宅建とは?
宅建や宅建士とは「宅地建物取引士」の略称で、国家資格にあたります。そして、この宅建士になるための資格試験を「宅建試験」といいます。
宅建とはどんな資格?宅建士はどんな職業?資格の概要や仕事内容・活躍業界|コラム|宅地建物取引士(宅建)|資格取得なら生涯学習のユーキャン
宅建士とは、「宅地建物取引業者」で働く従業員をイメージされると良いでしょう。宅地建物取引業者とはいわゆる不動産会社のことで、土地や建物の売買、賃貸物件のあっせんなどを行っています。不動産取引はとても高額です。お客様の多くは不動産に関する専門知識や売買経験がほとんどないため、不当な契約を結んでしまうと思わぬ損害を被ることがあります。そのようなことがないよう、お客様が知っておくべき事項(重要事項)を説明するのが宅建士の仕事。そして、重要事項の説明をお客様にできるのは宅建士だけです。宅建とは、不動産取引の専門家を示す資格、といえるでしょう。
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宅建を取るとさまざまな仕事に活かせる!
宅建の資格を取得すると、不動産会社への就職や転職、さらには独立開業という道が開けます。例えば、以下のようにお考えの方におすすめです。
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●キャリアアップを目指したい方
不動産会社勤務の場合、宅建の資格があればキャリアアップがより現実的になります。支店長などの役職に就ける可能性が上がり、不動産の売買・賃貸に限らず仕入れや保険会社・金融機関との交渉といった仕事で役立ちます。また、不動産取引法務のプロとして活躍する機会もあります。資格手当がつくなど、給与面での待遇が上がるケースもあるでしょう。
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●転職に役立てたい方
宅建士の需要は不動産業界だけにとどまらず、他業界にも広がっています。例えば建築会社では、自社で建築した物件を販売する際に宅建の資格が必要になります。金融機関では、不動産の担保価値を評価して融資することが多く、特に都市銀行のほとんどがグループ会社に不動産販売会社を持っているので、宅建の資格が重視されます。不動産管理会社では、不動産分譲の仲介を行い、さらに管理もする会社が増えており、やはり宅建の資格が必須です。
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宅建士ってどんな仕事?
宅建はどうやら役に立つようだからとりあえず取っておきたいという人や資格マニアな人もいるかもしれませんが、宅建士の仕事がどのようなものなかチェックしておきましょう。
宅建業者(いわゆる不動産屋さん)には、従業員5人につき1人以上は宅建士を置かなければならないことが法令で定められています。
不動産取引の重要な役割を担うのですから、どの事務所にも一定数の宅建士がいなければならない、というわけです。
宅建士はどんな仕事をするの?/宅建士 はじめの一歩【TAC】(2) | スタディウォーカー
【① 不動産の売買・交換を自分で行うこと】
不動産会社自らが所有する土地を分譲販売する行為や、マンション業者が大規模なマンションを建設し、直接お客さんに販売する行為などが当てはまります。
【② 不動産の売買・交換を代理・媒介すること】
不動産会社が、マンションなどの所有者からそのマンションの売却を依頼されたケースが当てはまります。売主は、不動産会社を通じてお客さんを探してもらい、契約を交わすことになるのです。媒介は一般的には「仲介」とも呼ばれます。
【③ 不動産の賃貸借を代理・媒介すること】
不動産会社が、アパートやマンションを管理するいわゆる「大家さん」から、空き部屋の借り手を探すよう依頼されたケースが当てはまります。
不動産会社は、そうして集められた物件情報の中から、お客さんに見合った物件を紹介していき、貸し手側の「大家さん」と借り手側の「お客さん」を「仲介」します。
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宅建士にしかできない独占業務は?
【① 重要事項の説明】不動産の取引では、高額な金銭やさまざまな権利が動きます。そこで、取引に関するトラブルを回避するために、宅建士は、契約を結ぶ前に、必ずその物件に関する「重要な情報(重要事項)」をお客さん(買主・借主)に説明しなければなりません。
「重要な情報」には、たとえば、物件の所在地や売主(貸主)、土地・建物の用途やその制限、電気・ガス・水道の整備状況などが含まれます。
【② 35条書面(重要事項説明書)への記名・押印】
重要事項の説明にあわせて、「重要な情報」の内容が記載された「重要事項説明書」に記名・押印をし、交付します。
【③ 37条書面(契約書等)への記名・押印】
重要事項の説明が終わり、お客さんがその内容に納得すれば、いよいよ契約です。宅建士は、契約書の内容に誤りがないかどうかを確認して、記名・押印します。
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宅建はいつあるの?
毎年1回、10月の第3日曜日に、次の時間で実施します。
・午後1時~午後3時(2時間)
※ただし、登録講習修了者は、午後1時10分~午後3時(1時間50分)
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験の概要
受験申込の受付
【インターネット】毎年7月1日から15日まで(原則)
【郵送】毎年7月1日から7月31日まで(原則)
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合格発表
原則として、12月の第1水曜日又は11月の最終水曜日に、都道府県ごとに発表します。
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験の概要
宅建試験は1年に1回しか行われないのです・・・。
不合格だった場合はまた1年後になります。
宅建の難易度は?
宅建試験は簡単という声も時々聞きますが、国家資格試験の中での難易度では中程度(普通)だと言われます。 難関と言われる国家資格を合格率で比較していくと、行政書士(5%)、一級建築士(5~10%)、不動産鑑定士(7~12%)、税理士(8~15%)、技術士・情報工学(10~13%)、社会保険労務士(10%)などがあり、それよりも合格率がやや高い宅地建物取引士の15~17%は中程度とされるのです。中程度とはいえ、その合格率は毎年15%程度ですので、初学者がろくに学習せずに運で受かるほどには簡単な試験ではありません。
宅建とはどんな資格?試験概要・難易度・対策方法を徹底調査!
・最近の合格率
平成30年15.60%
平成29年15.60%
平成28年15.40%
平成27年15.40%
平成26年17.50%
平成25年15.30%
平成24年16.70%
平成23年16.10%
平成22年15.20%
平成21年17.90%
宅建とはどんな資格?試験概要・難易度・対策方法を徹底調査!
試験の内容は?
不動産に関する法律や税制、宅建取引士の免許や報酬、その年の統計資料などについて幅広く問われます。 出題形式はすべて四肢択一のマークシート形式で、1問1点で50問出題される50点満点です。 試験の問題は、「宅建業法」、「法令上の制限」、「権利関係」、「税金その他」の4つの科目から出題されます。
宅建とはどんな資格?試験概要・難易度・対策方法を徹底調査!
宅建取引士として必要な知識の要ともいえる「宅建業法」は特に比重が大きく、例年50問中20問出題されます。(実施年によっては出題数が異なる場合があります。)宅建業法は宅建に関しての定義、法律、免許や報酬などを学ぶ科目で、他に比べて簡単で点数も取りやすいので、満点を狙うくらいの意気込みで力を入れるべきです。確実に学習し、得点できる得意分野にすることで合格がぐっと近付くと言っても過言ではありません。逆に言えば宅建業法で点数が取れないようでは合格が難しいということです。
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次に多いのが「権利関係」で出題数は例年14問ですが、民法や借地借家法など難しい問題が多いため点数が伸びず、多くの受験生が苦手とする科目です。単純に暗記だけでは解けない問題が多く、事例問題も多く出されるので、しっかりと読んで判断する時間も力も必要になるためです。しかし、配点も大きいので、苦手だからと諦めることはせず、十分に時間を取り、重点的に勉強することが必要になります。
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「法令上の制限」と、「税金その他」に関しては例年8問ずつの出題となります。 「法令上の制限」とは、前述の「重要事項の説明」においても対象となる「都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限」で、政令で定めるものに関する事項の概要です。土地を購入し、造成し、建築物を建てるそれぞれの段階でそれぞれに存在する法律を学ぶことになります。よく耳にする「建築基準法」などもこれに含まれます。
「税金その他」は、固定資産税、不動産取得税、所得税、印紙税、登録免許税、贈与税などの税金に関する問題と、住宅金融支援機構、不当景品類及び不当表示防止法、土地、建物、不動産評価基準、地価公示法などを学びます。また一年に一度発表される統計資料に関しても1問出題されます。
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宅建は独学でもOK?
結論から言えば不可能ではないと言えます。実際に過去独学で合格した人もいます。 合格率が15%程度しかなく、合格基準点も目安程度しかないことを考えると簡単ではありませんが、費用が教材費等のみの最低限で済むこと、自分のペースで勉強できること、やりたい科目を納得いくまで繰り返せることなど、独学で学ぶメリットはあります。 では、独学で勉強を進める場合、どういったことを心掛ければ良いのでしょうか。
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自分に合ったテキストを選ぶ
勉強を始めるには当然テキストが必要となります。今は書店や通信販売で色々なテキストが手に入ります。通信販売で購入する場合は実際にそのテキストを使った人たちの口コミを見られることがありますし、ブログやまとめサイトなどでは受験経験者の方が情報を掲載しているので、自分と好みや条件が合う人がいればそちらも参考になるかも知れません。事前に情報を集めたり、実際に手に取ったりして自分に合うかどうかを確認してから購入しましょう。
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法改正はあらかじめチェックをする
独学で怖いことの一つは法改正に適切に対応できないことです。一生懸命過去の問題を解いたけれど、それが法改正以前の問題集で法律が変わっていたため、せっかく覚えたことが正解ではなくなっていた…などとことがないよう、きちんとチェックしておきましょう。
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学習計画を立てる
次に必要なのが、試験直前になって学習が間に合っていないということがないように学習計画を立てることです。 宅建を独学で学んだ人の経験談によると学習時間は100~400時間とずいぶん開きがありました。どんなテキストや勉強法を選ぶかということでもこの時間の差は出てくるでしょうが、どれだけのまとまった時間集中して勉強できるかにもよるでしょう。また、学習時間は多ければいいというものではありませんが、過去問を繰り返す時間があった方がいいのは間違いありません。初学者の方は学習期間だけでなく、気持ちの上でも余裕を持てるように、試験までの日程に余裕があるのなら少し多めの学習計画を立てるのがおすすめです。
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宅建業法は満点を目指す
先ほども触れましたが、宅建業法は宅地建物取引士の基本です。初学者にもいちばん分かりやすい科目で、他の科目よりも点数が取りやすいので、まずはここでしっかりと基礎を固めましょう。最初は何を言われているのかさっぱり分からないことも多いですが、学習を進めるうちに理解できることも増えてくるはずです。
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独学は難しいかもと思ったら通信やスクールという手も
独学は難しいかもしれないと思った人は通信講座やスクールに通うという手もあります。
自分に合った勉強方法を見つけてみてくださいね。
宅建にチャレンジしてみよう!
宅建は不動産業界に就職・転職したい人の強い味方です。
将来的に独立したい、手に職をつけたいという人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。