性被害の8割以上は「顔見知り」からの犯行。その実態と問題点

まひろちゃんぶー
日本における性被害の8割は「顔見知り」からの犯行であることが分かっています。その実態とそれ故の問題点とは。

■性暴力

いつ、どこで、だれと、どのような性的な関係を持つかは、あなたが決めることができます。望まない性的な行為は、性的な暴力にあたります
性犯罪・性暴力とは | 内閣府男女共同参画局

おもに女性に対して損害や苦痛を与え,人間としての尊厳を侵害する力の行使をさす
性暴力(せいぼうりょく)とは – コトバンク

性暴力の被害者を、被害から生き抜いた人という意味を込めて「サバイバー」と呼ぶことがある。
10代半ばで凄惨な性暴力に遭った彼女の告白 | 性暴力サバイバーの明日 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

■その件数はかなり多い

平成29年中、強制性交等は約170件、強制わいせつは約700件、痴漢(迷惑防止条例違反)は約1,750件発生
こんな時間、場所がねらわれる 警視庁

東京都の数字です。

およそ10人に1人は、子どものころに性的な虐待を受けた経験がある。クラスに2人か3人はいる
声をあげることが性暴力からの救いにはならない。それでも訴えると変わること

全国の20~60代の女性680名を対象に「レイプ被害の経験」について調査したところ、全体でおよそ1割の人が「レイプされかけた経験がある」と回答。20代では約2割
彼女がレイプ被害告白で「別れたい」 男性の赤裸々投稿に同情と叱咤の声 | ニコニコニュース

■性被害のうち、なんと「8割」は顔見知りだという

驚いたのは、身内を含めた“顔見知り”からの被害です。相談の8割を超えていました。
WEB特集 “なかったことにはできない” 顔見知りからの性暴力 8割以上 | NHKニュース

名古屋第二赤十字病院にある「性暴力救援センター日赤なごや なごみ」に寄せられている情報を基にした結果です。

内閣府が2014年度に行った調査によると、「異性に無理やり性交された経験がある」と答えた女性は15人に1人。そのうち、顔見知りからという人が約75%
性暴力被害 あまりに知られていないその実態 – 記事 | NHK ハートネット

多い順に「交際相手・元交際相手」28.2%、「配偶者・元配偶者」19.7%、「職場・アルバイトの関係者」13.7%。
性暴力の相談「警察は顔見知りからの被害を嫌がる」立件に向けた高いハードル(上) – 弁護士ドットコム

■顔見知りだからこその問題点が…

抵抗できない、警察に届け出ることができないなど。

“顔見知り”だからこそ、抵抗できなかったり、被害を訴えることが難しかったりすることがある
WEB特集 “なかったことにはできない” 顔見知りからの性暴力 8割以上 | NHKニュース

自分自身がその内輪のコミュニティーから排除されたり、時には攻撃されたり抑圧されたりということもあるので、告発すること自体が第2の恐怖の体験となる
性暴力被害 あまりに知られていないその実態 – 記事 | NHK ハートネット

過半数の24件では抵抗しなかったり、できなかったりした。警察に相談をしたのは9件あったが、加害者が有罪になったのは2件だけ
同意ない性交は性暴力 顔見知り大半、自分責める被害者 | ガールズちゃんねる – Girls Channel –

■性犯罪としての立件が難しいという問題も

警察が最も嫌がる例は相手が顔見知り、さらに元交際相手といった場合です。例えば「元彼から話があると言って一人暮らしの家に行ったら、急に襲われて強姦されました」という場合、服を派手に破られたり体に傷があったりすれば別ですが、通常は目撃者も証拠もないので立件は難しい
性暴力の相談「警察は顔見知りからの被害を嫌がる」立件に向けた高いハードル(上) – 弁護士ドットコム

被害に遭って初めて、司法も警察も病院も、被害者をケアする体制にはなっていないことがわかりました。
日本ではレイプが日常的に起こってしまう

伊藤詩織(いとう・しおり)の話です。

見知らぬ人から突然襲われたケースより、知人から被害を受けたケースのほうが、警察に行かずに泣き寝入りしたり、自分で加害者と話し合って解決しようとする人が多い
性暴力の8割「知人から」…被害者支援の弁護士「自分を責めないで」 – 弁護士ドットコム

■法の不備も警察の動きを鈍らせる

第177条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する
刑法第177条 – Wikibooks

準強制性交罪(刑法178条)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
「それはレイプではなかった」と言われて。19歳だった女性は検察に絶望した

「反抗を著しく困難ならしめる」というのは、女の子からすれば著しく困難になっているんだけれども、客観的に見ると「そこまで抑圧されてないでしょう?」というケースが多い
性犯罪、刑法改正でも抜け穴「強い暴行・脅迫がない性被害は野放し状態」(下) – 弁護士ドットコム

■結局一人で耐えるしかない…という状況に

相談する相手はいませんでした。警察への不信は大きかったですし、親になんて言えません。
性暴力は抵抗すれば防げる?被害者も悪い? その時被害者はどう行動しどう感じるのか | おたくま経済新聞

「被害者は、誰にも助けを求めることができない状況で、一人で耐え続けるしかなかった」
神戸新聞NEXT|総合|強制性交容疑 加害者「身近な大人」傾向強く

被害を受けて通報した人の割合は、強姦が約8%、強姦未遂が4.5%で、どの被害でも通報率が10%を超えてはいなかった。
声をあげることが性暴力からの救いにはならない。それでも訴えると変わること

■そして「自分が悪い」と思ってしまう

被害を“なかったこと”にしてしまう。その要因の一つが“自分に落ち度がある”と思わされてしまうことにある
WEB特集 “なかったことにはできない” 顔見知りからの性暴力 8割以上 | NHKニュース

周囲のみんなが「あなたは何も悪くないよ」と言っても,彼女は,「でもやっぱり自分が悪い気がする」と言った
http://vsco.info/270725kouen4.html

性暴力に関する報道のたびに、被害者が非難されます。こうした非難は、なぜ起こるのでしょうか。
不安感が「被害者バッシング」を生む…「自分は大丈夫」信じたい人間の心理 – 弁護士ドットコム

被害者バッシングも被害者を苦しめます。

■以上のような現状は変えなくてはならない

相手が望んでいない性行為をしていい理由、レイプをしていい理由はどこにもありません。絶対にありません。
WEB特集 “なかったことにはできない” 顔見知りからの性暴力 8割以上 | NHKニュース

被害を受けた人が安心して相談でき、支援を受けられる体制を整備するとともに、社会が性暴力に対する正しい知識を持つことが、被害者への偏見をなくし、支えることにつながります
性暴力被害 あまりに知られていないその実態 – 記事 | NHK ハートネット

まだ第1歩を踏み出しただけ。これでよし、とするのではなく、これから第2歩第3歩と積み重ねていかなければなりません
性犯罪、刑法改正でも抜け穴「強い暴行・脅迫がない性被害は野放し状態」(下) – 弁護士ドットコム

110年ぶりに性犯罪の罰則が見直されましたが、その他、改善すべきことは山ほどあります。

■性暴力は顔見知りが大半を占めるということに対するネットの声

https://matome.naver.jp/odai/2156282221288747401
2019年07月11日