■ はじめに ■
突然ですが。実はわたくし。パチスロが割と好きです。素直に面白いと思います。
しかしながら。いかんせん。最近あまり打っていません。ホームランを打っていないわけではありません。野球の話はしていない。『じゃあ何を打っていないのさ?』当然の疑問だと思われます。その答えを申し上げますと。
待って。その前に。現在2020年です。最初に日付はちゃんと言っておかないとね。だって来年は打ってるかもしれないから。この記事は何年も残ります。あなたが読んでいるときにはもう頻繁に打っているかもしれません。
コレが俗に言う『先の事を考えて行動する』ということです。コレが出来れば一人前です。
でもそんなことはどうでもいいです。今回は『パチスロの歴史』についてお話します。私は今までのパチスロの歴史の半分以上を実際の目で見てきました。そこそこ詳しいです。期待していいのよ。
逆に言うと半分ぐらい知りません。だから人に聞いた話や推測が混じります。嘘も書くかもしれません。まぁ半分信じるってことで。
というか。今回は3号機まで書いていますが。私は4号機世代なので3号機知らないです。詳しいのは4号機と5号機前半でそれ以外は大雑把です。
パチスロの歴史をまとめてみる 【4号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159341268153979301
パチスロの歴史をまとめてみる 【5号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159431404629147201
パチスロの歴史をまとめてみる 【6号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159585687017099201
【パチスロ以前】
いわゆる『スロットマシーン』です。レバーをガッコンして勝手に止まるヤツです。カジノにあるヤツです。ここから語ると100年以上の歴史があります。
でもスロットマシーンはパチスロじゃないので多くを語るのはやめておきます。終わり。
1964年 【回胴式遊技機】
風俗営業法の認可を得てホールに設置されたスロットです。ここまでがゲーセンでここからパチ屋になるのかな? 知りません。まだオレ生まれてねえ。
正式名称は『回胴式遊技機』です。別名『オリンピアマシン』です。パチスロメーカーのオリンピアとは別物です。東京オリンピックにあやかってオリンピアと名付けました。縁起が良いです。
日本には『八百万の神』という風習がありまして。モノや言葉や概念など様々なものに神様が宿っています。縁起はなるだけ担いでおくと今後の繁栄を神様が助けてくれるわけです。
でもそんなことはどうでもいいです。とにかくオリンピアマシンの登場です。でもオリンピアマシンはパチスロじゃないので多くを語るのはやめておきます。終わり。
ちなみに現在もパチスロの正式名称は『回胴式遊技機』と『オリンピアマシン』です。

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・業界初3メダル5ライン
・通称:アメリカンパチンコ(アメパチ)
※この種類の筐体がアメパチです多分
1980年 【パチスロ登場】
ついにここからパチスロです。パチンコ台の枠に設置できるスロットマシンです。略して『パチスロ』です。かどうかは分かりませんが。そういう意味です。
今までのスロットは上から下まで1台デカいやつを製造していました。入れ替えが大変です。それがついに中身だけ入れ替え式になりました。これで簡単にホールに設置できます。試しに買ってみる店長さんも増えたことでしょう。

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最初のパチスロ
・開発:山佐 販売:尚球社
・大当り90枚
・リーチ目はボーナス絵柄の山佐型
・スイカ絵柄初登場
・0号機
この後、何年か経つと規定が出来ます。まぁ1985年なんですけど。それは後で書くので今は聞かなかったことにして。とにかく。規定なしのパチスロ機を『0号機』と呼びます。1号機が出来た後に付けられた後付けの名前です。
問題は『どこから0号機か?』です。パチスロからなのか。オリンピアマシンからなのか。国産スロットマシンからなのか。世界初スロットマシンからなのか。
まぁ知らないです。答えはありません。これがパチスロ業界初の水掛け論ポイントだと言われております。
・BIGがない
0号機はビッグボーナスがありません。バケオンリーです。大当たりで100枚ぐらい出ます。しかしながら。規定がないので意図的な連荘をさせることが可能です。出るときは出ます。しょぼくないです。
・リール無制御
いつからいつまでか知りませんが。初期のスロットはリールが無制御です。レバーONで役を抽選していません。ボタンを押せばビタ止まりで揃えば当選です。目押しが出来れば抜き放題です。
でもそんなことが許されるわけがないのですぐに対策されてフラグ管理になります。ちなみにパチスロパルサーは制御あります。
・フラグ管理
さて。リール無制御はさすがによろしくない。ということで。フラグ管理となりました。レバーONで役を抽選します。
当選していない役は狙っても揃いません。ビタ押ししてもスベリます。
当選している役は多少アバウトでも引き込みます。最大4コマスベリです。
リール制御が出来ました。
・リーチ目
さて。制御により当選していなければ狙っても揃わないわけですが。狙わないと7が揃わないことには変わりありません。当たっているか分からない状態で毎ゲーム狙うなんてやってられないです。
そこで登場したのが『リーチ目』です。当たっているときはいつもと違う出目が出るようになりました。7がない場所を押してもフラグ当選を把握できます。これからはリーチ目が出た後に7を多少アバウトに狙えばオッケーです。
これで一気にゲーム性が増します。ただの運任せのギャンブル台からの卒業です。いつもと違う出目で一喜一憂する日々が始まります。パチスロ最大の発明はリーチ目です。
・吸い込み方式
さて。パチスロでフラグ管理システムが開始されました。ということで。採用されたのが『吸い込み方式』です。カジノのスロットと一緒です。全てのパチスロ機が吸い込み方式ではありませんが今後の主流です。
吸い込み方式とは。規定枚数のメダルを吸い込むとフラグが立つ仕組みです。例えば『1000枚飲み込んだら500枚当たりのフラグが立つ』みたいな感じです。いわゆる『天井』です。まぁそんな単純な仕組みじゃないけどね。バレない程度の複雑なマップ構成は搭載しております。
要は。吸い込み方式だったら店が赤字になりません。まず飲まないと出ないので。管理しなくても自動でお金を稼いでくれます。夢のマシンです。これがパチスロだ。まいったか。
・意図的な連荘
吸い込み方式のパチスロ機は意図的な連荘をします。というかさせてました。せっかく規定なしなので客の射幸心を煽れるだけ煽っておきたいです。この台メッチャ連荘しますよ社長さん。
機種に寄りますが。主流は『モード管理』です。深い天井のモードと浅い天井のモードを用意して確率抽選でループさせます。浅い天井モードがループすると連荘します。要は通常モードと天国モードです。
・打ち止め
いつからいつまでか知りませんが。初期のスロットは打ち止めがあります。調子よく出ていても規定枚数に達したらパチスロ機が動かなくなります。1000枚かな。そこで今日の営業終了です。
だから上手い人が無制御の台を打ってもパチ屋がつぶれることはありません。どんなに上手い人でも打ち止めで終了です。後は出禁にするだけ。
という用途もありますが。『意図的な連荘を打ち止めで終わらせる』という用途もあります。当たれば打ち止めまで出まくる台とか面白そう。要は有利区間完走です。
これが後に。『ビッグは打ち止めで終了』となります。でも後の話なのでやっぱり後で書きます。
・一本1000円
昔のパチ屋に『自動メダル貸出機』などというふざけたハイテク機器などありません。SF映画の観過ぎ。正直ドン引きです。メダルが欲しければカウンターに借りに行きます。1000円で50枚の束を一本くれます。
『おばちゃん一本くーだーさいっ!』と目をつぶって大声で叫びます。いい大人が。それが俗に言う『一本1000円』です。それからスロッターは投資金額を本数で数えるようになりました。
1985年 【1号機】
さて。世の中にパチスロが誕生したわけですが。今のところ何の法律もありません。メーカーさんがやり放題です。このままじゃ射幸心を煽られたスロッターがトイレで首を吊っちゃう。
ということで規定が出来ました。『パチスロはこういう風に作ってね』ってヤツです。その規定のもとに開発されたのが『1号機』です。
まぁ大した規定はありませんしメーカーさんは割と規定を無視します。近いうちに規定改正が入るかもしれない。

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1985年 ユニバーサル販売 1号機
・業界初スタートの遅れ
スタート『音』じゃないです 叩いてもすぐリールが回らない遅れ
遅れはボーナス確定 しかしながら成立ゲームにビッグは揃いません
謎の枚数調整を経て数ゲーム後に揃います
・ビッグボーナス搭載
今までのパチスロにはレギュラーボーナスしかありませんでした。大当たりしても100枚ぽっちです。いつになったらドル箱が使えるのかしら。
と思った方もおられることでしょう。そんなあなたに朗報です。ついにビッグが登場しました。ビッグというのは簡単に言うと『レギュラーボーナスの連荘ゾーン』です。要は当たればたくさん出ます。
まずビッグが揃った時点ではメダルが出ません。厳密に言うと15枚出ます。しかしながら。そこから『子役ゲーム』というのが始まります。子役ゲームになると子役が揃いまくります。さらにレギュラーボーナスまで高確率で当選します。100枚が連荘です。
それが打ち止めまで続きます。ということは1000枚出るってことですか。ドル箱いっぱいやん。やんなっちゃう。帰りにケーキをワンホール買って帰ろう。なぜならなんかめでたいから。一人で全部食っちゃるけんね。
・JAC3回
ケーキを買うのはちょっと待って。1000枚も出ませんよ。枚数に規定があるのかどうかは知りませんが。メーカーさんがある程度自重しております。
当時の主流は『子役ゲーム30回、もしくはジャックイン3回で打ち止め』です。『ジャックイン』はレギュラーボーナスのことです。
つまりレギュラーボーナスは連荘しますが3連止まりです。子役ゲームの子役と合わせて360枚程度です。ケーキは一切れにしておいた方がいいかもしれませんね。
・純増方式
さて。ビッグ一回360枚程度です。と書きましたが。厳密に言うと360枚ちょうどです。完璧に枚数管理されています。
ビッグボーナスを引けばレギュラーボーナスが最高3連するわけですが。レギュラーが全然引けなくて100枚も出なかった。そうなったら客が台パンするかもしれない。だから360枚必ず出しちゃおうぜ。僕らのパチスロ機を守るために。
なので『子役ゲーム30回、もしくはジャックイン3回で打ち止め』と説明がありますが。その区間ではフラグを確率で抽選していません。強制的にJAC3回と子役がちょろっと当たります。必ず360枚増えます。
それが『純増方式』です。元々スロットというものは当たり役によって払い出し枚数が決まっているのです。カジノでは『スリーセブンで10000枚』などと決まっているのです。それでいいじゃん。
あと。子役ゲーム30回で終了しますが。純増方式には意味がない制限です。おそらくイタズラ防止です。360枚増えるまでわざと子役をハズして閉店まで遊ぶ人が出ないようにしています。
ということで。当時は360枚の純増方式が主流でした。みんなコレでやってました。
・ビッグ終了で打ち止め
この時期のパチスロはビッグが終了すると打ち止めとなります。そのパチスロ機はもう動きません。今日の営業終了です。
なので店員さんを呼んでリセットをかけてもらうことになります。カギを刺してガチャッとやったらまた打てるようになります。ちゃんと閉店まで打てますよ。
・子役フラグ持越し
当時のパチスロには子役を取りこぼすと次のゲームに持ち越す機能があります。なので子役を取りこぼしても損をしません。
と言いたいところですが。全機種に搭載されているわけではありません。どっかのメーカーが思いついてやっていただけです。多分ね。知りません。
さらに当時は子役がすべて同一フラグでした。2枚役も15枚役もフラグは一つです。狙った方の子役が取れます。2枚役を取ると損します。
なのでわざと子役を取りこぼし、取りこぼし目が出た次のゲームで15枚役を揃える。そんな攻略法があったりなかったり。
・等倍返し
当時のパチスロにはボーナス成立後に子役確率が上がる機能が付いています。なかなか777を揃えられない人がいても子役がガンガン揃うのでメダルが減りません。練習し放題です。
じゃあわざと7を揃えないで子役でメダルを増やせばいいじゃない。と思った方もおられることでしょうが、普通に考えて『等倍返し』なら出玉率100%と推測できます。ちょっと考えが足りないんじゃないでしょうか。
まぁ等倍返しでメダルを無限に増やすことは不可能です。目押しが出来る人はさっさと揃えましょう。リーチ目を出しまくってると隣のおっさんに舌打ちされます。
・BGM
そういえば。ここらへんでパチスロからBGMが流れるようになりました。めでたいことです。
詳しく知りませんが。最初はビッグが揃ったときにファンファーレが流れるようになりました。子役ゲームが始まるまで鳴りっぱなしです。一回回せば消えます。多分ね。知りません。
・ビッグ中に席立つな
大金をつぎ込んでようやく揃えたビッグです。音楽で祝福されているのならば少し余韻に浸っていたいところ。このタイミングでジュースでも買いに行こうかしら。と思った方もいらっしゃることでしょう。私も思いました。
ところがどっこい。どっこいしょ。そんなことをしていたら他の客に一斉ににらまれます。7を揃えたら急いで一ゲーム回して音楽を止めてください。2秒ぐらい遅れると『早く回せっ!』と怒鳴られます。
つまりパチスロがゆっくり打てなくなりました。周りに気を使いながら打つ時代に突入です。まったく余計な機能つけやがって。
とにかく。BGMの登場によって。そういうマナーが浸透しました。『BIGは急いで消化する』これがクールなスロッターのやり方です。やらない人は嫌なヤツです。という偏見が生まれて今も引き継がれています。
『他人が当たってくやしいむかつくわ早く音楽消せ!』ではありません。誤解すんなよ。そんなちっちゃい話じゃありません。
『音楽を早く消さないやつは嫌がらせをしている嫌なヤツ。悪は排除!』が正解です。正義の心で戦っています。善人です。
だって21世紀のパチスロは通常時から音楽鳴りっぱなしです。BIG中の音楽はしばらく打たなければ消えます。後ろの台がビッグを引いたことにも気づきません。ビッグ中に席を立っても誰にも迷惑かけません。
でも古い人間は今もなお『BIGは急いで消化するのがマナー』と信じています。ビッグ中に席を立つ人が許せないです。実際に被害を受けているかどうかは関係ありません。
まぁそういう人もいるので余裕があれば気遣ってあげて。
・バグだらけ
さて。順調に稼働を始めた1号機ですが。出る台出る台バグだらけです。始まったばかりなのでよくある不正遊戯対処プログラムが確立されていません。俗に言う『フェイルセーフ』です。
テスト環境で起きなかった不具合がいろんなことを試してみるユーザーによって次々と発見されました。攻略法で抜きまくるスロプロ誕生です。30万円で攻略法売ります。
まぁバグがあるなら直せばいいだけ。ということで。出荷したパチスロ機をパチ屋から回収して改修して返還するのが当時の流行です。何の問題もない。
・裏モノ登場
さて。順調に改修作業を進める中。とあるメーカーさんの誰かがあることに気づきます。
『改修した後に検定通さなくてもいいよね 』
パチスロ機を販売するには検定試験をパスする必要があります。具体的な内容は知りませんが波が荒い機種はNGです。よって波が荒い機種は作れません。
しかしながら。検定試験を通した後の機種の不具合を直しただけなら検定試験は必要ない。なんかバグを直したら変な動きをするようになったけど別にいいよね。
という意図があったかどうかは知りませんが。とにかく裏モノ登場です。改修されたパチスロ機がなぜか不思議な連荘をするようになりました。
ちなみに。『裏モノ』とは簡単に言うと『検定に通ってないパチスロ機』のことです。例えば嘘みたいに連荘します。まぁ犯罪です。
1987年 【1.5号機】
さて。裏モノが登場したわけですが。そんなの許されるわけがありません。正直バカなんじゃないの。その発想が出る意味が分からん。
ということで規定改正です。その内容は。ズバリ『裏モノ禁止』です。まさかこんな当たり前のことを通達しないと理解できないとはね。
ちなみに正式な規定内容は
『日電協が定めたROM実装を義務化し、さらに基盤を封印する』
となります。なんかパーツだけの話っぽい。中身はあんまり変わってないです。世に出てる1号機を1.5号機にそのまま作り直せばオッケーです。

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1987年 パル工業 1.5号機
・4号機時代まで生きていた1号機
・15枚役を蹴って他の子役が揃うとリーチ目
・ビッグを純増方式に固定
せっかく規定改正をするので。ついでにビッグの仕様を決めちゃいました。主流だった360枚の純増方式に決定です。今までみんなコレで作っているので固定しても問題ナッシン。特に影響はありません。
もうちょっと詳しく書くと
『ビッグは子役ゲーム30回、もしくはジャックイン3回で打ち止め。ジャックゲームは6回。それで毎回ピッタリ360枚にしてください。』となります。
※
と今の今まで思っていたのですが。ネットで調べたところ。規定で決めたわけじゃないみたい。
『期待値方式をやってもいいけど誰もやらなかっただけ』です。期待値方式の説明は4号機で書きます。
※
※
1988年 【2号機】
さて。1号機が完成しました。各メーカーが一台ずつパチスロ機の販売に成功したのです。こんなめでたいことはない。ということで一旦規定の見直しをします。
1号機は様子見でとりあえずやってみただけです。要はプロトタイプです。コレを踏まえて。問題点を洗い出し。『真の規定』とやらを作ってやろうじゃないですか。
ということで。メーカーさん新しい規定でまた作り直してください。今までの全部なしで。
1号機につきメーカー各1台
そういえば。ここで勘違いして欲しくないのは。『1号機に問題があったから2号機に移行』ではありません。そもそも1号機につき一台しか作れない規則です。2台目は2号機です。
と言いたいところですが。ホントは1号機につき2台まで作っていいです。一台で説明した方が分かりやすいから一台って書きました。
まぁそれは置いておきまして。1号機を1台作ったら『次はこういうのを作りたいです!』とメーカーが申請して、良いのと悪いのを審査して、まとめたものを『2号機規定』として発表します。それから2台目を作り始めるわけです。
要は文字通り『1号機』です。『これから何年かはこの規定で作って』という意味はありません。当初の予定だと作った数だけ10号機20号機とドンドン増えていくはずでした。
だから『2号機に移行したから1号機は撤去』なんてこともないです。別に今まで作ったやつ全部ホールに置いてもオッケーです。
・みなし機
さて。今まで作ったやつを全部ホールに置いてもオッケーです。ということですが。嘘です。また騙されましたね。あなたギャンブル向いてないですよ。
検定に有効期限があります。検定に通過しても3年後に検定切れです。3年経ったらもう合法台じゃないです。設置を続けたら犯罪です。車検みたいなもんです。
と言いたいところですが。実は割と許されます。『検定が切れたけどこの台は今の規定の範囲内に収まっているから検定済みとみなす』と偉そうにみなされることがあります。それが『みなし機』です。
とにかく。みなし機に認定されたらこっちのもんです。永遠に設置出来ます。もう新台を買わなくてもいいです。客がつかないけどね。
・完全確率方式
さて。1.5号機で無事に裏モノの封印に成功しました。でも待てよ。よく考えたら吸い込み方式がダメじゃん。アレって意図的に連荘させてるよね。
ということで規定改正です。その内容は。ズバリ『吸い込み方式禁止』です。これからパチスロ機は『完全確率方式』に統一されます。
ボーナスの抽選が前回の状態に依存しません。毎ゲームレバーオンで同じ確率の抽選をします。『ハマった後に連荘する』なんてないです。するけどね。でもそれは別のお話。。
ちなみに数学用語で言うと『独立試行』です。『完全確率』ってなんですか? 勝手に新しい日本語を作らないで。
とにかく。これで安心です。ギャンブル性を下げることに成功しました。もうトイレで首を吊るスロッターは現れないことでしょう。
・ウェイト4.0秒
さて。完全確率方式に統一してギャンブル性を下げましたが。まだちょっとスロッター達が心配です。あいつらほっとくとすぐ首を吊るからね。もう一声欲しいところ。
ということで。1ゲームの消化時間が4.0秒以上になりました。本来パチスロは急いで消化すればレバー叩いてポンポンポンが1秒ぐらいで出来るのですが。2号機では前回のゲームスタートから4秒経っていないとレバーを叩いてもリールが回りません。
1ゲームの消化時間を長くすれば使うお金も出るメダルも減ります。ギャンブル性が下がりました。ここまでやれば安心です。スロッター達の平和が守られました。
・ウェイト解除時にオートスタート
さて。2号機から4秒ウェイトがつきました。しかしながら。毎回各自で4秒数えるなんてやってられません。こちとら一回転でも多く回したいのに。もうレバーを連打するしかない。
という不満が出ることを事前に予想したメーカーさんが先に動きました。『レバーを叩いておきさえすれば4秒後に自動で回る』という機能をすぐ発明して2号機の最初からついています。
・クレジット機能
さて。4秒後に自動で回すことで操作性を上げましたが。出来ればスロッター達に1ゲームでも多く打たせたい。早くあいつらに首吊りをさせたい。もう一声欲しいところ。
ということでパチスロ機にクレジット機能をつけました。台がメダルを50枚まで貯玉してくれます。毎回メダルを3枚チャリチャリする必要がなくなりました。これからはボタン一つで貯玉からベット出来ます。
・子役集中
さて。クレジット機能をつけたことで操作性を上げました。ですがまだメーカーさんのターンは終わりません。ここで追撃の一手を刺します。
『ボーナスの連荘がダメなら子役を連荘させればいいじゃない。』
バカの発想です。まるで食糧難の市民の暴動で処刑されるお姫様みたい。絶対ダメに決まっとる。そもそもの意味を考えてみなさい。
でもとりあえず行動だ。子役集中を申請したら認可が出ました。申請したこっちがビックリ。
ということで新ボーナス『子役集中』の誕生です。俗に言う『フルーツゲーム』または『フルーツの集中』略して『フルーツ』です。おすすめの呼び方は『フルーツ』です。通っぽいです。
まずフルーツのフラグを完全確率で抽選しまして。当選すると突然子役が毎ゲームのように揃いまくります。若者向けに分かりやすく言うとATみたいなもんです。
でも大した爆発力はありません。おまけボーナスです。枚数規定があったのかもしれません。
真相は分かりませんが。フルーツ一回で一撃何千枚も出たりはしません。大体1ゲーム+3枚ぐらいでトータル100枚200枚ぐらいしかでません。
しかしながら。ボーナスとフルーツの絡みでゲーム性もギャンブル性も向上しました。出るときは出ます。フルーツ中にビッグを引くのがでかいです。若者向けに分かりやすく言うとA+ARTみたいなもんです。
これで安心です。ギャンブル性を上げることに成功しました。早くスロッターがトイレで首を吊らないかな。

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1988年10月 オリンピア 2号機
・BIG:360枚 REG:90枚
・フルーツ:5 or 60ゲーム 60ゲームで約180枚
・ズレ目で大ヒット
2つリールを止めて何もテンパイしなかったら取りこぼしorボーナス
・ファンファーレが草競馬
・シングルボーナス登場
さて。子役集中を追加したことでゲーム性が増しました。ですがまだメーカーさんのターンは終わりません。さらに追撃の一手を刺します。
ジャック一回で終了のボーナス。いわゆる『シングルボーナス』を追加したい。と申請したところ認可が出ました。ということで新ボーナス『シングルボーナス』の誕生です。
でもシングルが揃ったところで15枚です。スイカでよくね。リーチ目が出て喜んだらシングルで15枚しか出ないなんて暴動もんです。いったいどんな意味があるのだろう。
・シングルボーナスの集中
さて。謎のシングルボーナスを追加しました。ですがまだメーカーさんのターンは終わりません。だって意図が不明だからね。答え合わせが必要です。
『ビッグボーナスの連荘が封印されました。だったらシングルボーナスを連荘させればいい。スイカと一緒だし。子役集中と変わんないよ。』
と申請したところ認可が出ました。ということで新ボーナス『シングルボーナスの集中』の誕生です。これを『集中』と呼ぶ人が多いです。『シングル』と呼ぶ人も多いです。
そしてこれが爆発フラグです。一回の集中で一撃何千枚も出ます。フルーツはしょぼいのにシングルは凄いです。だってシングルボーナスはボーナスだからね。おまけのフルーツゲームとは違います。ボーナスだったらたくさん出さないとダメっしょ。
とにかく。集中の登場でゲーム性もギャンブル性も向上しました。完全確率方式になって一時はどうなることかと思いましたが。どうやら無事に爆連させることが可能です。
これで2号機完成です。この規定でメーカーさんは2号機を作ることになります。

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1989年5月 ニイガタ電子 2号機
・シングルボーナスの集中。通称『アラチャン』でヒット
・集中は1ゲーム+3枚ぐらい
1/753でパンク、もしくはBIG成立でパンク
・ボーナス成立後は単チェリー確率アップ
単チェリーが出たら入ったかもしれない
・Aタイプ Bタイプ Cタイプ
突然ですが。ここでパチスロの種類を3つに分けます。『2号機はこのどれかのタイプで作らないといけない』という規定です。
Aタイプ・・・
BIGボーナスのJACゲームが3回
Bタイプ・・・
BIGボーナスのJACゲームが2回以下
※枚数が少ない代わりに確率を上げられます
※結局Bタイプを作るメーカーはいませんでした。業界初Bタイプは4号機です
Cタイプ・・・
BIGボーナスなし
※集中で増やすタイプ
※結局Aタイプに集中をつけるのが主流になります
5号機後半でこのタイプが主流になりますが、その頃には死語です
ちなみに歴代売り上げ一位の機種はCタイプです
ということで。3タイプありますが世に出るのはほぼAタイプです。結局世の中『選択肢が増えても一番いいヤツしか選ばれない』ってことです。教訓となりました。
・モーニング
そういえば。いつから始まったのかよく分からなくて書くタイミングがありませんでしたが。ここらでちょっくら触れておこうと思います。
昔のパチ屋には『モーニング』がありました。店に寄りますが。モーニングとは『開店前に店員さんが当たりを仕込む』ことです。お座り1ゲームでボーナスが引けます。
意図は『盛り上げること』です。モーニングを取るために行列が出来ます。そして開店直後すぐ当たってアナウンスされて景気が良いです。良い店です。通いたいです。
『今日はパチスロを打つ』と決めたのならばせっかくなのでモーニングがある店に行きたいです。たとえモーニングが拾えなくても今日は打つ気でいたのでそのまま打ちます。
モーニングだけ拾ってヤメてもいいのですが。モーニングがそのまま高設定のサインだったりします。そもそも見せ台を作るためにやっています。高設定の方が仕込みが楽だしね。
さらに『換金所は11時開店』みたいにずらしています。モーニングだけ取ってもしばらく店から出られません。景品もらって換金所が開くのを待てばいいけどね。待てずに打っちゃう人もいます。結果的にモーニングを仕込んでもあんまり損せず得の方が多いです。
1990年 【3号機】
さて。2号機が順調に稼働しておりますが。やっぱりホイホイ認可し過ぎました。ちょっと集中に関する規定の見直しがしたいです。だってそんなに爆発するとは思わんかったもん。
ということで規定改正です。3号機は厳しくしたい。なので変更点は全て『抑制』です。パチスロをつまんなくするためだけの改正です。2号機はゲーム性も操作性も向上したのに残念な結果です。
・小役集中禁止
2号機で子役集中を申請されたのでとりあえず認可を出しました。でも待てよ。よく考えたらギャンブル性高くね。ボーナスじゃないのにメダルが増えるっておかしいよね。
ということで規制です。『子役集中機能の禁止』です。フルーツが業界からパンクしました。やっぱフルーツはなしで。めんごめんごw
・シングル集中のパンク確率1/300以上
さて。子役集中は禁止しましたが。シングルはやってもいいです。A,B,Cの3タイプあったほうが面白いだろう。ゲーム性を下げ過ぎてもよくない。パチスロ市場を殺すわけにはいかないのだ。
と思ったかどうかは知りませんが。シングルボーナスの集中は残りました。しかしながら。一撃で何千枚も出るのはよろしくない。もうちょい抑えてもらえませんか。
ということで。『シングルボーナスの集中のパンク確率を1/300以上にする』ことになりました。+3枚が300ゲームで900枚ならいいでしょう。結局凄い出るヤツが登場するけどね。
・ウェイト4.1秒
さて。無事に集中の規制を入れてギャンブル性を下げましたが。まだちょっとスロッター達が心配です。あいつらほっとくとすぐ首を吊るからね。もう一声欲しいところ。
ということで。1ゲームの消化時間が4.1秒以上になりました。気持ち程度ちょっとだけ回転率を下げました。ボクたちに出来る小さな反抗です。
ここまでやれば安心です。スロッター達の平和が守られました。
・裏モノばっかり
さて。無事に3号機規定が完成しました。メーカーさんはこの規定で次のパチスロ機を作ってください。なにとぞ。
と言われて黙っているメーカーさんじゃありません。だってこんなんじゃたいして客の射幸心を煽れないからね。この規定で作ったパチスロ機で誰がパチ屋のトイレで首を吊るんだよ。
こちとら本気で殺しに来とるというのに。だってスロッターは社会のゴミだからね。生かしておくと毒にしかならない。
と正義の心を持ったメーカーさんが立ち上がりました。両方に正義があるからタチが悪いです。こうなったら裏モノだ。規定なんか気にしてられっかよ。

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1990年12月 ニイガタ電子 3号機
・ボーナス後5ゲーム以内に子役が揃えばボーナス
通常時のコイン持ちをカットする代わりにボーナス後にもう一発引けるチャンス
・注射
さて。3号機は裏モノを作ることになりましたが。問題は検定試験です。検定にパスしないと販売が出来ません。そして裏モノが検定に通るわけがありません。つまり絵に描いた餅でした。最初から無理な作戦だったのです。
だから改造です。検定通過した台に秘密の装置を取り付けて出荷です。俗に言う『注射』です。改造専門の業者が中間に入ったり、メーカーが直接指揮をとったりします。まぁ犯罪です。
とにかく。裏モノに手を出すことでゲーム性もギャンブル性も向上しました。理不尽な集中規制で一時はどうなることかと思いましたが。どうやら無事に爆連させることが可能です。
これで3号機完成です。この方針でメーカーさんは3号機を作ることになります。3号機は出る台ほとんど裏モノとなります。
・MAX-BETボタン
そういえば。MAXBETボタンが発明されたのはこの時期らしいです。
今まではベットボタン一回で一枚掛けでした。パチスロは基本3枚掛けなのでみんな毎回ダダダッて連打します。
でも待てよ。パチスロは基本3枚掛けなのでボタン一回で3枚掛けにしてもよくね。ということでそうしました。またパチスロの操作性が向上しました。
ちなみに。連打のクセが抜けなくて4号機の頃にもMAXBETを連打しているおっさんがよくいました。最近はもう見ないです。絶滅したっぽい。
でもね。なんかね。私の記憶だと。4号機の初期の台にMAXBETは無かったと思うんですよね。なんだかよく分からないよ。私も昔の記憶があいまいになってきています。
・裏モノ一斉摘発
さて。3号機は裏モノを作ることになりましたが。そんなことが許されるわけがありません。正直バカなんじゃないの。その発想が出る意味が分からん。
と言いたいところですが。昔から裏モノは意外と見逃されます。4号機まではその辺のパチ屋に裏モノが普通に設置されていました。特定のお店の一番奥にあります。
というか裏モノを置いてある店が雑誌に余裕で紹介されていました。みんな知っているけど全然警察が動きません。
なぜ裏モノが見逃されるのか。答えは誰も知りません。なので各自が勝手に『パチ屋と警察の間によくない取引が行われているのかもしれない…』と妄想してください。
とにかく。裏モノは割と見逃されるわけですが。今回ばかりは見逃せません。なぜなら『ホールに置いてあるパチスロ機が全部裏モノ』だから。隠す気が無いものに『気づかなかった』とは言えません。
そして一斉摘発が施行されました。ホールの裏モノ全部撤去です。
・見せしめ
裏モノ一斉撤去をするわけですが。一部の台は検定取り消し。一部のメーカーは検定申請禁止処分を受けました。4号機の規定も発表されましたが向こう3年間新台が作れません。
厳しい現実です。裏モノ作るとこうなるからなお前ら。もうすんなよ。
・パチスロ面白くない
さて。夢から覚めたらホールに裏モノが無くなっていました。でも大丈夫。改造を元に戻せばいいだけです。検定に通った時点のそのままの姿でホールに置けばいい。
それが。どうやら。面白くないみたい。客が飛びました。こちとら連荘が面白くて打ってたのにさ。アレを体験した後にノーマル機を打っても脳汁出ません。
そもそも改造前提で作っとるし。メーカーが最初から面白い台を作っていません。
かどうかは分かりませんが。とにかく。パチスロのシマはガラガラです。ブーム終了。パチスロが終わりました。
と言いたいところですが。ノーマルでも人気機種があることはあります。コンチ3とスープラです。稼働していたのはその2機種だけです。

https://matome.naver.jp/odai/2159309280345215101/2159617788279962303
1990年6月 山佐 3号機
・3号機唯一のノーマル機
山佐にだけは改造業者が手を出せないらしい 作りが違う
・裏モノ撤去効果でバカ売れ
この時点で歴代販売台数1位で桁が違う。13万台。
・規制されたはずの子役集中がなぜかある
コイン持ちがよくなる程度ですぐ終わる しょぼいから許されたのかもしれない
・大量リーチ目で人気
成立ゲームにしか出ないリーチ目があってマニアック 俗に言う『入り目』
7がズレてるのに入っていたりするのでリーチ目を捨てる人が続出
・払い出し音で『ジリリリーン』と音がするけど録音じゃなくてその場で鳴らしています

https://matome.naver.jp/odai/2159309280345215101/2159617788279962403
1990年10月 メーシー 3号機
・シングル集中。通称『セブンラッシュ』でヒット
集中に入ると+26枚のシングルボーナスが1/2.5で連荘
1ゲーム+3枚どころじゃない
パンク役1/300 ビッグ1/400 を引くまで継続
期待値2000枚で裏モノいらず
パチスロの歴史をまとめてみる 【4号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159341268153979301
パチスロの歴史をまとめてみる 【5号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159431404629147201
パチスロの歴史をまとめてみる 【6号機編】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2159585687017099201
Aristocrat社(オーストラリア)