いたちごっこも遂にここまで来た
2017年7月、GoogleはTriadaの新たなタイプが出現していることに気づきました。これまではAndroidデバイスに感染してトロイの木馬型マルウェアとして機能していたTriadaが、出荷前のAndroidデバイスにプレインストールされているファームウェアのバックドアとなっていたそうです。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
そもそも「Triada」って何?
2016年に発見された当初のTriadaはトロイの木馬型マルウェアであり、感染したAndroidデバイスに悪意のあるアプリをインストールしたり、スパム広告を表示させたりしていました。
ウェブブラウザに対しても機能を発揮し、ウェブサイトのURLを上書きしてTriada制作者に利益をもたらす広告バナーを表示させるなどの攻撃を行っていたとのこと。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
要するに、Triadaに感染した場合、アプリを勝手にインストールしたりWeb広告などを表示するなどでAndroidデバイスの乗っ取りに近い挙動を起こすウィルスの事
Googleも対策はやってきていた
もちろんGoogleがTriadaを見逃し続けるわけがなく、Google Play プロテクトを使用して全てのデバイスからTriadaを削除する対策をとります。もともと古いAndroidデバイスをターゲットにしていたTriadaは、この対策によって新たにAndroidデバイスへ感染することが困難になったと思われていました。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
なぜ出荷前のデバイスに感染していた?
Androidデバイスを製造するメーカーのファームウェア製造工程にあるとのこと。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
多くのメーカーは顔認証によるデバイスロック解除など、オープンソースとなっているAndroidプロジェクトに含まれていない機能を、自社のAndroidデバイスに組み込もうとします。その結果、目的である機能の開発をサードパーティのソフトウェアベンダーに依頼します。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
このサードパーティベンダーがTriada攻撃の媒介となっており、メーカーに依頼された機能のコードにTriadaのコードを紛れ込ませていると、Googleは指摘しています。Googleの分析によると、「Yehuo」あるいは「Blazefire」という名称を使用しているベンダーが、AndroidデバイスにTriadaを感染させていたとのこと。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
要約すると、Google純正のAndroid機能以外のものを他社に依頼して、機能を搭載したら実はその他社の機能自体に既に感染していたという事。
当然更に対策を実施している
Googleはすでに影響を受けたメーカーと協力してシステムのアップデートを提供し、Triadaを削除したほか、Triadaに類似した他のマルウェアについても全てのAndroidデバイス上でスキャンを行ったとしています。今回の事例から、Android向けマルウェアの開発者が熟達した技能を有していることがわかるとGoogleは主張しました。
Android向けマルウェア「Triada」はGoogleの対策に応じて出荷前のデバイスに組み込まれるように進化していた – GIGAZINE
今回の件はユーザーとしては不安しかない内容ですが、基本的には各メーカーで既に対策済みなものなので安心して良いでしょう。
ただ、アプリをインストールする際やSIMフリーのよくわからないメーカーのデバイスを購入する際には注意が必要です。