W杯の闇、カタールの建設現場が地獄と化している

zeromine
2022年カタールで開かれるワールドカップ。この日に向けカタールでは建設が活発になっています。しかし・・・。

カタールの建設現場で行われていること

建築現場と言えば、画像のようなヘルメットはどの国でも法律で決まっていますが、それすら支給されていない現場もあります。

45度になる小さなエアコンがない部屋で過ごす労働者
Rights Campaigners: Qatar World Cup Workers Suffer ‘Widespread Abuses’

逃亡できないようパスポートを取り上げられ、気温が50度にも達する炎天下の砂漠で長時間働かされる。反抗すると殴られ、食事も与えられない
【北川信行のサッカーなんでやねん】’22W杯までに4000人死亡?カタールは「外国人労働者=奴隷」か…炎天下労働、殴られ食事抜き、凄惨“ブラック国家”ぶり(1/3ページ) – MSN産経west

建設作業員は、給料を1年間支払われず、ゴミが山積し下水が漏れる宿舎で、電気も水道もない状態での生活を余儀なくされている
2022年ワールドカップ開催のカタール、外国人建設労働者を「牛のように」扱う(11月17日) – La Golondrina

そして、給料をもらえないまま、祖国に強制送還された例もあります。

従業員は、カタールの暑い夏の数ヶ月間を含め、毎日12時間、週7日働いている
Qatar: End corporate exploitation of migrant construction workers | Amnesty International

カタールでは1日最大12時間、そして夏は午前11:30~午後3:00までは休憩時間と法律で定められています。

一部の労働者は布団なしで、木の板の上で寝ている。宿泊施設は危険なほど不安定で床と天井がいつ壊れてもおかしくない
Qatar: Unpaid migrant construction workers left to go hungry | Amnesty International

その結果・・・

7月だけで建設現場で働いていた作業員が32名死亡。ほとんどの作業員が20代で、死因は心疾患
Official: Qatar sees record number of Nepalese deaths in July | Doha News

2012年だけで1,000人以上が職場で転落して入院したと述べた。そのうち10%は死亡
Qatar: The dark side of migration: Spotlight on Qatar’s construction | Amnesty International

同国の移民労働者の大半を占めるネパール系労働者とインド系労働者の死亡者数は年平均400人に上る
サッカー=カタールW杯建設事業に抗議活動、過酷労働の改善求め| スポーツ| Reuters

カタールと言えば社会福祉が厚すぎると有名な国

医療費、水道代、電気代が無料で、幼稚園から大学までの教育も国民全員が無料で受けられる。国立の大学もあるが、学生の多くは海外で学び、奨学金も広く提供されている
カタール – 医療費も所得税もゼロの理由は……世界一のお金持ち?

カタールでは消費税の徴収がありませんし、電気・水道代や病院での診療費、教育の一部が無料となっています。そして、大学を卒業すると、一定の大きさの土地を貸してもらえるといった制度
カタール国 / 大使館レポート|エマージング 新興国 ファンド|ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社

理由は外国人労働と豊富な資源で成り立っている

カタール人口の8割以上が外国人
外務省: 世界の学校を見てみよう! カタール

天然ガスや石油の関連製品作りやビルの建設などは、外国人労働者に依存している経済体制
カタール – 医療費も所得税もゼロの理由は……世界一のお金持ち?

出稼ぎを仲介するブローカーが仲介料として法外な利子の借金を労働者に背負わせる
カタールW杯施設建設でネパール人出稼ぎ労働者に虐待・搾取 英紙 – MSN産経ニュース

そんなカタールはワールドカップの影響で外国人が次々、労働のため入国

カタールは、驚きの決定に三年前のワールドカップを授与された。 小さな湾の状態はインフラ作業の広範量を完了するために時間との戦いになりました
Nepal envoy recalled after Qatar ‘open jail’ remarks| Reuters

W杯に向けた大規模な建設事業がめじろ押しで、工事現場では、ネパールやインド、スリランカといった国からの出稼ぎ労働者が多く働いている
【北川信行のサッカーなんでやねん】’22W杯までに4000人死亡?カタールは「外国人労働者=奴隷」か…炎天下労働、殴られ食事抜き、凄惨“ブラック国家”ぶり(1/3ページ) – MSN産経west

特に南アジアと東南アジアからの出稼ぎ労働者が急激に移住。このような移住者は、同国の労働力の94%
Amnesty International: Qatar failing to enforce its labor laws | Al Jazeera America

ITUCは、カタールでは120万人以上の出稼ぎ労働者が働いており、今後、W杯関連の競技場やホテル、交通網などの工事が本格化すれば、さらに100万人以上が必要になると試算
【北川信行のサッカーなんでやねん】’22W杯までに4000人死亡?カタールは「外国人労働者=奴隷」か…炎天下労働、殴られ食事抜き、凄惨“ブラック国家”ぶり(2/3ページ) – MSN産経west

特に深刻なのがネパール

ネパールの労働者が特に多く、カタール人口200万人のうち40万人(約20%)を占めている
Qatar under the spotlight for workers’ rights | Al Jazeera America

毎週1万人弱がカタールに入国している
BBC News – Nepal’s World Cup trail brings misery

ネパール人もカタールの労働問題は知っている。それでもカタールに行かなくては仕事がない状況
BBC News – Nepal’s World Cup trail brings misery

数百万人のネパール人がカタール、マレーシア、韓国、中東で労働している。海外からの送金は、ネパールの国内総生産の約50%
Nepal envoy recalled after Qatar ‘open jail’ remarks| Reuters

ネパールは自国で生活できない状況となっている国です。

なんで、そんな事になっているのか

①問題となるカファラ制度
これが一番の問題です。たまたまW杯建設でカタールが有名になっていますが、カタールに限った話ではありません。

雇用主が保証人となり、契約期間中の従業員の経済的・法的責任を負うことを約してビザを発行してもらう制度
中東のディーセント・ワーク−ILO駐日事務所メールマガジン2011年2月28日号トピック

この制度の下では、外国人労働者は雇用主の許可なしには転職も出国もできない
カタールよ、お前もか! W杯開催の搾取政治 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

サウジアラビアなども同制度で外国人を積極的に労働者として誘致しています。(なのでブラック企業に関しても同様の問題を抱えている)

実際には仕事がない労働者の入国も許すことによって強制労働や人身取引につながる可能性
中東のディーセント・ワーク−ILO駐日事務所メールマガジン2011年2月28日号トピック

雇用者は合法的にパスポートを奪い、労働者を搾取しやすい環境を持つ
Kafala system – Wikipedia, the free encyclopedia

奴隷制に起源を持ち、湾岸では広範に行われている
湾岸諸国はどうなる?(その2) | 防衛省OB太田述正の日本はアメリカの属国だ

実はサウジアラビアなどいくつかの湾岸諸国でもこの制度を悪用した労働問題が深刻です。もし湾岸諸国で仕事を請ける場合は注意しましょう。

フランス人サッカー選手ザヒール・ベルーニスが、カタールのチーム「アル・ジャイシュ・ドーハ」と契約を結んだのは2010年のこと
カタールよ、お前もか! W杯開催の搾取政治 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

2年近く給料をもらえず、プレーもできない状態が続いているが、この制度でパスポートを取り上げられているため、帰国をする事も仕事をする事もできません。家族への送金が止まっています。建築問題とは関係ない話ですが、根本は同じ理由です。

②当局の圧力
警察は、この種の事件が表に出ないように圧力をかけています。

9月にガーディアン紙に掲載「ネパール人出稼ぎ労働者がワールドカップの建設現場で死亡している(6月4日から8月8日までの間に、少なくとも44人)」
カタールW杯の「悲惨な建設現場」 撮影したジャーナリストを拘束

カタール政府は事実を否定しています。

ドイツの放送局の2人は移民労働者の窮状を調査している最中、カタール警察に拘束され、投獄された
German broadcasters jailed for filming 2022 FIFA World Cup labour conditions: Report

映像を消去し、数日後釈放されました。

給料を貰えなかった労働者は、ドーハの労働裁判所で訴訟を提起。 しかし、裁判所は600リヤル(約18,000円)の裁判費用を求めている
Qatar: Unpaid migrant construction workers left to go hungry | Amnesty International

カタールの法律では労働者は裁判費用なしで労働裁判を起こすことができます。しかし、貧窮の労働者に払うことができない裁判費用を求めています。

③労働者を守らない法律

カタールでは、労働者がいかなる事故防止策の対象にもなっておらず、訓練を受けることもなく、また事故を防ぐ機器も持っていないことが問題
Tell FIFA it’s time to re-run the vote!

この事態に政府は

カタール政府はより厳格な安全規制の導入を約束し、W杯関連プロジェクトで雇用される労働者の労働条件を保証する特別な基準の導入についても議論
Tell FIFA it’s time to re-run the vote!

カタール政府の対策をする発言は今年、何度も出ています。しかし、12月を過ぎた今、一向に改善される余地はありません。

国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長は11月20日、2022年ワールドカップ(W杯)開催国カタールの労働環境は「容認できない」と述べた
サッカー=FIFA会長、カタールの労働環境「容認できず」| スポーツ| Reuters

この後にもカタール政府は対応を約束しています。しかし、未だ改善の報告はありません。また、根本的問題であるカファラ制度には一切触れようとしていないのも問題です。

https://matome.naver.jp/odai/2138735642549217501
2013年12月19日