エジプト神話・アテンってどんな神?

ユミアンヌ

アテンとは?

アテン、アトン(Aten)は、エジプトの太陽神の一つ。
アテン – Wikipedia

もともとは夕日を神格化した神で、テーベで祀られていた[1]が、マイナーな地方神の一つにすぎず、これといった神話もなく、どんな神なのか、はっきりした性質ももたなかった。そのため当初から人々の解釈としては、夕日の神であることから、太陽神ラーと同一視されたが、あまり信仰は盛り上がらず、後には神性が薄れて、天体としての太陽を表すようになっていった。
アテン – Wikipedia

太陽から無数の光線が手のように伸びてきて恵みを与えてくれるという、日本で言うとこの千手観音的な神様。見上げればそこにいて、どこからでも礼拝OKなため神殿はいらないことになっているが、アクエンアテンがアテン神のために建造して遷都したアケトアテン(アテンの地平という意味)にはアテン神殿があった。逆に言えばそこ以外ではあまり信仰されなかった。

また、その神と語らうことが出来るのは神官ではなく王のみとされたことも特徴である。
エジプト神名リスト:アテン

アマルナ革命で唯一神に

アテンを崇拝するファラオアメンホテプ4世と彼の家族

アメンホテプ4世の妃ネフェルティティはアテン神[2]を信仰していた。妃の影響もありアメンホテプ4世もアテン神を信仰していた。一方、当時エジプトで信仰を集めていたのはアテン神ではなく、旧来の太陽神アメンであった。アメンホテプ4世の治世に於いてアメン信仰は全盛期を迎え、アメンを讃えていたエジプトの神官たち(アメン神団)はファラオをも凌ぐ権勢を誇った。アメンホテプ4世は、アメン神団を抑圧し王権を強化する目的で、自分の名も『アクエンアテン』に改め、アメン神の文字を削った。王家としてのアメン信仰を停止し、アテン信仰をもってこれに換えたのみならず、他の神々の祭祀を停止し、偶像を破壊するなどしたため、多神教ではなく一神教の様相を呈するに至った。これを「アマルナ宗教改革」または「アマルナ革命」[3]という。
アテン – Wikipedia

唯一神時代の色をよく残すアテン賛歌

アテン神に纏わる神話と教義は、ほぼ全てがアクエンアテンの時代に作られており、その後、この熱狂的な王の死と共に捨て去られたため、変化することなく作られた当時の状態で残されていて分かりやすい。
エジプト神名リスト:アテン

あなたは東の地平線から美しく現われ出る。生きるアテン。生命を生み出した者よ。
あなたは東の地平線から昇り、あなたの美しさで全土を充たした。
あなたは美しく、偉大で、輝き、地上のすべての者のはるか上にいる。
あなたの光は、あなたが創ったすべてのものの前で、全土を包む。
あなたが西の地平線に沈むと、大地は闇の中で、死んだようになる。
人々は、寝室で頭を被って眠る。
目は別の目を見ることは出来ない。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

すべてのライオンがその穴より出て来、すべての蛇はかみつく。
あなたが地平線から昇り、昼間アテンとして輝くと、大地は明るい。
あなたは闇を追い払い、光を与える。
国中が活動し、すべての群がその牧草に満足する。
草が緑に育ち、鳥はその巣から飛び立ち、その翼はあなたのカーを礼拝する。
すべての小家畜は、その両の足で飛び跳ね、そして飛び、舞い降りるすべてのものも。
それらはあなたが昇ると生きる。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

あなたの行うことの何と多いことよ。しかし、それは人々の視界から隠されている。
唯一の神。それ以外存在しない者。
あなたは一人で、あなたの心のままに大地を創った。そして、人類、大家畜、小家畜、
地上にいて、その両足で歩む全てのもの、空中にいて、その翼で飛ぶもの、カルゥとクシュの国々、
エジプトの国を創った。
あなたは、すべての人を、そのあるべき場所に置いた。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

あなたは彼らの糧を作り、誰もがその食物を持ち、その寿命が数え上げられる。
舌は言葉によって区別され、彼らの性格もまた、区別される。
彼等の皮膚の色は区別される。
あなたは、それぞれの国の住民を区別した。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

すべての遠い国々、それらをあなたは生かす。あなたは天にハピ(ナイル河)を置いた。
それが彼らのために下るように。それは海のように、山々の上に波を作りだす。
それが彼らの畑と彼らの町を潤すように。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

あなたは私の心の中にいる。
あなたの息子であるネフェル・ケペル・ラー=ウア・エン・ラー(アクエンアテン)以外に、
あなたを知る別の者はいない。
あなたは彼に、あなたの計画とあなたの力を知らせる。
アテン賛歌−ピラミッドテキスト;アイの墓より

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2019年12月15日