<閲覧注意>本当にあった怖い話「ホワイトハウス」「怪談ドライブ」「封鎖されたトンネル」

kent303
<閲覧注意>本当にあった怖い話「ホワイトハウス」「怪談ドライブ」「封鎖されたトンネル」についてまとめました。

ホワイトハウス

今までずっとROM専だったけど、なんとなく書いてみる。長文で悪いけど
あまり怖くはないかもしれないが、俺の実体験なんで何か参考にでもなったらなと・・・。

俺の爺さんはよくわからないけど自称霊能力者らしい。知り合いを呼んでお祓いをしたりしていた。
小さい頃は何とも思っていなかったが、さすがにあるていど歳を取るとまったく信じなくなっていった。

胡散臭い爺さんなんだが、何故か色んな人がうちの爺さんに会いに来る。
爺さんは無償でお祓いを行っていたから金儲け目的で嘘をついてるわけじゃなく、本気らしい。
中学生になるくらいには爺さんアホくせえと思ってた。
そんな爺さんに関するエピソードがいくつかある。

俺が小学5年生の時に、俺の親父が死んだ。まあ普通の病気だった。
どうも親父の死ぬ歳を爺さんが予言していたらしい。
親父が健康な時から爺さんは親父に「お前はこのままだと38歳で死ぬから
毎日神様にお参りしろ」みたいな感じの事を言ってたらしい。
親父はまったく信じる事なく、まあ38歳で死んじまったわけだ。

他にも似たような感じで他人の死期がわかる事がたまにあるらしい。
なんか神様が教えてくれるんだとさ。

あと爺さんの別の話だが、俺が中学2年か3年くらいの頃に爺さんの車で買い物に行った時だ。

爺さんは何か知り合いの家に用事があったらしく、
俺を車に残し「すぐ戻るから待ってろ」とか言って知り合いの家に向かった。
車を降りて数歩ほど歩いたとこで急に爺さんが戻ってきて俺に「お前は絶対に車の外に出るなよ」と俺に言う。
俺が理由を聞くと爺さんは「変な女がお前を見てる」と一言だけつぶやいて知り合いの家に歩いて行った。

当時の俺は爺さんの霊能力をまったく信用していなかった。まあ今でも信用していないけど

俺は爺さんが見えなくなってから車の外に出た。理由はあんまり覚えていない。
爺さんへの反発という事もないと思う。
爺さんの霊能力は信じていないが爺さんの事は嫌いではなかったから。

しばらく歩いて車に戻り爺さんを待った。しばらくして爺さんが帰ってきて、その後買い物に向かった。
爺さんに何か言われることも無く、買い物も無事に済んだ。

問題はその日の夜だった。

なんだか寝苦しく、気持ち悪い夜だった・・・と、思う。
もしかしたら記憶の中で多少おおげさになっているかもしれない。
全然眠れなかったんだが、しばらくすると枕元・・・と言うのかな、
頭の上あたりに気配みたいなものを感じた。
何か擦れるような音とかが聞こえたと思う。
俺はビビリだから目を開ける事もできずただただじっとしていた。

ずっと、何かの気配と謎の音が聞こえる。
恐怖を紛らわすために他の事を考えようとしたんだけど、
何故か頭に浮かぶのはスーパーマリオのテレサだった。

そんな感じでまったく眠れなかった。
そのまま朝になって鳥の鳴き声が聞こえてきた。雀だと思う・・・たぶん。
その頃になるともう気配も音もなくなっていた。俺は寝れなかったけど。

しばらくして婆さんの声が聞こえてきた。「○○起きろー」みたいな感じの
そこでばっと起きて走って一階にあるキッチンへ走った。婆さんに走るなと怒られた。
飯を食ってた爺さんが俺を見るなり「お前外にでたやろ、払ってやる」と言って
神様の部屋(我が家には爺さんの要望で作られたそういう部屋がある)に連れていかれ、
背中を叩いたり背中に何かを書く等の、爺さん流のお祓いをされた。

その後、夜に気配を感じる事は一度もない。

あと我が家の行事には特殊なものがある。
爺さんが知り合いをたくさん連れて高野山へ行くというイベントだ。これが年に2、3回ほどある。
中学3年生の時だっただろうか、その時は俺も爺さん達と一緒に高野山へ行った。

高野山にある、名前は忘れたがおそらく有名な建物の中で
急に知り合いの小母さんが「うぅーっ・・・」ってな感じでうなりながら倒れた。
その後、「やめろー」とか「うわああああ」みたいな事を叫び出した。

特に印象的だったのは小母さんの声だ。あれはどう考えても男の声だった。

野太い男の声。小母さんはどちらかと言うと高めの女性的な声だ。
苦しそうな小母さんの背中を爺さんが叩いた。何度も何度も
その後、お経を唱えると小母さんは落ち着いて普通に戻っていった。

その後の小母さんはいつも通りだった。

最後にもう一つだけ・・・

これは完全に俺の自業自得な話だ

高校2年生の時、当時の俺はかなり調子に乗っていて、よく心霊スポットに行ったりしていた。
そういえば当時俺が住んでいた学生寮もいちおう心霊スポットで
夜中にインスタントカメラを片手に歩き回ったりもした。
ちなみに余談だが、俺の住んでいた学生寮に出るという噂の幽霊は
看護婦と高速ハイハイ赤ちゃんの二つだ。元産婦人科らしい・・・

俺の地元には犬鳴き峠だとか旧旧何とかトンネルみたいな有名な心霊スポットほとんど無い。
ひとつだけ有名なものがあるが、それを言うと地元がバレるのでここでは割愛する。

地元の人間でオカルト好きなら知っているレベルの心霊スポットが学生寮の近くにあった。
ホワイトハウスと呼ばれる建物だ。名前の通り真っ白な家で、長い間放置されているようで
蔦なんかが家に絡みついていて、もちろん窓ガラスも割れている。

たしか引きこもりの池沼っぽい子供がいて一家心中したらしい。
その後、建物を壊そうとした業者が怪我したとか死んだとか、
建物に入った若いやつらが怪我したとか死んだとか・・・。
まあ、ありがちな話だ。

そんなホワイトハウスに俺は友達二人と午後8時くらいに入った。
あの日は、夏なのに寒かった。

玄関は木の板で封じられており、玄関からの侵入は無理だった。
仕方なく塀を乗り越え庭に入った。
ガラスの戸が壊されていて、白いレースのカーテンが揺れていたのをよく覚えている

家の中は思ったほどの廃墟ではなかった。暗かったので分からなかっただけかも知れない。
一階はキッチンや風呂、居間等があった。
先輩は風呂がやばいと言っていたので多少期待していたのだが、まあ普通の古い風呂だった。

印象に残っているのはキッチンだ。
キッチンには昔、家族が食事をしたであろうテーブルが置かれていた。
そのテーブルの上には茶碗と皿がいくつか置かれていた。

今でもその光景が頭に残っている。

俺たちは2階へ向かった。
急な階段を上った俺達を最初に向かえたのは、三体の日本人形だった・・・。

廊下に棚が有り、そこに三体の日本人形が置いてあった。
俺たちはそれを見て、気持ち悪りいとか言っていたと思う。
しばらく人形で盛り上がった後、一番近い部屋に入った。
そこはおそらく子供部屋だったんだろう。

絵本が散乱していた。

桃太郎だとか浦島太郎だとか、そんな感じの絵本が部屋いっぱいに散乱していた。
俺は足でそれを退けながら進んだ。
その後は特に目立つような物は無かった。
他の部屋も一通り見て、俺達はホワイトハウスを後にした。

問題はその後だった。

俺は学生寮に帰り後輩達にホワイトハウスの話をした。
後輩が自分の部屋に帰った後、俺はホワイトハウスで使ったインスタントカメラを取り出そうと鞄を手に取った。
鞄がやけに重い。
鞄のチャックを開けた、すると

三体の日本人形が俺を睨んでいた

「うわっ」
声を上げ鞄を投げ捨てた。俺はすぐ友達に電話した。
「お前か?」と聞くと友達は爆笑していた。タチの悪い悪戯だ。
明日になったら人形をどうにかしよう・・・そう思い、その日は寝た。

次の日の朝、なんだか体がだるかった。気持ちが悪く吐き気がした。
学校を休みたかったが、簡単に学校を休むと先輩に何を言われるかわからないので
無理をして学校に向かった。
不思議なことに寮を出ると多少体が楽になった。

クラスでは俺達がホワイトハウスに行った事が話題になっていて何度も声をかけられた。
俺が体調が悪い事を伝えると、呪いだとか言って笑っているヤツもいた。
授業中はほとんど寝ていた。学校が終わり部活に行く頃にはかなり体調は良くなっていた。

部活も終わり、学生寮に帰る。靴を脱ぎ、片付け、部屋の鍵を開け、部屋に入り、倒れた。

部屋に入った瞬間体が重くなり吐き気や頭痛が止まらなかった。
俺はどうにか後輩に電話して、体温計を持ってこさせた。
39度9分だった。

すぐさま実家に電話して迎えに来てもらった。
1時間30分ほどして叔母さんが迎えにやってきた。
叔母さんの車に乗って病院に向かった。何故か学生寮を出ると体調は多少良くなった。
病院では医者に正直よくわからないと言われた。菌もないし喉も腫れてないし・・・みたいな。
ヤブ医者にもほどがある。
とりあえず薬を貰って久々に実家に帰った。

実家に着いた俺を待っていたのは爺さんだった。
家の外で爺さんのお祓いが始まった。
背中叩かれたりとか、背中に文字書いたりとか・・・
そのあと、爺さんいわく

「小さい霊が多数と、九州の軍人が付いてる」
俺は驚いた。実は約一か月前に部活の大会で九州に行っていたからだ。
ちなみに家族にはその事は言っていない。
爺さんはさらに言った。

「でも軍人は関係無いな・・・後もう一つ、変なのが憑いてる。
これが何なのかは俺にもまったくわからん、でもたぶんこれが原因だろう」

爺さんはそう言って家の中に入った。
俺は疲れてその日はすぐに寝た。
次の日爺さんに聞くと、「あれは祓うというより帰ってもらった」
みたいな事を言っていた気がする。

それから念のために4日ほど学校を休んだ。
久しぶりに学校に行くと、クラス中の人間から色々な質問攻めに会った。
俺の体調不良は呪いと言うことで定着していた。

なぜか他のクラスでは俺は死んだ事になっているらしい。噂は怖いものだ。
それからしばらくは知らない女の子に声をかけられたりと少しばかり楽しい日々が続いた。

それ以来俺は霊っぽい現象には遭遇していない。まだ爺さんも健在である。

ちなみに三体の日本人形はアジ塩を山ほどぶっかけて山に捨てた。
噂ではあの日本人形はホワイトハウスに戻ったらしい。真偽のほどは定かでは無いが・・・。

長文で申し訳ない。
じゃ、心霊スポット行ってくる。
ホワイトハウス

怪談ドライブ

少々長いので、分割して書きこませてもらいます。

もう十数年前、大学生だった私は、部活の夏合宿(と言う名目の旅行)に出かけ、その帰り、
大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、地元の花火大会を見学していた。
花火大会の後、会場近くの河原で買い込んだ花火を楽しみ、
そのまま先輩の車に同乗させてもらい、東京に帰ることになった。

河原で花火を楽しみ、しばらく休んだ後の出発だったので、時間は、12時を過ぎて、1時になろうとしていた。
今から考えれば危険極まりないが、若さゆえか、誰もそんなことを気にしていなかった。

「先輩、運転疲れたら行ってください、俺ら変わりますから。」
「おお、そんときゃたのむは。ま、高速乗るまでは、道知ってんの俺だけだし。
高速まではゆっくり行って60分位だし、高速乗った最初のSAで、
運転変わってもらうかも。でもぶつけるなよ。俺の愛車。」
「大丈夫ですよ。」

皆で(と言っても、先輩、私含め4名でしたが)先輩の車に乗り込み、出発します。
運転席に先輩、助手席にA、私ともう一人のBは後ろ座席です。
走り始めて10分~15分ぐらいで、車は山道に差し掛かり始めました。
この道を越えるとインターがあるとのこと。

「知ってるか?この辺りにはさ、神隠しの伝承があるんだ。」と先輩が話し始めます。
「ああ、俺の田舎でも、そういう伝承のある山がありました。」とB
「ああ、でもさ、ここは、明治になった後、いや、戦後でも神隠しが発生したらしいんだ。」
「まじっすか?」
「ああ、明治の頃、日本人は迷信にとらわれすぎている、って考えていた若い帝大の教授が、
迷信であることを証明する。として、ここで、それを実行して、で、神隠しにあったんだと。」

「へえ?で、神隠し、って事は、当然そのまま行方不明なんですよね?」
「ああ、でな、その後、この辺の人達はそれを恐れて、この山に近づかなくなったんだ。
でも戦後になって、その記憶が薄れたのと、戦後の雰囲気っていうのかな?
30年ごろ、東京の大学院生達がここにきて、神隠し事件を調べようとしてさ、やはり行方不明になったんだ。」

「でも、戦後じゃ、警察とか動きますよね。いや、明治でも動いと思いますけど。」と私
「ああ、警察、消防団とか総動員で山狩りをしたんだけど、結局何の手がかりもなかったんだって。
まあ、戦後になったとはいえ、田舎だから、年寄りとかはまだまだ迷信深くて、
最初は山に入りたがらなかったって話だけど。」
「へえ、新聞に載ったんですかね?」
「地元の新聞には載ったらしい。」

「何かの事件に巻き込まれたんですかね?」
「まあ、そんな所かもしれないが、地元の年寄りたちは、やっぱり神隠しの伝承は本当だった。
物見遊山気分だから、神隠しにあったんだ。って噂し合ったんだ。」
「なんか横溝正史の小説か、浅見光彦みたいですね。」
「神隠し伝説殺人事件とか」
軽く笑う4人。

「そういえば、俺の田舎でも・・・」Bが話を引き継いで、地元の怪談を話し始めました。
Bが話を終えた後、Aが、自分が高校時代に聞いた学校の怪談を始めました。
こうなると私も話さないわけにはいきません。私も中学の頃聞いた怪談話を話します。

で、私が話し終わると、促されたわけでもないのに、再びBが怪談を始めました。
まあ、眠気覚ましには話をするのが一番と言われているし、危険な夜間のドライブ、
みんなで、こうやって話し(しかも怪談)ていれば、眠気も飛ぶかもしれない。
私もそう思い、Bの後、再び怪談を始めたAの話が終わった後、怪談を始めました。
B→A→私、の順番で、話を続けます。

途中で先輩も話に巻き込もうとしましたが、運転に集中したい。
また、怪談聞いていれば眠くならないから、聞き手に回っています。
結局、私、A、Bで会談を続けることになりました。

どのぐらい時間がったったのかは、時計を見ていなかったので覚えていませんが、
途中で少々妙なことに気が付きました。

もう10回以上私は怪談をしているのです。

B→A→私。

という順番は堅持されていたので、皆で30以上の怪談を話していることになります。
一つの話に3分としても90分はかかっている計算になります。
もう高速に乗っていてもいい筈ですが、まだ山道から出た気配すらありません。
『こういう状況だから、時間が長く感じるのかな?』
疑問に思ってもいましたが、同時にそうとも考えました。

「おい、○○、お前の番だぞ。」
「ああ、じゃあ・・・・」

Aに促され、再び私も怪談を始めます。
で、頭に沸いた疑問もそこで打ち切りになり、再び怪談話の輪に戻ります。

「・・・・・・という話だ。」
Aが、何度目になるかは分からない怪談を終えます。
『次は俺の番か』どの話をしようか考え始めた時、ふと、先ほどの疑問が頭をよぎります。

あの後、10回、いや20回は、怪談を話しています。
合わせれば30回以上は怪談をしていたような気がします。
いや、実際はそんなにしていないかもしれませんが、かなりの回数の怪談を話したのは事実です。

時間で言えば、1時間、いや、2時間はとっくに経過していていいはずです。
なのに未だに山道から出ていないのです。
『道に迷ったのかな?』そうも思いましたが、それにしても時間がかかりすぎです。
ここが何処かはわかりません
(カーナビもない時代(一応あるにはあったが、学生の車に搭載できるような代物ではなかった))

周りは真っ暗。いや、真っ暗すぎます。まさに墨を流したような暗闇です。
一気に不安が広がります。

「今のAの話で99話目だ。」
「え?」今まで黙っていた先輩が突然口を開いたので、驚いて聞き返す私。
「だから、今のAの話で、怪談99話目だったんだよ。」
「へえ、そんなに話したんですか俺ら。」気軽に受けるB
「案外怪談知っているもんなんですね。」Aも普通に受け答えしている中、私だけが、混乱し始めていました。

99話、一話3分程として、300分近い時間、つまり5時間は経過しているはずです。
出発したとき1時なのですから、今の時間は、6時近く。
もう、夜が明けていいはずです。
いや、それほどの時間がたっていなかったとしても、高速のインターにはとっくに着いているはずです。

なのに相変わらず山道らしいところ、というか、
何処かすらわからない、真っ暗闇の中を車は走り続けているのです。
恐怖の感覚が私を襲いました。

「百物語って知っているか?」恐怖にパニック寸前の私をしり目に先輩は話を続けています。
「ああ、ろうそく百本立てて、一話ごとにろうそく消していくって奴でしたよね。」とB
「俺たちそれできましたね。ま、車内で100本蝋燭立てられないけど。」とA
「ああ、で、100本目が消えると、妖怪、幽霊が現れる。」と先輩
「俺たちも蝋燭消していたら、現れますかね?」とB

『ちょっとまって、ちょっとまって、ちょっとまって』

先輩の話に、平然と相手をしているA、Bに対して、すでにパニックになりかかっている私。
叫びだしたかったが、恐怖のためか、緊張のためか、声が出ません。

「ああ、出るかもな。でもさ、実は百物語っていうのは、
最初は、真っ暗な中、屋外で、怪談百話を話すものだったんだ。」
「へえ、初めて知った。」とB
「ああ、この辺りでは、少なくともそうだったらしい。

で、100話を話し終わると、妖怪が出るんじゃなくて、
そういう物がいる異界への扉が開いてそこに引き込まれる。
ってものだったんだ。」先輩が妙に抑揚の、いや、感情のない声で話します。

「へえ、異界への扉って、漫画みたいですね。」とB
「ああ、で、明治の帝大教授や、昭和の院生も、この地に伝わるその伝説を聞いて・・・」

「ちょっと待ってよみんな!!」

やっと声を放つ私。

「なんだよ、○○ビビったのか?」とA
「そうじゃないよ、先輩、ここどこですか?
周り真っ暗、街頭ひとつない、何時になったら高速に出るんですか?」
恐怖でほとんど涙声になっていました。

叫んでいるうちに気が付きましたが、この車、一度も止まっていません。
いや、よくよく考えてみると曲がった気配すらないのです。
周りは真っ暗、いや、ヘッドライトすらついて居なのです。
前方も真っ暗な闇です。

『なぜ今頃気が付いているんだ!!』

自分に毒づきましたが、このまま先輩の話し続けさせたら、
危ない、いや、そんな生易しいものですらなくなる。
なんと言うのか、そんな言いようのない、本能的な恐怖に駆られ、
私は、パニックと恐怖で、涙声になりながらもつづけました。

「よく考えろよ。なんでこんな周り真っ暗なんだよ!!
99話怪談話したんろ?いったい何時間たっているんだよ?
なのに、なぜ、何処にもつかないんだよ!!」
「もうすぐ着く。いいから黙ってろ。」抑揚と感情のない、なんというのか、
先輩の声ですが、先輩でない誰かが話している、そんな感じの声でした。

「その前に車止めてください!!とにかく!!」
ここで黙ったらおしまいだ。
とにかく先輩にこれ以上話をさせてはいけない。
そんな感じで、絶叫に近い声で、先輩に言いました。
「せ、先輩、とにかく車止めましょうよ。」とB
やっと現状に気が付いたのか、Bも少々あわてた声で先輩に言います。

「話しが終わったら着くから黙って聞けって。」相変わらず抑揚のない声で話す先輩。

「B、ブレーキ踏め、ブレーキ」完全にパニック状態の私。
「先輩、話の前に止めて、ドア開けてください。
そうしたら、聞いてもいいですから、先輩の話」Aもすでにパニック状態なのか、大声で叫んでいます。
「この山で、100物語を・・・・」完全にパニック状態の我々三人をしり目に、
先輩が、抑揚と感情のない声で続けます。

「先輩、すみません!!」

そういって、Bが先輩の横っ面を殴りました。

キキキー

急ブレーキの甲高い悲鳴とともに車が止まりました。
シートベルトは着けていましたが、前席に頭をぶつけました。

「ああ、すまんみんな、大丈夫か?」と、先輩

周りを見ると、遠くですが、民家の明かりが見え、道の先にある街頭も見えます。
何よりも、ヘッドライトの明かりが見えます。

『も、戻れた』

なぜそう思ったかは知りませんが、安堵感と、
恐怖から解放された感覚で、全身の力が抜けていくのを感じました。

先輩は、車から降りて、車の前の方を確認していました。
「すまん、目の前を横切った、白い影が見えたもんで。って、どうしたんだ、お前ら?」
車内3人の尋常ならざる雰囲気に、先輩が、質問します。
少なくとも、先ほどの先輩ではなく、何時もの先輩であることに間違えはないようです。
我々3人も外の空気を吸うため車外に出て、落ち着いた後、今までの経緯を先輩に話します。

「お前ら、俺担いでいるのか?」

先輩の話だと、山道に入って、「この辺りに神隠しの伝説がある」って話した時、
黒い靄のようなものがかかった感覚があったので、
『眠気に襲われたか?』と思ったら、なんか、白い影が見えたので、急ブレーキを踏んだとのこと。
そう、その後の話は、先輩の記憶にはないのです。

先輩のはなしだと、確かに、この辺で、明治時代、昭和30年代に、神隠し事件があったこと。
この辺りの伝承だと、夜中に、屋外で、夜が更けてから、夜明けまでの間、百話怪談をすると、異界に行ける。
という伝承があること。

地元の郷土史研究家とかは、戦国や、江戸時代、
まだまだ過酷で、飢饉とかに結構頻繁に見舞われていた時代。
(しかも、この辺りは、土地が痩せていて、貧しい地域だったのだとか)
そういう『苦しい浮世を捨て、別世界に行きたい』的な信仰があったから、
そんな伝承が生まれたのではないか?と、言っているのだとか。

で、明治時代の教授(と、その助手たちもいたのだとか)、
30年代の大学院生は、それを実行したといわれているのだとか。

「確かに俺も、その話聞いたときは、やってみたいな、って思った事はあったけど・・・」

先輩もさすがに青い顔をしていました。
時間を見ると、1時30分過ぎ、山道の入り口は、すぐではありませんが、下に見えました。
そして、車の横には、小さな、石造りの祠が見えました。
皆黙って、その祠にお祈りをした後車に乗りました。
不可思議な体験の後でしたが、なんと言うのか、もう大丈夫という、
妙な安堵感があり、恐怖はあまり感じませんでした。

「わり、左の頬が少し痛むんで高速の入り口で運転変わってくれ。」
「あ、ああ、いいですよ、俺が運転しますんで」とB

その後は何事もなく無事東京につきました。

が、その後、いくら思い出そうとしても、30話近い怪談話は思い出せません。
最初に話した数話は確かに覚えているのですが、
その後、どんな話をしたのかが、まったく思い出せないのです。
が、その不可思議な体験、何よりも、あの真っ暗な光景は、今でもありありと覚えています。

最近部のOB会で久しぶりに、先輩、A、Bと会いました。
話題になったのは、やはりあの時の不可思議な経験です。
「まあ、ハイウェイヒュプノシスとか、集団催眠みたいな状態だったのかも?」
不可思議な体験を、無理やり説明づけようとするわれわれ。
そんな私たち三人に対し、少々ためらったってから、先輩が

「実はな、あの道で、最近、失踪事件が起こったんだ。」

何でも、地元の若者たちの乗った車があの道に入ったのを目撃されたのを最後に、
その後行方不明になっている人たちがいるのだとか。
怪談ドライブ

封鎖されたトンネル

昔、10代の時でまだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話。
中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。

いつものようにツレから連絡があり、今から肝試しに行こうとなった。

俺は昔から、そういった事は全く信じておらず、怖い物など無いと、言ってのけていた。
二つ返事で了解し、ツレが迎えに来て、さっそく肝試しに向かう事になった。
場所は割と近い山の中のトンネルだった。

メンバーは血の気が多くリーダーシップのあるTと10代と言うのにすでに威厳のある
Mと多少幽霊関係にビビり気味の超絶イケメンSの4人で行く事になった。

皆、霊感何て物は無く、S以外は幽霊何ていないと余裕で心霊スポットに向かっていた。
今考えたら、これが間違いだった。

その山までは1時間もかからずに着いた、道中は何も無かったが、
山中の丁度カーブ辺りに花が供えてあったのを見て背筋に悪寒が走り、何か忘れてると考えたのを覚えている。

無事にトンネル前の駐車場に着き、トンネルには直接入れない為、
駐車場に止めて、そこから四人で歩いて行った。

幽霊など信じてはいなかったが、やはり夜中の山道は気味が悪く、嫌な位静かだった。

そんな中無理に盛り上げようとTが崖落ち防止のガードレールを蹴り上げながら、声を張り上げていた。

T「全然対した事無いやろ、暗いだけ」
俺「本当だね、全然対した事無いし、拍子抜けだ」
S「いやいや、充分怖いし、もう帰りたい」

そんなたわいない会話をしながら歩くと、すぐに目的のトンネル前に着いた。

息巻いて来たはいいが、トンネルの入口の時点で圧倒される程に嫌な雰囲気だった。

トンネルはまるで侵入者を拒むように、もしくは中にいる者を出さないようにデカイブロックで封鎖されていた。

流石に誰が行くと雰囲気にもなれずにタジタジでいると、血の気の多いTが言い出した。

T「お前らビビってる?情けないね、俺が行くわ」
ここで行かなかったらビビり確定、それだけは避けたかった俺は思ってもない事を言ってしまった。

俺「ビビるはずないだろ、俺が一人で行って来るから待っとけ」

本当に後悔した。

T「お前は男だな、ヨシ行け」
この時ばかりはTを恨んだ、本当に零感の俺でもヤバイ雰囲気ムンムンだったから。

しかし一回言った事なので後には引けず、ブロックの隙間から一人、吹き抜ける暗闇に侵入した。

いざ入ってたはみたものの、中はずっと続く暗闇、その日暮らしの俺達は懐中電灯など無く、
あったのはジッポライターの明かりだけ、その明かりが余計に揺らめいて見え、不気味さを更に強調していた。

トンネル内は天井から水滴が垂れる音以外の音は無く、幽霊なんていないと考える俺でも、
奥に向かって、中々踏み出す事も出来ずにたじろいでいた時トンネル外で待つツレが叫んで来た。

T「中はどうだー?」
S「マジでやめた方がいいってー」
M「俺らも行こうかー?」

その声で少し恐怖が消えた俺は「大丈夫、奥まで行ってみるわ」とトンネルの奥に向かい歩き始めた。

いざ歩き始めると恐怖心は余り無く、むしろ何故か懐かしい感覚にさえなったのを覚えている。

そんな違和感を抱えながら、丁度トンネルの半分位に来た時にカーブの時に忘れてた事、
妙な懐かしさの正体が何なのかはわかった。

これは話に繋がる事なので詳しい事は後で話す事になります。

怖さは完全に消え、そのまま奥に辿り着き、何も無く、溜息混じりに戻るかと踵を返した時にそれは起こった。

耳元からフゥーっと息を吹きかけるような生温い風が耳にかかる、気のせいと気にせず歩を進めるが
10秒おき位にずっと吹きかけられ、流石に恐怖心が蘇った俺は足早にトンネル入口へ向かった。

足早になった辺りから吹きかけられている息が絶えず吹きかけられようになり、
恐怖心が絶頂に達した俺は全力で入口に向かって猛ダッシュした。

何とか入口のブロックの隙間からはい出て、耳元の息も無くなり
一段落した俺は固まって待っていたツレの所に行こうとした。

俺「スゲーよ、ここは本気でヤバイ、マジで焦ったし、何か耳元で息を…」と
俺が言いかけた時に、ツレ達が顔面蒼白で震える声で言った。

T「お前の後ろ、何なんだよ」
M「お前悪ふざけも大概にしろよ、そんなんで出て来たら洒落にならんぞ」
俺は、はぁ?となりましたが、ああコイツら出てきた俺をビビらす為のドッキリだなと思い、
少しキツめに「お前らが大概しろって、一人でマジ怖い思いしたんだぞ」と言った所で
Sの様子に気付いてしまいました。

Sが涙目になりながら震えていた…。

幽霊にはビビるが普段は肝の座ってたコイツが演技で涙目になり
震えるはずがないと思った俺は何かが確実に後ろにいると思い動け無くなった。

恐怖に直立不動で動け無くなった俺はずっとツレに視線を向けていたが、
ある事に気付いた、左眼の視線の端に黒い髪のような物が見える。

しかし、恐怖心が勝り、確認出来ずにいた時に急にSが「マジもう無理だ」と言いながら
駐車場に向かい走り始めた、それと同時位にTとMも「マジスマン」と言いながら走り出した。

恐怖心はヤバかったが、パニックになりながらもこの状態で
一人残される事な方が無理と判断した俺も駐車場に向かい全力で走り出した。

本当にビビり上がっていた俺は何度も躓きながらも全力で走ってた。

子供の頃に聞いた、幽霊は光が嫌い、そんな迷信めいた事を考え、
駐車場に着き車のライトさえあれば大丈夫だと藁にもすがる気持ちで走り続けていた。

走り続けていた時になって始めて気がついたが、ずっと背後に気配がしていた事、
さっきは安堵からかツレばかりに集中して気付かなかった事に気付いてしまった。

この時に後ろにいる何かをもし連れて行ったら車に乗れないかもと考えた俺は確認しないといけないと思った、
この時は本当に気が動転していたんだと思う、現在の恐怖心より置いて行かれる恐怖心が勝ってたから。

俺は立ち止まり、意を決して、後ろを勢いよく振り向いた、
少しでも怖さがないように自分なりに考えてした事だが、これが本当に失敗だった。

目を見開いた女が俺を凝視していた。

俺はいつも洒落怖を見て本当の恐怖にあったら~を見ていつも本当には違うなとか考える、
まぁこれは俺だけかもしれないが、余りの恐怖と驚き等混ざりあった結果なのか、
失禁と脱糞を同時にしてしまった。

女は普段よく書かれる貞子の用な風貌ではなく、前髪を上げて、普通にフリルの着いた上着、
ジーンズという出で立ちだった、普通なら本当の人間だと思う位普通だった。

だが決定的に違った、目、鼻、口、全てが生きている人間とは違った。

口は所々裂け化膿しているみたいにグチュグチュになっていた、鼻は右の鼻孔から半分以上ちぎれかけている、
決定的なのは目だった、黒目の部分と思う部分には無数の光るガラスみたいな物が突き刺さり、
涙のように黒い液体が目から滴り落ちていた。

気がつけば俺は何も考えず一心不乱に走り出していた、糞尿を裾から垂らしながら、
涙はこぼれ、鼻水を垂らしながら本当に人間として最低辺だと思う姿だったと思う、
でも俺が考えれる事は死にたくない、助けて、ごめんなさいを繰り返すしかなかった。

走っている間またあの息を吹きかけられているような音が耳元から聞こえた、
それがまた恐怖心を増長させ、何度も転びながらも駐車場に辿り着く事が出来た。

ツレ達は車で待っていた、エンジンをつけライトをつけていた為か
俺は助かったと思いながらも全力で車まで走った。

俺が車に近づくにつれ、気配は遠くなっていった、
後ろに乗ってたTがドアを開けて待っていたので飛び込むように車に乗り込んだ。

そのままタイヤを唸らせながら、全速力で山道を下っていた、俺は震えと恐怖が止まず
窓からキョロキョロ女がいないか確認しながらしている横にいるTが話しかけてきた。

T「お前大丈夫だったか?本当に悪かったな、本気であれはヤバ過ぎだったから」
M「本当にスマンな…」
S「マジ申し訳ない、我慢したかったけどあれは無理だった」

どうも最初は俺が逆にドッキリを仕掛けていたと思ってたらしい、
あんなの無理だと普通にわかると思うが…

俺「マジ人生終わったと思ったぞ、お前達マジ薄情だと思ったし…
まっ俺が逆でも本当に怖いだろうし気持ちはわかるしいいよ」

山を下っているからか安心感が出て、落ち着いてきた俺はツレ達を許し、
何気無しに窓から外を見た時に気付いてしまった、
丁度花が供えてあるカーブに差し掛かる時に木の上いる何かに…

またパニックになりかけた俺は「早く、早く、飛ばせ」と声を荒げながら何度も叫び、
何故か隠れるように座席の足元に座りこんだ。

S「何だよ、本当やめろよ、マジ勘弁してくれよ」
M「何があったんだよ、またいたのか?」
車内はパニックになりかけた時にTが聞きとり辛い程の小さな声で言った。

T「俺も何か見たぞ…木の上に何かいた」
その言葉で車内は完全にパニック状態になり、捕まってもいいと100キロ以上を出し逃げるように帰った。

皆、家で一人になるのを嫌がり、俺も嫌だったので4人でTの家で泊まるようにした、
Tの家をいつも溜まり場にしてたし、いつもの流れでもあるが。

でもその行為は意味が無く、それはその夜に起こった。

無事にTの家に着いたものの皆寝れずにいて、恐怖心を少しでも払おうと酒盛りを始めました、
俺はパンツが汚れていた為風呂を借りてから酒盛りに参加しました。

風呂から上がった時点で皆結構酔いが回っていて、ツレ達はすでに寝入りそうな感じになってました、酒の力は偉大で飲んでいく内に恐怖心は薄れ段々と眠気も来て皆でダゴ寝となりました。

そして夜中にトイレで目が覚め上半身を起こした時背後から気配を感じましたた、
それは正しくトンネルで感じた気配だった。

一気に恐怖心が蘇り、金縛りとは違う、恐怖心から動けないでいましたが、
まだ酒が残っているせいか気が大きくなり、見た目が怖い位でビビるか!と、
わけのわからない根性が沸々と湧いてきて、こうなったら一発殴ってやると、後ろを振り返りました。

やっぱり後悔しました、やはり女はあの時のように後ろにいて、そしてあの時とは違う行動に出ました。
急に両手で俺を頬を掴み口を大きく開けて何か言おうとしていましたが、
口の中には真っ黒な液体が溜まり喋る度にうがいをしているように
ゴロゴロ言って何を伝えたかったのかもわからずに恐怖に動けずにいました。

そんな恐怖が10秒続いた時に気付きました、この女知ってる…

そう考えた時にMが寝返りをうちそれに気を取られた次の瞬間にはもう女はいませんでした。

それからは朝まで眠れずツレが起きるのを待ち、起きたツレに夜中の事を話しました。

M「幽霊て動けるんだな、初めて知った、てかいる事自体昨日知ったけど」
T「お前本当にヤバイぞ、憑かれてるんじゃないの?」
俺「多分憑かれてるのかな?てか幽霊知ってる女だった」
T「はぁ?誰なんだよ?」
俺「多分…元カノのU…」

それだけで皆何となくだが理解し察してくれました。

元カノのUはツレと飲みに行った時に知り合った女の子でちょくちょく
二人で飲んだりしてる内に仲良くなって付き合い始めた人でした。

しかしUは男女関係が結構激しく浮気でも当たり前にすると噂を聞いたり、
実際に男と遊び回ったりしてて、結局は破局となっていました、
それからも向こうからは連絡はあっても無視して疎遠になってました。

懐かしいと感じたトンネルも実は酔った勢いで二人で凸した時に二人で行ったからでした、
そしてカーブの花はUがそこで亡くなった時の物でした。

疎遠になってからも噂で亡くなったと言う話は聞いていましたが
当時は俺にはもう関係無いと言って、何もしてやれてなかったんです。

T「間違いなくお前怨まれてるな、いくら関係無いって葬式にも出なかったしな」
M「しかし、どうする?やっぱお祓いとかしてもらったが方がいいんじゃないか?」
俺「でも、そんなの全く知らないし、金も無いし…」
S「俺一人知ってるぞ、寺とか神社ではないけど、
知り合いが動物に憑かれたとかで、それのお祓いを頼んだ人なら」
俺「マジか?なら頼むから聞いてもらえないか?」
S「わかった、ちょっと待ってろ」

Sは携帯で誰かと話し始め、何やら揉めていたようだが、どうやらOKをもらったようだった。

S「絶対今日がいいって無理言ったが大丈夫だってよ」
俺「本当助かるわ、今から行けるん?」
S「昼過ぎに来てくれって、準備があるらしいから」
そんな準備しっかりする所ならイケるんじゃね、と期待しながら、
早めの昼飯を食い、それからその人の家へ向かった

着いてみると普通の一軒家だった。

チャイムを鳴らし待ってると普通にエプロンつけたおばさんが出てきた、
まさかこのおばさんじゃねーよな…とか考えてると正しくそのおばさんがお祓いの人だった。

俺はもう無理だな、と思いながらも通された居間で事の次第を詳細にと言われ話した。

おばさんは真面目な顔でウンウンと頷きながら聞いてくれた、
一通り話を聞いてくれたおばさんが発した一言目はこうだった、仮名にHさんとします。
Hさん「あたしで祓えるかはわからないけど、出来る限りはさしてもらいます、
料金は普段の料金いいですか?」
俺「料金取るんですか!?ちなみにいくらに…」
Hさん「経費など含め5万頂きます」
俺「マジですか!?すいません、ローンとか出来ますか?」
Hさん「事が事だし、構いませんよ、急いだ方がいいですし」

どうやら事態は一刻を争う位に緊縛してたみたいでした。

Hさんの見解はこんな感じだった。

元カノUは恐らく、俺を怨んでいる、しかし、それだけではないような気がするから
普通にお祓いするんじゃ駄目かもしれない、今回はお祓いではなく、
Uの標的である俺から完全に意識を逸らし縁を断ち切る為の物らしい。

もっと詳しく話してたがよく意味はわからなかったので要約するとそんな感じらしい。

俺「何か俺がしなくちゃいけない事はあるんですか?」
Hさん「あなたは特にしなくちゃいけない事はありません、しかし周りの友達の力を借りなくちゃいけません」

Hさんは詳しく今回の内容を説明してくれました。

Hさんが言うには力を借りるは大袈裟に言ったらしく借りると言うより協力だった。

まず4人でお清めし四方にお札を貼ったHさん宅2階の一室に入り一晩そこで過ごすらしいのだが、
俺は一言も発してはいけなく、逆に絶えずツレ達は話し続けなくてはいけないらしい、寝てもいけないらしい。

言葉には言霊があり、その部屋ではUは俺の姿を認識出来ないらしく
言葉を発する者しか認識出来ないらしい。
そうする事で意識的に俺を探し続けるUの意識から一晩時間をかけて俺を消し、
俺はもういないと誤認させUの中の俺を消し、縁を無くしてしまおうという事でした。

T「つまり俺達が絶えずに喋り続ければいいだけ?」
M「なら楽勝じゃね?」
Hさん「確かに喋り続けるだけですが、恐らくUさんから妨害はあると思います、
どんな物かはわかりませんし、気を引き締めて下さい」

妨害って…緊張しながらHさん宅で早めに夕食を頂き、
皆お風呂に入り体を清め一晩を過ごす部屋に入りました。

何て事はない普通の部屋でした、四方、天井、畳みの下のお札さえ無ければ…

皆一言も喋らずに夜を待ち指定された時間を待ちました。

Hさんが指定した時間は7時、それまではUを家には入れないようにするし、
Hさんもいるようですが7時が来たらHさんは家を出て、Uを家に招きいれなけばならない。
極力部外者がいる事を避け意識を完全にそらさなければならないみたいだった。

そして指定された7時が来ました、元々馬鹿の代表みたいな3人でしたし、
Hさんから出された普段飲めない日本酒に皆大はしゃぎ、
しかし俺は万が一を考え酒はおろか何一つ口にしてはいけないという辛い一晩でした。

ですが、相槌を打つだけでも以外と時間が経つのは早くあっという間に11時に差し掛かろうとしていました、
妨害も無くこのまま何事無く一晩過ぎて欲しかったのですがそうは行きませんでした…。

そして時刻が11時を回った辺りでついにUの妨害が始まりました。
最初に聞こえたのは廊下を歩く足音、等間隔でペタッ…ペタッという足音でした。

皆すぐに気付き一瞬静まりかえりましたが絶えずという言葉を思い出し、また大声で騒ぎ始めました。

その後はラップ音?みたいにバキッカチッと部屋中から音が鳴り始めました。

ですが、そこは馬鹿3人です、恐怖より負けられるかと馬鹿な考えが勝ったのか
今まで以上に騒ぎ始めました、特にTの騒ぎっぷりは半端じゃなく恐怖より頼もしさを覚えました。

そして、妨害にも負けず必死に騒ぎ続け2時に差し掛かった時に最後の妨害が始まりました。

部屋中からさっきの音とは比べられない位まるで思い切り壁を殴り付けるように
ガンガン音が鳴り出し、あの嗽のようなゴロゴロの声で「アァ…アァ…ガガ」と叫んでいるのです。

流石に馬鹿3人もこれにはビビり、騒ぎ方も小さくなりこれはヤバイと感じ始めました。

音と声は激しさを増すばかりで一向に止まず、全員蒼白になりついに騒ぎが完全に沈黙しました。

俺はああ終わったなと思いましたが時計を見るとすでに5時を回っていました、
堪えていた時間が思った以上に長かったらしく日の出が上がり始め一晩は過ぎていました。

そしてHさんが戻り全て終わった事を知り、男ですが大声で泣き叫びました。

やっと終わったと皆で安堵の瞬間を迎える事が出来ました。

そして最後にHさんは二度とその山には近づくなと、
次は助けられないかもしれないと言い、私はそれを了解しHさん宅を後にしました。

安易な気持ちで肝試しには行ってはいけないと肝に命じる事になる事件でした。
二度と肝試しはいきません。

後日談がありますが、それはバイト終わりにでも良かったら書かせて頂きます。

非常に長文、駄文、遅く、いらつかせた皆様すいませんでした。

封鎖されたトンネル後日談

やっと仕事終わりました。
では>>594で言ってた後日談です。
自分的には知らない所の話だし正直関わりたくないし、
聞いただけなので詳しくはわからない話でしたが、こっちが本題?元凶?みたいです。

あの一晩から丁度一ヶ月が過ぎようとしていました。
お祓いのお金の為バイトを始め中々忙しくしていた時に
Hさんから急に呼び出しがありHさん宅に行った時にこの話をされました。

俺「こんにちわ、すいませんお金はまだ出来てないです」
Hさん「今回は料金の事で呼んだんじゃ無いから安心していいですよ」
てっきり料金の催促かな?と思っていたが違うみたいで安心したが、
あの時の話ならもう関わりたくなかったので嫌な気分になった。

俺「で、話とは何ですか?」
嫌々だが俺に関わりある話だし注意事項なら聞いておかなければならない
Hさん「実はあの時のUさんが少し普通の霊とは違う理由を
調べたりしてわかった事が色々あるから一応伝えておこうと思ってね」
幽霊云々自体が元々普通じゃないと思うが…そう思ったが黙って話しを聞いた。

Hさん「あの時はあんな言い方をしたけど、
実際Uさんはあなたを怨んだりしてない、むしろ好意がずっとあったと思う」
俺「はい?そんなはずないでしょ、あんな風に憑き纏って
妨害して多分殺そうとしてたのに好意とかあるはずないじゃないすか」
実際好意を持った相手にあんな事するとは思えなかったし、
幽霊ってだけで恐怖心しかなく、あれが好意からの事だとしても無理だ。

Hさん「そう思っても仕方ないよね、あれはUさんの意思じゃなく、
その裏にいる者の意思だから、元が人間かどうかすらわからない物だけどね」

幽霊だけでも、あんな事無かったら信じてすらないのに
漫画みたいな話をされても今いち「?」としかならなかった。

Hさん「実は家に来た時点でUさんの意思ではないと気付いてたの…
でもね、それをあなたに伝えたらあなたは少なからず可哀相とか同情の気持ちを持つでしょ?
それはあの一晩を過ごすなら絶対に持ってはいけない気持ちだったの」
俺「何故駄目なんです?関係あるんですか?」
Hさん「同情心を出せばあなたは助からなかった、Uさんに見つかってたから…
あなたの意識を恐怖だけに満たしてUさんから意識を逸らさなければならなかったの」

自分の為だと理解し何となくだが納得したが肝心な事を聞けてない。

俺「Uはあの後どうなったんですか?Uの意思じゃないならなんだったんです?」

Hさん「あなた達が一晩過ごしてる間、私は私の先生の所に行ったの、
見てわかる通り私は世間じゃ心霊研究家で通ってるの、私の先生も似たような感じだけど
私以上に詳しいし長年この世界にいるから失敗したらの話を聞きにね」

失敗したかもしれないのかよ…
そう思ったが自分達じゃどうしようも無かったから仕方ないと思う事にした。

Hさん「あなた達が行った山だけど、色々な怪談があると思うけど、知ってる?」
俺「はい、カップルの幽霊だったり、婆さんの幽霊だったり色々噂は一通り聞いてます。」
結構有名な所だから噂が絶えないような場所だった、だからか色々話しは聞いていました。
Hさん「実はそういった噂じゃない本当にヤバイものがあの山にはいるって先生から聞いてね、
多分それのせいだと聞いたの、詳しくはわからないけど、「禍垂」(カスイ)と言うらしいの」

俺「禍垂?」
正直ついていけなかった、そんな漫画みたいな話されても理解出来ないし、幽霊だけで精一杯だったから。

Hさん「詳しくは本当にわからないの、多分元は人間だけど、いつからいるのか、何の因果で山にいるかも何もわからないの、禍垂も見た目から先生がつけた名前だし、本当の名前もわからない」
俺「でも、俺と何の関係があるんですか、禍垂なんて聞いた事すらないし」

幽霊とは無縁の零感男だったし、そんなの噂すら知らなかった。

Hさん「推測だけどUさんは禍垂に引き込まれたんだと思うの、だからUさんと縁があった、あなたを標的に選んだんじゃないかしら、あなた木の上の人を見たと言ったでしょ、それが恐らく禍垂と思う」

Hさん「あなたは木の上に立ってたと言ったけど、正しくは違うの、両手だけで木に垂れ下がり下半身がない風貌の者なの、だから禍垂…先生は本当に危険だって今回は本当に運が良かったって」

あまり見えなくて本当に良かったと思いました、あの状況ではっきり見えてたら発狂間違いないですから。

俺は頭の整理が全くつかなかったが聞かなければならない事を聞きました。
俺「Uはどうなるんですか?俺は本当に大丈夫なんですか?」
Hさんは少し暗い表情で答えました。

Hさん「正直Uさんはずっとあの山に禍垂に捕われたままになると思う、
禍垂を祓えれば違うかもしれないけど、禍垂はまず見つからないし、祓う方が危ないから…」
Hさん「あなたは恐らく大丈夫、でも決してあの山に絶対に近付いたら駄目、
禍垂との縁が復縁したら間違いなくあなたは助からないから」

俺は少しの安堵とこれから先報われる事のないUを気の毒に感じながらHさん宅を後にしました。

その後は料金の支払いが終わりそれからはHさんには会わず、例の山にも決して近付いていません。
人間は好奇心が強く興味を持ったら止まらない生き物だと思います、ですが決して不用意に
噂が立つ場所には近付いてはいけないと思います、思いもよらない結果があるかもしれませんから。

終わり
封鎖されたトンネル

https://matome.naver.jp/odai/2155292006408189401
2019年03月18日