彼らが世界を破壊する
彼らが世界を穢す
彼らが調和を乱す
彼らが全ての命を殺す
全ての命が救われる
永遠の平和が訪れる
一つの命を殺すことによって
一つの種の命を殺すことによって
何も間違っていない
何一つ間違っていない
真理 正義だ
私が常に憂慮しているのは、いつかはついに、人間を殺すのに最も手っ取り早い方法がとれる、何らかの秘密が発見され、諸民族、諸国民全体が滅ぼされてしまうのではないかということです。
生と死との記録
凡てが澱んだままの重苦しいそして静かな一日が続いた。過去のことが直接に未来に向って蘇っていった。
生と死との記録
「沈黙」の話
寡黙の徳を讃えるのは、東洋道徳の一つであり、西洋道徳の一微分でもある。
「沈黙」の話
非情の愛
眼に見えるものを信じなされてはいけませぬ。心に見えるものを信じなされませ。
非情の愛
夢の卵
そんなに夢のことばかり考えないで、お前はもっと確かなことに心を向けなければいけない。
夢の卵
未来の天才
幸福というものは、何時何処から舞い込んでくるか分らない。それをうまく捉えることが肝要なのだ。
未来の天才
私は腕を組んでぼんやり考えた。何にも分らなかった。世界のうちに只一人でつっ立ってるような気持ちだった。
未来の天才
三つの嘘
私は孤独だ。私はもう死ぬ。財産もいらない。愛情もいらない。世の中もいらない。私はもう死ぬ。
三つの嘘
死ね!
――死ね、死んでしまえ。
死ね!
「自然」
さはあれ、落葉の上を一人で歩くのは淋しく、二人で歩くのは楽しく、大勢で歩くのは喜ばしいだろう。
「自然」
録音集
雨にも――雨に対しておかしな言葉だけれど――乾燥した音と濡れた音とがある。
録音集
紫の壜
――考えることなんか何があるものか。ただ悲しみに浸れ。そこにお前の人生がある。
紫の壜
金魚
今日は一日何にもしないで暮そう。
金魚
僕はあの日のことを考えると、馬鹿々々しいのか腹立しいのか分からなくなってしまう。それが僕の愉快なるべき一日だったんだからね。
金魚
蜘蛛
蜘蛛は面白い動物である。近代人的な過敏な神経と、偉人的な野性と、自然的な神秘さとを具えている。
蜘蛛
悲しい誤解
時間が途切れ途切れになったような、明滅する意識のなかで、私はさきほどの、自分の卑屈な微笑を自分で味っていた。
悲しい誤解
明日
僕の予定は、一日くらいなら立てられる。朝のうち電話ででも打合せておけば、その日中のことなら、立派に約束を守られる。けれども、明日になると、もういけない。明日の負担を負わせられることは、今日の僕にとっては、堪え難いことになる。
明日
他の人達と同視されることを憤慨するのは、如何なる直接的な自己主張よりも、一層強い自己主張になる。
明日
奇怪な話
常人にとっては、狂人は異常であるが、狂人にとっては、常人がみな異常に見えるであろうことは、たやすく想像がつく。
奇怪な話
自由人
悲しみにこそ生きむ
楽しさにこそ死なむ
自由人
文学に於ける構想力
誰と共に吾々はいるのか。誰と共にもいない。出発に当って、道連れは何なのか。恐らくは原子爆弾であろう。
文学に於ける構想力
ふざけた読書
某氏ある時、夜眠れぬままに、或る難解な書物を取出し、一頁と読まないうちに眠り、そののち幾夜も、同様にして、遂にその書物を二頁とは読まずに終ったが、然しその書物は、彼を眠らせ心身を休めてくれる最も貴重なものとなったという。
ふざけた読書
空とはどのような青さなのですか?
メガトン・サーガ#女神問弧印 #女神問孤印https://t.co/cdyE0aTeXE
— Aozora&Gutenberg (@sorasouyo433) April 20, 2019