有島武郎
『カインの末裔』で知られる日本の作家です。
『一房の葡萄』は、学校で学んだと思います。
キリスト教信者でもあります。内村鑑三に師事する。
人妻であった波多野秋子と共に、心中した。
映画好きにとっては有名ですが、森雅之は有島武郎の息子です。
DMMゲーム『文豪とアルケミスト』に、有島武郎をモデルにしたキャラクターが登場します。
声優は、保志総一朗さんが演じています。
初版道@signbonbon
文房堂(ぶんぽうどう)@bumpodo
惜みなく愛は奪ふ
愛は自己への獲得である。愛は惜みなく奪うものだ。愛せられるものは奪われてはいるが、不思議なことには何物も奪われてはいない。然し愛するものは必ず奪っている。
『惜みなく愛は奪ふ』有島武郎
思想は一つの実行である。私はそれを忘れてはいない。
『惜みなく愛は奪ふ』有島武郎
描かれた花
人間が人間たり得た唯一の力は、自然が持つ均衡を打破つて、その或る点を無限に誇大するところに成立つ。人類の歴史とは、畢竟この誇大的傾向の発現の歴史である。
『描かれた花』有島武郎
大地に根をおろして、梢を空にもたげるものは栄える。梢に大地をつぎ木して、そこに世界を作らうとするものは危い。
『描かれた花』有島武郎
二つの道
人は相対界に彷徨する動物である。絶対の境界は失われた楽園である。
『二つの道』有島武郎
運命と人
人間の生活とは畢竟水に溺れて一片の藁にすがらうとする空しいはかない努力ではないのか。
『運命と人』有島武郎
小さき者へ
小さなことが小さなことでない。大きなことが大きなことでない。それは心一つだ。
『小さき者へ』有島武郎
お前たちを愛する事を教えてくれたお前たちに私の要求するものは、ただ私の感謝を受取って貰いたいという事だけだ。
『小さき者へ』有島武郎
小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。
『小さき者へ』有島武郎
生れ出づる悩み
ほんとうに地球は生きている。生きて呼吸している。この地球の生まんとする悩み、この地球の胸の中に隠れて生まれ出ようとするものの悩み――それを僕はしみじみと君によって感ずる事ができる。それはわきいで跳り上がる強い力の感じをもって僕を涙ぐませる。
『生れ出づる悩み』有島武郎
ウェブ版美術手帖@bijutsutecho_
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カインの末裔
天も地も一つになった。颯と風が吹きおろしたと思うと、積雪は自分の方から舞い上るように舞上った。それが横なぐりに靡いて矢よりも早く空を飛んだ
『カインの末裔』有島武郎
二人の男女は蟻のように小さくその林に近づいて、やがてその中に呑み込まれてしまった。
『カインの末裔』有島武郎
山本芳久@201yos1