そうだったのか!打ちづらいキーボードの秘密

monotomo
キーボードはなぜこの並びなの。情報をまとめてみました。

■わざと打ちづらくするため

QWERTY配列の理由としてよく言われている説は、タイプライター時代に、打つ速度を落としてアームの衝突を防ぐため

あんまり速く打ってしまうと繊細な機械であるタイプライターのアームが干渉して壊れてしまうというのです。そこで続けて打つ回数の多いキーを離したという説です。
QWERTY配列が生まれた本当の理由 | ギズモード・ジャパン

QWERTYはタイプライターの技術的な限界から打鍵速度を落としてアームの衝突を防ぐために考え出された配列だという説
QWERTY配列 – Wikipedia

わざと打ちにくくしたという事実はありません。(というか歴史を読めばわかりますが、QWERTY配列は、打ちやすく、打ちにくく、という基準で初期の形が決まったわけではありません)
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

■モールス信号の受信手に最適化したため

初期のタイプライターのテスターとして活躍したのは、電報のオペレーターであり、彼らのニーズに合うようにできたのが、QWERTYという不思議な配列だということです。Zを表す符号は、SEを表す符号と混同しやすく、特にそれが単語の始めだったりすると余計に判別しにくいのだそうです。そこでSはZやEの近くにある必要がありました。当然の事ですが、モールス信号の受け手は送り手と同じスピードでタイプライターを打つ必要がある
QWERTY配列が生まれた本当の理由 | ギズモード・ジャパン

モールス電信を受信して書き写すのに都合が悪いので,改良をおこなうようSholesに要求しました。たとえば,Iは数字の1にも使うのですが,当時の年号「1871」が打ちやすいよう8のそばに移動しました。Tは英語では2番目によく使う文字なので,捜しやすいように上の段のまん中に移動しました。SをZとEの間に移動したのは,当時アメリカのモールス符号では,Zが「… ・」で表されていたからです。Sが「…」,Eが「・」で表されていたため,「… ・」を受信しても,それがZなのかSEなのか即座に判別がつきませんでした。そこで,続く文字を受信してから,ZかSEかをすばやく打つために,ZとSとEを近くのキーに並べておいたのです。
パソコンのキーボードは,なぜABC順・五十音順ではないのですか | ことばの疑問 | ことば研究館

■プレゼンをうまく行うため

タイプライターのセールスマンが顧客に対してプレゼンテーションを行う際に素早く美しく「typewriter」と打鍵を披露できるようにしたものだという説
キーボードの配置のルーツとキーの役割を知ろう – チエネッタ

上段だけで「TYPEWRITER」が打てるようになったのは38ページ、1874年4月30日の「ショールズ・アンド・グリデン・タイプ・ライター」が最初で、初期とは全然配置が違うし、配列も現在のQWERTY配列になるまでちょくちょく変更が行われている途中の段階だった。

なので「上段でTYPEWRITERが打てるように開発された」とは考えにくい。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

■他社への乗り換えを防ぐため

市場を独占するためにタイプの練習が必要な配列にし、他社製品の乗り換えを防ごうとした説
キーボードの配置のルーツとキーの役割を知ろう – チエネッタ

■特許を避けるため

Sholesが持っている特許を避けて別のキー配列に変えることで,Sholesに特許使用料を支払わないようにするためでした。
パソコンのキーボードは,なぜABC順・五十音順ではないのですか | ことばの疑問 | ことば研究館

既存配列に特許が絡み、それを回避していく内に現在の配列になった説
QWERTY配列 – Wikipedia

つまり,初期のタイプライターではABC順を元にしたキー配列だったものが,たくさんの人がその時その時の変更を加えていくうちに,現在のパソコンのキー配列になったのです。したがって,それぞれのキーを移動させた理由はあっても,キー配列全体が1つの理由で説明できるわけではないのです。
パソコンのキーボードは,なぜABC順・五十音順ではないのですか | ことばの疑問 | ことば研究館

■QWERTY配列が普及した理由

1893年3月30日、レミントンとアメリカンライティングマシンを含む大手タイプライター会社5社を傘下に収める形でユニオン・タイプライター・カンパニーが設立され「タイプライター・トラスト」という寡占行為が行われた。

英文入力用鍵盤配列の差に由来する性能競争はタイプライター・トラストの実行によって、性能面での最終決戦を行わないままに、競争の意味そのものを失った。タイプライター・トラストの優位性を確立する手段の1つとして、キー配列がQWERTY配列に統一された。
QWERTY配列 – Wikipedia

最終的には企業の思惑で「これで行きます!」と独占したり規格を決めたりして事実上のデファクトスタンダードになったので、QWERTY配列は、かなり“成り行き”な配列に見えます。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

タイプライタートラストのリーダーであるベネディクト社が『タッチ・タイプライティングの歴史』を無料配布、

したんだけど、都合の悪い歴史を無視した宣伝本。

キー配列の競争相手だったカリグラフについて、まるで存在しなかったような書き方。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

でもたぶん、どんな配列になっても、この本の中で度々書かれているタイプライターコンテストのように、結局は人間側が慣れると思います。

少なくとも、本の中で書かれているタイプライターコンテストの結果や、現在のタイピング大会の結果を見る限り、高速域でQWERTY配列は不利になりません。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

■Dvorak配列

タイピングのしやすさと身体的負担の軽減を追究して考案された配列で、タイプコンテストで優勝した多くの方がDvorak配列を使っているそうです。

慣れるとQWERTY配列より速く快適に打鍵ができるようですが、対応しているトレーニングソフトや書籍が少ないため、あまり普及していないのが現状です。
キーボードの配置のルーツとキーの役割を知ろう – チエネッタ

ドボラック配列を普及させたいという思いが強く、根拠の怪しい主張を繰り返していた
アンチQWERTY説を流布することに力を注いでいた
通信機器として使っていたテレタイプや、タイプライターではすでにQWERTY配列が定着していて、置き換えるコストが膨大になるためハードルが高かった
すでにコンピュータにもQWERTY配列が流用されるのが当たり前になっていて、売り込むのが難しかった
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

準備も含め半年近くを要した実験の後、ストロングは結局、ドボラック配列への転換訓練は、QWERTY配列の強化訓練を超える効果はなかった、と結論づけた。

タイプライターの時代は今よりも、打ち込むスピードが速ければ速いほど良いという判断基準だったと思われるので、「初学者が慣れる期間」よりも、「高速域での限界」のほうが重視されやすかったんじゃないだろうか。

そのため、ここまでの経緯を見てみると、どんなに打ちやすい配列でも、すでにシェアを独占していたQWERTYの牙城を崩すことは不可能だったと思う。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

「ドボラックが配列作成の根拠としていた使用頻度の計算(1932年)」と、新しい配列を提案した「グリフィスが計算した結果(1949年)」がかなり違ったとのこと。

グリフィスは「10万ワード51万文字分の英文用例を集め、それらをIBMの統計機にかけた」とのことで、どのような文章かはわからないけど、結構なボリュームだった様子。

それに対してドボラックが根拠としていたデータは、実は他の人のデータを拝借したもので、反論することができなかったとのこと。

「ちゃんとしたデータかもしれないけど、ちゃんとしてないデータかもしれない」と思わざるを得ず、やっぱり、どちらかといえば信用できない方向に傾いてしまいますね。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

そもそも最適化されるのは英文だけですね。

■Colemak配列

エルゴノミック(人間がより無理なく、効率的に使用できるデザイン)で快適に打鍵可能
Qwerty配列から移行しやすい
入力のほとんどを強い指で行え,同じ指の打鍵率が低い
英文の入力に最適化された配列

Dvorak配列のように英文入力に最適化され、かつ、Qwerty配列で利用してきたショートカットキーはそのまま使えるので移行がしやすいというメリットがあります。
ホームポジションを崩さないタイピングがしたくて3週間Colemak配列を触ってみた – Qiita

社会は「Qwerty配列」ばかりです。学校で使うPCは「Qwerty配列」ですし、キー配列を変更したまま友人にPCを貸すこともできません。配列を変えてからも、たまには「Qwerty配列」も触らないとナメクジの速度になってしまいました。
3週間程度では何年も使って身についた感覚は消えなかったので、少し触っていれば「Qwerty配列」に戻れました。
ホームポジションを崩さないタイピングがしたくて3週間Colemak配列を触ってみた – Qiita

■日本語入力について

日本語配列の記号の配置は、日本で考えたわけじゃなく、当時国際的に採用されそうだった規格を採用しただけ。

本を読むと、現在の英語配列のほうが、巨大企業であるIBMの押し付けによって、無理やり普及された配列だということがわかります。
QWERTY配列になった理由や歴史がわかる|『QWERTYの謎』の感想

結論から言うとローマ字入力がおすすめです。

というか現状、初心者だとローマ字入力しかおすすめできません。

JISかな入力は記憶量・難易度・英数字記号・シェアが低いことによる不便さなど、さまざまな点でデメリットが多いことがわかります。

また、「かな入力のほうが2倍速い」というのがありますが、実際の打鍵数の差は約1.5倍で、さらに打鍵範囲・シフトが必要な打鍵・打鍵順の規則性に差があるので、高速になるほど差が縮まります。
初心者はローマ字入力とかな入力どっちがいいのか比較

https://matome.naver.jp/odai/2158961353343273601
2020年05月16日