MOROHAってどんな人たち?
MOROHAは、MCのアフロ、ギターのUKの2人組のアコースティックヒップホップユニットです。
最小限の音と鬼気迫るラップで独自の世界観を作り出し、
聴き手の脳髄を刺激するのがMOROHAの特徴です。
一度聴いてしまうと見えない手で首を掴まれたような感覚に陥り、
最後まで曲という物語を聞かずにはいられないような感覚に陥ります。
そして最後まで聞いてしまうと今度はその見えない手で
心臓を握られてしまったかのような衝動に駆られ、
その鼓動の動きは見えない手によって作られているかのような、
動悸にも似た感覚に陥ります。
賛否両論分かれるであろう彼らのスタイルですが、
一度ハマってしまうと抜け出すことは非常に困難に思えるほどの中毒性を持っています。
MVにはあの芸能人が出演!
そんなMOROHAのtomorrowとい曲はどのような曲なのでしょうか?
PVがこちらです。
この曲の物語は夢を追いかける主人公の歩んできた人生について、
これでいいのか?と自問自答し続ける曲になっています。
若いうちにできることを最大限やってきたのか?
今自分に誇れるものって何かあるのか?今のままでいいのか?
様々な感情が交差しながらも現代を生きていくことへの虚しさ。
人生を夢に捧げることに対することへの難しさ。
それをドラマ仕立てにした儚くも切ないPVに仕上がっています。
そしてこのMVには俳優の東出 昌大さんが主人公として出演しています。
彼女と将来を見据えての仲良く過ごす日常から、
喧嘩して彼女が出て行き、
偶然にも立ち止まったMOROHAの路上ライブで見かけてしまう。
声をかけようか、どうしようか、
東出さんの表情からはそんな葛藤が見受けられます。
そしてそのかつての彼女の元に駆け寄ったのは小さい赤ちゃんを抱えた現在の旦那さん。
そして家族3人でその場を離れてしまいます。
後ろ姿を切なそうに見つめている東出さんの表情は、
曲の終盤の盛り上がりに絶妙なテイストで盛り込まれて行きます。
そんな決してハッピーエンドではないですが、
一曲終わると一つのドラマを見終わったような感覚に陥ってしまう。
これはMOROHAだからこそできる世界観ではないでしょうか。
歌詞の意味を深く掘り下げる
MOROHAの曲を題材にしたブログやネット記事を見ていると、
多くの人が同じ言葉を並べています。
それは「歌詞が刺さりすぎる」ということです。
これは一曲一曲が全てそうではありません。
記事の冒頭で書いた通りMOROHAの曲は賛否両論分かれます。
つまり「刺さりすぎるほど大好きになってしまう曲」なのか、
「ありえないほど受け入れられない曲なのか」ということです。
そんな両極端な曲を出し続けるMOROHAはまさに諸刃の剣のような曲を常に歌い続けています。
暖かい春の光の中を
野球少年が走っていくよ
清原モデルのバッド背負って
立ち漕ぎで坂道登っていくよ将来の夢はプロ野球選手
東京ドーム 巨人のエース
今は補欠 けどきっと上手くなる
牛乳飲んで体もでかくする出れない試合も 水汲み 声出し
遥かに 日差しより強い眼差し
理屈の前に 気持ちが溢れてる
ベンチにいても君は輝いてる
無理目な打球 夢中で飛びつくピッチャーゴロでも ヘッドスライディング
「ユニフォームは汚してきなさい」
ママのドレスコードを守ってる
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
この部分は曲中での主人公の少年時代を歌っています。
子供時代に少年野球を知り、
そしてプロ野球選手という夢を追いかける。
試合に出れなくてもできることを精一杯する。
努力は実ると信じている姿が浮かんできますね。
あれからどれくらいの日々が過ぎた?
「人生は旅だ」 そんなのは嘘だ
俺は どこにも行けないじゃないか
流れるベルトコンベアの上で
日々を滑らせ 運んでいくよ
部品をつくる部品になった
身近で容易い欲に溺れた
ポケットの小銭でアダルトビデオ
裸で大股広げるあの子の
昔の夢はどんなだろうか
家族 恋人はいるんだろうか
一発抜いた後に思う
浅はかなエゴだ俺と同じ年のメジャーリーガー
海の向こうで初勝利あげた
まるで自分のことのように
街もテレビも大騒ぎしてる
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
そしてそんな夢を追いかけていた少年時代が終わり、
大人になった主人公は何者でもない人になってしまいます。
部品を作る工場で、
自らも会社の部品になりながらポケットの小銭と
アダルトビデオで欲を満たす日々を過ごして行きます。
そんな日常をどのような気持ちで過ごしていたのでしょうか。
子供の頃の夢はもう叶わないと知りつつも、
このままでいいのかと思いつつも、思うだけで日々が流れて行く。
そんなベルトコンベアの上に乗っかってしまったような
毎日を送っていたように筆者は感じます。
俺より俺を信じてた女
笑顔は余裕で言葉を超えた
出会った時から5年が経っても
変わらぬ愛で そばにいてくれたあなたは「MOROHAが売れますように」
俺は「しとてね ご飯の用意」
ライブ理由に誕生日放置
クリスマスもサンタの権利を放棄
笑えるくらい出ない結果も
「心配ない」って支えてくれたあなた
やさしさが嬉しかった
反面 どうにも苦しくなった
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
焦れば焦るほど 道は狂う
僻みや妬みで歪んでく目つき
どす黒い想い 底知れぬ闇
呪い 怨み 怒り その果てには「お前さぁ 本当のこと言ってみ?
お前も腹じゃ笑ってるんだろ?
バカにしてんだろう!?
言えよ… 言えよ!!」溢れたゴミ箱の底の方に
あなたが涙拭いた ティッシュがある
食べてやろうかと思いましたが
その資格がないからやめました
団地の灯りが眩しすぎて
洗濯物が 風になびいてる
俺の叶わなかった夢を
誰かが今 叶えてるビニール袋 飛び出したネギや
がま口抱えて帰る二人は
「今夜は記念日だからイタリアン」
痛みや不安 スープの中で溶かす
朗らかな笑み 好き故の涙
時にはイライラが積もり積もっても
愛せ
ずっと愛せ!
さよなら どうか元気で
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
この部分でこの曲の主人公はMOROHAのアフロさんだとわかります。
音楽活動をしている自分を支えてくれている彼女に向けたラブソングだとわかります。
ミュージシャンという夢が叶わない憤りを彼女にぶつけては、大切な日々が思い出に変わって行きます。
かけがえのない人だったはずなのに、喜ばせることをしてあげなかった後悔がにじみ出ています。
どのツラ下げて どこへ向かうの?
結果的には ”嘘つき” じゃねえの?
どのツラ下げて どこへ向かうの?
自ら選んで嘘にしたんだどのツラ下げて どこへ向かうの?
結果的には ”嘘つき” じゃねえの?
どのツラ下げて そこへ向かうの?
描いた分 消えてなくなった
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
ヒップホップのルーツは奴隷だった黒人が演奏する楽器もない場所からアカペラで自分のおかれている環境や状況を歌ったことから始まったと言われています。
このtommrowという曲も、アフロさんの歩んできた人生を歌っています。
MCアフロという一人の人間のルーツを歌詞にしているんですね。
ヒップホップのルーツをそのまま体現しているからこそ刺さりすぎるという歌詞が生まれるんだろうと筆者は考えます。
どのツラ下げて どこへ向かうの?
結果的には ”嘘つき” じゃねえの?
どのツラ下げて どこへ向かうの?
自ら選んで嘘にしたんだ
tomorrow/作詞:MOROHA 作曲:MOROHA
というサビから感じ取れるのは
何も手にできてない無力な自分に対する怒りの感情です。
夢を約束してその夢を叶えられないことを、
結果的には嘘つきという表現で確信に迫り、
その結果を作ったのは自分の選択だといっています。
なんの飾りっ気のない歌詞だからこそ
その一曲一曲に命を削りながら歌っているのがわかります。
これからもそんな刺さりすぎる曲しか歌えない不器用なMOROHAを、
筆者は心底応援して行きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




