公式の発信から読み取る FF7ACクラウドが家出した理由。ティファへの想い

rarararalu

クラウドとティファの関係は?

ティファはいろんな立場を合わせ持っているんですね。母のようでもあり、恋人でもあり、一緒に戦ってきた戦友でもある。
ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン ~Reunion Files~

今作品の監督 兼キャラクターデザイン担当の野村哲也氏のコメント。

FF7本編終了後のクラウドの様子

セフィロスとの決戦後、仲間達はそれぞれの帰る場所へ。クラウドとティファは新たな人生を共に歩み始めます。

「これから始まるんだ。新しい……」
クラウドは言葉を探してから「新しい人生」と言った。
「俺は生き残ってやる。そうすることでしか、許されないと思うんだ。いろいろ……あったから」
「そう……だね」
「でも、新しい人生が始まると考えたことは何度かあったなと思ったら、おかしかった」
「どうして?」
「全部失敗した」
「笑えないよ」
「……今度は大丈夫だと思うんだ」
クラウドは随分長く黙り込んでから言った。
「ティファと一緒だからな」
「ずっと一緒だったじゃない」
「明日からの話だ」クラウドは再び笑顔で答えた。
On the Way to a Smile ファイナルファンタジーVII

飛空艇から地上を眺めながら、穏やかな微笑みを浮かべていたクラウド。これから新しい人生が始まる。今までは全部失敗したけれど、今度はティファがいるから大丈夫。
ティファと共に歩む未来に期待を膨らませ、その想いを彼女に伝えます。

【改定後】
「……次は大丈夫だと思うんだ」
クラウドは少しの間考えてから続けた。
「今度はティファと一緒だから」
「ずっと一緒だったじゃない」
「少し、意味がちがうんだ」クラウドは再び笑顔で答えた。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

改定前より少し遠回しな伝え方に。

バレットは浴びるほど飲み、気持ち良さそうに平和だった時代の思い出を語った。
酒を飲みすぎて井戸に落ちた事。今は亡き妻に結婚を申し込む時も酔っ払ってわけがわからなくなったこと。
ティファとクラウドは久しぶりに声を出して笑った。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

声を出して笑う姿もありました。

不安定なティファを側で支えるクラウド

アバランチの一員として、私はこんな思いを大勢の人にさせたんだ。さらに涙があふれてきた。
「ごめんね。ごめんなさい」
肩にクラウドの手を感じた。ティファがどこかへ行ってしまわないように、しっかりと抑えてくれているようだった。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

仲間達と忘らるる都を訪れた時。

二人きりの時にクラウドが言った。
「あまり思い悩むのはティファらしくない」
「私は……こんなもんよ」
「いや」「もっと明るくて強い。忘れてしまったのなら、俺が思い出させてやる」
「本当?」
「たぶん」照れながらクラウドは言った。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

改定後は「明るくて」が削除。

自分達の行いで多くの犠牲者を出してしまったと、罪の重さに苦しむティファ。そんな彼女を側で支えるクラウドの姿が見られます。

「さあ、帰ろう」とクラウドが言った。
「どこへ帰るってんだよ」とバレット。
「中断された現実」
「なんだそれ?」
「普通の生活さ」
「そんなもん、どこにあるんだ」
「さがすさ」
クラウドはティファを見て言った。「な?」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

「普通の生活を一緒に探そう」とティファに呼びかけているよう。

家族のかたち

「ちゃんとここんちの子供になるからね!」
マリンのその言葉にクラウドとティファは顔を見合わせた。ここんちの子供?
「ティファとクラウドのことはまかせて!」
振り返ったバレットは大声で言った。「しっかりな!」
少し声がかすれていた。「家族で力合わせてがんばんだぞ!」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

バレットが旅立つ日の、バレットとマリンの会話。クラウドとティファの前で2人の子供になると宣言。動揺する2人の姿が浮かぶようです。

一緒に暮らしている期間はまだ短いが、クラウドとティファを両親のように慕っており、彼らとの絆は強い。
ファイナルファンタジー7 10th アニバーサリーアルティマニア

デンゼルのキャラクター紹介文より

クラウドとティファの夫婦に、マリン・デンゼル2人の子供たちという家族の形が出来上がります。

次第に塞ぎ込み、家族の元から離れたクラウド。その胸中は?


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709529403

配送屋として世界中を回るうち、心が過去に引きずり戻されてしまったクラウド。中でも、エアリスの養母エルミナからの依頼で忘らるる都に花束を届けに行ったことは、心の傷を大きく抉る出来事でした。

「いっしょに、がんばろうよ」
クラウドは答えない。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

いつか罰せられる日が来るかもしれないが、その日まで精一杯生きよう、とティファは犯した罪との折り合いをつけ、前を向いて歩き出しました。そんなティファとは対照的に、塞いでしまったクラウド。この時は彼女の声も届かず…

「でも、今、危機に瀕している命を救うことならできるかも知れない。それなら俺にもできるかも知れない」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

新たな家族を招いたことでクラウドに変化が表れます。伍番街の教会で出会ったという星痕症候群の少年デンゼル。失われた命は取り戻せないけれど、まだある命を救うことは出来るかもしれないと話すクラウドは、デンゼルを救うことでエアリス達への罪滅ぼしができると考えたのかもしれません。


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709528403

「エアリスがあの子を連れて来たのは、私たちのところ、でしょ?」
クラウドはティファを見つめている。やがて微笑む。
何もかも大丈夫だと思わせる優しさがあった。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

(デンゼルは)エアリスが俺のところへ連れてきたんだと思った、と話すクラウドに”私たち”のところだと返すティファ。「1人で背負わないで」というティファの想いを感じ取ったのか、優しく微笑むクラウド。しかし、直後に彼は家を出てしまいます。この時に星痕症候群を発症したのかもしれません。

いまが幸福であればあるほど、つらい“思い出”がクラウドをさいなむ。
ファイナルファンタジー7 10th アニバーサリーアルティマニア

ティファや子どもたちと暮らす幸福を実感するほどに、それを失うことへの恐怖が、過去の後悔とともにクラウドを苦しめる……。
ファイナルファンタジー7 10th アニバーサリーアルティマニア

クラウドはもともと決してカラッとした性格でもないし、ティファと暮らし始めて仕事も始めたんだけど、今まで体験したことのない平和な暮らしを手に入れて、逆に不安になったんです。そんな中で自分も星痕症候群にかかってしまい、大事な人を守るどころか、自分が死に直面しなければならなくなり、逃げ出したと。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

座談会での野島氏(シナリオ担当)のコメント。

「罪」「助けられない」「許されたい」

「俺は生き残ってやる。そうすることでしか、許されないと思うんだ。いろいろ……あったから」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン プロローグ

「お前(ザックス)のぶんまで生きよう。そう決めたんだけどな」

「俺には誰も助けられないと思うんだ。家族だろうが、仲間だろうが……誰も」

「許されたいんだと思う。うん。俺は許されたい」

「本当に誰も助けられないな…」

「だって見殺しにしたんだぞ?」

「罪って許されるのか?」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン

本編後〜ACまでの間、繰り返し口にしている言葉。
自分がこれからも生きてゆく事に大きな意味を見出していたクラウド。死にも至る病に侵された事で、大切な人を守ることも罪を償うことも出来ないかもしれない。そう感じたクラウドの絶望ははかり知れません。

「俺は 自分1人守れない…。そう思ったから、かな」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン コンプリート

ACCでは、どうして家を出て行ったのかマリンに直接問われ、クラウドはこう答えます。

ふたたび強い気持ちを取り戻すクラウド

罪とは、許される事があるものなんだろうか?
試したことはない。とヴィンセントに返されますが、クラウドはそれを試すことを決意します。
他でもないエアリス本人から「もう(自分を)許してあげたら?」「悪く思ったこと一度もないよ」というメッセージを受け取ったことは、再び前を向くための大きな後押しとなりました。

「マリンとデンゼルとティファ。いつも俺を助けてくれたよな。俺はずっとだれかに守られてきた。今度は……俺の番だな」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン コンプリート

セブンスヘブン前で、マリンに向けて。


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709529103

「軽くなった気がする。引きずり過ぎて すり減ったかな」
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン

物語後半、ティファとデンゼルのピンチに駆けつけ2人を救ったクラウドは、どこか吹っ切れたような穏やかな声で話します。以前ティファに言われた「(色んなことを受け止めるのが)重い?」「ズルズル ズルズル…」とリンクした台詞回し。

「血は繋がっていないけど、家族。そっちと同じだ」
ファイナルファンタジーⅦ 外伝 ~タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~

AC(ACC)ラストの教会のシーンからの続きで、泉の前でクラウドが外伝小説の主人公エヴァンに言った言葉。こちらもティファの「ほんとの家族じゃないから、ダメか」という本編での台詞とリンクしています。

他の子供たちも次々と泉に入る。喜びに満ちたざわめき。
ティファが微笑んでクラウドを見ている。
クラウドは照れたような笑みを浮かべてティファを見返す。
満足そうにうなずくティファ。
ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン 台本


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709529303
微笑んでクラウドを見るティファ

https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709530003
照れたような笑み

https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709529903
うなずくティファ

AC(ACC)後はふたたび一緒に暮らしている。

「ああ、俺だ。あとはミッドガルに運ぶ荷物だけだ。何か依頼があったのか?」
「いや、それは断ってくれ。明日は休みにする」
「べつに」
「なあ、ティファ。店は休めるか?」
「ずいぶん簡単だな」
「分かった。デンゼルとマリンにも伝えておいてくれ。それじゃ、後でな」
Reminiscence of Final Fantasy VII

特典映像。ユフィから『臨時休業』の札をプレゼントされたクラウド。穏やかな声でティファと電話しており、翌日は一緒に休暇がとれそうか尋ねます。ティファは快諾した様子。


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709528303

クラウドが星痕症を発症した際、別居をしていた時期もあったが、最後には心を通い合わせ、再び共に暮らすようになった。
クライシスコア ファイナルファンタジー7 コンプリートガイド

物語の終盤に想いを通わせ、AC、DCの時代は一緒に暮らしている。
クライシスコア ファイナルファンタジー7 アルティマニア


https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101/2159158446709528203
ヴィンセントを主人公とした続編 FF7DC(ダージュ オブ ケルベロス)では、世界の危機にクラウド・ティファ・バレットの3人も一緒に駆けつけます。

ティファ篇・デンゼル篇の小説あり。

FF7本編終了後〜ACまでの前日譚。各キャラクターのエピソードを収録しており、ティファ篇・デンゼル篇は改定して再収録。

https://matome.naver.jp/odai/2159157682604125101
2020年06月11日