科に分類されています。
ここでは「綺麗な蝶」だけ紹介します。
セセリチョウ上科・シャクガモドキ上科には好みの蝶がいないので割愛してしまいましょう。アゲハチョウ上科の中の「アゲハチョウ科・シロチョウ科・タテハチョウ科・シジミチョウ科」から、日本に生息する蝶を紹介いたします。
アゲハチョウ科
同じアオスジアゲハ属の親戚には、東南アジアの美麗種として有名なミイロタイマイがいます。
【構造色】
色素によって発色するのではなく、「特定の波長の光だけを反射する構造」によって発色する色。
モルフォチョウやタマムシの翅、クジャクの羽やネオンテトラの腹などに見られる。ここで紹介している日本の蝶にも、構造色を持ったものが結構いる。
シロチョウ科
ヒイロツマベニチョウという種もいるのですが、白地部分が黄色い蝶です。鮮やかな色ですが、ツマベニチョウの紅白ほど素敵なコントラストではないです。
タテハチョウ科
―タテハチョウ亜科
ちなみに、東アジア一体に生息するものは、芸者さんにちなんで学名(亜種)に「geisha」とつくそうです。美しさと毒々しさ、華やかさとおどろおどろしさの両方をよく表すネーミングだと思います。
この写真だと二つしか見えませんが、本当は上の翅にも下の翅にも青い模様があるので、計四つの斑を持っています。でも、それら四つの青い斑全て写った写真だとなんだかただの目玉模様に見えてしまうという。
―マダラチョウ亜科
美しい種の多いマダラチョウですが、体内に毒があります。そのため、他の種の蝶がマダラチョウそっくりの姿になることで身を守ることも。
【ベーツ擬態】
目立たないものに姿を似せて隠れるのではなく、危険な生物に姿を似せることで身を守る擬態。
ナメられたくないからヤンキーの格好をするのと一緒。
海外の話ですが、カバマダラの親戚で、オオカバマダラという種がいます。オオカバマダラの中には、北米~メキシコ間3500kmを旅する逞しい種がいることで有名。Monarch(帝王)の名を持つ蝶の群れの大移動。壮大なスケールですが、渡りの光景はちと見たくないような様相(うじゃうじゃびっしり)を呈します。
シジミチョウ科
―ミドリシジミ亜科
日本列島に広く分布しているようですが、いかんせん注目度が低く資料が少ないシジミチョウ。
その中で、ミドリシジミ亜科はとても美しいメタリックグリーン~ブルーの翅を持っています。その美しさから、特に樹上性のミドリシジミたちは「ゼフィルス(Zephyrus…ギリシャ神話における西風の神)」という、なんとも風雅な名で呼ばれることも。
翅の輝きは構造色によるもの。モルフォチョウと一緒ですね。ですが如何せんシジミチョウなのでモルフォに比べると小さいのです。小さく可愛くなるのは日本の傾向かもしれない。森の妖精みたいなチョウです。



















