損切りとは?
損切りという言葉を耳にした方も多いと思います。損失を最小限にとどめるために、損失額の少ない段階で株を処分すると言う意味です。株式投資の世界だけでなく、私たちの身の回りでもよく経験する事柄です。家の修繕、雨漏りがひどくならないうちに修理をお願いする。風をひいた、早めに医者に行けば、会社を休まずにすむ、といったことです。つまり、ひどくならないうちに早めに対応するということです。
損切り(ロスカット)で投資損失の拡大を防ごう | 株入門 ・やり方、始め方
実は、株式投資の世界では、この損切りができるかどうかが、利益を上げるための最大のポイントなのです。損切りができず、投資資金をなくして、株式市場から撤退する人が大勢います。株の世界でなぜ損切りが重要かというと、株価は常に変動し、損をすることもあれば利益を上げることもあるからです。
損切り(ロスカット)で投資損失の拡大を防ごう | 株入門 ・やり方、始め方
分かっていても中々できないのが損切り
「損をしてもいつかは回復するだろう」「今、株は値下がりしているが、そのうち値上がりするだろう」といった投資家の期待心理です。株の世界では「プロスペクト理論」という行動心理学で説明されますが、初心者にとって、難しい理論はともかく、「損は早めに処分する」ことを鉄則にして株式投資を始めたいものです。
含み損は今後も拡大するリスクがある
もっとも考えておきたいのはここです。購入額から大きく株価や為替が動いて塩漬け状態になっているとします。この水準で売ったら損がでるから、塩漬けにしおく、いつかは戻るだろう。という考えも確かにあります。
しかしながら、為替がゼロになることは考えにくくても、株の場合、倒産などによって株価的な価値がゼロに近づくリスクはあります。十分に下がったからこれ以上下がらないという理由は間違っていることが多いです。
今後株価が回復するだろうという確固たる見込みがあるのであれば塩漬け状態も問題ないかもしれませんが、そうした理由もなしに保有しておくのは、まだリスクを抱えているということを忘れてはいけません。
損切り(ロスカット)の重要性|Money Magazine
損切りのメリット
損切りは、なんと言っても損失を最小限にとどめることができる点が最大の利点です。利点というのはおかしいかもしれませんが、株で利益を上げるためには、損切りをいかに機敏に実行できるかということに尽きます。株式投資は、利益を得るために行うことはいうまでもありませんが、損切りを実施しなかったために、株価の下落は底なしになる恐れがあります。
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「買った銘柄の企業は有名会社だから、業績が悪くなることはないだろう」「財務内容がしっかりしているから、倒産することなどはないだろう」、そう考えて投資家は株を買います。新聞や雑誌などにも、そんな気配はまったくない。しかし、株価が最近ずるずる値下がりしている。そんな時は、何かあるのではないか、決算内容が悪い、あるいは、不祥事などが起きているのではないか、と疑うことが大事です。
損切り(ロスカット)で投資損失の拡大を防ごう | 株入門 ・やり方、始め方
損切りは損失の拡大を防ぐ効果がありますが、それとともに、資金効率がよくなる点を見逃せません。損切りを実行しないで、買った株をそのまま保有し、値上がりを待っている。そんな投資家も多くみられます。株の世界では「塩漬け株」といいます。塩漬け株が多くなると、株式投資に充当する資金の効率が悪くなります。損切りを早めに実行することによって、その銘柄の資金を他に振り向けることができます。よく投資家の間で「塩漬けはあくまで含み損であり、実際の損失ではない。いずれ値上がりすれば、売却して利益を確保できる」という人がいます。しかし、それは思い違いです。損切りによって、最小限の損失を確定するとともに、その資金を値上がり確率の高い銘柄の購入に充てることで、トータルとしての利益を確保できるのです。
損切り(ロスカット)で投資損失の拡大を防ごう | 株入門 ・やり方、始め方
損切りのデメリット
損切りのデメリットは、売却した銘柄がその後値上がりし、得られたはずの利益を得られなかったことでしょう。しかし、それは、悔しい思いをした投資家の心理的ダメージかもしれませんが、株式投資の目的は、株式投資額以上の利益を上げることです。個々の銘柄の利益、損失に一喜一憂すべきではありません。ある銘柄で損失を出しても、他の銘柄の利益が大きく、全体として、投資額以上の利益を上げることができれば、株式投資は成功しているといえます。 そのため、個々の銘柄に関して、1年以上の長期保有は考え物です。高度成長時代ならいざ知らず、現在のような安定成長時代には、株価の変動が大きくなり勝ちです。長期保有はリスクが高いといえるでしょう。
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初心者がやりがちな失敗
損切りできず、株を長期にわたって塩漬けにする人が後を絶ちません。その最大の理由は、先に述べたように、「株価はまた上昇するだろう」「損をしたくない」という投資家の期待心理、欲望です。それを克服するためには、自分で損切りラインを設定し、そのルールを徹底的に守ることです。損切りラインは、株を買うときに逆指値注文を出すことでも設定できます。逆指値注文をマスターすれば、リスクをかなり減らせるはずです。ただ、逆指値の場合は株価が指定した額以上になった場合に買い注文となります。指定金額以下で購入したい場合は、自動損切りツールを使った指値注文がおすすめです。
また、投資資金は、0円になってもよい金額しか投資しないことを肝に銘じます。つまり、生活資金や将来のための資金ではなく、完全に余裕のある資金のみを投資に充てることです。
「損切り推進派」と「損切り消極派」それぞれの論拠
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/5344