■はじめに
中でも種別は重要なもののひとつです。一棟にも区分にも、それぞれ良さがあれば悪い面もあります。このまとめでは、そんな一棟と区分の特徴についてご紹介したいと思います。
■そもそも「一棟」って? 「区分」って?
不動産投資を始めようといろいろ調べてみると、よく「一棟」とか「区分」って言葉が出てきますよね。それってどういう意味なんでしょうか?
「一棟」とは「マンションやアパート全室を所有すること」
「一棟」「区分」とはそれぞれどんな物件なのか|不動産・マイホーム・住宅なら住まいの大学
「区分」とは「マンションやアパートの一室だけを所有すること」
「一棟」「区分」とはそれぞれどんな物件なのか|不動産・マイホーム・住宅なら住まいの大学
一棟を選ぶのか、区分を選ぶのか。
どちらもメリットとデメリットを持っています。
最終的にどちらを選ぶかはあなた次第です。
このまとめがその判断の参考になれば幸いです!
■一棟のメリットって何があるの?
「一棟」と「区分」については理解できたでしょうか。
次に、一棟投資のメリットについてまとめてみました。
①収入金額が多い
一棟投資は、1物件から得られる家賃収入の金額が多くなり、区分投資と比べて多額の収入を得ることが可能です。
【初心者向け】一棟投資のメリット・デメリット、おすすめの投資方法 | 不動産投資コラム | 不動産投資情報サイト HEDGE GUIDE
一棟投資は1物件あたりの家賃収入の金額規模が大きくなるためキャッシュフローが良くなり、投資資金を回収するスピードも早いというメリットがあります。
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しかし、一棟では満室の場合、部屋数×家賃の収入を得ることができます。
②資産価値が高く、融資の面で有利
一棟投資では土地を所有することになるため、区分投資よりも投資対象の資産価値が高く評価され、高額融資を受ける可能性も高くなります。
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建物は耐用年数が経過すれば資産価値は大幅に減少するので、投資物件の資産評価において土地があるかないかで大きな差が生じます。
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一棟投資で建物と土地を所有すれば、築年数経過で建物の評価が下がっても土地の評価は下がりにくい傾向にあります(逆に上昇することもあります)。
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③運営の自由度が高い
一棟投資では、分譲していない場合、大規模修繕や改装などは所有者の意志で進めることができるので、建物の価値の維持・向上が図りやすくなります。
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一棟投資で建物の修繕をしっかり行い、オートロック、宅配ボックス設置など時代に合った改装をすることで資産価値を維持し、収益の低減も回避しやすくなるでしょう。
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このほか、一棟投資には「部屋を売却して資金を回収する」という自由度もあります。
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④収入がゼロになる可能性が低い
空室が出たとしても、家賃収入がゼロになりにくいという点も1棟投資の魅力の一つです。
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区分投資1物件だけの場合で空室が出てしまうと「0%か100%か」という極端な話になりますが、一棟投資はそのようなリスクを回避することができます。
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一棟の場合、全室空室なんてことにならない限り、収入を得ることができます。
しかし、区分を一部屋所有している場合はそうはいきません。空室になってしまうと、次の入居が始まるまで、収入の見込みがなくなってしまいます。
そう考えると、収入がゼロになりにくいというのはとても魅力的に感じます。
■じゃあ、区分のメリットって?
一棟のメリットについては理解できましたか?
対して、区分のメリットにはどういったものがあるのでしょうか。
①少ない資本で始められる
区分マンションは、少額から始められます。
区分所有と一棟マンションのメリットとデメリットを比較 – 不動産投資ブログ【三代目大家奮闘中】
少額といっても、ワンルームでも数百万円からの話にはなりますが、融資を受けずキャッシュで始めるとすれば、まるまる一棟マンションより区分所有からでしょう。
区分所有と一棟マンションのメリットとデメリットを比較 – 不動産投資ブログ【三代目大家奮闘中】
②管理の手間がかからない
管理は、マンションの管理組合や管理会社がやってくれますので、手間もかかりません。大家のやることは、家賃振込の確認と、入退去時の契約や立会、リフォームくらいのものです。
区分所有と一棟マンションのメリットとデメリットを比較 – 不動産投資ブログ【三代目大家奮闘中】
自分で行う作業は、方針の決定や支払いのみで、年間の作業時間は10時間にも満たないことも。
区分マンション/ワンルームマンション投資の失敗率を限りなく0%にするには
③リスク分散になる
二つ目、3つめと資産を増やしていくにしても、あちこち分散して所有しておけば、どこかのマンションで災害や事故があっても、被害は1戸だけですみますので、一棟買いよりリスクが少ないといえます。
区分所有と一棟マンションのメリットとデメリットを比較 – 不動産投資ブログ【三代目大家奮闘中】
また、物件の築年数などを考慮することで、修繕や税金などが集中することを防げたり、単身者向け・ファミリー向けなど多様な物件を購入することで、需要の急な低下を防げたりします。
区分マンション/ワンルームマンション投資の失敗率を限りなく0%にするには
地震や台風、豪雨など、いつ何が起きてもおかしくありません。
また、購入した物件で火災が発生しないとも限りません。
一棟だと被害はダイレクトになってしまいますが、区分の場合複数のエリアに分散して所有しておけばリスクを減らすことが可能です。
■一棟のデメリットってどんなもの?
一棟も区分もメリットは対照的ですね。
どちらもそれぞれ良さがあって、一棟にするか区分にするか悩んでしまいますね。
しかし、不動産投資には良いところばかりなわけではありません。
勿論、デメリットもあります。
まずは一棟のデメリットから見ていきましょう。
①必要な元手が多くなってしまう
一棟投資は土地および一棟分の建物を所有することになるため、投資資金が多額になります。
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一棟アパートなら数千万円以上、一棟マンションなら1億円以上といった投資額になります。また全額をフルローンで組める物件は少なくなります。頭金として2~3割程度求められるケースもあります。
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欲しい物件があっても、お金が足りなくて断念…ということもあり得ます。
②もし失敗してしまったときのリスクが大きい
一棟投資は投資金額が多額になるため失敗した場合のリスクが区分投資よりも大きくなります。
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一棟投資は投資資金が多額になりやすいことから区分投資のように複数物件に投資することが難しく、リスク分散が困難なのがデメリットです。
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周辺地域の環境変化で家賃水準の下落により、収入が大幅に減少するというリスクもあります。
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失敗しないためにも、物件の選定・業者選びなど、しっかり見極めることが大切です。
③流動性が低い(買い手が見つかりにくい)
一棟投資は投資額が大きいことから区分投資よりも買い手がつきにくいため、容易には売却できない可能性があります。
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さらに売出しから売却までの時間が多くかかり、売却資金を手にするまでの時間も長くなる可能性があります。
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勿論、良い物件であればあるほど買い手は見つかりやすいので、やはり物件選びは大切だといえるでしょう。
④維持管理費が高く、手間も多い
一棟投資では建物全体の維持・向上を図る必要があり、一定期間での大規模修繕や機能向上に向けた改装をする必要があります。そのため毎月の維持管理には膨大な経費がかかります。
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業務を管理会社へ委託することもできますが別途費用が必要です。とくに会社員であるオーナーにとって毎日の共用スペースの修理、防水工事、設備の点検など、こまかい維持管理業務の負担は小さくないでしょう。
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損害保険料、固定資産税や都市計画税も一棟投資のほうが高額になるので、物件によっては大きな負担になるでしょう。
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そのためにかかる費用のことも、きちんと考慮しておかなければいけません。
■そんなデメリットの対処方法は…?
でも、できるだけそのデメリットを最小限に抑えられたらいいですよね。
そんなデメリットの対処方法についてまとめてみました。
①一棟は長い目で見ると大きな利益を得られる
土地の所有権が持てるため建物が老朽化しても資産価値が落ちにくく自由に運用できるため将来の選択肢が増えます。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
その土地の将来性をしっかり見極めることができ、資金計画に余裕のある方にとっては絶好の投資スタイルでしょう。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
確かに、すぐに大金を手に入れたいという気持ちはわかりますが、将来大きな利益を得られるということを考えると目先の利益に眩んで失敗するなんてことは避けたいものです。
②保険に加入しておきましょう
一棟マンションの最も大きなデメリットがこのリスク分散の問題です。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
月々の負担が少々増しても火災保険や地震保険にしっかりと加入することが大切です。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
③家賃滞納は早急に対処しましょう
家賃を滞納していてもすぐに退去させることができず、一定期間の猶予と個人間での交渉が必要です。それでも滞納がつづく場合、初めて法的に対処できます。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
交渉がうまくいかない場合、弁護士などに相談し、滞納者に事の重大性を認識させることも有効でしょう。
不動産投資|一棟マンションのリスク・デメリット
デメリットに対応するには、あらかじめ準備しておくことが大切なんですね。
■区分のデメリットは何がある?
一棟のデメリットとその対処については理解していただけましたか?
次に、区分のデメリットについてまとめてみました。
①空室になった場合の影響が大きい
マンションの収益は家賃収入が中心となっています。そのため、空室期間は収入が入りません。
区分マンション/ワンルームマンション投資の失敗率を限りなく0%にするには
しかし、部屋の管理費・固定資産税などはかかるので、収支は「0」どころか「マイナス」に。さらにローンを立てている人は、収入がないため、返済が大きな負担になります。
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②家賃滞納があると収入がゼロになる
入居者がいても入居者の経済的な事情や性質的な事情など家賃滞納されていると収入に繋がりません。
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③修繕費が別途必要になる
修繕積立金がしっかりと回収されていなかった場合、足りない分を一括で支払うことがあります。その金額は数100万円にも上ることも。
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④差別化が難しい
区分マンションは、同じ棟内の部屋と差別化が難しいのがデメリットとなっています。
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そのため、賃貸料を下げることによる差別化が起こりやすく、徐々に利回りが低下してしまう危険性があるのです。賃貸料の低下は、住民の質を下げる要因にもなり、負のスパイラルに陥る可能性もあります。
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⑤節税効果は長続きしない
節税の恩恵を受けられるのは、設備を費用にできるはじめの数年だけ。長期になっていくほど、管理費・修繕日・固定資産税・都市計画税など実際にかかる経費の負担が、節税できる金額より大きくなってしまいます。
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■そんな区分のデメリットを回避するためにはどうすればいいの?
不動産投資をするにあたり、できるだけデメリットは回避しておきたいところですよね。
そこで、どうすれば回避できるのか、まとめてみました。
①空室になりにくい物件を選びましょう
立地・物件に需要があるかどうか検討することが大切。いくら立地が良いからといっても、需要がなければ入居者は入りません。念入りに下調べを行いましょう。
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②入居者の選定はしっかりしましょう
定職についているか・収入はいくらかなどの条件を定めるなどして、家賃をきちんと払ってくれそうな入居者の選定を行うと良いでしょう。
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賃貸管理代行業者に依頼して、家賃保証サービスや滞納保証サービスを利用するのも手です。
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③修繕費を考慮して予算は考えましょう
中古マンションを購入する際には、修繕時期はいつなのか・積立金はいくらあるのかなどを調べておきましょう。
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④エリアを検討して購入しましょう
ワンルームマンションは、価格で選ぶ人がほとんどなので、価格競争が起こりやすいのが現状です。
区分マンション/ワンルームマンション投資の失敗率を限りなく0%にするには
このリスクを回避するためには、物件購入時にエリアの将来性を考慮することが重要。様々な情報を集めて、シミュレーションを行いましょう。
区分マンション/ワンルームマンション投資の失敗率を限りなく0%にするには
■では、一棟の投資に向いている人って?
ここまで一棟と区分のメリット・デメリットについてみてきましたが、では自分はどっちが向いているんだろうと思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、一棟の投資に向いている人についてまとめてみました。
①積極的に現地に足を運ぶ人
大切なのは、現地に足を運んで自分の目で確認するということ。
一棟マンション投資に向いている人の特徴まとめ
最寄り駅からのアクセスや、治安の良さ、近隣の騒音も含めて厳重にチェック。単身世帯をターゲットにするのであれば一人で通える飲食店が近くにあるのか、家族をターゲットにした場合、公園やスーパーが近くにあるのかなど、さまざまな条件を想定し確認を行います。
一棟マンション投資に向いている人の特徴まとめ
では、物件調査の際は具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか?