接客とは
国語的な意味だと、接客は家や会社、店などに何らかの目的を持って訪ねてくる人――お客様を迎え、応対することになります。
しかし、これは接客本来の意味ではありません。ほんとうの意味での接客とは、お客様とそれらを繋ぐことです。
接客とは何か?意味を知ると業務上の悩みが減りますよ! – 知ッタメ!
「日本」の接客
日本の小売・サービス業では、「お客様は神様である」という言葉が当たり前に流通している。
「お客様は神様」がドイツ人にはありえない理由 | ヨーロッパ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
「お客様は神様です」とは、1961年(昭和36年)頃の自身のステージ上、三波と司会を務めた宮尾たか志との掛け合いMCの中で生まれた言葉である
三波春夫 – Wikipedia
宮尾の「三波さんは、お客様をどう思いますか?」の問いかけに、三波は「うーむ、お客様は神様だと思いますね」と応える。
三波春夫 – Wikipedia
ただし、あくまでオーディエンス(観衆)に対して、神様に捧げるように歌うといった意味であって、提供する側の発信的な意味しか持ち合わせていない。
それを曲解した方々が、客側からもその考えを求めるべきだと、半ば強引な解釈が現在なされている。
現在に至ってこの考え方が大きな問題となっている。
通常は「お客様を神様と思って徹底的に奉仕せよ」という意味で用いられるようだが、この言葉を聞くたびに、いったい神様に対して人間ごときが何をできるというのだろうと不思議に思う。そもそも神は奉仕する対象なのか。一見、非常にもっともらしい言葉のように聞こえて、その内実には違和感がある。
お客様は神様でない|日本総研
「イギリス」の接客
前にイギリス人と話をしていたとき、「日本での客と店員の距離感は、イギリスとはかなり違うな」と感じたことがあった
日本とイギリスの接客の違い。客は神様ではなくて「友達」。 | ゆかしき世界
「日本のお店に入ったとき、店員から『いらっしゃいませ』って言われたら、なんて言葉を返したらいいんだ?」
「店員の『いらっしゃいませ』に客は返事をしなくてもいいよ。日本ではそれが当たり前だし、店員だって気にしないから」
日本とイギリスの接客の違い。客は神様ではなくて「友達」。 | ゆかしき世界
「この人、店員から『いらっしゃいませ』って声をかけられたら、『いらっしゃいませ』って店員に言ってるの。それで笑い出したコンビニの店員もいたわ」
日本とイギリスの接客の違い。客は神様ではなくて「友達」。 | ゆかしき世界
まあ、日本でそれをやったら、おかしく思う店員はいるだろうね。
でも夫に言わせると、店員が声をかけているのに何も言わないでいるのは、まるでその人を無視しているようで心苦しいらしい。
日本とイギリスの接客の違い。客は神様ではなくて「友達」。 | ゆかしき世界
日本においても、キャビンアテンダントやホテルマンなど「一流の接客」の考え方には”返事ができない接客”というのはNGだという考え方があります。
×いらっしぃませ → ○おはようございます or こんにちは 等
距離感の近い接客態度
日本で店員とお客さんの関係は明確。
『お客様』という言い方からもわかりますが、店員は、偉~いお客さんのずっと下の立場。でも、イギリスの場合は、この店員とお客さんとの『差』があまりなかったり、
曖昧だったりします。
日本とイギリスの接客の違い - その① : ロンドン発 アストンローズ便り
偉いお客さんとして扱われるのに慣れてしまっている日本人にとって、
イギリスの接客は、『失礼』、『いい加減』、『言い訳が多い』と感じることがあるかと思います。逆に、普段イギリスの店員の対応に慣れていると、日本の店員さんの対応がすごく過剰に映り
『しつこい』、『すぐに謝りすぎ』と、感じてしまいます。
日本とイギリスの接客の違い - その① : ロンドン発 アストンローズ便り
スーパーなどでも、とてもフレンドリーに話しかけてくるらしいです。
「アメリカ」の接客
多くの海外、特にアメリカの文化は日本の文化とだいぶ違います。
上下関係なんてありません。特にアメリカでは「自分の相手が平等である」
ということを表現するのが最も大事なことです。
日本語と英語の接客の1つの違いをご存知ですか? | IU-Connect
友達同士の場合でもお客さんの場合でも、使う単語はあまり変わりません。店員の場合に使う英語の方が友達より優しい感じがするだけです。
日本語と英語の接客の1つの違いをご存知ですか? | IU-Connect
チップ制
接客でかなり大きな違いで、飲食店で使われているのはチップ制。
アメリカではサービスがよければ合計の15%とそのぶんの気持ちを形にして渡すのが主流。
その一方日本ではチップ制などなく、その代わりちょっとだけ時給が高かったりする。
日本とアメリカの接客の違い、外国人がびっくりすること 飲食編 – マルチリンガールREIGNA
チップは制度ではなく、あくまでも感謝の意。受けたサービスに対し「ありがとう」という気持ちを込めて、相手にいくらかの代金を支払います。
【完全版】「アメリカではチップをいくら払えばいい?」チップの常識と英語表現まとめ | DMM英会話ブログ
強制ではないとはいえ、アメリカ滞在時にチップを支払わなかったり額が少なかったりすると、相手とトラブルが起こる可能性があります
アメリカでのチップの払い方講座!旅行前に覚えてサッと渡そう! | 英トピ
なかなか渡し方もタイミングも難しそうですが、渡してみたいですね。
「ドイツ」の接客
「おもてなし」を世界に誇る日本からドイツに来られて、商店などでの顧客サービスの悪さに強いショックを受けられた方もいらっしゃるのではないだろうか。
なぜドイツはサービス砂漠なのか? – ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト
最も目につくのは、商店やレストランでの店員の態度の悪さだ。先日、あるドイツ料理店でお金を払うために財布の中を見ると、あいにく小額紙幣がない。このため100ユーロ(約1万3000円)紙幣を出したら、店員に「こんな高額紙幣で払うなんて!」とすごい剣幕で怒られた。
「お客様は神様」がドイツ人にはありえない理由 | ヨーロッパ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
なぜドイツ人はサービスが不得意なのだろう。ドイツ語でサービスはDienstまたはDienstleistung だが、この言葉はdienen、つまり、誰かに仕えるという動詞からきている。dienenというドイツ語には、従属的な語感がある。自分が他者に対して、低い地位にいるような印象を与える。つまり、個人主義と独立性を重んじるドイツ人にとっては、イメージの悪い言葉だ。
なぜドイツはサービス砂漠なのか? – ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト
サービスは無料ではない
私は毎年、少なくとも1度は日本に出張するが、その度に手厚いサービスを受けて感激する。
東京のあるホテルでは、ズボンのファスナーが壊れたため、「修理してくれる店を教えてくれませんか」と尋ねると、頼んでもいないのに無料で直してくれた。
なぜドイツはサービス砂漠なのか? – ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト
他にも、日本でのサービス文化について触れれば枚挙にいとまがありません
ドイツではサービスが無料ではない。この国の企業や商店は、サービスを提供するためのコストを常に考慮する。
なぜドイツはサービス砂漠なのか? – ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト
職務分掌が厳しく決められており、いくら忙しいときでも、ほかの人の仕事を取ることは許されない。たとえ客から頼まれても、順番を待つ客が長蛇の列を作っていても、店の内部の決まりを破ってはならない。つまり日本に比べると融通が利かず、柔軟性に欠けるのだ。
「お客様は神様」がドイツ人にはありえない理由 | ヨーロッパ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
「フランス」の接客
日本ではどんな客に対しても平等に笑顔で接するのがプロの接客というイメージがあるように思います。でも、フランスでは店員の気分によって接客の質が上下するのもお愛嬌といった空気があります。
フランスで店員に優しく接客してもらうためのコミュニケーション術 | FRANCE 365:最新のフランス旅行情報・現地情報
フランスではお店に入った時に客の方から挨拶するのがマナーとなっています。
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態度によって価格が変わる店があるらしい
あなたはカフェでコーヒーを頼む時、店員さんになんと言ってオーダーするだろうか?
「コーヒーを1つください」
そんなところだろう。もしも、この言い方によってコーヒーの値段が変わると言われたら、あなたはどんな工夫を加えるだろうか。実はそんな「お客さんの態度別」にコーヒーの設定金額が異なるカフェがフランスの港町ニースには存在する。
客の差別。それがフランス流「最高のおもてなし」 | NEUT Magazine
たとえば、あなたがただ店員さんに「コーヒー!」っと言った場合、あなたがオーダーしたコーヒーの料金は7ユーロ。「コーヒーをください(A coffee, plrease.)」と注文した場合には4.25ユーロ。さらに裏技があり、「こんにちは!コーヒーをください(Hello, a coffee please.)」と注文すると、なんと値段が1.40ユーロまでに下がるそう。日本円で約710円も節約ができるなら、誰もが態度をよくしそうだ
客の差別。それがフランス流「最高のおもてなし」 | NEUT Magazine
店員と同じくして、客も自覚を持つべしとされる接客。
その態度次第で、店員の態度が変わるとは、面白い接客文化です。
色んな接客がある
丁寧でお客様中心主義の日本もあり、お客様に下る態度に否定的なドイツなどもあります、それぞれの接客は個性があって、それぞれの魅力があります。
相手が店員であれば何でもしていいという横暴な態度が欠点であれば。
お客様だから何でもしていいわけではないと反発し過ぎてしまうのも、程度の問題があります。
色んな、接客を実際に体験して、自分なりのグローバルな接客美学を作るなんていいかもしれませんね。